| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1204.6億 | ¥1165.9億 | +3.3% |
| 営業利益 | ¥100.9億 | ¥109.1億 | -7.5% |
| 経常利益 | ¥156.5億 | ¥171.9億 | -9.0% |
| 純利益 | ¥149.6億 | ¥132.3億 | +13.0% |
| ROE | 2.3% | 2.0% | - |
2027年3月期第1四半期は、増収ながら営業段階では減益となり、特別利益や為替差益などの非経常要因により最終増益を確保した決算である。売上高は1,204.6億円(前年比+3.3%)、営業利益は100.9億円(同-7.5%)、経常利益は156.5億円(同-9.0%)となった。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は135.9億円(同+17.2%)と増益で、投資有価証券売却益52.9億円を含む特別利益66.4億円が押し上げ要因となった。営業減益の主因は、粗利率が59.5%(前年58.9%)へ改善したものの、販管費率が51.1%(前年49.5%)へ上昇し、コスト増が増収効果を上回ったことにある。
【売上高】売上高は1,204.6億円で前年比+3.3%の増収。地域別では米州257.5億円(+18.7%)、アジア・オセアニア336.9億円(+14.4%)、欧州36.6億円(+14.2%)が牽引し、海外3地域合計は前年比+16%程度増加した。一方、日本は553.7億円(-7.2%)と減収で、全社売上に占める日本の構成比は前年の約51%から46%程度へ低下し、海外比率が拡大している。
【損益】営業利益は100.9億円で前年比-7.5%の減益。販管費が615.9億円(+6.7%)と売上成長率を上回るペースで増加し、販管費率が+1.6pt上昇したことが主因である。営業外収益67.5億円(為替差益23.2億円、受取利息17.7億円、受取配当金14.6億円)が下支えしたものの、経常利益は156.5億円(-9.0%)となった。特別利益66.4億円(投資有価証券売却益52.9億円、固定資産売却益12.4億円)を一時的要因として計上し、税引前利益は214.3億円に達した。法人税等64.7億円と非支配株主帰属純利益13.7億円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は135.9億円(+17.2%)で、経常段階までは増収減益、最終段階は特別利益の寄与により増益に転じた構図である。
セグメント別営業利益では、米州が69.2億円(前年比+9.0%、利益率26.9%)と全社最高の収益性を示し、利益の牽引役となっている。アジア・オセアニアは売上336.9億円(+14.4%)に対し営業利益31.4億円(+145.8%)と大幅増益で、利益率も9.3%へ改善した。日本は売上553.7億円(-7.2%)、営業利益56.6億円(-35.6%)と減収減益で、利益率は10.2%に低下した。欧州は売上36.6億円(+14.2%)に対し営業損失1.8億円(利益率-5.0%)で赤字となっている。海外・特に米州の高収益性が、国内の減益と欧州の赤字を補う構図となっており、セグメント間の利益率格差(26.9%〜▲5.0%)が全社マージンのばらつきの主因となっている。
【収益性】営業利益率は8.4%で前年9.4%から0.99pt低下し、粗利率59.5%(前年58.9%)の改善を販管費率51.1%(前年49.5%)の上昇が相殺した形である。親会社株主に帰属する当期純利益ベースの純利益率は11.3%で、非経常益の寄与により営業利益率の低下ほどには落ち込んでいない。【キャッシュ品質】現金及び預金は2,170.5億円で総資産の23.6%を占め、投資有価証券744.5億円と合わせ流動性資産は厚い。【投資効率】ROEは2.3%で、税引前利益から法人税等・非支配株主帰属分を控除した親会社株主帰属純利益ベースで算出されている。総資産回転率が低水準に留まっており、資産効率がROE水準を制約している。【財務健全性】自己資本比率は70.9%(前年71.7%からやや低下)で、流動比率208.3%、当座比率201.8%と短期支払能力は高い。有利子負債合計は約1,130億円に対し現金及び預金は2,170.5億円とネットキャッシュに近い財務構造にある。
本決算はキャッシュフロー計算書項目の開示がないため、貸借対照表の増減から資金動向を分析する。現金及び預金は2,170.5億円で前年同期の2,314.6億円から140.2億円(-6.1%)減少した。一方、有形固定資産は3,664.8億円(+5.9%)に増加し、うち建設仮勘定は1,162.1億円(前年964.3億円、+20.5%)と拡大しており、有形固定資産全体の31.7%を占めるまでに積み上がっている。設備投資の進捗が現預金減少の一因とみられる。短期借入金は602.3億円(前年492.3億円、+22.3%)に増加し、投資資金の一部を短期資金調達で賄った可能性がある。投資有価証券は744.5億円(前年803.9億円、-7.4%)に減少しており、投資有価証券売却益52.9億円の計上と整合的である。総じて、投資活動が資金需要の中心となり、現預金の取り崩しと短期借入の増加でこれを補完した構図がうかがえる。
経常利益156.5億円に対し、特別利益66.4億円(投資有価証券売却益52.9億円、固定資産売却益12.4億円)と特別損失8.6億円の純額+57.8億円が加わり、税引前利益は214.3億円となった。法人税等64.7億円(実効税率30.2%)と非支配株主帰属純利益13.7億円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は135.9億円で、経常利益に対して-13.1%の乖離となっており、税負担・非支配株主控除に加え特別損益の影響が反映されている。営業外収益67.5億円は売上高比5.6%で、為替差益23.2億円・受取利息17.7億円・受取配当金14.6億円が中心であり、いずれも本業以外の収益である。包括利益は212.6億円で、うち親会社株主分は187.9億円と純利益135.9億円を52億円上回っており、為替換算調整額のプラス寄与(親会社株主分ベース)が主因である。特別利益・為替差益といった非経常・非営業要因への依存度が高く、次期以降は反動やボラティリティに留意が必要な収益構造といえる。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高22.9%(1,204.6億円/5,270.0億円)、営業利益22.9%(100.9億円/440.0億円)、経常利益27.2%(156.5億円/575.0億円)、親会社株主に帰属する当期純利益29.2%(135.9億円/465.0億円)である。単純な四半期均等進捗(25%目安)と比較すると、売上・営業利益はやや下回り、経常・純利益はやや上回っているが、いずれも大幅な乖離ではない。経常・純利益段階での進捗の先行は、第1四半期に計上された特別利益・営業外収益の寄与が大きく、通期を通じて同水準の非経常要因が継続するかは本決算データからは判断できない。当四半期において業績予想・配当予想の修正は行われていない。
会社は年間配当予想を1株72円としている。予想EPS174.21円に基づく配当性向は41.3%(72円/174.21円)となる。現金及び預金2,170.5億円が有利子負債合計(約1,130億円)を上回るネットキャッシュに近い財務構造にあり、自己資本比率70.9%と財務基盤も厚いことから、配当を支える財務的な裏付けは確保されている状況である。
短期負債依存とリファイナンスリスク: 短期借入金は602.3億円(前年492.3億円、+22.3%)に増加し、長期借入金509.6億円とほぼ横ばいの中で有利子負債に占める短期比率が上昇している。現金及び預金2,170.5億円は有利子負債合計を上回り緩衝材となっているが、金利環境の変化時には借換えコストの動向がモニタリングポイントとなる。
大型設備投資の稼働遅延リスク: 建設仮勘定は1,162.1億円(前年964.3億円、+20.5%)に拡大し、有形固定資産の31.7%を占める。稼働開始までは収益貢献が生じない一方、稼働後は減価償却負担が増加するため、資産効率や利益率への影響が今後の焦点となる。
地域別収益性のばらつき: 日本セグメントは営業利益56.6億円(-35.6%)、利益率10.2%に低下し、欧州セグメントは営業損失1.8億円(利益率-5.0%)で赤字が継続している。米州の高マージン(26.9%)が全社利益を下支えする一方、地域間の収益格差が拡大している。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 8.4% | 5.2% (1.2%–6.4%) | +3.2pt |
| 純利益率 | 12.4% | 3.7% (0.3%–4.9%) | +8.7pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で上位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 3.3% | 6.5% (3.8%–10.4%) | -3.2pt |
売上高成長率は業種中央値を下回り、収益性の高さに対し増収ペースは相対的に緩やかである。
※出所: 当社集計
営業利益率は8.4%で前年9.4%から低下し、販管費率上昇(+1.6pt)がコスト面の圧迫要因となっている。一方、最終増益は特別利益66.4億円や為替差益等の非経常・非営業要因に支えられており、増益の内訳における一時的要因の寄与度が高い点が特徴である。
通期進捗率は売上22.9%、営業利益22.9%、経常27.2%、純利益29.2%で、経常・純利益段階がやや先行している。この先行は第1四半期の特別利益計上によるところが大きく、同水準の要因が通期を通じて継続するかは本決算データのみでは判断できない。
海外事業(米州・アジア大洋州)が増収増益を牽引する一方、日本は減収減益、欧州は赤字が継続しており、地域別の収益構造の変化が今後の全社利益率を左右する構造的な注目点である。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,087円 |
| base(基準) | 2,131円 |
| bull(強気) | 2,175円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,266円 |
| 調整後予想EPS | 159.1円 |
| 株主資本コスト r | 9.15%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 41.3% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×0.913(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.94倍 / 13.4倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,072円〜2,192円、ω±0.1で 2,126円〜2,134円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。