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32892027 第1四半期プライムJGAAP

東急不動産ホールディングス(3289) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は2,858億円(前年同期比-0.8%)、営業利益は465.9億円(同+12.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

不動産/不動産業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2857.7億¥2879.8億−0.8%
営業利益¥465.9億¥413.3億+12.7%
経常利益¥407.2億¥375.1億+8.6%
純利益¥262.7億¥307.4億−14.5%
ROE(年換算)11.3%13.4%-

Executive Summary

営業増益ながら最終減益となった決算であり、純利益減の主因は前年の一過性利益剥落にある。売上高は2857.7億円(前年比-0.8%)、営業利益は465.9億円(同+12.7%)、経常利益は407.2億円(同+8.6%)、純利益は262.7億円(同-14.5%)となった。売上総利益率の改善が営業利益を押し上げた一方、前年同期に計上された子会社株式売却益等の反動で最終利益は減少した。

業績変動要因

【売上高】売上高は2857.7億円で前年比-0.8%とほぼ横ばい。セグメント別では都市開発が723.4億円(-26.4%)と分譲・開発案件の計上タイミングにより大幅減収した一方、管理運営が1013.2億円(+25.8%)、戦略投資が235.3億円(+29.1%)と伸長し、不動産流通は950.3億円(-6.7%)とやや減収した。

【損益】営業利益は465.9億円(同+12.7%)で、都市開発の減益(116.0億円、-46.2%)を管理運営の大幅増益(211.6億円、+374.4%)と戦略投資の黒字転換(5.9億円)が補った。経常利益は407.2億円(+8.6%)と増益を維持したが、純利益は262.7億円(-14.5%)となった。純利益減益は前年同期の子会社・関連会社株式売却益(約94.7億円)の反動によるもので、当期の特別損失は0.1億円にとどまる。結論として本業は増収減収の中の増益であり、営業・経常段階では増益、最終利益は一過性要因剥落による減益という構図である。

セグメント別分析

管理運営事業がセグメント利益211.6億円(前年比+374.4%、利益率20.9%)と全社利益の中核へ浮上した。マンション・ビル管理、ホテル・リゾート・ゴルフ場運営等の安定収益が寄与している。都市開発事業は売上723.4億円(-26.4%)、利益116.0億円(-46.2%、利益率16.0%)と、分譲・開発案件の引渡し時期による変動が大きく現れた。不動産流通事業は売上950.3億円(-6.7%)、利益163.4億円(-20.1%、利益率17.2%)とやや減速した。戦略投資事業は売上235.3億円(+29.1%)、利益5.9億円と前年の損失から黒字転換し、再生可能エネルギー・物流施設等の開発進捗が寄与したとみられる。事業構成が開発型から運営・管理型へシフトしつつある点が特徴である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は16.3%で前年同期の14.4%から改善し、売上総利益率も26.6%へ上昇した。ROE(年換算)は11.3%と良好な水準にある。【キャッシュ品質】純利益率は8.9%へ低下しており、これは特別利益の反動による一過性要因が主因で、営業段階の収益性とは方向が異なる。【投資効率】総資産34756.5億円に対し、資産回転率は低く、資産保有型の不動産事業として財務レバレッジで収益効率を補う構造である。【財務健全性】自己資本比率は26.8%と前年同期の26.3%からほぼ横ばい。有利子負債は長期借入金1兆3008.7億円、社債3310.5億円を中心に高水準で、開発・保有資産を支える構造的な特徴である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の詳細開示はないが、B/S変動から資金動向を読み取ると、販売用不動産が678.1億円増加し開発投資が継続している一方、現金及び預金は351.1億円減少(-18.7%)した。長期借入金は212.8億円増加し、短期借入金は243.1億円減少しており、資金調達を短期から長期へシフトすることで満期集中リスクを抑制する動きがみられる。投資有価証券も178.5億円増加しており、開発投資と有価証券投資の双方に資金が配分されたことが現金減少の背景と考えられる。

収益の質

経常利益407.2億円は本業の実力を反映した増益である一方、純利益262.7億円は前年同期の子会社・関連会社株式売却益(約94.7億円)という一時的要因の反動で押し下げられており、経常/一時的要因を区別した評価が必要である。営業外収益は18.0億円と小規模で、営業外費用は支払利息61.4億円を中心に76.7億円と前年の45.2億円から35.7%増加しており、金利負担の高まりが経常利益の伸びを一部抑制している。包括利益は315.1億円と純利益262.7億円を上回り、為替換算調整額や持分法適用会社のOCI持分がプラスに寄与しており、収益の質を評価する上で本業利益と包括利益の乖離要因の把握が有用である。

業績予想・ガイダンス

通期計画は売上高1兆4000億円(前期比+12.4%)、営業利益1900億円(同+13.9%)、経常利益1610億円(同+8.9%)であり、業績予想の修正はない。Q1進捗率は売上高20.4%、営業利益24.5%、経常利益25.3%と、営業・経常利益は標準的な25%近辺で推移している一方、売上高進捗はやや遅れている。採算改善が売上進捗の遅れを補っている形であり、下期偏重となりやすい不動産事業の特性を踏まえると、現時点では計画に沿った進捗とみられる。

株主還元

通期配当予想は1株50.00円で、修正はない。通期EPS予想140.02円に基づく予想配当性向は約35.7%であり、60%程度とされる持続可能性の目安を下回る水準にある。この配当性向は配当金のみを基にした数値であり、自社株買いを含む総還元性向ではない。通期計画の達成度と、高水準の有利子負債に伴う資金調達コストの動向が、今後の配当余力を左右する要素となる。

リスク要因

  1. 開発案件の計上タイミング変動リスク: 都市開発事業は売上高が前年比-26.4%、セグメント利益が-46.2%となり、分譲・開発物件の引渡し時期による業績の振れが大きい。

  2. レバレッジ・金利感応度リスク: 有利子負債は長期借入金1兆3008.7億円を中心に高水準で、支払利息は前年同期比+35.7%の61.4億円に増加している。金利上昇局面では利払い負担が経常利益を圧迫する可能性がある。

  3. 開発関連資産の評価・回収リスク: 販売用不動産(RealEstateForSale)は前年から678.1億円増加しており、不動産市況の変動により在庫回転や評価損益に影響が及ぶ可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(real_estate)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率16.3%7.1% (1.9%–16.0%)+9.2pt
純利益率9.2%4.4% (2.2%–10.8%)+4.8pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−0.8%4.5% (-12.6%–22.7%)−5.2pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、トップライン成長の面では業種内で相対的に見劣りする。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率16.3%、ROE11.3%は良好な収益性水準にあり、これは管理運営事業の利益率上昇(20.9%)が牽引した構造変化を反映している。

  2. 純利益の前年比-14.5%は前年の株式売却益という一時的要因の反動が主因であり、営業・経常段階の増益とは分けて理解する必要がある。

  3. 事業利益構成が開発型(都市開発)から運営・管理型(管理運営)へシフトしつつあり、この構造変化が今後の収益安定性にどう影響するかが注目点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,324円
base(基準)1,367円
bull(強気)1,412円
算出前提
1株純資産(BPS)1,277円
調整後予想EPS149.6円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向35.7%
予想EPSの信頼度調整×1.069(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.07倍 / 9.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,329円〜1,407円、ω±0.1で 1,365円〜1,371円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 53%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。