| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥316.0億 | ¥411.5億 | -23.2% |
| 営業利益 | ¥15.4億 | ¥36.5億 | -57.8% |
| 経常利益 | ¥16.4億 | ¥36.8億 | -55.4% |
| 純利益 | ¥29.5億 | ¥25.6億 | +15.3% |
| ROE | 3.9% | 3.4% | - |
本決算は、本業の減速を特別利益で補う質の異なる増収減益・増益ミックスの決算である。売上高は316.0億円(前年比-23.2%)、営業利益は15.4億円(同-57.8%)、経常利益は16.4億円(同-55.4%)と本業収益は大きく後退した。一方、純利益は29.5億円(前年比+15.3%)と増益となったが、これは投資有価証券売却益15.5億円等を含む特別利益26.2億円の計上によるもので、本業の実力を反映したものではない。不動産売上の急減と建築セグメントの進捗鈍化が減収減益の主因である。
【売上高】売上高は316.0億円で前年比-23.2%の減収。セグメント別では、売上の67.1%を占める建築が212.6億円(-26.4%)と大幅に減速し、全社を押し下げた。土木は92.99億円(+30.0%)と二桁成長で下支えしたが、不動産は11.29億円(-79.5%)と急減し、前年の分譲マンション事業譲渡の影響が大きい。
【損益】営業利益は15.4億円(-57.8%)、営業利益率は4.9%で前年8.9%から大幅低下した。粗利率は14.0%(前年15.5%)に低下する一方、販管費率は9.1%(前年6.7%)に上昇し、売上減少に対して固定費が吸収できず営業レバレッジが逆回転した。経常利益も16.4億円(-55.4%)と同様に悪化した。純利益は特別利益26.2億円(投資有価証券売却益15.5億円、事業譲渡益10.0億円等)により29.5億円(+15.3%)と増益になったが、一過性要因への依存が大きい。総括すると、本決算は減収減益の構造にあり、純利益の増益は特別利益による見かけ上のものである。
建築セグメントは売上212.6億円(-26.4%)、営業利益17.6億円(-35.3%)、利益率8.3%と、売上・利益ともに大きく後退し全社の重荷となった。売上構成比67.1%と最大セグメントであるため、集中度リスクが顕在化している。土木セグメントは売上93.0億円(+30.0%)、営業利益8.0億円(+29.7%)、利益率8.6%と唯一の増収増益で、アクエリアスインベスコ等のM&A連結化効果が寄与した。不動産セグメントは売上11.3億円(-79.5%)、営業利益2.6億円(-82.7%)と急減したが、利益率は22.8%と他セグメントより高く、事業規模縮小に伴う利益貢献度の低下が全社利益率を押し下げた。
【収益性】営業利益率4.9%は前年8.9%から約4.0pt低下し、粗利率14.0%(前年15.5%)の低下と販管費率9.1%(前年6.7%)の上昇が重なった結果である。純利益率は9.3%(前年6.2%)に上昇したが、特別利益依存によるもので本業の収益力とは区別する必要がある。【キャッシュ品質】未成工事受入金100.9億円が未成工事支出金34.5億円を上回り、前受金優位の構造が資金繰りを下支えしている。【投資効率】ROEは3.9%で、純利益率の押し上げにも関わらず総資産回転率0.251の低下が効いている。【財務健全性】自己資本比率は60.2%(前年51.5%)に改善し、短期借入金は75.3億円へ前年235.0億円から大幅圧縮された。現金及び預金162.5億円は短期借入金を上回り、流動性は高水準にある。
キャッシュフロー計算書の開示はないが、BS変動から資金動向を読み取ると、短期借入金が前年235.0億円から75.3億円へ159.7億円圧縮され、デレバレッジが進展したことが分かる。現金及び預金は162.5億円で前年の162.6億円とほぼ同水準を維持しており、資金の安定性は保たれている。未成工事受入金100.9億円が未成工事支出金34.5億円を大きく上回る構造が継続しており、出来高請求の前倒し回収が資金面を下支えしていると考えられる。のれん34.9億円の増加は土木セグメントのM&Aに伴う投資活動の結果であり、資産構成の変化に投資キャッシュの流出が反映されているとみられる。
当期の経常的収益は営業利益15.4億円と営業外収支+0.98億円が中心であり、これに対し特別利益26.2億円(投資有価証券売却益15.5億円、事業譲渡益10.0億円等)が税引前利益42.4億円・純利益29.5億円を大きく押し上げている。特別利益は売上比8.3%に達し、経常利益16.4億円と純利益29.5億円の乖離は約+80%と大きく、その主因は特別利益と法人税等の影響である。営業外収益は売上比0.6%程度で過度ではなく平常水準にとどまる。このため、当期の純利益の増益は一過性要因に強く依存しており、本業の実力を示す営業利益・経常利益の悪化と併せて評価する必要がある。
通期見通しに対するQ1進捗率は、売上高21.1%(通期1500.0億円)、営業利益16.2%(通期95.0億円)、純利益31.8%(通期93.0億円)である。単純な4分の1進捗(25%)を基準とすると、売上・営業利益は進捗が遅れており、特に営業利益は建築セグメントの採算悪化が響いている。一方、純利益は特別利益の前倒し計上により進捗が前倒しとなっており、実力ベースの進捗とは言えない。通期の営業利益予想95.0億円は前年比-30.9%であり、下期にかけて建築の採算改善と土木のM&A効果の顕在化が進むかが進捗回復の鍵となる。
通期配当予想は1株110円で、前年実績45円から増額されている。期中平均株式数約4,318万株を基準に年間配当総額を算定すると約47.5億円となり、通期純利益予想93.0億円に対する配当性向は約51%である。特別利益による当期の増益は配当原資の恒常性評価には含めず、営業利益の回復が今後の配当持続性を判断する上での注視点となる。
建築セグメントの採算悪化: 売上212.6億円(-26.4%)、営業利益17.6億円(-35.3%)と、売上構成比67.1%を占める主力セグメントの進捗鈍化と原価上昇が全社利益を圧迫している。原価率上昇と入札規律の強化が今後の焦点となる。
特別利益依存による純利益の一過性: 特別利益26.2億円(売上比8.3%)が純利益29.5億円の押し上げ要因となっており、経常利益16.4億円との乖離は約80%に達する。本業の恒常的な収益力とは区別して評価する必要がある。
のれん増加に伴う減損リスク: 土木セグメントのM&A(アクエリアスインベスコ等の連結化)により、のれんは34.85億円(前年3.4億円から約10倍増)に増加した。総資産比では2.8%と現時点で相対的に低位だが、PMI(統合)の進捗状況が今後の減損リスクを左右する。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 4.9% | 4.5% (2.7%–6.6%) | +0.4pt |
| 純利益率 | 9.3% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +5.6pt |
営業利益率は業種中央値をわずかに上回るが、純利益率は特別利益の影響で業種中央値を大きく上回っている。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -23.2% | 4.8% (3.4%–10.1%) | -28.0pt |
売上高成長率は業種中央値を大幅に下回り、業種内で最も低い水準にある。
※出所: 当社集計
本業は営業利益-57.8%と大幅減益であるのに対し、純利益は特別利益により+15.3%の増益となっており、収益構造の質が両者で大きく異なる点が本決算の特徴である。
建築セグメントのボリューム・採算悪化が最大の逆風であり、土木セグメントの増収増益とM&Aによる連結拡大が下支え役となっている。セグメント間の業績のばらつきが全社業績に大きく影響している。
自己資本比率60.2%、短期借入金の大幅圧縮(-159.7億円)など、財務健全性は前年から改善している一方、通期予想に対する営業利益の進捗は16.2%とやや遅れており、下期偏重の執行リスクを内包している。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,881円 |
| base(基準) | 1,953円 |
| bull(強気) | 2,005円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,759円 |
| 調整後予想EPS | 240.5円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 51.1% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.11倍 / 8.1倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,900円〜2,008円、ω±0.1で 1,949円〜1,960円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。