クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥54602.7億 | ¥56166.4億 | −2.8% |
| 営業利益 | ¥2322.8億 | ¥2083.9億 | +11.5% |
| 経常利益 | ¥2219.2億 | ¥1864.4億 | +19.0% |
| 純利益 | ¥1251.7億 | ¥1275.6億 | −1.9% |
| ROE(年換算) | 6.7% | 7.0% | - |
Executive Summary
2026年度中間期(2026年3月〜8月)は減収ながら営業増益で、海外コンビニ事業の大幅増益が国内事業の減益を補った決算である。売上高(営業収益)は54,602.7億円(前年比△2.8%)、営業利益は2,322.8億円(同+11.5%、+238.9億円)、経常利益は2,219.2億円(同+19.0%)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は1,244.4億円(同+2.2%)にとどまった。連結当期純利益(非支配株主分を含む)は1,251.7億円(同△1.9%)である。営業増益が最終利益に十分波及しなかった主因は、特別損失541.3億円(うち減損損失229.8億円)の計上にある。売上高の減少には、その他の事業の営業収益が9,342.3億円から261.7億円へ縮小した影響が大きい。連結の前年比だけでは継続事業の需要動向を測りにくい。
業績変動要因
【売上高】売上高は前年比△2.8%の減収で、その他の事業の縮小が主因である。その他の事業は9,342.3億円から261.7億円へ減少した。一方、海外コンビニ事業は49,666.1億円(+17.7%)、国内コンビニ事業は4,666.1億円(+1.1%)と増収だった。所在地別では北米が4,604,084百万円で前年の3,939,455百万円から約16.9%増えた。決算説明資料によれば、ヨークHD・セブン銀行の非連結化を調整した実質ベースの営業収益は前年比116.3%である。
【損益】営業利益率は4.3%となり、前年の3.7%から約0.5pt改善した。販管費は1,499.0億円から1,262.9億円に減少し、販管費率は低下した。海外コンビニ事業の営業利益は1,504.2億円(+87.7%)に増えた。決算説明資料によると、ガソリン事業の垂直統合効果が寄与し、SEIガソリン事業は営業利益で+398百万ドルの寄与となった。国内コンビニ事業は1,099.0億円(△9.8%)で、資料ではシステム費用増が減益要因とされる。
一時的要因として、特別損益は差引で477.8億円の損失(前年は171.3億円の利益)となった。前年には固定資産売却益393.6億円があった。経常利益と親会社株主に帰属する純利益の乖離は約44%で、特別損失と法人税等489.7億円が要因である。以上より、増収ではなく減収だが営業・経常は増益、最終は小幅増益の「減収増益」である。
セグメント別分析
主力事業は海外コンビニエンスストア事業で、外部顧客向け売上高49,666.1億円(前年比+17.7%)は連結の約91%を占める。営業利益は1,504.2億円(+87.7%)、利益率は3.0%で、連結営業利益の増加を牽引した。決算説明資料では、ガソリン垂直統合効果により営業利益が+702億円となっている。
国内コンビニ事業は売上高4,666.1億円(+1.1%)に対し、営業利益は1,099.0億円(△9.8%)、利益率23.6%である。前年中間期の26.4%(組替後の営業利益1,217.9億円を売上4,615.7億円で除した値)から約2.8pt低下した。国内の利益率は海外を約20.6pt上回る。利益水準が高い国内の減益と、低利益率の海外の増益が併存する構図である。 その他の事業は営業利益27.5億円(前年414.2億円)に縮小した。調整額は△307.9億円である。
主要財務指標
【収益性】ROE 6.7%(年換算)、営業利益率4.3%(前年3.7%)、EPS(基本)54.26円(前年47.83円) 【キャッシュ品質】営業CF/親会社株主帰属純利益 2.71倍、FCF(営業CF+投資CF)1,687.9億円 【投資効率】設備投資/減価償却費 0.85倍(1,583.0億円/1,861.6億円) 【財務健全性】自己資本比率39.4%(前年39.6%)、流動比率86.6%
キャッシュフロー分析
営業CFは3,370.8億円と前年比△11.8%だが、利益の現金裏付けは十分ある。
- 営業CF: 3,370.8億円(運転資本変動前4,278.1億円)。売上債権△366.2億円、棚卸資産△321.3億円、仕入債務+755.1億円。
- 投資CF: △1,682.9億円(設備投資1,583.0億円が主因)。前年の△8,833.6億円からは大幅に縮小した。
- 財務CF: △1,760.5億円(自社株買い4,000.0億円、配当578.3億円など)。
- FCF: 1,687.9億円(営業CF+投資CF)。営業CFから設備投資を引くと1,787.8億円。
- 現金創出評価: 強い。ただし配当と自社株買いの合計約4,578億円はFCFを上回る。
収益の質
営業段階の利益は改善したが、最終利益は特別損益の影響を強く受けている。経常利益2,219.2億円に対し、親会社株主に帰属する純利益は1,244.4億円である。一時的項目は特別損失541.3億円(減損損失229.8億円、固定資産除却損92.1億円を含む)と特別利益63.5億円(固定資産売却益26.9億円を含む)である。営業外収益151.7億円は売上高の約0.3%にとどまり、収益の中心ではない。営業CFは純利益を大きく上回る。ただし運転資本では売上債権と棚卸資産が増加し、仕入債務の増加がこれを補った。包括利益は2,447.7億円で、為替換算調整額1,189.1億円が押し上げており、純利益との乖離は主に為替の円安効果による。
業績予想・ガイダンス
上期の営業利益は通期予想の54.7%まで進捗し、最終利益だけが標準進捗を下回る。通期予想は売上高104,300億円、営業利益4,250億円、経常利益3,900億円、親会社株主に帰属する純利益2,780億円で、当四半期の修正はない。進捗率は売上高52.4%、営業利益54.7%、経常利益56.9%、純利益44.8%である。標準の50%から±10pt以上乖離する項目はない。純利益は下期に約1,535.6億円が必要で、上期比で約23.4%増となる。決算説明資料の前提為替は通期でU.S.$1=157.00円である。
株主還元
当期は配当に加え大規模な自社株買いを実施しており、還元はFCFを上回る水準である。中間配当は1株30円で、通期予想は60円(前年中間は25円)。配当支払額は578.3億円である。自社株買い(キャッシュフロー上)は4,000.0億円で、これを加えた総還元額は約4,578億円となる。親会社株主帰属純利益1,244.4億円に対する総還元性向は約368%である。決算説明資料によれば、第三者割当3,000億円も実施され、2030年度までに自己株式取得1.3兆円が残る計画で、累進配当方針が示されている。
カタリスト
【短期】
- 下期の最終利益1,535.6億円の達成状況
- 国内コンビニ事業のシステム費用増の一巡(資料では第4四半期予定)
- 7NOWの拡大(上期売上550百万ドル、前年比+15.6%)
【長期】
- SoftBank・PayPay・LINEヤフー・三井住友カードとの顧客ID統合・ストアポイント導入(FY2027下期〜)
- SEIの店舗網最適化(フランチャイズ転換390店、ガソリン卸売転換350店の計画)
- 2030年度までの自己株式取得計画(残1.3兆円)
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 4.3% | 3.1% (1.2%–5.9%) | +1.1pt |
| 純利益率 | 2.3% | 2.1% (0.6%–4.2%) | +0.2pt |
収益性は営業利益率・純利益率とも小売業の中央値を上回り、四分位範囲の中位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | −2.8% | 5.2% (1.2%–10.9%) | −8.0pt |
売上高成長率は中央値を8.0pt下回り、四分位範囲の下限(1.2%)よりも低い。
※出所: 当社集計
リスク要因
-
海外事業への集中: 連結売上高の約91%を海外コンビニ事業が占める。同事業の営業利益率は3.0%と低く、北米の消費動向、人件費・地代家賃のインフレ、ガソリン市況の影響が連結利益を左右する。資料にはガソリンクレジットカード手数料の増加52百万ドルも挙がっている。
-
流動性と債務構成: 流動比率は86.6%で、運転資本は△2,578.8億円である。1年内返済予定の長期借入金は4,082.1億円、1年内償還社債は600.0億円で、現金及び預金4,402.0億円と並ぶ水準にある。インタレストカバレッジ(営業利益/支払利息)は16.4倍で、利払い余力はある。
-
のれんと国内の減益: のれん21,187.3億円は純資産の56.7%に相当し、海外事業の収益見通しの変化が資本に影響し得る。国内コンビニ事業は利益率が約2.8pt低下している。
決算上の注目ポイント
-
営業利益の改善は海外事業主導で、国内の減益と併存している。営業利益率は3.7%から4.3%へ改善した。国内のシステム費用増は資料上、第4四半期で一巡する見込みである。
-
最終利益は特別損失の影響を受けた。営業利益の進捗率は54.7%だが、純利益は44.8%で、下期に特別損益が落ち着くかが通期予想の達成度を左右する。
-
株主還元は財務余力を上回るペースで実施された。FCF1,687.9億円に対し、配当と自社株買いの合計は約4,578億円である。自己資本比率は39.6%から39.4%へほぼ横ばいで、還元と財務体質の推移が観察点となる。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,719円 |
| base(基準) | 1,756円 |
| bull(強気) | 1,792円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,635円 |
| 調整後予想EPS | 189.3円 |
| 株主資本コスト r | 8.99%(10年国債 2.99% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 49.2% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.030(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.07倍 / 9.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,707円〜1,806円、ω±0.1で 1,753円〜1,760円。
注記:
- のれん償却 63.7円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
- 純資産に対するのれんの比率が高く、減損が発生した場合は前提が大きく変わります。
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-09 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。