| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥14083.9億 | ¥12921.4億 | +9.0% |
| 営業利益 | ¥1306.4億 | ¥1181.2億 | +10.6% |
| 経常利益 | ¥1230.0億 | ¥1119.4億 | +9.9% |
| 純利益 | ¥840.6億 | ¥761.2億 | +10.4% |
| ROE | 2.8% | 2.5% | - |
大和ハウス工業の当第1四半期は、主力の事業施設(物流含む)・賃貸住宅の増益が牽引し増収増益となった。売上高は1兆4,083.9億円(前年比+9.0%)、営業利益は1,306.4億円(同+10.6%)、経常利益は1,230.0億円(同+9.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は831.9億円(同+9.1%、EPS134.33円)となった。営業利益率は9.3%と前年同期の9.1%から改善し、増収に加えて販管費率の維持による営業レバレッジが利益成長を後押しした一方、マンション事業の採算悪化と支払利息の増加が増益幅をやや抑制した。
【売上高】全社売上高は1兆4,083.9億円(前年比+9.0%)。セグメント構成(セグメント計ベース、合計1兆4,413.4億円に対する構成比)では、賃貸住宅が3,866.5億円(構成比26.8%、YoY+10.7%)、事業施設(物流含む)が3,688.7億円(同25.6%、+6.9%)、商業施設が3,154.2億円(同21.9%、+9.1%)と主要3分野が増収を確保した。戸建住宅は2,692.6億円(同18.7%、+14.3%)と2ケタ増収で回復が鮮明である一方、マンションは560.7億円(同3.9%、-13.6%)と唯一の減収セグメントとなり、販売計画の期ズレが影響した。
【損益】セグメント利益では事業施設(物流含む)が544.0億円(YoY+13.5%、マージン14.7%)で最大の稼ぎ頭となり、賃貸住宅428.7億円(+12.6%、マージン11.1%)、商業施設356.6億円(+0.5%、マージン11.3%、ほぼ横ばい)が続いた。戸建住宅は92.5億円(+29.2%)と大幅増益だがマージンは3.4%にとどまる。一方マンションは18.8億円(-46.5%、マージン3.3%)と大幅減益で、全社増益幅を押し下げた。営業外損益は受取配当金29.1億円等の収益96.6億円に対し、支払利息132.3億円を中心とする費用173.1億円が上回り、営業利益から経常利益への調整は▲76.4億円のマイナスとなった。特別損益は投資有価証券売却益33.7億円を主因に差引36.5億円のプラスで、税引前利益は1,266.5億円。法人税等425.9億円(実効税率33.6%)控除後、連結純利益は840.6億円(+10.4%)、非支配株主帰属8.6億円を除いた親会社株主帰属純利益は831.9億円(+9.1%)となった。増収増益で着地した。
セグメント別では高マージン事業と低マージン事業の二極化が明確である。環境エネルギー(マージン15.4%、営業利益49.4億円、+12.9%)と事業施設(物流含む)(マージン14.7%、544.0億円、+13.5%)が全社平均9.3%を大きく上回る収益性を維持し、商業施設(11.3%)・賃貸住宅(11.1%)も安定水準を確保している。対照的にマンション(3.3%、18.8億円、-46.5%)と戸建住宅(3.4%、92.5億円、+29.2%)は低マージンにとどまり、特にマンションは減収減益と唯一のマイナス成長分野となった。事業施設・賃貸住宅という準ストック性の高い事業の増益が、マンションの採算悪化を吸収する形で全社利益を下支えしている。
【収益性】営業利益率は9.3%で前年同期9.1%から改善し、粗利率も21.3%(前年21.2%)へ小幅上昇した一方、販管費率は12.1%とほぼ横ばいで、増収効果が利益率改善に直結した。【キャッシュ品質】完成工事未収入金は5,165.3億円で前年末5,526.7億円から減少し回収が進捗する一方、販売用不動産は8,532.4億円(前年末7,603.2億円、+12.2%)へ積み上がっており、在庫回転の動向が今後のキャッシュ創出力を左右する。【投資効率】ROEは2.8%(四半期実績)、総資産に対する売上高の比率は16.4%(四半期)で、資本効率は限定的な水準にとどまっている。【財務健全性】自己資本比率は34.8%、流動比率は169.1%(流動資産48,860.3億円/流動負債28,901.8億円)と流動性は良好だが、有利子負債合計は約3兆4,640億円に達し、うち1年以内償還・返済分が約45%を占めるなど短期性資金への依存がやや高まっている。
CF計算書の開示区分に基づく数値ではなく、貸借対照表の推移から資金動向を確認すると、現金及び預金は4,596.6億円で前年末4,343.7億円から+252.9億円(+5.8%)増加した。一方で短期借入金は前年末比+38.7%増の1兆514.7億円、コマーシャルペーパーも同+39.7%増の2,500億円となり、短期性資金調達を積み増す形で資金手当てを行っている。使途面では販売用不動産が+929.2億円(+12.2%)、未成工事支出金が+41.1億円(+5.6%)増加しており、開発投資・工事進行に伴う運転資金需要の拡大がうかがえる。完成工事未収入金は前年末から-361.5億円減少しており、債権回収は一定程度進んでいる。全体として、事業拡大に伴う運転資金・在庫の積み上がりを短期調達で賄う構図であり、在庫の販売進捗と資金調達の長期化が今後の資金繰り安定性を左右する。
当期の収益の中心は本業の営業利益1,306.4億円であり、経常的な稼ぐ力は着実に拡大している。一方で特別利益42.6億円は投資有価証券売却益33.7億円を主因とする一時的要因であり、経常的収益力とは区別して評価する必要がある。営業外損益は受取配当金29.1億円などの収益96.6億円に対し、支払利息132.3億円を中心とする費用173.1億円が上回り、ネットで▲76.4億円のマイナス寄与となった。支払利息は前年の99.9億円から+32.4%増加しており、金利負担の拡大が経常利益と営業利益の伸び率格差(+9.9%対+10.6%)の一因である。経常利益1,230.0億円と親会社株主帰属純利益831.9億円の乖離は約398億円で、主因は法人税等425.9億円(実効税率33.6%)である。なお包括利益は1,058.3億円と連結純利益840.6億円を217.7億円上回っており、差異の主因は為替換算調整額+202.9億円で、海外資産の円安評価による評価益が純利益に先行して包括利益を押し上げている。
通期予想に対する進捗率は、売上高が14,083.9億円/59,000.0億円で23.9%、営業利益が1,306.4億円/4,600.0億円で28.4%、経常利益が1,230.0億円/4,020.0億円で30.6%、親会社株主帰属純利益が831.9億円/2,660.0億円で31.3%となった。単純進捗基準(四半期均等の25%)と比較すると、売上高はほぼ標準的である一方、営業利益・経常利益・純利益は上回るペースで推移しており、利益面が前倒しで進捗している。なお通期予想は前期比で営業利益-25.2%、経常利益-29.7%の減益計画となっており、前期実績に含まれた特殊要因の反動が主因とみられるが、当第1四半期時点では増益基調が続いている。
2026年3月期の配当は普通配当165円に創業70周年記念配当10円を加えた年間175円であった。2027年3月期(予想)は2026年10月1日を効力発生日とする1株を2株にする株式分割を予定しており、分割を考慮しない換算では期末配当92円、年間配当合計178円となる。分割前換算の年間配当178円と期中平均株式数619,347千株から算定した配当総額は約1,102億円で、通期純利益予想2,660億円に対する配当性向は約41.4%となる。当第1四半期時点で利益進捗が前倒しであることを踏まえると、当該配当性向は現状の利益水準で充足し得る計算となる。
マンション事業の採算変動: 売上高560.7億円(YoY-13.6%)、営業利益18.8億円(同-46.5%)、マージン3.3%と全セグメント中最も低水準まで悪化した。販売計画の期ズレが影響しており、四半期ごとの業績変動要因となり得る。
短期性資金への依存拡大: 短期借入金が前年末比+38.7%の1兆514.7億円、コマーシャルペーパーが同+39.7%の2,500億円に増加し、有利子負債合計約3兆4,640億円のうち1年以内償還・返済分が約45%を占める。支払利息も前年比+32.4%の132.3億円に増加しており、資金の長期化と金利負担のモニタリングが求められる。
在庫(販売用不動産)の積み上がり: 販売用不動産は8,532.4億円(前年末比+929.2億円、+12.2%)へ増加した。開発投資の積み増しを反映しているが、販売進捗次第でキャッシュ創出のタイミングが変動しうる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 9.3% | 4.5% (2.7%–6.6%) | +4.8pt |
| 純利益率 | 6.0% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +2.2pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で上位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 9.0% | 4.8% (3.4%–10.1%) | +4.2pt |
売上高成長率は業種中央値を上回るが、業種内上位レンジ(10.1%)にはわずかに届かない水準である。
※出所: 当社集計
事業施設(物流含む)・賃貸住宅という高マージン・準ストック性事業の増益が、マンション事業の採算悪化を吸収する形で全社の増収増益を支えている構造が確認できる。
通期予想に対する進捗率は営業利益28.4%、純利益31.3%と標準ペース(25%)を上回っており、利益面の進捗が先行している一方、通期計画自体は前期比減益を見込んでいる。
短期有利子負債の増加(前年末比+38.7%)と販売用不動産の積み上がり(+12.2%)は、資金調達構成とキャッシュ転換のタイミングに関する継続的な観察ポイントである。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 4,260円 |
| base(基準) | 4,347円 |
| bull(強気) | 4,377円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 4,848円 |
| 調整後予想EPS | 246.9円 |
| 株主資本コスト r | 8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 30.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.150(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.90倍 / 17.6倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 4,225円〜4,475円、ω±0.1で 4,330円〜4,359円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。