| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2724.6億 | ¥2547.2億 | +7.0% |
| 営業利益 | ¥302.7億 | ¥184.2億 | +64.4% |
| 経常利益 | ¥325.2億 | ¥190.2億 | +71.0% |
| 純利益 | ¥230.3億 | ¥120.5億 | +91.1% |
| ROE | 6.6% | 3.8% | - |
営業利益・経常利益・純利益がそろって二桁の伸び率を記録し、増収増益かつ本業改善を主因とする決算内容である。売上高は2724.6億円(前年比+7.0%)、営業利益は302.7億円(同+64.4%)、経常利益は325.2億円(同+71.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は215.9億円(同+87.8%)となった。増収率を大きく上回る増益率は、主力の無線・通信セグメントの増収増益と、精密機器・化学品の採算改善が主因である。特別損益はネットでほぼ相殺されており、利益の伸びは一時的要因ではなく経常的な収益力の改善に基づく。
【売上高】売上高は2724.6億円で前年比+7.0%の増収となった。最大セグメントの無線・通信が1453.9億円(構成比53.4%、+15.1%)と伸長し、増収の主因となった。マイクロデバイス331.6億円(+10.2%)、ブレーキ298.9億円(+5.7%)、精密機器275.1億円(+0.9%)も増収に寄与した一方、不動産は97.8億円(-41.1%)、繊維は154.2億円(-7.2%)と減収した。
【損益】営業利益は302.7億円で前年比+64.4%の増益となった。無線・通信の利益が219.8億円(前年103.4億円、+112.5%)と倍増し、全社営業利益の72.6%を占め増益の中心となった。精密機器は利益率が7.1%(前年4.6%相当)に改善し利益+56.0%、化学品は前年の赤字(-1.7億円)から黒字(+3.4億円)へ転換した。一方、繊維は前年の黒字(0.5億円)から赤字(-7.9億円)へ転落している。特別損益は特別利益48.5億円(投資有価証券売却益33.5億円等)に対し特別損失52.1億円(減損損失0.6億円等、前年計上の大型減損はなし)とほぼ相殺され、純利益への影響は軽微である。税引前利益321.5億円に法人税等91.2億円(実効税率28.4%)、非支配株主帰属利益14.4億円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は215.9億円(+87.8%)となった。増収増益。
セグメント別では、無線・通信が売上構成比53.4%・営業利益構成比72.6%を占め、利益率も15.1%(前年約8.2%相当)に拡大し全社業績を牽引した。不動産は売上が41.1%減少したものの利益率78.5%と高採算を維持し、利益76.8億円(構成比25.4%)を確保して全社利益を下支えしている。精密機器は微増収ながら利益率7.1%への改善で利益+56.0%となり、規模拡大を伴わない収益性改善が進んだ。化学品は前年の赤字(-1.7億円)から黒字(+3.4億円)へ転換した一方、繊維は前年の黒字(0.5億円)から赤字(-7.9億円)へ転落し、マイクロデバイスも赤字幅は縮小したが-4.2億円の損失が続く。複数セグメントで採算改善が進む中、繊維の収益悪化と不動産の規模縮小が全社利益構成における変化点として観察される。
【収益性】営業利益率は11.1%で前年7.2%相当から改善し、純利益率(親会社株主帰属当期純利益ベース)は7.9%で前年4.5%相当から+3.4pt上昇した。ROEは6.6%である。【キャッシュ品質】営業キャッシュフロー579.1億円は親会社株主に帰属する当期純利益215.9億円の2.68倍にあたり、利益の裏付けとなる現金創出力は良好な水準にある。【投資効率】設備投資は77.4億円で減価償却費124.4億円の0.62倍にとどまり、投資規模は減価償却の範囲内に収まっている。【財務健全性】自己資本比率は53.9%で前年47.4%から+6.5pt改善し、流動比率は209.6%と流動性は厚い。長期借入金は761.8億円へ前年から大きく圧縮されており、財務体質の保守化が進んでいる。
営業キャッシュフローは579.1億円(前年比-2.9%)で、利益の伸びに対しては横ばい圏の水準にとどまった。運転資本面では売上債権の減少が349.9億円のキャッシュインとして寄与した一方、仕入債務の減少は128.9億円のキャッシュアウト要因となり、両者が相殺し合う形となっている。投資キャッシュフローは-12.1億円で、設備投資77.4億円を投資有価証券売却収入等で概ね吸収した。財務キャッシュフローは-574.6億円で、長期借入金の返済414.6億円が主因であり、期中の強い営業CFを原資に有利子負債の圧縮を進めた形である。フリーキャッシュフローは567.0億円となり、設備投資や配当支払を上回る水準を確保しており、資本配分の余力は厚い。
経常利益325.2億円は、営業利益302.7億円に営業外収益46.1億円(為替差益14.3億円、受取配当金7.3億円等)を加え、営業外費用23.7億円(支払利息14.7億円)を差し引いた水準であり、営業外損益の売上高対比は限定的である。特別利益48.5億円(投資有価証券売却益33.5億円、固定資産売却益15.0億円)と特別損失52.1億円(減損損失0.6億円等)はネットでほぼ相殺しており、前年に計上されていた大型の減損損失は当期には発生していない。このため親会社株主に帰属する当期純利益215.9億円の増益(+87.8%)は、一時項目ではなく本業の収益力改善を主因とする。経常利益と純利益の乖離は主に法人税等91.2億円(実効税率28.4%)と非支配株主帰属利益14.4億円によるものであり、税負担の範囲内に収まっている。なお包括利益は353.1億円(親会社株主分335.4億円)で、連結の当期純利益230.3億円との差額は主に有価証券評価差額金108.1億円によるものであり、市況要因を含む点に留意が必要である。
通期予想は売上高5110.0億円、営業利益210.0億円、経常利益215.0億円、純利益(親会社株主帰属)100.0億円である。中間期実績の進捗率は売上高53.3%と概ね順調である一方、営業利益は144.1%、経常利益は151.3%、純利益は215.9%と、いずれも通期予想を中間時点で大きく上回っている。特に利益項目の進捗が売上高の進捗を大幅に上回っており、通期計画が保守的に据え置かれている可能性を示している。業績予想の修正は本決算時点では行われていない。
中間配当は1株18円で前年同期と同額であり、通期の配当予想は36円である。通期予想配当36円を通期予想EPS64.02円で除した配当性向は56.2%となる。フリーキャッシュフロー567.0億円は年間配当支払額を大きく上回る水準にあり、現時点で開示されている配当計画に対するキャッシュ面での余力は厚い。自社株買いの実施額は僅少であり、株主還元は配当を中心とした方針が継続している。
セグメント集中リスク: 無線・通信セグメントが売上高の53.4%、営業利益の72.6%を占めており、当該市場の需給や顧客の投資動向の変化が全社業績に与える影響が大きい。
繊維セグメントの採算悪化: 繊維は前年同期の黒字(0.5億円)から当期は赤字(-7.9億円)に転落しており、他の増益セグメントとは異なる収益トレンドを示している。
不動産セグメントの規模縮小: 不動産は売上高が前年比-41.1%減少する一方、利益率78.5%と高採算を維持し営業利益全体の25.4%を占めている。同事業の規模縮小が続く場合、全社利益への寄与度低下が見込まれる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 11.1% | 9.7% (5.4%–23.7%) | +1.4pt |
| 純利益率 | 8.5% | 5.4% (1.3%–20.1%) | +3.0pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回っており、収益性は業種内で相対的に高い水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 7.0% | 10.6% (-3.4%–25.4%) | -3.6pt |
売上高成長率は業種中央値を下回っており、増収率よりも増益率で業種内の優位性が表れている。
※出所: 当社集計
通期予想に対する中間進捗率は営業利益144.1%、経常利益151.3%、純利益215.9%と、いずれも売上高進捗53.3%を大幅に上回っている。この乖離は通期計画の保守性を示唆する事実として注目される。
増益の主因は無線・通信セグメントの増収増益(売上+15.1%、利益+112.5%)であり、特別損益はネットでほぼ相殺されていることから、利益の質は本業改善に基づくと読み取れる。
長期借入金の大幅圧縮(前年比大幅減)により自己資本比率が53.9%(前年47.4%)へ改善しており、財務構成の保守化が進展している。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,851円 |
| base(基準) | 1,867円 |
| bull(強気) | 1,880円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,229円 |
| 調整後予想EPS | 72.1円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 56.2% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.84倍 / 25.9倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,817円〜1,920円、ω±0.1で 1,856円〜1,875円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。