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32312027 第1四半期プライムJGAAP

野村不動産ホールディングス(3231) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は1,911億円(前年同期比-13.7%)、営業利益は255.4億円(同-30.6%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

不動産/不動産業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1910.6億¥2214.2億−13.7%
営業利益¥255.4億¥368.0億−30.6%
経常利益¥216.5億¥339.2億−36.2%
純利益¥147.7億¥232.0億−36.4%
ROE1.8%2.9%-

Executive Summary

当四半期は住宅開発・商業用不動産の売上減少に加え金融費用の増加が重なり、減収減益となった。売上高は1,910.6億円(前年比-13.7%)、営業利益は255.4億円(同-30.6%)、経常利益は216.5億円(同-36.2%)、純利益は147.7億円(同-36.4%)。売上減少幅を上回るペースで販管費が+6.2%増加し負の営業レバレッジが生じたほか、支払利息が+17.3%増加したことが経常段階での追加的な下押し要因となった。

業績変動要因

【売上高】売上高は1,910.6億円で前年比-13.7%。セグメント構成は住宅開発が最大で全体の51.3%、次いで商業用不動産24.7%、運営管理13.9%、仲介・CRE7.6%、資産運用2.2%、海外0.4%となっている。住宅開発は売上1,011.1億円(YoY-14.7%)、商業用不動産は486.6億円(YoY-21.8%)と両主力セグメントがそろって減収し、全社の減収を主導した。運営管理(+4.1%)と仲介・CRE(+2.0%)は増収を確保したが、規模が小さく全体への影響は限定的である。

【損益】営業利益は255.4億円(YoY-30.6%)と、売上減少幅を上回る減益となった。売上総利益率は33.2%(前年32.8%)とわずかに改善したものの、販管費が379.2億円(YoY+6.2%)へ増加し、売上減少下での負の営業レバレッジが発生した。セグメント利益率は住宅開発15.3%を維持する一方、商業用不動産は11.1%(前年約17.8%から大幅低下)、海外は営業損益▲29.2億円(前年▲13.6億円)と赤字幅が拡大した。経常利益216.5億円(YoY-36.2%)は、支払利息49.5億円(YoY+17.3%)を含む営業外費用54.6億円の増加が押し下げ要因となった。特別損益は特別利益3.0億円、特別損失3.9億円(うち減損損失3.9億円)と軽微。純利益147.7億円(YoY-36.4%)となり、結論として減収減益である。

セグメント別分析

住宅開発は売上1,011.1億円(YoY-14.7%)、営業利益154.6億円(YoY-16.8%)、利益率15.3%と全社最大の利益貢献セグメントであり、減収下でも相対的な収益安定性を維持している。商業用不動産は売上486.6億円(YoY-21.8%)、営業利益53.8億円(YoY-51.3%)、利益率11.1%と、売上減少以上に利益が縮小し全社の減益に大きく寄与した。運営管理は売上273.6億円(YoY+4.1%)と増収したが、営業利益11.8億円(YoY-35.3%)、利益率4.3%と低採算にとどまる。仲介・CREは売上149.5億円(YoY+2.0%)、営業利益44.4億円(YoY-15.5%)、利益率29.7%と高マージンを維持。資産運用は売上42.5億円(YoY-3.8%)に対し営業利益28.8億円(YoY-7.3%)、利益率67.7%と全セグメント中最高の採算性を示すが規模は小さい。海外は売上7.5億円(YoY-4.2%)に対し営業損益▲29.2億円(前年▲13.6億円)と赤字が拡大し、利益率は▲387.4%となった。高採算の資産運用・仲介と、低迷する商業用不動産・海外との対照が鮮明であり、セグメント間の収益格差が全社利益率の変動要因となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は13.4%(前年16.6%、-3.2pt)、純利益率は7.7%(前年10.5%、-2.8pt)で、売上総利益率33.2%(前年32.8%、+0.4pt)の改善にもかかわらず販管費増加により営業段階以下で悪化した。【キャッシュ品質】実効税率は31.5%で、経常利益から純利益への乖離は主に法人税等の負担によるものであり、特別損益の影響は軽微である。【投資効率】ROEは1.8%となっている。【財務健全性】自己資本比率は28.3%(前年28.5%、-0.2pt)、総資産は28,368.9億円(前年比+0.9%)、純資産は8,022.8億円(前年比-0.1%)で、長期借入金12,064.4億円と社債1,670.0億円が有利子負債の中心を構成している。

キャッシュフロー分析

現金及び預金は484.5億円と前年の382.9億円から+26.5%増加し、手元資金の積み増しが確認できる。一方で買掛金は568.4億円と前年の877.6億円から-35.2%縮小し、売掛金も297.7億円(前年382.0億円、-22.1%)へ減少しており、支払・回収サイトの平準化が進んだ様子がうかがえる。在庫については販売用不動産が6,516.1億円(前年6,615.9億円、-1.5%)、開発中不動産が3,730.1億円(前年3,766.4億円、-1.0%)とほぼ横ばいで推移しており、通期の引渡し・売却計画に沿った安定的な在庫水準を維持している。買掛金の縮小と現金の積み増しは、短期的な資金繰り上のバッファが前年より厚みを増していることを示す。

収益の質

特別損益は特別利益3.0億円、特別損失3.9億円(うち減損損失3.9億円)と軽微であり、当期純利益は事業の経常的な収益力を概ね反映している。経常利益216.5億円から純利益147.7億円への乖離は主に法人税等67.9億円(実効税率31.5%)によるものである。営業外収益は15.7億円と売上高比0.8%にとどまり、受取利息0.8億円と持分法損益13.2億円が主な構成要素で、持分法損益の全社利益への寄与度は限定的である。他方、支払利息49.5億円は営業利益の19.4%に相当し、前年から+17.3%増加していることから、金利負担の高まりが利益の質をやや圧迫している。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する進捗率は、売上高17.7%、営業利益18.2%、経常利益17.3%、純利益17.1%と、単純な四半期按分の目安である25%をいずれも下回っている。住宅開発・商業用不動産の物件引渡しやアセット売却が下期に偏重する季節性を踏まえた計画進行である可能性が高い。当四半期において業績予想および配当予想の修正はいずれも実施されていない。

株主還元

配当予想は年間22.00円で、前期実績18.00円から4.00円の増配計画となっている。会社計画のEPS100.48円に基づく配当性向は21.9%であり、当四半期時点で配当予想の修正はない。

リスク要因

  1. 商業用不動産セグメントの収益変動: 営業利益は53.8億円(YoY-51.3%)、セグメント利益率は前年の約17.8%から11.1%へ低下した。物件売却・賃料改定のタイミングにより四半期損益が振れやすい構造を示している。

  2. 海外セグメントの損失拡大: 営業損益は▲29.2億円(前年▲13.6億円)と赤字幅が拡大し、セグメント利益率は▲387.4%となった。規模は小さいものの全社損益への影響度が高まっている。

  3. 財務レバレッジと金利負担の増加: 自己資本比率は28.3%、長期借入金12,064.4億円と社債1,670.0億円を有する中、支払利息は49.5億円(YoY+17.3%)に増加した。金利上昇局面では利払い負担がさらに拡大する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率13.4%7.1% (1.9%–16.0%)+6.3pt
純利益率7.7%4.4% (2.2%–10.8%)+3.3pt
自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を上回り、収益性は業種内で相対的に高い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−13.7%4.5% (-12.6%–22.7%)−18.1pt
自社の売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、業種内では成長性の面で劣後する位置づけとなっている。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 減収減益の主因は商業用不動産セグメントの急速なマージン低下(利益率17.8%→11.1%)と海外セグメントの赤字拡大であり、住宅開発は相対的に安定した収益を維持している。

  2. 通期進捗率は売上・利益ともに17〜18%台にとどまり、下期における物件引渡し・アセット売却の進捗状況が通期計画達成の前提となっている。

  3. 売上総利益率は前年から+0.4pt改善しているが、販管費の伸び(+6.2%)が売上減少(-13.7%)を上回っており、負の営業レバレッジが顕在化している点は利益構造上の注目点である。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)980円
base(基準)999円
bull(強気)1,015円
算出前提
1株純資産(BPS)937円
調整後予想EPS106.8円
株主資本コスト r9.15%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向21.9%
予想EPSの信頼度調整×1.062(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.07倍 / 9.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 971円〜1,029円、ω±0.1で 998円〜1,001円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。