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18702027 第1四半期プライムJGAAP

矢作建設工業(1870) 2027年度第1四半期決算 減収・営業益58%減

2027年度第1四半期の売上高は316億円(前年同期比-23.2%)、営業利益は15.4億円(同-57.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥316.0億¥411.5億−23.2%
営業利益¥15.4億¥36.5億−57.8%
経常利益¥16.4億¥36.8億−55.4%
純利益¥29.5億¥25.6億+15.3%
ROE(年換算)15.6%13.5%-

Executive Summary

建築・不動産セグメントの縮小により本業利益は大幅減益となったが、投資有価証券売却益および事業譲渡益が純利益を押し上げた決算である。売上高は316.0億円(前年比-23.2%)、営業利益は15.4億円(同-57.8%)、経常利益は16.4億円(同-55.4%)となった。一方、純利益は29.5億円(同+15.3%)と増益だが、特別利益26.2億円(投資有価証券売却益15.5億円、事業譲渡益10.0億円)が主因であり、本業の収益力を示す指標ではない。

業績変動要因

【売上高】売上高は316.0億円で前年比23.2%減。建築セグメントが212.6億円(同-26.4%)、不動産セグメントが11.3億円(同-79.5%)と大きく縮小し、分譲マンション事業譲渡の影響が不動産の急減に反映されている。土木セグメントは93.0億円(同+30.0%)と増収を確保し、アクエリアスインベスコ・海昌の連結子会社化効果もあって減収の一部を相殺した。

【損益】営業利益は15.4億円(同-57.8%)、営業利益率は4.9%で前年同期8.9%から大幅低下した。売上高減少に対して販管費が28.7億円(同+4.4%)と増加しており、販管費率は6.7%から9.1%へ上昇し負の営業レバレッジが顕在化した。経常利益は16.4億円(同-55.4%)。純利益は特別利益26.2億円により29.5億円(同+15.3%)となったが、税引前利益42.4億円は経常利益を26.1億円上回っており、増益の主因は特別損益である。結論として、本業では減収減益、特別要因を含めた純利益ベースでは増益という構図であり、減収減益の側面が業績の実態を表す。

セグメント別分析

建築セグメントは売上212.6億円(同-26.4%)、営業利益17.6億円(同-35.3%)、利益率8.3%と、減収に加え利益率も低下した。土木セグメントは売上93.0億円(同+30.0%)、営業利益8.0億円(同+29.7%)、利益率8.6%とほぼ増収率並みの増益を確保した。不動産セグメントは売上11.3億円(同-79.5%)、営業利益2.6億円(同-82.7%)と急減したが、利益率は22.8%と高採算を維持している。全社利益構成は建築中心から土木の比重が高まる方向に変化しており、不動産の縮小と土木の拡大が同時進行している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率4.9%、経常利益率5.2%はいずれも前年同期(8.9%)から大きく低下し、粗利率14.0%も前年15.5%から悪化した。一方、純利益率9.3%は特別利益に支えられた水準であり、本業収益性とは区別して評価する必要がある。【キャッシュ品質】現金及び預金は162.5億円で前年並みを維持し、未成工事受入金100.9億円が未成工事支出金34.5億円を上回り、工事進行に伴う前受金が運転資金を補完している。【投資効率】年換算ROEは15.6%と高水準だが、純利益率の押し上げ要因が特別利益であるため、営業利益率・経常利益率の改善が持続的な資本効率評価の焦点となる。【財務健全性】自己資本比率は60.2%で前年同期51.5%から改善、短期借入金は75.3億円と前年235.0億円から大幅減少し、財務体質は安定的である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の詳細開示はないが、BS動向から資金動向を読み取ると、現金及び預金は162.5億円で前年同期の162.6億円とほぼ同水準を維持している。短期借入金は前年の235.0億円から75.3億円へ159.7億円減少し、現金預金が短期借入金の2.16倍に達することから、短期資金の返済余力は高まっている。販売用不動産は184.1億円で前年の196.0億円から11.97億円減少し、在庫圧縮が進んでいる一方、不動産事業の売上縮小と併せて回転状況の継続的な確認が必要である。未成工事受入金は100.9億円で未成工事支出金34.5億円を上回り、工事進行に伴う前受金が運転資金を補完する構造は維持されている。

収益の質

当期の増益は経常的な収益力ではなく、投資有価証券売却益15.5億円および事業譲渡益10.0億円という一時的要因によってもたらされている。税引前利益42.4億円は経常利益16.4億円を26.1億円上回り、この差はほぼ特別利益に相当する。営業外収益は1.8億円(うち受取配当金1.2億円)、営業外費用は0.8億円(うち支払利息0.8億円)と規模は限定的で、経常利益と営業利益の差はわずか1.0億円にとどまる。粗利率の低下(14.0%、前年比-1.5pt)と販管費率の上昇(9.1%、前年比+2.4pt)は本業の収益力低下を示しており、純利益率9.3%は特別利益を除けば大きく低下する点を踏まえた評価が必要である。包括利益は23.3億円で純利益29.5億円をやや下回り、有価証券評価差額金-5.9億円がその主因である。

業績予想・ガイダンス

通期計画は売上高1,500.0億円(同-11.5%)、営業利益95.0億円(同-30.9%)、経常利益93.8億円(同-31.5%)である。Q1の進捗率は売上高21.1%、営業利益16.2%、経常利益17.5%で、いずれも四半期均等進捗の25%を下回り、本業利益の進捗は相対的に弱い。一方、親会社株主に帰属する純利益の通期計画93.0億円に対するQ1進捗率は31.8%と標準を上回るが、これは特別利益による先行計上の影響であり、通期利益の上振れを直接示すものではない。下期における建築事業の採算改善と土木子会社の収益貢献が計画達成の鍵となる。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は110円、通期EPS予想は215.37円であり、配当性向は約51.1%となる。前年の配当45円から大幅な増配計画であり、通期純利益計画93.0億円に対する予想配当総額(期中平均株式数ベース)は約47.5億円で、計画純利益の約51%に相当する。利益剰余金は639.6億円と厚く、自己資本比率60.2%とあわせて配当実施の裏付けとなる資本基盤は維持されている。

リスク要因

  1. 建築セグメントの採算回復遅延: 売上高は前年比25.6%減、セグメント利益は同35.3%減となり、主要利益源である建築事業の工事完成高・採算の回復が遅れる場合、通期営業利益計画95.0億円の達成に影響する。

  2. のれん増加に伴う減損リスク: 土木子会社(アクエリアスインベスコ・海昌)の連結化によりのれんは34.9億円(前年比+2,038%)に増加し、取得原価配分は暫定である。統合効果が想定を下回る場合、のれんの減損リスクが生じる。

  3. 不動産事業の再構築リスク: 不動産セグメント売上高は前年比79.5%減、セグメント利益は同82.7%減。販売用不動産184.1億円の在庫回転や、分譲マンション事業譲渡後の収益基盤再構築が課題となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(construction)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.9%4.5% (2.7%–6.6%)+0.4pt
純利益率9.3%3.8% (-1.1%–4.4%)+5.6pt

営業利益率は業種中央値をわずかに上回るが、純利益率の優位は特別利益による一過性の要因が大きい。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−23.2%4.8% (3.4%–10.1%)−28.0pt

売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、業種内では減収の程度が目立つ位置にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 年換算ROE15.6%は良好に見えるが、投資有価証券売却益・事業譲渡益を含む純利益率9.3%に依存しており、営業利益率4.9%・経常利益率5.2%という本業収益性の低下と併せて評価する必要がある。

  2. 事業ポートフォリオは土木セグメントの増収増益と建築・不動産の減益が同時進行しており、利益構成が土木寄りに変化している点は構造的な変化として注目される。

  3. 財務健全性は自己資本比率60.2%、短期借入金の大幅減少などにより改善傾向にあり、収益変動に対する耐性は保たれているが、通期計画に対する本業利益の進捗(営業利益16.2%、経常利益17.5%)は下期での改善を要する水準である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,881円
base(基準)1,953円
bull(強気)2,005円
算出前提
1株純資産(BPS)1,759円
調整後予想EPS240.5円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向51.1%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.11倍 / 8.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,900円〜2,008円、ω±0.1で 1,949円〜1,960円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。