| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1593.0億 | ¥1898.2億 | -16.1% |
| 営業利益 | ¥123.5億 | ¥79.0億 | +56.4% |
| 経常利益 | ¥213.8億 | ¥92.0億 | +132.3% |
| 純利益 | ¥116.2億 | ¥55.9億 | +107.9% |
| ROE | 2.7% | 1.3% | - |
売上高が16.1%減少する一方で、営業利益・経常利益・純利益はいずれも大幅増益となり、採算改善の質が業績の中心テーマとなった決算である。売上高は1593.0億円(前年1898.2億円、-16.1%)、営業利益は123.5億円(同+56.4%)、経常利益は213.8億円(同+132.3%)、純利益は116.2億円(同+107.9%)となった。粗利率が12.8%へ改善したことに加え、受取利息・為替差益といった営業外収益の押し上げが経常段階の伸びを増幅した。
【売上高】売上高は1593.0億円で前年比-16.1%となり、主力の総合エンジニアリング事業(売上構成比89.6%)が-18.1%と減収を主導した。一方、機能材製造は155.9億円(+6.9%)、その他事業も18.8億円(+1.4%)と小規模ながら増収を確保した。エンジニアリング事業の減収は案件の進行・完了タイミングの影響が大きいとみられ、契約負債が1746.7億円(前年1484.4億円、+17.7%)へ増加している点から受注の裾野は拡大している。
【損益】売上減少にもかかわらず、売上原価が-20.3%と売上以上に減少したことで粗利率は12.8%へ改善(前年8.1%から+465bp)、営業利益は123.5億円(+56.4%)となった。販管費は+6.0%増加し販管費率は5.0%へ上昇したが、粗利率改善がこれを吸収した。経常利益は営業外収益93.8億円(受取利息41.1億円、為替差益38.8億円)の押し上げにより213.8億円(+132.3%)と大幅増となった一方、実効税率45.5%の高い税負担が純利益の伸びを抑制し、純利益は116.2億円(+107.9%)にとどまった。結論として減収増益である。
総合エンジニアリングは売上1426.7億円(構成比89.6%、YoY-18.1%)、営業利益115.8億円(YoY+55.4%、利益率8.1%)で、規模は最大だが利益率は相対的に低い。機能材製造は売上155.9億円(構成比9.8%、YoY+6.9%)、営業利益23.8億円(YoY+29.4%、利益率15.3%)と高収益セグメントである。その他事業は売上18.8億円、営業利益2.9億円(利益率15.3%)と小規模ながら安定した利益率を確保している。連結利益への影響度はエンジニアリング事業の採算変動が支配的である。
【収益性】営業利益率は7.8%で前年4.2%から+360bp改善し、粗利率も12.8%へ+465bp改善した。純利益率は7.3%で前年2.9%から大幅に上昇している。【キャッシュ品質】営業外収益は93.8億円と売上高の5.9%を占め、うち為替差益38.8億円・受取利息41.1億円が経常利益を押し上げており、この部分は市況・金利環境に連動する変動性を伴う。【投資効率】ROEは2.7%となり、純利益率の改善が牽引したものの、総資産回転率は0.19倍と低水準で資産効率は限定的である。【財務健全性】自己資本比率は50.2%、現金及び預金は4140.6億円と厚く、長期借入金143.2億円・社債200.0億円に対して現金が大きく上回る実質無借金に近い財務構造を維持している。
キャッシュフロー計算書の開示はないが、バランスシートの動きから資金動向を分析すると、契約負債が1484.4億円から1746.7億円へ+17.7%増加し、前受金の積み上がりが運転資本面でのキャッシュ創出に寄与したとみられる。現金及び預金は4004.8億円から4140.6億円へ増加し、受取利息41.1億円の増加は高水準の現金残高と金利環境を反映している。未成工事支出金は108.8億円から126.4億円へ増加し案件進行に伴う資金需要はあったが、契約負債の伸びがこれを相殺する形となっている。総じて運転資本の変化はキャッシュ面でポジティブに機能していると考えられる。
経常的な収益の中心は営業利益123.5億円であり、特別損失は0.5億円(固定資産除却損)と軽微で一時的要因の影響は小さい。一方、営業外収益93.8億円は売上高の5.9%に達し、受取利息41.1億円、為替差益38.8億円、受取配当金6.2億円で構成される。このうち為替差益は市況変動に連動するボラティルな要素であり、経常利益213.8億円の押し上げ効果を平準化して評価する必要がある。経常利益と純利益の乖離(213.8億円→116.2億円、約-45.6%)は主に法人税等97.0億円(実効税率45.5%)による税負担の重さに起因する。契約負債の増加や工事損失引当金の縮小(368.8億円→360.6億円)は保守的な損益計上姿勢を示唆し、アクルーアルの過度な積み上げは見られない。
通期会社計画に対する第1四半期の進捗率は、売上高23.8%(会社計画6700.0億円)、営業利益30.9%(同400.0億円)、経常利益46.5%(同460.0億円)、純利益25.3%(同460.0億円)となった。売上高・純利益は標準的な進捗(25%目安)に近く、営業利益は+5.9ptと良好な進捗である。一方、経常利益は+21.5ptと過熱気味で、これは受取利息・為替差益といった営業外収益の押し上げが主因であり、平準化して評価する必要がある。会社計画では通期経常利益は前年比-20.9%と減少を見込んでおり、Q1の非営業要因による上振れは通期を通じて反動が生じる可能性がある。
配当予想は年間52.00円で、前年の配当と同水準である。会社計画の純利益46.0億円(親会社株主帰属)を基準とすると、期中平均株式数約2.4185億株から算出される年間配当総額は約125.8億円となり、配当性向は約27.3%となる。当四半期において配当予想の修正はない。現金及び預金4140.6億円という厚い現預金残高と、自己資本比率50.2%という保守的な財務構造が、配当の持続性を支える基盤となっている。
為替・金利感応度リスク: 経常利益の押し上げ要因である為替差益38.8億円・受取利息41.1億円は営業外収益93.8億円の約85%を占め、市況変動により経常段階の変動性が高まる可能性がある。
事業集中リスク: 総合エンジニアリング事業が売上構成比89.6%を占め、同事業の採算変動(当期は粗利率改善が寄与)が連結業績に与える影響が大きい構造となっている。
高税負担リスク: 実効税率は45.5%(法人税等97.0億円/税引前利益213.3億円)と高水準であり、経常利益の増益が純利益の増益に十分反映されにくい構造が続いている。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.8% | 4.5% (2.7%–6.6%) | +3.3pt |
| 純利益率 | 7.3% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +3.5pt |
収益性は業種中央値を上回り、建設業内では相対的に高い水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -16.1% | 4.8% (3.4%–10.1%) | -20.9pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、トップラインは業種内で劣後している。
※出所: 当社調べ
売上減少下での採算改善が確認できる。粗利率は+465bp、営業利益率は+360bp改善しており、案件ミックスやコスト管理の進展が業績構造の質的変化として観察される。
経常利益の進捗率46.5%は為替差益・受取利息といった営業外収益の押し上げが主因であり、通期評価においてはこれらを平準化して捉える必要がある点が決算データから読み取れる。
契約負債が前年比+17.7%増加している一方、工事損失引当金は-2.2%縮小しており、受注の積み上がりとレガシー案件のリスク低下が並行して進んでいる様子がうかがえる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,843円 |
| base(基準) | 1,909円 |
| bull(強気) | 1,958円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,766円 |
| 調整後予想EPS | 212.4円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 27.3% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.08倍 / 9.0倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,855円〜1,966円、ω±0.1で 1,906円〜1,915円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。