クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥503.3億 | ¥444.2億 | +13.3% |
| 営業利益 | ¥51.9億 | ¥42.7億 | +21.5% |
| 経常利益 | ¥56.1億 | ¥49.9億 | +12.5% |
| 純利益 | ¥34.8億 | ¥33.7億 | +3.2% |
| ROE(年換算) | 5.4% | 5.4% | - |
Executive Summary
設備工事業を中心とした増収と販管費抑制による営業レバレッジの効きが、営業増益率が売上成長を上回る結果につながった一方、実効税率上昇により最終利益の伸びは限定的となった。売上高は503.3億円(前年比+13.3%)、営業利益は51.9億円(同+21.5%)、経常利益は56.1億円(同+12.5%)、純利益は34.8億円(同+3.2%)となった。屋内電気工事・空調管工事・送変電地中線工事の増収が主力の設備工事業を牽引した一方、実効税率が前年から上昇したため、営業増益が純利益まで十分に転化していない点が特徴である。
業績変動要因
【売上高】売上高は503.3億円で前年比+13.3%増収。主力の設備工事業は450.3億円(同+14.3%)で連結売上の89.5%を占め、屋内電気工事(+17.5%)、空調管工事(+25.0%)、送変電地中線工事(+62.4%)が伸長した一方、情報通信工事は48.6%減となり分野別のばらつきがみられる。その他事業は58.0億円(同+5.8%)にとどまった。
【損益】営業利益は51.9億円(同+21.5%)で、営業利益率は10.3%と前年の9.6%から改善した。粗利率は19.1%で前年の19.4%から小幅低下したが、販管費増加が売上増を大きく下回る2.4%増にとどまり、営業段階で吸収した。経常利益は56.1億円(同+12.5%)、純利益は34.8億円(同+3.2%)となり、税引前利益55.5億円に対し法人税等20.7億円が計上され、実効税率は37.3%と前年から上昇し、純利益率は6.9%へ低下した。増収増益ながら、税負担増が最終利益の伸びを抑制する構図である。
セグメント別分析
設備工事業は売上高450.3億円(前年比+14.3%)、セグメント利益51.6億円(同+22.0%)、利益率11.5%で連結営業利益のほぼ全額を占める中核事業である。その他事業(電気機器・工事材料販売等)は売上高58.0億円(同+5.8%)、営業利益1.1億円(同+65.2%)と利益率は2.0%にとどまるが、伸び率自体は大きい。設備工事業内では屋内電気工事・空調管工事・送変電地中線工事が増収を牽引し、情報通信工事は完成時期のばらつきにより大幅減収となった。
主要財務指標
【収益性】営業利益率10.3%(前年9.6%)、純利益率6.9%(前年7.5%)と、営業段階では改善したが最終利益段階では低下した。粗利率19.1%は前年19.4%からやや低下し、原価管理の状況を注視する余地がある。【キャッシュ品質】完成工事未収入金は506.3億円で前年比30.3%減少し、増収下での債権圧縮は前向きな兆候である。一方、未成工事支出金は103.4億円(同+29.4%)と増加し、未成工事受入金90.4億円(同+19.5%)の増加を上回るため、進行中案件への原価投下が先行している。【投資効率】ROE(年換算)は5.4%で、純利益率6.9%、総資産回転率0.643回、財務レバレッジ1.22倍に分解される。厚い資産基盤に対する回転率の低さが資本効率の制約要因となっている。【財務健全性】自己資本比率81.9%(当期報告値)、流動比率は流動資産1,353.8億円に対し流動負債406.7億円で高水準にあり、負債総額も総資産の18%程度にとどまるなど、財務基盤は極めて安定している。
キャッシュフロー分析
キャッシュフロー計算書の開示はないが、BS推移から資金動向をみると、現金及び預金は354.4億円で前年同期比増加し、流動性バッファーは厚みを増している。完成工事未収入金は506.3億円で前年比30.3%減少しており、売上高が13.3%増加するなかでの債権圧縮は運転資本面で前向きである。一方、未成工事支出金は103.4億円へ29.4%増加し、未成工事受入金90.4億円の増加(+19.5%)を上回るため、進行中工事への純投下額は拡大している。投資有価証券は1,151.5億円と総資産の36.8%を占め、受取配当金5.0億円の源泉となっている一方、資産構成上の集中度は高い。今後は未成工事支出金の請求・回収への転換状況が資金動向の焦点となる。
収益の質
経常利益56.1億円に対し純利益34.8億円と、税引前利益55.5億円から法人税等20.7億円が差し引かれる過程で実効税率は37.3%となり、前年から上昇している。営業外収益8.9億円のうち受取配当金5.0億円と受取利息の合計が主要な構成要素であり、投資有価証券を中心とする金融収益への依存が利益構成の一部を占める。特別損失は0.6億円と小規模で、一時的要因による損益の歪みは限定的である。包括利益は125.7億円と純利益34.8億円を大きく上回り、その差はその他有価証券評価差額金90.5億円によるものであり、市場価格変動による評価益が主因である。この乖離は事業の経常的な収益力とは別の要因であるため、純利益の質を評価する際は包括利益との差異を区別して捉える必要がある。
業績予想・ガイダンス
通期計画は売上高245.0億円(前期比+7.5%)、営業利益27.0億円(同+3.1%)、経常利益29.5億円(同+7.4%)であり、業績予想・配当予想ともに修正はない。第1四半期の進捗率は売上高20.5%、営業利益19.2%、経常利益は算出上18.9%程度となり、標準的な四分の1(25%)進捗をいずれも下回るが、完成工事の計上が下期に偏る建設業の特性を踏まえれば、現時点で乖離が大きいとは言えない。営業利益の伸び率(Q1で+21.5%)が通期計画(+3.1%)を上回っている点は、下期の工事進捗と採算次第で通期計画に対する上振れ・下振れの双方の可能性を示唆する。
株主還元
通期の1株当たり配当予想は140円であり、配当予想の修正はない。通期EPS予想372.12円に基づく配当性向は約37.6%となり、60%程度を目安とする持続可能性の範囲に収まる。自己資本比率81.9%、現金及び預金354.4億円、利益剰余金2,231.0億円という財務基盤は、配当の継続性を支える余力として捉えられる。自社株買いに関する開示は確認されない。
リスク要因
-
工事採算リスク: 粗利率は19.1%で前年の19.4%から低下している。資材費・外注費・労務費の上昇が続く場合、固定価格案件の採算に影響が及ぶ可能性がある。
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工事進捗・回収リスク: 未成工事支出金は103.4億円(前年比+29.4%)と増加し、未成工事受入金90.4億円の増加を上回っている。進行中案件の原価投下が先行しており、完成・請求・回収への円滑な転換が課題となる。
-
事業分野別の需要変動リスク: 情報通信工事の売上高は前年同期比48.6%減となった。屋内電気工事・空調管工事等の増収が今後鈍化した場合の補完力について、注視が必要である。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(construction)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 10.3% | 4.5% (2.7%–6.6%) | +5.8pt |
| 純利益率 | 6.9% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +3.1pt |
収益性は業種中央値を大きく上回り、業種内で上位水準に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 13.3% | 4.8% (3.4%–10.1%) | +8.5pt |
売上高成長率も業種中央値を大きく上回り、業種内でトップクラスの成長率にある。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
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営業利益率は10.3%(前年9.6%)へ改善したが、粗利率は19.1%へ低下しており、改善の主因は販管費吸収による営業レバレッジであって、工事採算そのものの向上ではない点が構造的な特徴である。
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実効税率が37.3%へ上昇したことで、営業利益+21.5%に対し純利益は+3.2%にとどまった。営業段階の改善が最終利益へどこまで転化するかが今後の観察点となる。
-
未成工事支出金の増加(+29.4%)が未成工事受入金の増加(+19.5%)を上回り、進行中案件への原価投下が先行している。完成工事未収入金は前年比30.3%減少しており、既存案件の請求・回収は進んでいる一方、新規投下分の今後の転換状況が注目される。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 4,566円 |
| base(基準) | 4,685円 |
| bull(強気) | 4,772円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 4,848円 |
| 調整後予想EPS | 415.5円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 37.6% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.97倍 / 11.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 4,556円〜4,820円、ω±0.1で 4,680円〜4,689円。
注記:
- 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。