| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1822.0億 | ¥1741.4億 | +4.6% |
| 営業利益 | ¥111.1億 | ¥102.8億 | +8.1% |
| 経常利益 | ¥105.4億 | ¥100.4億 | +5.0% |
| 純利益 | ¥71.1億 | ¥69.0億 | +3.0% |
| ROE | 3.7% | 3.5% | - |
五洋建設の当第1四半期は増収増益で、営業利益の伸びが売上高の伸びを上回る利益率改善が見られた。売上高は1822.0億円(前年比+4.6%)、営業利益は111.1億円(同+8.1%)、経常利益は105.4億円(同+5.0%)、純利益は71.1億円(同+3.0%)となった。国内土木事業の高採算が全社利益を牽引する一方、支払利息の増加が経常利益以下の伸びを抑制した。
【売上高】売上高は1822.0億円で前年比+4.6%の増収。セグメント別では国内土木事業が756.8億円(+8.7%、構成比41.5%)と主力を担い、海外建設事業は458.1億円(+29.8%、構成比25.1%)と高成長。国内建築事業は569.9億円(-14.2%、構成比31.3%)と減収で、大型案件の進捗タイミングの影響がうかがえる。
【損益】営業利益は111.1億円(+8.1%)で、粗利率は10.0%(前年9.6%)へ改善し、販管費率も3.9%とコントロールが効いている。国内土木事業の営業利益は78.2億円(利益率10.3%)と高採算を維持する一方、海外建設事業は営業損失8.5億円(利益率-1.9%)が継続し、増収も採算面の課題を残した。経常利益は105.4億円(+5.0%)で、支払利息8.7億円(前年6.5億円)の増加が営業外収支を圧迫し、営業利益の伸びに対して伸び率は鈍化した。純利益は71.1億円(+3.0%)で、実効税率上昇の影響により純利益率は3.9%と前年からわずかに低下した。全体としては増収増益で、国内土木の収益性改善が海外建設の損失を吸収した構図である。
国内土木事業は売上756.8億円(+8.7%)、営業利益78.2億円(+6.7%)、利益率10.3%と全社利益の中核を担う。国内建築事業は売上569.9億円(-14.2%)ながら営業利益37.0億円(+0.9%)、利益率6.5%と減収下でも利益水準は維持した。海外建設事業は売上458.1億円(+29.8%)と高成長したが、営業損失8.5億円(利益率-1.9%)で前年からほぼ同水準の赤字が継続している。地域別では東南アジアの売上が330.7億円から425.99億円へ拡大しており、海外建設の増収を牽引しているが、採算改善には至っていない。その他事業(開発・造船・リース等)は45.2億円(+33.0%)、営業利益4.4億円と小規模だが利益率9.8%と改善が目立つ。
【収益性】営業利益率は6.1%で前年5.9%から+20bp改善し、粗利率も10.0%へ上昇した。純利益率は3.9%で前年からわずかに低下しており、実効税率上昇と支払利息増加が最終利益を圧迫している。【キャッシュ品質】完成工事未収入金は3,658.3億円と高水準で、営業利益の伸びに対して回収サイクルへの依存度が大きい。未成工事受入金は374.9億円で前年末405.9億円から減少し、前受構造による資金の緩衝材は縮小している。【投資効率】ROEは3.7%で、純利益率・総資産回転率(約0.23倍)・財務レバレッジ(約4.1倍)の組み合わせで説明できる水準にある。建設仮勘定は1,062.9億円と有形固定資産の半分近くを占め、資産の未稼働分が資本効率を抑制する一因となっている。【財務健全性】自己資本比率は24.6%で前年25.1%からやや低下した。現金及び預金は495.9億円で前年719.9億円から減少しており、短期借入金の増加とコマーシャルペーパーの活用拡大により資金調達構造の短期化が進んでいる。
キャッシュフロー計算書の開示はないが、貸借対照表の変化から資金動向を読み取ることができる。現金及び預金は495.9億円で前年同期の719.9億円から約224億円減少し、短期借入金は641.4億円へ増加、コマーシャルペーパーも大きく積み増された。これは完成工事未収入金3,658.3億円の高水準維持と未成工事受入金の減少による運転資金需要の高まりを、短期調達で補った結果とみられる。支払利息は8.7億円へ増加し、資金コストの上昇が利益面にも影響を及ぼしている。建設仮勘定が1,062.9億円と大きく、資産の稼働化によるキャッシュ創出にはタイムラグが想定される。総じて、運転資本の圧縮と前受金の積み上げが、今後のキャッシュフロー品質改善の鍵となる。
営業利益111.1億円は粗利率改善と販管費コントロールに支えられた経常的な収益で、特別損益は特別利益0.5億円・特別損失0.1億円と極めて小さく、当期純利益への影響は限定的である。営業外収支は受取配当金1.6億円や為替差益1.5億円といった収益がある一方、支払利息8.7億円を含む営業外費用9.9億円が上回り、差引5.7億円の損失となっており、経常利益と営業利益の差はほぼこの金融収支要因で説明できる。純利益71.1億円は税引前利益105.8億円に対し実効税率約32.7%を適用した水準で、税負担の増加が純利益率をわずかに押し下げている。包括利益は69.2億円で純利益71.1億円をやや下回り、有価証券評価差額金の悪化(-4.0億円)や退職給付に係る調整額の悪化(-1.5億円)が要因であり、期中の資産評価環境が若干のマイナス方向に働いたことを示している。
通期業績予想に対する修正は行われておらず、売上高8180.0億円(前年比+3.0%)、営業利益590.0億円(同+6.7%)、経常利益540.0億円(同+1.5%)が計画として維持されている。当第1四半期の進捗率は売上高22.3%、営業利益18.8%、純利益は71.1億円/350億円で20.3%となっており、いずれも単純な四分の一(25%)を下回る。建設業は工事進行に応じた収益認識の季節性から下期偏重となる傾向があり、通期計画達成には第2四半期以降の進捗ペース加速が前提となる。
配当予想は年間52円で、予想EPS129.88円に基づく配当性向は約40.0%である。期中平均株式数は272,061千株で、自己株式は156,693千株から前年より積み増しが進んでいる。配当性向約40%は会社計画の純利益350億円に対して十分にカバーされる水準だが、現金及び預金の減少と短期負債への依存度上昇が進む中では、株主還元のペース配分は資金繰り動向と併せてモニタリングする余地がある。
海外建設事業の採算リスク: 売上458.1億円(+29.8%)と増収する一方、営業損失8.5億円(利益率-1.9%)が継続している。東南アジア売上が増加する中での損失継続は、コスト管理や案件ミックスの課題を示している。
財務レバレッジと短期資金依存: 自己資本比率は24.6%で前年24.9%からやや低下。短期借入金は641.4億円へ増加し、コマーシャルペーパーの活用も拡大しており、資金調達構造の短期化が進んでいる。現金及び預金は495.9億円で前年比約224億円減少している。
運転資本の固定化: 完成工事未収入金3,658.3億円に対し未成工事受入金は374.9億円にとどまり、前受構造による緩衝が縮小している。建設仮勘定1,062.9億円は有形固定資産2,277.2億円の約46.7%を占め、資産の未稼働分が大きい。
国内土木事業の高採算(利益率10.3%)が全社の営業利益率改善(6.1%、+20bp)を牽引しており、事業ポートフォリオ内での収益性の偏りが明確になっている。
海外建設事業は増収でも損失が継続しており、増収の質という観点では国内事業への依存度が高い構造が続いている。
通期進捗率は売上高22.3%、営業利益18.8%とやや低めで、完成工事未収入金の高水準や短期負債の増加とあわせ、下期の実行力と運転資本の動向が今後の決算を見る上での注目点となる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 905円 |
| base(基準) | 954円 |
| bull(強気) | 990円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 712円 |
| 調整後予想EPS | 145.0円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 40.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.34倍 / 6.6倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 927円〜982円、ω±0.1で 948円〜963円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。