記事一覧に戻る
22942027 第1四半期プライムJGAAP

株式会社 柿安本店 2027年度 第1四半期 決算

株式会社 柿安本店の2027年度第1四半期決算レポート

食品/食料品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥84.5億¥86.6億−2.4%
営業利益¥0.7億¥2.4億−72.8%
経常利益¥0.9億¥2.5億−65.6%
純利益¥0.2億¥1.5億−89.1%
ROE(年換算)0.4%3.8%-

Executive Summary

2027年度第1四半期は、減収に加え固定費負担と高い税負担が重なり、営業・純利益ともに大幅減益となった。売上高は84.5億円(前年比-2.4%)、営業利益は0.7億円(同-72.8%)、経常利益は0.9億円(同-65.6%)、純利益は0.2億円(同-89.1%)となった。粗利率の低下と販管費率の上昇が営業利益率を前年同期2.8%から0.8%へ押し下げ、加えて実効税率81.4%という高い税負担が純利益への転換を大きく阻害した。

業績変動要因

【売上高】売上高は84.5億円で前年比-2.4%となった。セグメント別では精肉事業(構成比36.9%)が-2.9%、惣菜事業(同36.0%)が-2.0%、食品事業(同5.1%)が-6.3%、レストラン事業(同3.0%)が-27.4%と主要事業が軒並み減収となった一方、和菓子事業(同18.9%)のみ+4.4%の増収を確保した。

【損益】売上総利益は44.6億円(粗利率52.8%、前年53.5%から低下)にとどまる一方、販管費は43.9億円と前年並みで高止まりし、営業利益は0.7億円(利益率0.8%、前年2.8%から縮小)となった。営業外収益0.2億円(受取利息・配当金)により経常利益は0.9億円を確保したが、税引前利益0.9億円に対し法人税等0.7億円(実効税率81.4%)が計上され、純利益は0.2億円にとどまった。セグメント別では惣菜事業の利益減少(-46.3%)が売上減少幅を大きく上回り、レストラン事業も営業赤字に転じるなど、減収以上に収益性が悪化した減収減益の決算である。

セグメント別分析

精肉事業(売上31.2億円、構成比36.9%)は売上-2.9%、営業利益1.3億円で-22.3%となった。惣菜事業(売上30.4億円、構成比36.0%)は売上-2.0%に対し営業利益1.2億円で-46.3%と、利益の落ち込みが売上減少を大きく上回った。和菓子事業(売上16.0億円、構成比18.9%)は売上+4.4%と唯一の増収だが、営業利益は0.2億円で横ばいにとどまり、増収を利益成長へ転換できていない。食品事業(売上4.3億円、構成比5.1%)は売上-6.3%、営業利益0.4億円で-22.4%となったが、利益率8.9%は全セグメント中最高である。レストラン事業(売上2.5億円、構成比3.0%)は売上-27.4%と減少幅が最大で、営業損失0.2億円に転落した。主力の精肉・惣菜両事業の採算悪化が全社利益減少の主因となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は0.8%で前年同期2.8%から約2.0pt縮小し、純利益率も0.2%と前年1.7%から低下した。年換算ROEは0.4%、年換算ROICは1.7%といずれも低水準で、粗利率52.8%の高さが最終利益に十分転換されていない。【キャッシュ品質】税引前利益0.9億円に対し法人税等0.7億円が計上され実効税率は81.4%に達し、税負担が利益の変動を増幅させている。営業外収益0.2億円(受取利息・配当金中心)は経常的な補完収益である。【投資効率】総資産回転率は年率換算で1.8倍程度であり、資産効率自体に大きな変化は見られず、収益性低下の主因は利益率の悪化にある。【財務健全性】自己資本比率は79.2%(前年79.6%から小幅低下)、現金及び預金70.4億円は総資産の37.8%を占め、財務基盤は引き続き強固である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないため、貸借対照表の変化から資金動向を分析する。現金及び預金は70.4億円で前年同期末の80.5億円から10.2億円減少した。売掛金は27.1億円と前年同期比2.9億円増加しており、売上減少下での増加は回収サイクルの緩慢化を示唆する可能性がある。棚卸資産は4.2億円で前年並みである。有形固定資産は55.3億円と前年から0.7億円減少し、大型投資は抑制的だったとみられる。純資産は147.4億円で前年から7.6億円減少しており、利益水準の低下と自己株式・配当支払いの影響が資金余力をやや圧縮した形である。

収益の質

当期の利益は経常的な事業損益がほとんどを占め、特別損益の計上は僅少(固定資産除売却損はゼロ表示)であり、一時的要因による嵩上げ・押し下げは見られない。営業外収益0.2億円は受取利息0.1億円、受取配当金0.1億円で構成され、いずれも保有資産からの経常的な収益である。包括利益は0.5億円で純利益0.2億円を上回り、その差は有価証券評価差額金0.5億円の増加によるもので、事業損益に基づかない評価性の要因が寄与している。実効税率81.4%という高水準は、税引前利益が小さい局面で税負担の絶対額が相対的に重くなったためであり、利益の質という観点では税負担の正常化が今後の焦点となる。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高360.0億円(前年比-0.2%)、営業利益14.0億円(同-1.9%)、経常利益14.5億円(同-1.6%)であり、業績予想の修正は行われていない。第1四半期の進捗率は売上高23.5%と概ね標準的な水準にある一方、営業利益は4.6%、経常利益は6.0%と大きく下回っており、利益面では下期偏重の回復シナリオを前提とした計画進捗となっている。通期計画達成には、精肉・惣菜事業の採算改善とレストラン事業の赤字縮小が鍵となる。

株主還元

会社計画では年間配当予想85.00円、年間EPS予想83.50円とされ、これに基づく配当性向は約101.8%となり、配当のみで計画純利益を上回る水準である。今回の配当予想修正はない。当第1四半期のEPSは1.72円にとどまり、通期計画に対する利益進捗は低い。利益剰余金176.4億円、現金及び預金70.4億円と内部留保・手元資金は厚く、短期的な配当原資には余裕があるものの、通期利益計画の達成度合いによっては配当の利益カバーが一段と低下する可能性がある。

リスク要因

  1. 主力事業の採算悪化: 精肉・惣菜事業で売上高の約73%を占めるが、両事業とも減収減益となり、特に惣菜事業は売上-2.0%に対し営業利益-46.3%と利益の落ち込みが顕著である。主力事業の収益回復遅延は全社業績に大きく影響する。

  2. 収益性バッファーの低下: 営業利益率0.8%、年換算ROIC1.7%といずれも低水準であり、わずかな売上減少や原材料・エネルギーコストの上昇でも営業損益が悪化しやすい構造にある。レストラン事業は既に営業赤字に転じている。

  3. 税負担と配当性向の両面リスク: 実効税率81.4%は税引前利益の変動を純利益段階で増幅させる要因となっている。加えて計画配当性向は約101.8%であり、通期利益計画が未達となった場合、配当の利益カバーがさらに弱まる可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(food_beverage)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率0.8%5.3% (1.7%–6.6%)−4.5pt
純利益率0.2%3.7% (0.7%–4.9%)−3.5pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく下回り、収益性は業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−2.4%5.2% (2.9%–10.1%)−7.6pt

業種内の多くが増収基調にある中、当社は減収となっており成長性の面でも見劣りする。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 粗利率52.8%は業種一般水準を上回るものの、販管費負担により営業利益率は0.8%まで縮小しており、収益構造上は粗利の高さを最終利益に転換できていない点が決算データから読み取れる。

  2. 精肉・惣菜という売上構成比の大きい両事業が減益となっており、和菓子事業の増収も利益成長には結びついていない。事業ポートフォリオ内での収益性のばらつきが確認できる。

  3. 実効税率81.4%という高水準、および通期利益進捗率が営業利益4.6%・純利益2.0%にとどまる点は、下期における収益改善の実現度合いを見極める上での注目材料である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,355円
base(基準)1,373円
bull(強気)1,386円
算出前提
1株純資産(BPS)1,538円
調整後予想EPS88.0円
株主資本コスト r9.87%(10年国債 2.87% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向100.0%
予想EPSの信頼度調整×1.054(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.89倍 / 15.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,338円〜1,410円、ω±0.1で 1,368円〜1,376円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-08 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。