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33152027 第1四半期プライムJGAAP

日本コークス工業(3315) 2027年度第1四半期決算 減収17%

2027年度第1四半期の売上高は201.9億円(前年同期比-16.7%)、営業損失は2.6億円。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

エネルギー資源/石油・石炭製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥201.9億¥242.4億−16.7%
営業利益−¥2.6億−¥7.4億+64.5%
経常利益−¥6.4億−¥8.1億+20.7%
純利益−¥7.0億−¥11.6億+40.0%
ROE−2.0%−3.3%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は減収の一方で損失幅が縮小し、収益構造の改善途上にあることを示す決算となった。売上高は201.9億円で前年同期比16.7%減、コークス事業の販売数量・価格の落ち込みが全社減収の主因である。営業損失は2.6億円と前年同期の7.4億円から縮小し、経常損失も6.4億円(前年8.1億円)、純損失は7.0億円(前年11.6億円)へといずれも改善した。もっとも粗利率6.8%・営業利益率マイナス1.3%は依然として低水準であり、通期会社予想(営業利益36.0億円)に対する第1四半期進捗はマイナス7.3%にとどまる。

業績変動要因

【売上高】全社売上高は201.9億円で前年同期比16.7%減。主因はコークス事業の120.8億円(同23.7%減)で、全社減収の大半を占める。燃料・資源リサイクル事業は52.7億円(同0.3%減)とほぼ横ばい、総合エンジニアリング事業は22.8億円(同8.0%減、開示ベースの外部売上は19.4億円で同4.3%増)と底堅い。その他事業は10.2億円(同25.2%減)。

【損益】営業損失は2.6億円で前年同期7.4億円から64.5%改善。コークス事業のセグメント損失が7.0億円(前年14.1億円)へ縮小したことが最大の要因で、燃料・資源リサイクル事業(利益3.9億円)と総合エンジニアリング事業(利益4.1億円、同14.2%増)が下支えした。経常損失は6.4億円で、支払利息3.0億円を含む営業外費用4.9億円が営業段階の改善を一部相殺している。特別損益は利益2.5億円・損失2.8億円が拮抗し純損益への影響は限定的。結論として、減収ながら損失縮小という減収増益的な構図であり、コークス事業の採算改善が全社収益回復の鍵となっている。

セグメント別分析

コークス事業は売上120.8億円(前年比23.7%減)、セグメント損失7.0億円(前年損失14.1億円)で、赤字幅は縮小したものの依然として全社損益の中核的な下押し要因である。燃料・資源リサイクル事業は売上52.7億円(同0.3%減)、利益3.9億円(同39.7%減、利益率7.5%)と減益。総合エンジニアリング事業は売上22.8億円、利益4.1億円(同14.2%増、利益率18.1%)と全セグメント中最も高い収益性を維持した。三美鉱業の石炭採掘事業撤退に伴い区分が「燃料・資源リサイクル事業」から「その他」へ変更されており、前年同期比は変更後区分で比較可能である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率はマイナス1.3%で前年同期のマイナス3.1%相当から改善したが黒字化には至っていない。粗利率6.8%に対し販管費率8.1%であり、粗利段階で販管費を吸収できていない構造が営業赤字の根本要因である。純利益率はマイナス3.5%、ROEはマイナス2.0%にとどまる。【キャッシュ品質】特別利益2.5億円と特別損失2.8億円がほぼ相殺し、純損益への一時的要因の影響は限定的である一方、営業外費用(支払利息3.0億円)が経常損失を押し下げている。【投資効率】総資産1282.8億円に対し有形固定資産が763.5億円と59.5%を占め、資本集約度の高い事業構造が収益回復の遅効性につながりやすい。【財務健全性】自己資本比率は26.5%で前年の27.5%からやや低下、流動資産474.5億円に対し流動負債573.5億円と流動比率は1倍を下回る水準にある。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別開示はないが、BS推移から資金動向をみると、現金及び預金は56.7億円で前年同期の63.9億円から減少しており、手元流動性はやや低下している。短期借入金は387.4億円、長期借入金は293.5億円で有利子負債合計は680.8億円に達し、純資産340.3億円に対して負債依存度が高い財務構成となっている。棚卸資産は138.3億円、原材料が154.7億円と高水準で、運転資本に資金が滞留している可能性がある。営業損失が継続するなかで借入金への依存が資金繰りを支える構図がうかがえ、収益回復に伴う運転資本の圧縮が資金効率改善の課題となる。

収益の質

当期の損益は経常的な事業損益の改善と限定的な一時的要因から構成されている。特別利益2.5億円(固定資産売却益0.3億円等)と特別損失2.8億円(固定資産除却損2.1億円)がほぼ拮抗しており、純損益への影響は小さい。営業外損益は受取配当金0.4億円などの収益に対し、支払利息3.0億円を含む費用4.9億円が上回り、経常段階の損失拡大要因となっている。包括利益はマイナス7.7億円で親会社株主に帰属する当期純損失マイナス7.0億円とほぼ整合しており、有価証券評価差額金など評価性項目による乖離は小幅にとどまる。全体として、損益の変動要因は一時的項目よりも本業の粗利水準の低さと金融費用に起因しており、収益の質は本業の構造的な改善が伴わない限り不安定さを残す。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高1016.0億円(前年比11.2%増)、営業利益36.0億円(同493.1%増)、経常利益20.0億円、EPS予想1.72円であり、業績予想・配当予想の修正はいずれも無しである。第1四半期の売上高進捗率は19.9%で、単純な25%基準を下回る。営業利益は第1四半期時点で2.6億円の損失であり、通期予想に対する進捗はマイナス7.3%にとどまる。通期計画の達成には下期にかけてコークス事業の採算改善と固定費吸収の進展が必要になる。

株主還元

2027年3月期の配当については未定であり、開示が可能となった時点で速やかに公表するとされている。前年同期の1株当たり配当実績は0円であった。現時点で配当性向・総還元性向を算定できる確定的な配当情報はない。

リスク要因

  1. コークス事業の収益性リスク: 売上高120.8億円に対しセグメント損失7.0億円(利益率マイナス5.8%)で、原料炭価格や需要動向、稼働率の変動が全社損益を左右する構造にある。

  2. 財務健全性・流動性リスク: 流動比率は流動資産474.5億円/流動負債573.5億円で1倍を下回り、短期借入金387.4億円を含む有利子負債680.8億円、自己資本比率26.5%と、金利負担・借換え条件への依存度が高い。

  3. 粗利水準の低さと固定費吸収リスク: 粗利率6.8%に対し販管費率8.1%であり、原燃料価格の転嫁が不十分な局面では営業赤字が再拡大しやすい構造にある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率−1.3%8.7% (4.2%–14.3%)−10.0pt
純利益率−3.4%7.1% (3.2%–10.6%)−10.6pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、営業・純利益率とも赤字圏にとどまる。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−16.7%6.2% (-1.1%–14.6%)−22.9pt

売上高成長率も業種中央値を大幅に下回り、コークス事業の減収が業種内での相対的な劣位要因となっている。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業損失は前年同期から4.8億円縮小したが、営業利益率はなおマイナス1.3%であり、赤字幅縮小の持続性が今後の決算で確認すべき論点である。

  2. セグメント別では総合エンジニアリング事業と燃料・資源リサイクル事業が黒字を維持する一方、コークス事業の損失が全社損益を規定しており、同事業の採算動向が業績の方向性を左右する。

  3. 通期会社予想は下期への大幅な収益改善を織り込んでおり、第1四半期の進捗率(営業利益マイナス7.3%)との乖離、および高い有利子負債依存度は、今後の決算データで継続的に確認すべきポイントである。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)91円
base(基準)92円
bull(強気)92円
算出前提
1株純資産(BPS)117円
調整後予想EPS2.0円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.150(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.78倍 / 46.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 89円〜94円、ω±0.1で 91円〜92円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 14%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。