記事一覧に戻る
33912027 第2四半期プライムJGAAP

ツルハホールディングス(3391) 2027年度第2四半期決算

2027年度第2四半期の売上高は1兆2,755億円(前年同期比+128.7%)、営業利益は547.7億円(同+92.6%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

小売/小売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥12755.1億¥5578.3億+128.7%
営業利益¥547.7億¥284.4億+92.6%
経常利益¥548.5億¥288.2億+90.3%
純利益¥314.6億¥219.7億+43.2%
ROE(年換算)6.9%4.9%-

Executive Summary

大幅な増収増益となった一方、営業CFがマイナスに転じ、利益の現金化が今期決算の最大の論点である。売上高は1兆2,755.1億円(前年比+128.7%)、営業利益は547.7億円(同+92.6%)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は302.5億円(同+48.5%)で、連結の当期純利益は314.6億円(同+43.2%)である。増収率が増益率を上回り、営業利益率は5.1%から4.3%へ低下した。粗利率は改善したが、販管費率の上昇が利益率を押し下げた。

業績変動要因

【売上高】売上高は前年同期の5,578.3億円から1兆2,755.1億円へ拡大し、+128.7%となった。増加幅は大きく、連結範囲の変化などの影響が含まれる可能性がある。ただしセグメント別や既存店の開示はなく、要因の区分はできない。基調的な成長率として外挿するには、比較条件の確認が必要である。

【損益】粗利率は30.3%から30.9%へ約0.6pt改善した。一方、販管費率は25.2%から26.6%へ約1.4pt上昇し、営業利益率は4.3%と約0.8pt低下した。売上拡大に対し、固定費の吸収が追いついていない構図である。特別利益20.3億円(うち投資有価証券売却益11.6億円)と特別損失18.9億円はほぼ相殺された。前年は特別利益68.9億円で、その剥落が税引前利益の伸び(+62.8%)を営業利益の伸びより小さくした。実効税率は42.8%(235.2億円÷549.9億円)で、前年の約35.0%を上回り、純利益の伸びをさらに抑えた。以上より、増収増益である。

主要財務指標

【収益性】ROE(年換算)は6.9%、営業利益率は4.3%、粗利率は30.9%である。EPS(基本)は66.75円で、前年の83.64円から20.2%低下した。これは2025年9月の1対5の株式分割が前年値に遡及されていない可能性もあり、単純比較には留意が必要である。【キャッシュ品質】営業CFは-170.2億円で、前年の+471.0億円から反転した。運転資本変動前の営業CF小計は70.4億円にとどまる。親会社株主帰属純利益に対する営業CFの比率は-0.56倍で、利益の現金化は進んでいない。【投資効率】設備投資は183.4億円で、減価償却費189.7億円とほぼ同水準(0.97倍)である。FCFは-369.2億円となった。【財務健全性】自己資本比率は57.8%(前年末は異なる定義のため参考値で53.1%)、流動比率は141.4%、当座比率は73.3%である。のれんは4,422.8億円で、純資産の48.2%、総資産の27.8%を占める。現金及び預金は1,414.4億円で、前年同期の2,021.3億円から606.9億円減少した。

キャッシュフロー分析

営業CFは-170.2億円と赤字に転じ、主因は仕入債務の減少716.8億円の流出である。売上債権の増加161.3億円も流出要因となった。棚卸資産の減少による61.9億円の流入では補えず、法人税等の支払も226.1億円(前年同期58.0億円)に増えた。設備投資183.4億円を加えたFCFは-369.2億円である。財務CFは-238.7億円で、長期借入金の返済509.2億円を借入430.0億円が一部補った。配当支払は104.5億円、リース債務返済は68.6億円である。現金同等物は前年同期の2,013.1億円から1,406.9億円へ減少した。この結果、現金の取り崩しで投資・配当・返済を賄う構図となっている。仕入債務の変動は支払条件や仕入水準の変化に左右されるため、下期に営業CFが回復するかが焦点である。

収益の質

経常利益548.5億円と営業利益547.7億円の差は小さく、利益の大半は本業に由来する。営業外収益は29.5億円、営業外費用は28.7億円(うち支払利息23.5億円)でほぼ均衡している。特別損益は利益20.3億円、損失18.9億円と小幅で、一時的要因の影響は限定的である。前年は投資有価証券売却益66.8億円があり、前年比較では特別利益の剥落が影響している。包括利益は303.3億円で、当期純利益314.6億円との差は-11.3億円である。主因は有価証券評価差額金(-8.0億円)と退職給付に係る調整額(-3.1億円)で、乖離は小さい。一方、営業CFが-170.2億円で、純利益との差が大きい。このアクルーアル(会計利益とCFの差)の大きさは、運転資本、特に仕入債務の動きに起因する。利益の質は、運転資本が正常化するかで評価が分かれる。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高2兆5,550.0億円、営業利益994.0億円、経常利益981.0億円で、上期の進捗率はそれぞれ49.9%、55.1%、55.9%である。親会社株主帰属純利益の予想は415.0億円で、上期302.5億円の進捗率は72.9%と高い。達成には下期112.5億円で足りる計算となり、下期の利益水準が上期を下回る前提を示す。予想EPSは91.62円である。当四半期での業績予想の修正はない。

株主還元

第2四半期末の配当は1株24円(株式分割前ベース)である。期末配当予想は株式分割後で48円となる。年間合計は分割の影響で単純合算できず、資料上も表示されていない。株式分割を考慮しない場合の期末配当は115円、年間配当は248.5円と注記されている。上期の配当支払額は104.5億円で、親会社株主帰属純利益に対する比率は約34.5%である。自社株買いは0.0億円で、総還元性向は配当性向とほぼ同水準である。一方、上期のFCFは-369.2億円で、配当は現預金の取り崩しで賄われた。配当の持続性は、下期の営業CF回復と現預金水準を合わせて確認する必要がある。

リスク要因

  1. 利益の現金化: 営業CFは-170.2億円、FCFは-369.2億円で、現預金は前年同期比606.9億円減少した。当座比率73.3%と合わせ、仕入債務の決済と在庫の現金化が資金繰りの鍵となる。

  2. のれん集中: のれんは4,422.8億円で、純資産の48.2%を占める。上期ののれん償却は123.4億円である。事業収益性が想定を下回れば、減損が資本に与える影響は大きい。

  3. 販管費率の上昇と税負担: 販管費率は前年同期比約1.4pt上昇し、営業利益率は約0.8pt低下した。実効税率42.8%も純利益の伸びを抑えた。固定費の吸収と税負担の動向が、利益率の水準を左右する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.3%3.1% (1.2%–5.9%)+1.2pt
純利益率2.5%2.1% (0.6%–4.2%)+0.4pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回り、IQRの範囲内に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)128.7%5.2% (1.2%–10.9%)+123.5pt

売上高成長率は業種のIQR上限を大きく超える水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 大幅増収増益の一方、営業利益率は5.1%から4.3%へ低下した。粗利率は改善したが販管費率が上昇しており、規模拡大が利益率の改善につながっていない点が注目される。

  2. 営業CFは-170.2億円、FCFは-369.2億円となった。仕入債務の減少716.8億円が主因で、利益と現金創出に乖離がある。下期の営業CFの動向が業績の質を判断する材料となる。

  3. 通期の親会社株主帰属純利益予想に対する進捗率は72.9%と高い。のれんは純資産の48.2%を占め、償却負担も大きい。予想の達成度は、現金創出力と合わせて確認が必要である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,828円
base(基準)1,885円
bull(強気)1,888円
算出前提値
1株純資産(BPS)1,974円
調整後予想EPS155.2円
株主資本コスト r9.49%(10年国債 2.99% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向52.4%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.96倍 / 12.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,834円〜1,939円、ω±0.1で 1,883円〜1,887円。

注記:

  • のれん償却 54.4円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 通期予想に対する純利益の進捗(73%)が標準(50%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 42%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 純資産に対するのれんの比率が高く、減損が発生した場合は前提が大きく変わります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-09 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。