クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1637.6億 | ¥965.0億 | +69.7% |
| 営業利益 | ¥278.7億 | ¥189.3億 | +47.2% |
| 経常利益 | ¥259.0億 | ¥171.3億 | +51.1% |
| 純利益 | ¥167.1億 | ¥113.6億 | +108.2% |
| ROE | 19.0% | 29.7% | - |
Executive Summary
2026年8月期は売上高が前期比+69.7%と大幅に伸び、各段階利益も増益となった一方、営業CFが赤字に転じ、利益の現金化が最大の論点となった。売上高は1,637.6億円(前年965.0億円)、営業利益は278.7億円(同+47.2%)、経常利益は259.0億円(同+51.1%)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は166.9億円(同+62.9%)である。増収に対して売上総利益率が37.8%から33.1%へ低下し、営業利益率は19.6%から17.0%に下がった。営業CFは△167.7億円(前期+68.9億円)で、販売用不動産などの棚卸資産が263.4億円増加したことが主因である。
業績変動要因
【売上高】売上高は672.6億円増加し、前期比+69.7%となった。単一セグメント(不動産コンサルティング事業)のため、セグメント別の構成比は開示されていない。売上の拡大に合わせて販売用不動産は363.8億円から648.9億円へ+78.4%増加しており、事業規模の拡大が在庫の積み上がりを伴っている。
【損益】売上総利益は541.8億円で、増加率+48.7%は増収率を下回り、粗利率は33.1%と4.7pt低下した。販管費は263.2億円で、販管費率は18.1%から16.1%へ約2.0pt改善し、粗利率低下の一部を吸収した。営業外では為替差益10.6億円を計上し、支払利息は27.2億円(前期13.1億円)へ増加した。特別利益には負ののれん発生益14.8億円、特別損失には減損損失8.1億円があり、これらは一時的要因である。特別損益の純額は約1.9億円の損失で、経常利益から税引前利益257.1億円への影響は小さい。結論として増収増益だが、利益率は低下した。
主要財務指標
【収益性】ROEは19.0%、営業利益率は17.0%(前期19.6%)、純利益率は10.2%である。ROAは経常利益ベースで15.1%(前期17.2%)となった。純資産が381.9億円から878.4億円へ増えたことで、自己資本比率は39.5%に上昇している。【キャッシュ品質】営業CFは△167.7億円で、運転資本変動前の小計も△50.5億円である。棚卸資産増加△263.4億円、法人税等の支払△87.1億円、利息の支払△31.2億円が影響した。営業CFは親会社株主帰属純利益166.9億円を下回り、利益の現金化は進んでいない。【投資効率】設備投資は121.8億円で、減価償却費19.6億円の約6.2倍である。有形固定資産は129.1億円から461.1億円へ拡大しており、今後の収益化が焦点となる。【財務健全性】流動比率は236.3%だが、流動資産には販売用不動産648.9億円が含まれる。現預金417.9億円に対し、短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還社債の合計は436.8億円で、現預金はこれを約0.96倍カバーする。BPSは3,531.57円である。
キャッシュフロー分析
営業CFは△167.7億円と、前期の+68.9億円から大きく悪化した。主因は棚卸資産増加△263.4億円で、前渡金の増加△48.3億円と売上債権の増加△25.1億円も加わった。投資CFは△314.8億円で、設備投資121.8億円に加え、子会社株式取得に59.3億円を支出している。営業CFと投資CFを合算したFCFは△482.4億円となった。これを財務CF+653.4億円で補い、内訳は株式発行による調達347.0億円と長期借入金の調達658.99億円などである。期末現預金は417.9億円と前期末から177.7億円増加した。資金創出の大半が外部調達に依存しており、在庫の現金化が資金循環の鍵となる。
収益の質
増益は事業拡大に支えられているが、営業CFが純利益を下回る点で、現金の裏付けは弱い。営業CF/親会社株主帰属純利益は△1.00倍、営業CF/EBITDAは△0.56倍である。営業外収益16.9億円のうち為替差益が10.6億円を占め、再現性は限定的である。営業外費用36.6億円は支払利息27.2億円と支払手数料8.2億円が中心で、借入拡大に伴い負担が増している。特別損益は負ののれん発生益14.8億円と減損損失8.1億円を含むが、差引では小さい。包括利益は176.3億円で、純利益167.1億円との差は為替換算調整額10.3億円が主因であり、乖離は限定的である。アクルーアルの観点では、不動産在庫の積み上がりが利益と現金の差を生んでおり、販売進捗が質の確認点となる。
業績予想・ガイダンス
翌期予想は売上高2,200億円(+34.3%)、営業利益410億円(+47.1%)、経常利益360億円(+39.0%)、親会社株主帰属純利益240億円(+43.8%)である。予想営業利益率は約18.6%で、当期の17.0%から1.6pt高い。利益率の回復が織り込まれており、期末に積み上がった販売用不動産の販売と採算が達成度を左右する。
予想EPSは976.85円である。
株主還元
当期の年間配当は1株165円(中間配当なし、期末165円)で、配当性向は24.3%である。現金配当支払額は23.7億円で、FCF△482.4億円の下では配当は外部調達を含む資金で賄われた構図となる。翌期の予想配当は200円(+35円)で、予想EPS976.85円に対する配当性向は約20.5%である。2025年9月1日付で1株を2株とする株式分割が行われており、2025年8月期の配当金は分割前の金額で記載されている。
リスク要因
-
不動産在庫の回収リスク: 販売用不動産は648.9億円で総資産の約29.2%を占める。販売時期や価格が変動すると、利益と営業CFの双方に影響する。
-
借換え・金利負担リスク: 短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還社債の合計436.8億円は現預金417.9億円を上回る。支払利息は27.2億円と前期の約2.1倍で、回収遅延時は借換え依存度が高まる。
-
採算低下リスク: 売上高+69.7%に対し粗利率は4.7pt低下した。有形固定資産も+257.1%と急増し、当期は減損損失8.1億円を計上している。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 17.0% | 10.6% (6.6%–18.5%) | +6.4pt |
| 純利益率 | 10.2% | 6.8% (3.9%–11.6%) | +3.4pt |
営業利益率、純利益率とも業種中央値を上回り、IQR内の上位寄りに位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 69.7% | 13.0% (4.1%–29.7%) | +56.7pt |
売上高成長率は業種IQR上限29.7%を大きく上回る水準にある。
※出所: 当社集計
決算上の注目ポイント
-
営業利益は+47.2%の増益だが、営業利益率は19.6%から17.0%へ低下した。増収の中で粗利率が4.7pt下がっており、成長の質は採算面で確認が必要である。
-
営業CFは△167.7億円、FCFは△482.4億円で、利益成長と資金創出が乖離している。販売用不動産の販売・回収の進捗が、今後の決算での注目点となる。
-
増資により純資産は878.4億円へ拡大し、自己資本比率は39.5%となった。一方、1年内返済予定の長期借入金は337.9億円に増加しており、返済期限と現預金の推移が財務面の確認点である。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 5,666円 |
| base(基準) | 5,909円 |
| bull(強気) | 6,112円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 3,532円 |
| 調整後予想EPS | 1,044.1円 |
| 株主資本コスト r | 9.99%(10年国債 2.99% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 20.5% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.062(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.67倍 / 5.7倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 5,734円〜6,093円、ω±0.1で 5,842円〜6,012円。
注記:
- のれん償却 6.2円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-09 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。