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285A2027 第1四半期プライムIFRS

キオクシアホールディングス(285A) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は1兆7,671億円(前年同期比+415.5%)、営業利益は1兆2,700億円。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥17671.2億¥3428.0億+415.5%
営業利益¥12700.2億¥449.0億+2728.6%
税引前利益¥12347.2億¥272.9億+4423.8%
純利益¥8421.7億¥182.7億+4508.8%
ROE35.0%1.3%-

Executive Summary

NANDメモリ市況の急回復を背景に、売上高・利益・営業キャッシュフローが軒並み急拡大した増収増益決算となった。売上高は1兆7,671億円(前年同期比+415.5%)、営業利益は1兆2,700億円(同+2,728.6%)、税引前利益は1兆2,347億円(同+4,423.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は8,421.7億円(同+4,506.0%)となった。売上総利益率は78.1%、営業利益率は71.9%まで拡大しており、メモリ価格上昇に伴う製品ミックス改善と固定費レバレッジが業績を押し上げた。IFRS採用企業のため経常利益の概念はなく、税引前利益を用いて記載している。

業績変動要因

【売上高】アプリケーション別ではSSD&ストレージが1兆1,747億円(前年同期比+440.3%、構成比66.5%)と最大の牽引役となり、スマートデバイスも5,257億円(同+565.0%、構成比29.7%)と急伸した。その他は667億円(同+44.0%)にとどまり、増収は特定用途に偏らず全アプリケーションで生じている。売上急拡大の一方、営業債権及びその他の債権は4,721億円増加しており、売上成長の現金化速度が今後の注目点となる。

【損益】売上原価は3,870.5億円(同+42.5%)にとどまり、売上総利益率は前年同期20.8%から78.1%へ大幅に改善した。販管費は717.3億円(同+140.3%)と増加率が売上高を大きく下回り、販管費率は8.7%から4.1%へ低下した。金融費用は528.0億円(同+165.9%)に拡大したが、税引前利益への影響は限定的である。以上より、増収増益であり、特に粗利率改善と固定費レバレッジが利益成長の中核をなしている。

セグメント別分析

当社グループはメモリ事業の単一セグメントであるため、セグメント別損益の開示はない。アプリケーション別売上収益では、SSD&ストレージが1兆1,747億円(前年同期比+440.3%、構成比66.5%)、スマートデバイスが5,257億円(同+565.0%、構成比29.7%)、その他が667億円(同+44.0%、構成比3.8%)となった。両主力用途がともに大幅増収を牽引しており、需要回復が幅広い用途にわたっていることを示す。

主要財務指標

【収益性】営業利益率71.9%(前年同期13.1%)、純利益率47.7%(同5.3%)はいずれも大幅に改善しており、価格・製品ミックス改善と販管費率低下(4.1%、前年同期8.7%)が寄与した。【キャッシュ品質】営業CFは8,663.4億円で親会社株主帰属純利益8,421.7億円を上回り、営業CF/純利益は約1.03倍と利益のキャッシュ裏付けは良好である。ただし営業債権が4,721億円増加し、棚卸資産も230億円増加しており、運転資本の吸収は大きい。【投資効率】ROEは35.0%(期末純資産ベース)で、自己資本の急拡大(前年同期比+71.9%)を伴いながらも高水準を維持している。設備投資511.8億円に対しフリーキャッシュフローは7,490.2億円と大幅な余剰を確保した。【財務健全性】自己資本比率は50.8%(前年同期37.9%)に改善し、社債及び借入金合計は6,345.6億円で、非流動分は長期借入金返済4,332億円を主因に前期末比37.7%減少した。

キャッシュフロー分析

営業活動によるキャッシュ・フローは8,663.4億円と前年同期比+1,317.8%の大幅増加となり、税引前利益の急拡大と高い現金転換力を反映している。営業CF小計は9,723.2億円であったが、法人税等の支払1,005.3億円、利息の支払58.4億円、リース料の支払79.3億円を控除後も高水準を確保した。投資活動によるキャッシュ・フローは1,173.2億円の支出で、設備投資511.8億円を含みつつも他の金融資産取得782.2億円が押し下げ要因となった。財務活動によるキャッシュ・フローは4,303.6億円の支出となったが、主因は長期借入金の返済4,332.3億円であり、資金繰り悪化を示すものではない。フリーキャッシュフローは営業CFから投資CFを差し引き7,490.2億円となり、設備投資を大幅に上回る自己資金創出力を示す。結果として現金及び現金同等物は前期末比+3,203.1億円増加し、7,910.1億円に達した。

収益の質

当四半期の増益は市況回復に伴う経常的な粗利益率改善が主因であり、特別損益に相当する大きな一時的項目は確認されない。営業外項目では金融収益171.7億円に対し金融費用528.0億円が計上され、純額でネットコストとなっているが、営業利益1兆2,700.2億円に対する影響は限定的である。営業CF8,663.4億円は親会社株主帰属純利益8,421.7億円を上回っており、アクルーアル(発生主義と現金主義の乖離)は小さく、利益の質は良好と評価できる。一方で営業債権が4,721億円増加しており、売上急拡大に伴う未回収債権の積み上がりは、今後の利益の現金化を注視すべき点である。包括利益は9,957.98億円と純利益8,421.7億円を上回っており、その他の包括利益を通じて公正価値評価される金融資産の評価益1,486.2億円が主因である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高4兆1,571.2億円、営業利益3兆1,600.2億円、親会社株主帰属当期利益2兆1,121.65億円である。当第1四半期の進捗率は売上高42.5%、営業利益40.2%、親会社株主帰属当期利益39.9%となり、単純な4分の1(25%)進捗を大きく上回っている。この高進捗はメモリ価格上昇局面での収益寄与が大きいためとみられ、通期を通じて同水準の利益率が続くかは今後の需給動向に左右される。配当予想の修正は行われていない。

株主還元

当四半期における自己株式の取得による支出は0.2億円と小規模にとどまり、大規模な自社株買いは実施されていない。配当予想の修正は「無」とされており、開示された配当データからは配当性向を確定的に算出できる情報が限定的である。財務基盤は自己資本比率50.8%、現金及び現金同等物7,910.1億円と厚く、株主還元の原資となる営業CF・FCFも高水準である。

リスク要因

  1. 在庫日数の上昇: 棚卸資産は4,381.1億円(前期末比+5.6%)に増加し、年換算ベースの在庫日数は約103日相当となる。メモリは市況変動が大きい製品であり、需要鈍化局面では在庫評価損や値引き圧力のリスクが高まる。

  2. 営業債権の急増と回収リスク: 営業債権及びその他の債権は1兆1,515.6億円(前期末比+74.3%、四半期中+4,721億円)に急増した。売上拡大に見合う回収サイクルが維持できるかが、今後の営業CF水準を左右する。

  3. 収益性の市況依存: 営業利益率71.9%、売上総利益率78.1%はメモリ価格上昇局面での高水準であり、価格・需給正常化局面では低下する可能性がある。SSD&ストレージが売上の66.5%を占めるため、データセンター投資動向への感応度も高い。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率71.9%8.7% (4.2%–14.3%)+63.2pt
純利益率47.7%7.1% (3.2%–10.6%)+40.5pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大幅に上回り、収益性は突出した水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)415.5%6.2% (-1.1%–14.6%)+409.3pt

売上高成長率は業種平均を大きく上回り、メモリ市況回復による特異な成長局面にあることを示す。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高1兆7,671億円、営業利益1兆2,700億円、親会社株主帰属純利益8,421.7億円と、前年同期から著しい増収増益となった。営業利益率71.9%、純利益率47.7%は、価格・製品ミックス改善と固定費レバレッジが強く寄与した結果である。

  2. 営業CFは親会社株主帰属純利益を上回り、フリーキャッシュフロー7,490.2億円を確保するなど利益のキャッシュ裏付けは良好である一方、営業債権が四半期中に4,721億円増加しており、売上急拡大に伴う運転資本の吸収は大きい。

  3. 通期会社予想に対する進捗率は売上高42.5%、営業利益40.2%と標準進捗(25%)を大きく上回っており、メモリ市況の変動が下期以降の進捗にどう影響するかが今後の観察点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)11,503円
base(基準)11,503円
bull(強気)11,503円
算出前提
1株純資産(BPS)4,387円
調整後予想EPS2,193.7円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER2.62倍 / 5.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 11,150円〜11,873円、ω±0.1で 11,267円〜11,865円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(40%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが高いため、算出上はROE 50%を上限として扱っています(シナリオ間の差が小さく表示される場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。