クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1557.2億 | ¥1386.0億 | +12.4% |
| 営業利益 | ¥106.9億 | ¥56.4億 | +89.4% |
| 経常利益 | ¥113.2億 | ¥57.5億 | +96.9% |
| 純利益 | ¥69.3億 | ¥35.1億 | +97.7% |
| ROE(年換算) | 8.0% | 4.0% | - |
Executive Summary
2027年度第1四半期は、粗利益率が282bp改善したことを主因に、増収に加えて営業利益が前年同期比89.4%増と大幅な増益を達成した。売上高は1,557.2億円(前年1,386.0億円、YoY+12.4%)、営業利益は106.9億円(前年56.4億円、YoY+89.4%)、経常利益は113.2億円(前年57.5億円、YoY+96.9%)、純利益(親会社株主帰属)は69.1億円(前年36.7億円、YoY+88.1%)となった。全セグメントが増収となる中、社会インフラ・システムソリューションの採算改善が全社利益率の押し上げに寄与した。
業績変動要因
【売上高】売上高は1,557.2億円、前年同期比+12.4%増収。セグメント別では通信インフラ601.2億円(+4.1%、構成比38.6%)、社会インフラ491.9億円(+19.7%、構成比31.6%)、システムソリューション464.1億円(+16.8%、構成比29.8%)と3セグメントすべてが増収し、社会インフラ・システムソリューションの伸びが全体を牽引した。
【損益】売上原価は1,287.4億円(売上高比82.7%)にとどまり、売上総利益率は前年同期14.5%から17.3%へ282bp改善した。販管費は162.9億円で売上高比10.5%とほぼ前年並みに抑制され、粗利改善がそのまま営業利益に反映された。営業利益率は4.1%から6.9%へ279bp拡大。セグメント利益は社会インフラが1.8億円から26.8億円へ(利益率0.4%→5.4%)、システムソリューションが0.2億円から21.7億円へ(利益率0.5%→4.7%)と大幅改善し、通信インフラ(9.7%、+58bp)以外の採算回復が全社増益の主因となった。経常利益は営業外損益の純黒字(6.3億円)も加わり+96.9%増、純利益は法人税等増加の影響を含みつつ+88.1%増となった。増収増益であり、増益の主因は増収効果よりも利益率改善による。
セグメント別分析
通信インフラは売上601.2億円(+4.1%)、利益58.4億円(+10.7%)、利益率9.7%(前年比+58bp)で全セグメント利益の54.6%を占める中核事業。社会インフラは売上491.9億円(+19.7%)、利益26.8億円(前年1.8億円から大幅増)、利益率5.4%(+501bp)。システムソリューションは売上464.1億円(+16.8%)、利益21.7億円(前年0.2億円から大幅増)、利益率4.7%(+420bp)。主力の通信インフラが安定的な収益基盤を担う一方、他2segmentの低採算からの回復が今期増益の広がりを示している。なお当期よりグローバルユニットの帰属変更等によりセグメント区分・名称が変更されている。
主要財務指標
【収益性】営業利益率6.9%(前年4.1%、+279bp)、純利益率4.4%(前年2.6%台、+179bp)と、粗利益率17.3%(+282bp)の改善を起点に各段階で利益率が上昇した。【キャッシュ品質】前年同期に計上された投資有価証券売却益7.6億円のような特別利益は当期には見られず、増益は営業・経常段階の実質的な収益力向上に基づく。【投資効率】ROE(年換算)は8.0%で、純利益率・総資産回転率の改善が押し上げ要因となっている一方、財務レバレッジは1.8倍程度と抑制的である。【財務健全性】自己資本比率55.6%、流動比率239.4%、現金及び預金521.6億円(短期借入金の9倍超)であり、短期借入金の圧縮(前年比-156.5億円)も進み、資金繰りの耐性は高い水準にある。
キャッシュフロー分析
キャッシュフロー計算書の開示はないが、バランスシート推移からは資金効率の改善傾向が読み取れる。現金及び預金は前年同期比+104.5億円の521.6億円に増加し、同時に短期借入金は212.5億円から56.0億円へ大幅に圧縮された。完成工事未収入金は1,919.4億円と前年同期比-1,134.8億円減少し、工事未払金等も543.8億円へ-280.8億円減少しており、請負工事に伴う回収・支払サイクルの変化が運転資本を縮小させ、現金及び預金の積み上がりに寄与したとみられる。利益改善と運転資本の圧縮が同時進行しており、資金創出力の底上げを示唆する動きである。
収益の質
当期の増益は前年同期に計上された投資有価証券売却益7.6億円のような一時的要因を伴わず、粗利益率の改善という経常的な要因に支えられている点で収益の質は前年同期比で高い。営業外収益13.5億円は受取配当金4.2億円、為替差益3.9億円等で構成され、売上高比0.9%と小規模であり、経常利益の押し上げは主として営業利益の改善による。包括利益は104.7億円で純利益69.1億円を35.6億円上回り、その他有価証券評価差額金21.8億円や退職給付に係る調整額16.2億円といったOCIが押し上げ要因となっているが、これらは市場変動に伴う項目であり、当期の本業収益力の評価には純利益・営業利益ベースの分析がより適合的である。
業績予想・ガイダンス
通期予想は売上高7,500.0億円(前年比-4.8%)、営業利益560.0億円(同+7.7%)、経常利益545.0億円(同+3.4%)であり、業績予想の修正は行われていない。Q1の進捗率は売上高20.8%、営業利益19.1%、経常利益20.8%程度となり、標準的な四半期進捗(25%)をやや下回る。Q1営業利益率6.9%は通期計画上想定される利益率(約7.5%)を下回っており、通期計画の達成には下期以降のさらなる採算改善が前提となる。売上規模の縮小を見込みつつ増益を計画している点から、会社は量的拡大よりも案件採算の改善を重視した計画としている。
株主還元
通期の1株当たり配当予想は80.00円で、配当予想の修正は行われていない。通期EPS予想174.82円に対する配当性向は45.8%であり、持続可能性の目安とされる60%を下回る水準にある。自己株式は帳簿価額で前年同期比+24.3億円増加しているが、当期の取得額は開示データから特定できないため、配当のみに基づく配当性向として記述する。
リスク要因
-
原価率・粗利益率の脆弱性: 売上原価が売上高の82.7%を占め、粗利益率は17.3%にとどまる。資材価格・外注費・技能労働者の人件費上昇を価格へ転嫁できない場合、営業利益率6.9%の改善が反転するリスクがある。
-
主力以外セグメントの採算持続性: 社会インフラ(利益率5.4%)、システムソリューション(利益率4.7%)は通信インフラ(9.7%)を下回り、前年同期からの改善幅が大きい。工程遅延や仕様変更、採算見積りとの差異が生じた場合、全社増益への寄与が縮小しうる。
-
通期計画達成に向けた進捗の遅れ: 営業利益の通期進捗率は19.1%と標準進捗(25%)を下回り、通期営業利益率7.5%程度の達成には下期における一段の利益率改善が必要となる。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(construction)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 6.9% | 4.5% (2.7%–6.6%) | +2.4pt |
| 純利益率 | 4.5% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +0.7pt |
自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を上回り、収益性は業種内で相対的に高い水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 12.4% | 4.8% (3.4%–10.1%) | +7.6pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内でも高い成長を示している。
※出所: 当社集計
決算上の注目ポイント
-
当期の増益は粗利益率282bpの改善を起点とする実質的な収益力向上であり、前年同期に計上された投資有価証券売却益のような一時的要因に依存していない点は、増益の質を評価する上で注目される。
-
通信インフラが利益の過半を占める収益基盤である一方、社会インフラ・システムソリューションの採算改善(利益率+501bp、+420bp)が今期増益の広がりを支えており、事業ポートフォリオ全体での改善が確認できる。
-
通期計画は売上高減少下での営業増益を見込んでおり、Q1進捗率(営業利益19.1%)を踏まえると、今後は受注量よりも案件ミックスと原価管理が業績を左右する構造にある。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,739円 |
| base(基準) | 1,798円 |
| bull(強気) | 1,840円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,688円 |
| 調整後予想EPS | 195.2円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 45.8% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.07倍 / 9.2倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,748円〜1,850円、ω±0.1で 1,796円〜1,802円。
注記:
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。