| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1623.7億 | ¥1414.1億 | +14.8% |
| 営業利益 | ¥136.0億 | ¥72.0億 | +89.0% |
| 経常利益 | ¥154.3億 | ¥87.4億 | +76.6% |
| 純利益 | ¥100.6億 | ¥43.2億 | +132.8% |
| ROE | 2.3% | 0.7% | - |
2027年3月期第1四半期は、増収以上に利益が伸びる増収増益決算となり、収益性の改善が最大の特徴である。売上高は完成工事高ベースで1,623.7億円(前年比+14.8%)、営業利益は136.0億円(同+89.0%)、経常利益は154.3億円(同+76.6%)となった。純利益(連結、非支配株主帰属分を含む)は100.6億円(同+132.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は98.9億円(同+127.6%)で、EPSは52.18円(前年21.92円、+138.0%)。増益の主因は完成工事総利益率が22.7%(前年19.7%、+3.0pt)へ改善したことで、原価管理と案件採算の改善が営業利益率を8.4%(前年5.1%、+3.3pt)へ押し上げた。一方、自己資本比率は50.0%(前年72.4%)へ低下しており、短期借入金の急増を伴う資本構成の変化が並行して進んでいる。
【売上高】完成工事高は1,623.7億円で前年比+14.8%の増収。報告セグメントは設備工事業単一であるため事業別の増減要因は開示されていないが、完成工事総利益は368.5億円(前年278.5億円)へ+90.0億円増加し、粗利率は22.7%(前年19.7%、+3.0pt)へ改善した。増収と採算改善が同時進行しており、量・質の両面で伸長した増収である。
【損益】営業利益は136.0億円(前年比+89.0%)、営業利益率8.4%(前年5.1%、+3.3pt)。売上高が+14.8%増加する一方、販管費は232.4億円(前年206.5億円、+12.5%)と売上高の伸びを下回るペースで推移し、正の営業レバレッジが効いた。営業外収益は受取配当金15.6億円を中心に21.6億円計上され、営業外費用(支払利息1.8億円等)3.2億円を上回り、経常利益は154.3億円(同+76.6%)となった。特別損益は特別利益0.1億円、特別損失0.6億円と軽微で、一時的要因の影響は限定的である。税引前利益153.8億円から法人税等53.3億円、非支配株主帰属純利益1.6億円を控除し、親会社株主に帰属する当期純利益は98.9億円(同+127.6%)となった。経常利益と親会社株主帰属純利益の乖離(約-36%)は主に法人税等の負担によるもので、構造的な要因である。増収増益。
【収益性】営業利益率8.4%(前年5.1%、+3.3pt)、完成工事総利益率22.7%(前年19.7%、+3.0pt)、親会社株主帰属ベースの純利益率6.1%(前年3.1%、+3.0pt)と、いずれも前年から大きく改善している。【キャッシュ品質】完成工事未収入金は1,979.0億円(前年2,608.8億円、-24.1%)へ圧縮が進む一方、未成工事受入金(前受金)は575.5億円(前年468.8億円、+22.7%)へ増加し、今後の出来高計上余地を示している。【投資効率】ROEは2.3%(四半期ベース)、総資産回転率は0.19回(四半期)で、EPSは52.18円(前年21.92円、+138.0%)と大幅に伸長した。【財務健全性】自己資本比率は50.0%(前年72.4%、-22.4pt)へ低下し、短期借入金は2,454.2億円(前年150.0億円)へ急増、流動比率は115.4%となっている。
キャッシュフロー計算書データは開示されていないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は742.3億円(前年653.6億円、+13.6%)、短期有価証券は1,504.0億円(前年1,271.9億円、+18.3%)へ増加し、手元流動性は積み増しの方向にある。一方で短期借入金は2,454.2億円(前年150.0億円)へ急増しており、資金調達構造は自己資本から短期負債へ大きくシフトした。運転資本面では完成工事未収入金が1,979.0億円(前年2,608.8億円)へ-629.8億円圧縮され、資金回収は進展している一方、未成工事受入金(前受金)は575.5億円(前年468.8億円)へ+106.6億円増加し、工事進捗に伴う資金創出余地を示している。利益剰余金は3,017.5億円(前年5,243.6億円)へ-2,226.1億円減少しており、配当や自己株式取得(自己株式は-128.9億円、前年-80.9億円)等による資本の流出が進んだ点は、資金繰り上のバッファ縮小として留意される。
利益の大部分は本業由来であり、収益の質は良好である。営業外収益21.6億円のうち受取配当金15.6億円が中心で、売上高比では約1.3%にとどまり、営業外収益への依存度は低い。特別損益も特別利益0.1億円、特別損失0.6億円と軽微で、一時的要因が利益を歪めている度合いは小さい。経常利益154.3億円と親会社株主帰属純利益98.9億円の乖離(約-36%)は、法人税等53.3億円の負担によるもので構造的な差異である。包括利益は90.8億円で親会社株主帰属純利益98.9億円をやや下回り、為替換算調整額-2.5億円、有価証券評価差額金-4.6億円、退職給付に係る調整額-2.7億円など、その他有価証券や為替の評価差によるマイナスのアクルーアルが要因である。乖離幅は限定的で、包括利益と純利益の差異から収益の質を損なうほどの兆候は見られない。
通期会社計画は売上高8,100億円(前期比+7.9%)、営業利益970億円(同+7.5%)、経常利益960億円(同+1.6%)、親会社株主帰属純利益700億円で、業績予想・配当予想ともに修正はない。第1四半期の進捗率は売上高20.0%、営業利益14.0%、経常利益16.1%、純利益14.1%で、単純な四半期均等配分の目安25%を下回っている。もっとも建設業は工事の出来高計上が下期に偏重する季節性があり、前年同期の実績対比でも増収増益基調が続いていることから、進捗率の低さのみで通期計画達成の可否を判断することは難しい。未成工事受入金(前受金)の増加は、今後の出来高計上余地を示す先行指標として観察できる。
通期配当予想は120円/株で、前期実績60円から倍増している。この配当予想には中間・期末それぞれに中期経営計画・成長指標達成に伴う特別配当50円が含まれており、通常配当分と特別配当分を区別して理解する必要がある。発行済株式数166,454千株から自己株式1,972千株を控除した約164,482千株に配当予想120円を乗じた想定配当総額は約197.4億円となり、通期親会社株主帰属純利益予想700億円に対する配当性向は約28.2%である。自己株式は前年80.9億円から128.9億円へ増加しており、自己株式取得も進んでいるが、本期において自社株買いに関する具体的な実施枠等の開示はなく、配当のみを基準とした配当性向として上記数値を用いている。
流動性・資金調達構造の変化: 短期借入金は2,454.2億円(前年150.0億円)へ急増し、自己資本比率は50.0%(前年72.4%、-22.4pt)へ低下した。現金及び預金742.3億円に対する短期借入金の比率は約3.3倍で、短期資金の再調達動向が財務構造上の注目点となる。
工事採算・引当金の動向: 工事損失引当金は76.2億円(前年83.2億円、-8.4%)で減少傾向にあるが、残高自体は依然として大きく、資材・労務費の変動による個別案件の採算悪化が利益率に影響を与えうる。
工事関連債権の回収状況: 完成工事未収入金は1,979.0億円(前年2,608.8億円、-24.1%)へ圧縮が進んでいるが、残高は依然として売上高の約1.2倍に相当する水準であり、回収サイクルの継続的な管理が資金繰り上のポイントとなる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 8.4% | 4.5% (2.7%–6.6%) | +3.9pt |
| 純利益率 | 6.2% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +2.4pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回り、収益性は業種内で上位水準に位置している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 14.8% | 4.8% (3.4%–10.1%) | +10.0pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内でも高い増収率を示している。
※出所: 当社集計
完成工事総利益率22.7%(前年19.7%、+3.0pt)を起点に営業利益率8.4%(前年5.1%、+3.3pt)まで改善しており、業種中央値(4.5%)を上回る水準に達している。この収益性改善が一過性か構造的かは、Q2以降の粗利率推移で確認できる。
自己資本比率が72.4%から50.0%へ低下し、短期借入金が150.0億円から2,454.2億円へ急増するなど、資本構成が短期の負債調達に大きくシフトしている。利益剰余金も5,243.6億円から3,017.5億円へ減少しており、この資本構成の変化の背景(配当・自己株式取得・会計処理の確定等)を継続的に確認する余地がある。
配当予想は120円/株(前期60円から倍増)で、中間・期末に特別配当各50円を含む。配当性向は約28.2%と抑制的な水準にとどまっており、通常配当と特別配当の性格の違いを踏まえた理解が有用である。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 3,135円 |
| base(基準) | 3,289円 |
| bull(強気) | 3,401円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,635円 |
| 調整後予想EPS | 453.9円 |
| 株主資本コスト r | 9.15%(10年国債 2.65% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 29.5% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.25倍 / 7.2倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 3,194円〜3,387円、ω±0.1で 3,272円〜3,314円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-06 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。