記事一覧に戻る
18792027 第1四半期プライムJGAAP

新日本建設(1879) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益5%増

2027年度第1四半期の売上高は330.3億円(前年同期比+29.0%)、営業利益は38.5億円(同+5.4%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥330.3億¥256.1億+29.0%
営業利益¥38.5億¥36.6億+5.4%
経常利益¥40.5億¥37.5億+7.9%
純利益¥27.8億¥26.7億+4.4%
ROE(年換算)8.2%7.9%-

Executive Summary

建設事業の大幅増収と採算改善を主因に増収増益を確保したが、開発事業等の減益が全社利益率を押し下げた。売上高は330.3億円(前年比+29.0%)、営業利益は38.5億円(同+5.4%)、経常利益は40.5億円(同+7.9%)、純利益は27.8億円(同+4.4%)となった。完成工事高の拡大が全社増収を主導する一方、税負担の上昇が純利益の伸びを抑制した。

業績変動要因

【売上高】売上高は330.3億円で前年比+29.0%。セグメント別では建設事業が273.9億円(前年比+45.7%)と全社売上の82.9%を占め、増収の中核となった。一方、開発事業等は56.6億円(同-17.1%)と縮小しており、案件計上タイミングによる変動が大きい。

【損益】営業利益は38.5億円(+5.4%)、経常利益は40.5億円(+7.9%)、純利益は27.8億円(+4.4%)。建設事業のセグメント利益は37.1億円(+130.1%)、利益率13.6%(前年8.6%)と施工採算が大きく改善した。対して開発事業等は利益3.96億円(-82.7%)、利益率7.0%(前年33.4%)へ急落し、事業構成の変化が連結粗利率を15.1%(前年18.3%)へ押し下げる要因となった。実効税率は31.2%(前年28.9%)へ上昇し、税引前利益の増加率に比べ純利益の伸びが抑制された。結論として、建設事業主導の増収増益である。

セグメント別分析

建設事業は売上高273.9億円(前年比+45.7%)、セグメント利益37.1億円(同+130.1%)、利益率13.6%(前年8.6%)と大幅な増収増益・採算改善を達成し、セグメント利益合計の約90%を占める主力事業である。開発事業等は売上高56.6億円(同-17.1%)、セグメント利益3.96億円(同-82.7%)、利益率7.0%(前年33.4%)と大幅に縮小した。開発事業等は物件引渡し時期に業績が左右されやすく、当期の減益は高採算案件の売上計上が前年に偏っていたことが要因とみられる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は11.7%で前年同期の14.3%から262bp低下したが、一般的な良好レンジ(8~15%)には位置する。純利益率は8.4%で前年同期の10.4%から198bp低下した。【キャッシュ品質】現金及び預金は729.6億円で前年末の958.2億円から大きく減少しているが、流動負債444.9億円を大きく上回る水準を維持している。完成工事未収入金は198.8億円で前年比+57.1%と増加しており、増収に伴う債権増加とみられる。【投資効率】ROE(年換算)は8.2%で、純利益率の低下を総資産回転率の改善が補う構図となっている。EPSは47.61円(前年45.59円、+4.4%)。【財務健全性】自己資本比率は74.4%(前年72.6%)と高水準を維持し、流動比率は約376%、負債資本倍率は0.34倍にとどまる。

キャッシュフロー分析

本資料にはキャッシュフロー計算書の個別データが示されていないため、バランスシートの変動から資金動向を分析する。現金及び預金は729.6億円で前年末の958.2億円から228.6億円減少した一方、完成工事未収入金は198.8億円へ72.3億円増加しており、増収に伴う工事代金の未回収が資金残高減少の一因とみられる。未成工事受入金は62.9億円で前年末比19.4億円減少しており、工事進捗に伴う前受金の取り崩しが進んだことも資金残高の減少要因として考えられる。現金預金は流動負債444.9億円の約164%を占め、資金残高の減少後も高い流動性余力を維持している。

収益の質

当期の増益は経常的な事業活動に基づくものであり、特別損益等の一時的要因は確認されない。営業外収益は1.9億円と売上高の0.6%に過ぎず、うち受取利息が1.7億円を占めるため、経常利益の増益は営業外収益への依存によるものではない。税引前利益は前年比+7.9%であるのに対し、実効税率が28.9%から31.2%へ上昇したことで純利益の増加率は+4.4%にとどまり、税負担の変動が利益の質に影響している。完成工事未収入金の増加(+57.1%)は増収に伴う自然な結果と見られるが、回収進捗のモニタリングが望まれる。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高1,560.0億円(前年比+12.7%)、営業利益255.0億円(同+25.0%)、経常利益260.0億円(同+25.2%)である。Q1時点の進捗率は売上高21.2%、営業利益15.1%、経常利益15.6%であり、標準的な25%を下回る。通期営業利益予想の達成には、Q2以降で残る売上高1,229.7億円に対し営業利益率17.6%が必要となる。当四半期は業績予想および配当予想がともに修正されており、修正後計画の実現には建設事業の採算維持と開発事業等の利益計上回復が重要な条件となる。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は80.0円、通期EPS予想は299.2円であり、配当性向は約26.7%(配当金のみベース)となる。これは一般的な持続可能性の目安である60%を下回る水準にある。利益剰余金は1,275.2億円、現金及び預金は729.6億円と、配当支払余力を裏付ける蓄積がある。当期の配当予想は修正されており、当四半期の業績に基づく前年同期の1株配当30.0円からの見直しが行われている。自己株式の当期取得額は開示がないため、総還元性向は算定していない。

リスク要因

  1. 開発事業等の業績変動リスク: 売上高は前年比-17.1%、セグメント利益は同-82.7%と大幅に減少した。物件引渡し時期や案件採算のタイミングに業績が左右されやすい事業構造であり、連結利益率への影響が大きい。

  2. 建設原価上昇リスク: 連結粗利率は15.1%で前年の18.3%から低下している。資材価格、労務費、外注費の上昇を受注価格へ十分に転嫁できない場合、工事量の増加が利益成長に結び付きにくくなる可能性がある。

  3. 完成工事未収入金の回収リスク: 完成工事未収入金は198.8億円で前年比+57.1%と増加した。増収に伴う自然な増加とみられるが、請求・回収の進捗は継続的な確認事項である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(construction)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率11.7%4.5% (2.7%–6.6%)+7.2pt
純利益率8.4%3.8% (-1.1%–4.4%)+4.7pt

自社の収益性は業種中央値を大きく上回り、業種内で相対的に高い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)29.0%4.8% (3.4%–10.1%)+24.2pt

売上高成長率は業種中央値を大幅に上回り、業種内でも高い成長を示している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 建設事業は売上高273.9億円、セグメント利益37.1億円と大幅な増収増益を達成し、利益率も13.6%(前年8.6%)へ改善しており、当四半期の連結増益の中心である。

  2. 連結の営業利益率は11.7%と業種内では相対的に良好な水準にあるが、前年同期比262bp低下しており、開発事業等の利益貢献低下という事業ミックスの変化が背景にある点は構造的な観察点である。

  3. 自己資本比率74.4%、流動比率約376%と財務基盤は強固であり、通期予想の達成にはQ2以降の営業利益率17.6%確保が最大の検証項目となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,530円
base(基準)2,636円
bull(強気)2,714円
算出前提
1株純資産(BPS)2,316円
調整後予想EPS334.1円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向26.7%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.14倍 / 7.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,562円〜2,715円、ω±0.1で 2,629円〜2,648円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。