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31162027 第1四半期プライムIFRS

トヨタ紡織(3116) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益15%減

2027年度第1四半期の売上高は5,281億円(前年同期比+10.1%)、営業利益は158.8億円(同-15.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

自動車・輸送機/輸送用機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥5280.8億¥4796.9億+10.1%
営業利益¥158.8億¥187.0億−15.1%
税引前利益¥176.7億¥189.0億−6.5%
純利益¥100.7億¥131.4億−23.4%
ROE1.9%2.5%-

Executive Summary

増収の一方で採算が悪化した増収減益決算であり、コスト吸収力の低下が焦点となる。売上高は5280.8億円(前年比+10.1%)と全地域で伸長したが、営業利益は158.8億円(同△15.1%)、純利益(親会社株主帰属分)は87.6億円(同△18.9%)と減益が続いた。粗利率が9.8%(前年10.4%)へ低下し、販管費が売上を上回るペースで増加したことが減益の主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は5280.8億円と前年比+10.1%増加し、日本・北中南米・中国・アジア・欧州アフリカの全地域で増収となった。地域別構成比は日本41.3%、北中南米29.6%、アジア14.0%、中国9.5%、欧州アフリカ5.7%で、北中南米が売上増加額218.7億円と最大の増収寄与を示した。

【損益】営業利益は158.8億円(前年比△15.1%)で、粗利率が9.8%(前年10.4%)へ低下し、販管費が同+13.5%と売上成長率を上回ったことがマージン圧迫の主因である。税引前利益は176.7億円(同△6.5%)にとどまったが、法人税等が76.0億円へ増加し実効税率は約43.0%と高く、純利益の減益幅(△18.9%)を拡大させた。増収減益。

セグメント別分析

地域別ではアジアが売上737.5億円(+10.9%)、営業利益91.3億円(+0.7%)、利益率12.4%と最大の利益貢献地域を維持した。日本は売上2178.1億円(+5.7%)、営業利益29.2億円と前年(0.05億円)から大きく改善し、増収増益となった。一方、北中南米は売上+16.3%の増収にもかかわらず営業利益は25.9億円(△43.9%)、中国も売上+8.9%増収に対し営業利益20.6億円(△50.4%)と、増収が利益に結びつかなかった。欧州・アフリカは売上302.0億円(+13.1%)と増収したが、営業損失7.7億円となり前年(+8.6億円)から赤字転落した。増収地域の多くで採算が悪化しており、価格転嫁や原価吸収の課題を示唆する。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は3.0%で前年3.9%から低下し、純利益率も1.7%(前年2.3%)へ縮小した。ROEは1.9%(四半期ベース)にとどまる。【キャッシュ品質】営業CFは478.1億円で純利益87.6億円の約5.5倍に達し、売上債権の回収(+251.7億円)と減価償却費が現金創出を支えており、利益のキャッシュ裏付けは強い。【投資効率】設備投資は178.5億円(売上比3.4%)で、フリーCFは301.8億円と配当支払額76.8億円を大きく上回る。【財務健全性】自己資本比率42.0%、現金及び預金2836.2億円を有し、社債・借入金1792.1億円に対して利息カバレッジは高水準にある。

キャッシュフロー分析

営業CFは478.1億円で前年比+20.3%増加し、税引前利益176.7億円に減価償却費137.8億円を加え、売上債権の減少による251.7億円の資金流入が寄与した一方、棚卸資産の増加58.2億円と仕入債務の減少88.7億円が運転資金の下押し要因となった。投資CFは176.3億円の流出で、うち設備投資が178.5億円を占め、生産設備への継続投資を反映している。差引フリーCFは301.8億円となり、財務CFで計上した配当支払76.8億円および長期借入金の返済100.0億円を賄うだけの内部資金を確保した。財務CF全体は274.2億円の流出だが、為替換算差額23.6億円のプラス寄与もあり、現金及び現金同等物は期首から51.1億円増加し期末2836.2億円となった。

収益の質

当四半期の利益は営業CFによる裏付けが強く、営業CFが純利益の約5.5倍に達している点は収益の質の高さを示す。もっとも、営業利益率の低下は原材料・労務費・物流費等のコスト増を価格転嫁できていない可能性を示唆し、経常的な収益力そのものが弱含んでいる。金融収益18.2億円が金融費用5.3億円を上回り税引前利益を押し上げたが、法人税等76.0億円の計上により実効税率は約43.0%と高く、税引前利益と純利益の乖離が前年より拡大した。包括利益は147.8億円と純利益100.7億円を上回っており、在外営業活動体の外貨換算差額65.5億円のプラスが主因であるため、この差異は本業の収益力とは別の為替要因によるものである。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対するQ1進捗率は、売上高25.1%(予想21000.0億円)に対し、営業利益20.9%(予想760.0億円、通期YoY+40.9%)、純利益は19.0%相当にとどまり、いずれも標準的な25%進捗を下回る。通期予想達成には残り3四半期で営業利益率を約3.8%まで引き上げる必要があり、Q1実績の3.0%からの改善が前提となる。当四半期に業績予想の修正が行われている一方、配当予想の修正はない。

株主還元

当四半期の配当支払額は76.8億円(親会社株主分)で、通期会社予想の年間配当86.0円と予想EPS257.57円から算出される通期予想配当性向は33.4%である。自社株買いの実施はなく、当四半期は配当のみによる株主還元であるため配当性向で評価する。フリーCF301.8億円は配当支払額の約3.9倍をカバーしており、現預金2836.2億円と合わせて配当原資の安定性は確保されている。

リスク要因

  1. 地域別採算悪化リスク: 北中南米は売上+16.3%増収にもかかわらず営業利益△43.9%、中国は売上+8.9%増収に対し営業利益△50.4%となり、増収が利益に結びついていない。欧州・アフリカも増収下で営業損失7.7億円へ転落した。

  2. 収益性低下リスク: 粗利率9.8%(前年10.4%)、営業利益率3.0%(前年3.9%)は低水準であり、原材料・エネルギー・人件費上昇を価格転嫁できない場合の利益感応度が高い。

  3. 高税負担リスク: 実効税率は約43.0%と高く、税引前利益の減少幅(△6.5%)に比して純利益の減少幅(△23.4%、連結ベース)が拡大しており、税負担が利益回復力を制約している。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.0%8.7% (4.2%–14.3%)−5.7pt
純利益率1.9%7.1% (3.2%–10.6%)−5.2pt

収益性は業種中央値を大きく下回り、IQR下限も下回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)10.1%6.2% (-1.1%–14.6%)+3.9pt

売上成長は業種中央値を上回るが、収益性の低さがトップライン優位を相殺している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 全地域増収を達成した一方、営業利益率は前年比約0.9pt低下しており、決算データ上は売上拡大よりも採算改善が課題であることを示している。

  2. アジアが営業利益91.3億円・利益率12.4%で連結利益の過半を占め、収益構造がアジア地域に集中している点が確認できる。

  3. 通期予想に対する進捗率は売上25.1%に対し営業利益20.9%と乖離があり、下期にかけての採算改善状況が通期計画達成の判断材料となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,760円
base(基準)2,837円
bull(強気)2,910円
算出前提
1株純資産(BPS)2,754円
調整後予想EPS284.1円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向33.4%
予想EPSの信頼度調整×1.103(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.03倍 / 10.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,757円〜2,920円、ω±0.1で 2,835円〜2,840円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。