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19442027 第1四半期プライムJGAAP

きんでん(1944) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益89%増

2027年度第1四半期の売上高は1,624億円(前年同期比+14.8%)、営業利益は136億円(同+89.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社きんでん

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1623.7億¥1414.1億+14.8%
営業利益¥136.0億¥72.0億+89.0%
経常利益¥154.3億¥87.4億+76.6%
純利益¥100.6億¥43.2億+132.8%
ROE(年換算)9.3%2.6%-

Executive Summary

完成工事高の増加と工事採算の改善が同時に進み、増収増益の質が高い決算となった。売上高は1,623.7億円(前年比+14.8%)、営業利益は136.0億円(同+89.0%)、経常利益は154.3億円(同+76.6%)、純利益は100.6億円(同+132.8%)となった。完成工事総利益率が19.7%から22.7%へ改善し、増益率が増収率を大きく上回る収益構造の変化が確認できる。

業績変動要因

【売上高】売上高は1,623.7億円で前年同期比+14.8%となった。報告セグメントは設備工事業(建設事業)単一であり、完成工事高の増加が売上を牽引した。通期会社予想の前年比+7.9%を上回るペースでの進捗である。

【損益】完成工事総利益は368.5億円(前年278.5億円)、完成工事総利益率は22.7%と前年の19.7%から約3.0pt改善した。完成工事原価率は77.3%へ低下し、工事採算の好転が確認できる。販管費は232.4億円、販管費率は14.3%で前年の14.6%からやや低下し、増収に伴う固定費吸収も寄与した。結果、営業利益率は8.4%(前年5.1%)へ改善している。営業外収益21.6億円のうち受取配当金15.6億円が72%を占め経常利益を補完するが、規模は売上高の1.3%程度であり利益成長の中心は本業の採算改善である。特別損益は差引0.5億円の損失で軽微。純利益は100.6億円(同+132.8%)と大幅増益となった。増収増益であり、増益の主因は工事採算改善と販管費率の低下による営業レバレッジである。

主要財務指標

【収益性】営業利益率8.4%、純利益率6.1%はいずれも前年(5.1%、3.1%)から大きく改善した。【キャッシュ品質】完成工事未収入金は1,979.0億円で前年同期の2,608.8億円から629.8億円減少し、増収下でも回収が進んでいる点は現金化の質を示す。未成工事受入金575.5億円が未成工事支出金293.4億円を上回り、進行中案件の前受金が運転資金を支えている。【投資効率】ROE(年換算)は9.3%で、純利益率の改善が主因である一方、総資産回転率は低水準にとどまり資産効率にはなお改善余地がある。【財務健全性】自己資本比率は50.0%と一定の健全性を保つが、短期借入金は前年の150.0億円から2,454.2億円へ急増し、有利子負債が短期に集中している点はモニタリングが必要である。現金及び預金742.3億円と短期投資有価証券1,504.0億円を合わせても短期借入金をわずかに下回る水準である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の直接データは開示されていないが、BS推移から資金動向を把握できる。完成工事未収入金は629.8億円減少し、増収にもかかわらず回収が進展したことは資金効率の観点で前向きである。一方で工事未払金等は240.3億円減少しており、仕入・外注先への支払が進んだことで運転資金需要が生じている。この間、短期借入金は2,304.2億円増加し、資金調達構成が短期借入への依存を強めている。現金及び預金は742.3億円で前年同期の653.6億円から増加しているが、短期借入金の増加額と比較すると、増加分の多くが借入によって補われている可能性がある。今後は完成工事未収入金の回収継続と、借入金の圧縮・長期化への転換が資金構造の安定化に資すると考えられる。

収益の質

営業利益・純利益の増益は完成工事総利益率の改善という経常的な要因に支えられており、収益の質は総じて良好である。営業外収益21.6億円の内訳をみると受取配当金15.6億円が中心で、投資有価証券からの安定的な収益が経常利益を下支えしている一方、その規模は売上高の1.3%程度にとどまり、経常利益の伸長は本業の採算改善によるものが大きい。特別損益は特別利益0.1億円・特別損失0.6億円と軽微であり、一時的要因が純利益を大きく歪めてはいない。包括利益は90.8億円で親会社株主に帰属する純利益98.9億円(親会社株主帰属分)を下回り、為替換算調整額や有価証券評価差額金、退職給付に係る調整額のマイナスがその他の包括利益要素として働いている。この乖離は主に保有資産の評価変動によるもので、事業損益の質そのものを損なうものではない。工事損失引当金は76.2億円で前年の83.2億円から減少しており、将来の採算悪化懸念は後退している。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想(連結)は売上高8,100億円(前年比+7.9%)、営業利益970.0億円(同+7.5%)、経常利益960.0億円(同+1.6%)であり、今回の四半期決算を受けた修正は行われていない。第1四半期の進捗率は売上高が20.0%、営業利益は14.0%、経常利益は16.1%、純利益は14.4%であり、いずれも単純な25%基準を下回る。建設業は完成工事の進捗・検収タイミングにより四半期業績が変動しやすく、上期・下期での工事引渡しの偏在が要因となりうる。個別業績予想では第2四半期累計で売上高2,850億円(+6.6%)、通期で売上高6,700億円(+9.4%)、営業利益890億円(+12.5%)を見込み、いずれも会社は直近予想からの修正なしとしている。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は240円、EPS予想406.46円に基づく配当性向は約59.0%である。この配当予想には中間・期末それぞれ50円、年間合計100円の中期経営計画・成長指標達成に伴う特別配当が含まれており、通常配当相当は年間140円にとどまる。通常配当のみに基づく配当性向は約34.4%であり、特別配当を除いた通常の還元負担は抑制的である。前年同期の配当は60円(中間または該当期)であり、配当予想の水準は前年から引き上げられている。第1四半期の純利益進捗率が14.4%にとどまる中、通期の配当実現には第2四半期以降の利益積み上げが前提となる。自社株買いに関する開示はなく、自己株式は前年同期の80.9億円から128.9億円へ増加している。

リスク要因

  1. リファイナンスリスク: 有利子負債2,454.2億円は全額短期借入金であり、前年同期の150.0億円から大幅に増加した。短期負債への集中度が高く、借換条件や金融機関の与信方針の変化が資金調達コストに影響しうる。

  2. 工事代金回収・採算リスク: 完成工事未収入金は1,979.0億円で総資産の22.8%を占める。工事損失引当金76.2億円は前年より減少したものの、資材・労務費の上昇や工期遅延が個別案件の採算を損なう可能性が残る。

  3. 流動性リスク: 現金及び預金742.3億円に対し短期借入金は2,454.2億円であり、現金のみでの充足度は限定的である。短期投資有価証券1,504.0億円を含めても短期借入金をやや下回る水準であり、資金化の状況を注視する必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

決算上の注目ポイント

  1. 完成工事総利益率は22.7%へ約3.0pt改善し、営業利益率も8.4%へ約3.3pt改善した。増収率14.8%に対し営業利益は+89.0%、純利益は+132.8%と大幅に上回り、増益の質は工事採算改善に支えられている。

  2. 通期予想に対する第1四半期の利益進捗率は14%台にとどまり、標準的な25%を下回る。建設業特有の工事進捗・検収タイミングの影響を踏まえ、第2四半期以降の利益認識の推移が通期見通し達成の鍵となる。

  3. 短期借入金が前年同期比で大幅に増加し、有利子負債が短期に全額集中している点は、収益性改善とは別の資金構造上の論点である。完成工事未収入金の回収状況と併せて、今後の資金調達構成の変化を確認する余地がある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,096円
base(基準)3,236円
bull(強気)3,338円
算出前提
1株純資産(BPS)2,635円
調整後予想EPS453.9円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向59.1%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.23倍 / 7.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,149円〜3,328円、ω±0.1で 3,223円〜3,257円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。