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31102027 第1四半期プライムJGAAP

日東紡(3110) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益85%増

2027年度第1四半期の売上高は340.3億円(前年同期比+20.6%)、営業利益は79.4億円(同+84.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

日東紡

建設・資材/ガラス・土石製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥340.3億¥282.3億+20.6%
営業利益¥79.4億¥43.0億+84.8%
経常利益¥84.3億¥43.4億+94.1%
純利益¥60.2億¥32.6億+84.9%
ROE3.3%1.8%-

Executive Summary

電子材料事業を中心とする増収に加え、営業レバレッジの発現による大幅な利益率改善が、今四半期の最重要ポイントである。売上高は340.3億円(前年比+20.6%)、営業利益は79.4億円(同+84.8%)、経常利益は84.3億円(同+94.1%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は58.0億円(同+84.2%)となった。増収率20.6%に対し営業利益は84.8%増と大きく上回り、売上総利益の拡大が販管費の伸びを上回ったことで、営業利益率は前年同期比810bp改善し23.3%に達した。

業績変動要因

【売上高】売上高は340.3億円(前年比+20.6%)で、全セグメントが増収となった。主力の電子材料事業は180.8億円(同+25.9%)で連結売上の53.1%を占め、増収の中心的な牽引役である。断熱材事業も44.0億円(同+24.1%)と高い伸びを示し、資材・ケミカル31.4億円(同+14.0%)、複合材40.9億円(同+14.6%)、メディカル38.5億円(同+7.6%)、その他67.8億円(同+29.8%)と全事業が増収を確保した。

【損益】営業利益は79.4億円(同+84.8%)で、売上総利益率43.8%(前年37.9%)への改善が主因である。販管費は69.7億円で売上高の伸びを下回るペースにとどまり、営業レバレッジが顕在化した。経常利益は84.3億円(同+94.1%)で、営業利益に加え受取配当金3.3億円、為替差益2.5億円などの営業外収益7.5億円が上乗せされた。特別損益は固定資産売却益0.1億円、固定資産除却損等0.8億円と小幅で、税引前利益への影響は限定的である。親会社株主に帰属する純利益は58.0億円(同+84.2%)となり、増収増益の決算である。

セグメント別分析

電子材料事業は売上高180.8億円(同+25.9%)、営業利益70.4億円(同+70.0%)で、外部売上比利益率は38.9%と全セグメント中最も高く、連結セグメント利益合計84.3億円の83.5%を占める。メディカル事業は売上高38.5億円(同+7.6%)、利益7.0億円(同+67.1%)で利益率18.3%へ改善した。断熱材事業は売上高44.0億円(同+24.1%)、利益2.5億円(前年同期は赤字)と黒字転換した。複合材事業は売上高40.9億円(同+14.6%)で利益はほぼ均衡水準(0.0億円)に改善し、前年の赤字から脱した。資材・ケミカル事業は売上高31.4億円(同+14.0%)、利益2.2億円(同+103.7%)。全体として電子材料事業への収益依存度が高い構造であり、同事業の需要動向が連結収益性を左右する。

主要財務指標

【収益性】営業利益率23.3%(前年同期15.2%相当)、純利益率17.0%(同11.2%相当)はいずれも大きく改善し、粗利率43.8%を起点に販管費の抑制が利益率上昇に寄与した。EPS(基本)は31.85円(前年17.29円、+84.2%)。【キャッシュ品質】現金及び預金は454.8億円で、流動資産の30.1%を占める厚みのある水準である。売掛金382.8億円、棚卸資産166.4億円と運転資本が積み上がっており、増収局面での資金拘束が生じている。【投資効率】ROEは3.3%(四半期実績ベース)で、投資有価証券280.3億円は総資産の10.0%を占め、評価差額金の変動を通じて純資産・包括利益に影響を与える構造である。【財務健全性】自己資本比率65.6%、流動資産1511.6億円に対し流動負債402.7億円と、財務基盤は厚い。長期借入金270.2億円・社債100.0億円を含む有利子負債はあるが、支払利息1.9億円に対し営業利益79.4億円と、金利負担は限定的である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は454.8億円と前年同期の620.1億円から減少している一方、売掛金は382.8億円(前年368.0億円)、棚卸資産は166.4億円(前年160.1億円)へ増加しており、増収に伴う運転資本の積み増しが現金水準を圧迫している可能性がある。買掛金は103.0億円(前年80.2億円)へ増加し、仕入債務の拡大が一定の資金効果をもたらしている。有形固定資産は915.7億円(前年875.6億円)へ増加しており、設備投資が継続的に行われている様子がうかがえる。利益剰余金は1186.2億円(前年1164.6億円)へ積み上がり、利益の内部留保が進んでいる。総じて、収益拡大が運転資本と設備投資へ再配分される局面にあり、現金残高そのものは前年より減少している点は資金動向の観察点である。

収益の質

営業利益79.4億円に対し経常利益は84.3億円で、両者の乖離4.9億円は受取配当金3.3億円と為替差益2.5億円を中心とする営業外収益7.5億円が主因であり、営業外費用は支払利息1.9億円を中心に2.6億円にとどまる。為替差益2.5億円は営業利益の3.1%に相当し、本業以外の追い風であるため、営業利益ベースの評価と切り離して捉える必要がある。特別損益は特別利益0.1億円、特別損失0.8億円と小規模であり、一時的要因が当期利益に与える影響は限定的である。包括利益は75.0億円で、純利益60.2億円との乖離14.8億円は主に有価証券評価差額金13.2億円の増加によるもので、市場価格変動を反映した含み益の拡大が寄与している。純利益と包括利益の差は将来の市況変動により反転し得る点に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高1410.0億円(前年比+19.3%)、営業利益300.0億円(同+44.1%)、経常利益300.0億円(同+39.2%)であり、当四半期に業績予想の修正が行われている。第1四半期の進捗率は売上高24.1%、営業利益26.5%であり、標準的な四半期進捗の目安25%を営業利益で上回る。第1四半期の営業利益率23.3%は通期予想の営業利益率21.3%(300.0億円÷1410.0億円)を上回っており、上期以降の利益率維持が焦点となる。EPS予想109.87円に対し、第1四半期実績31.85円は約29.0%の進捗である。

株主還元

配当予想は年間28.00円(2026年7月1日付の株式1株につき5株の株式分割後ベース)で、当四半期の配当予想修正はない。通期予想EPS109.87円に対する予想配当性向は約25.5%であり、利益剰余金1186.2億円の蓄積状況と合わせ、配当の裏付けは相応にある。なお、株式分割を考慮しない場合の年間配当金は140.00円となる旨が注記されている。

リスク要因

  1. 電子材料事業への収益依存: 同事業はセグメント利益合計の83.5%を占め、外部売上比利益率38.9%と突出して高い。同事業の需要循環や価格・製品ミックスの変化は連結営業利益率に大きく波及する。

  2. 運転資本の拡大: 売掛金382.8億円、棚卸資産166.4億円は前年同期からそれぞれ38.0億円、6.3億円増加している。増収に伴う運転資本の積み増しが現金水準(前年比165.4億円減の454.8億円)を圧迫しており、資金効率の観察が必要である。

  3. 有価証券評価・為替の影響: 投資有価証券280.3億円は総資産の10.0%を占め、評価差額金122.4億円を含む。為替差益2.5億円は経常利益を押し上げる要因である一方、再現性は市況次第であり、円高局面では逆に作用し得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率23.3%8.7% (4.2%–14.3%)+14.7pt
純利益率17.7%7.1% (3.2%–10.6%)+10.6pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大きく上回り、収益性は業界内で高水準に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)20.6%6.2% (-1.1%–14.6%)+14.4pt

売上高成長率も業種中央値を大きく上回り、収益性・成長性の両面で業界上位に位置する。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率23.3%(前年同期比+810bp)は、売上高の伸び20.6%を上回る利益成長84.8%を実現しており、電子材料事業を中心とした事業ミックス改善と営業レバレッジの発現が構造的な収益性向上として観察される。

  2. 通期営業利益予想に対する進捗率26.5%は標準的な四半期進捗を上回り、第1四半期の高い利益率水準(23.3%)が通期予想の想定利益率(21.3%)を上回っている点が、今後の進捗確認における注目点となる。

  3. 売掛金・棚卸資産の増加を伴う運転資本の拡大と現金残高の前年比減少は、増収局面における資金効率の変化として観察され、今後の資金動向のモニタリングポイントとなる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,043円
base(基準)1,080円
bull(強気)1,108円
算出前提
1株純資産(BPS)1,010円
調整後予想EPS122.7円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向25.5%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.07倍 / 8.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,050円〜1,112円、ω±0.1で 1,079円〜1,083円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。