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18612027 第1四半期プライムJGAAP

熊谷組(1861) 2027年度第1四半期決算 減収・営業益42%増

2027年度第1四半期の売上高は1,000億円(前年同期比-5.1%)、営業利益は28.7億円(同+42.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社 熊谷組

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1000.2億¥1053.7億−5.1%
営業利益¥28.7億¥20.2億+42.2%
経常利益¥27.2億¥19.4億+40.3%
純利益¥14.3億¥11.6億+23.4%
ROE0.8%0.6%-

Executive Summary

売上減少下でも建築事業の採算改善により営業増益となった点が今四半期の最重要ポイントである。売上高は1000.2億円(前年比-5.1%)と減収となったが、営業利益は28.7億円(同+42.2%)、経常利益27.2億円(同+40.3%)、純利益14.3億円(同+23.4%)と各利益指標は増益。完成工事総利益の粗利率が9.4%(前年7.6%)へ改善したことが主因で、建築事業のマージン改善が全社利益を牽引した。

業績変動要因

【売上高】売上高は1000.2億円で前年比-5.1%の減収。セグメント別では建築事業が482.3億円(同-8.4%)と最大の減収要因となり、子会社265.8億円(同-3.2%)も減収。一方、土木事業は277.2億円(同+0.4%)とほぼ前年並みを維持した。

【損益】完成工事総利益は94.3億円(前年80.5億円)へ増加し、粗利率は9.4%(前年7.6%)へ+179bp改善。販管費は65.7億円(同+8.9%)と増加したが、粗利改善がこれを吸収し営業利益は28.7億円(同+42.2%)となった。経常利益は27.2億円(同+40.3%)と営業増益が波及した一方、支払利息の増加(2.6億円)等により営業外は純費用が拡大した。純利益は14.3億円(同+23.4%)だが、実効税率47.1%が最終利益の伸びを抑制している。売上減少にもかかわらず利益率改善により大幅増益となっており、減収増益と結論できる。

セグメント別分析

建築事業は売上482.3億円(同-8.4%)に対し営業利益16.9億円(同+378.7%)と大幅増益し、営業利益率は3.5%(前年0.7%程度)へ改善した。全社営業利益2.9億円のうち建築事業が約59%を占め、価格条件の是正や原価管理の改善が寄与したとみられる。土木事業は売上277.2億円(同+0.4%)と横ばいながら営業利益5.3億円(同-42.4%)と減益し、利益率は1.9%へ低下しており、案件ミックスやコストの上振れが示唆される。子会社は売上265.8億円(同-3.2%)、営業利益6.9億円(同-9.5%)でマージン2.6%へ小幅悪化した。建築の改善と土木の悪化が全社の増益要因の内訳となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は2.9%(前年1.9%)へ+96bp改善、純利益率は1.4%(前年1.1%)へ+33bp改善しており、完成工事粗利率の改善(9.4%、前年7.6%)が主因である。【キャッシュ品質】完成工事未収入金は2199.9億円(前年2405.7億円)へ減少し、未成工事受入金(前受金)は274.9億円(前年181.5億円)へ+51.4%増加しており、請求・回収の進展と前受金取り入れの進展が運転資本の質を改善している。【投資効率】ROEは0.8%(前年0.6%程度)とわずかに改善したが、総資産回転率(0.234)とレバレッジ(2.32倍)はともに低下傾向で、ROE改善は主に純利益率の改善に依存している。【財務健全性】自己資本比率は43.1%(前年41.8%)へ改善し、現金及び預金636.1億円に対し有利子負債合計は保守的な水準にあり、流動性・信用力は良好な状態を維持している。

キャッシュフロー分析

営業キャッシュフローの数値は開示されていないが、バランスシートの構成から資金動向を分析すると良化傾向が見られる。完成工事未収入金が2199.9億円(前年2405.7億円)へ減少し、請求・回収の効率が改善した一方、未成工事受入金(前受金)は274.9億円(前年181.5億円)へ+93.4億円増加しており、出来高請求の前倒しや受注条件の改善が示唆される。未成工事支出金も69.4億円(前年末76.9億円)へ減少し、工事進捗に応じた資金投入の適正化が進んでいる。これらの動きは、内部資金による利払い・配当の充当力を高める方向に働いている。ただし、建設業特有の期末偏重の季節性があるため、次四半期以降の未収入金・前受金の推移がキャッシュ転換の持続性を判断する上での鍵となる。

収益の質

今四半期の収益は事業本体の経常的な利益が中心であり、一時的要因は軽微である。特別利益は0.15億円、特別損失は0.25億円にとどまり、純利益への影響はほぼない。営業外収益は2.9億円(売上比0.3%)と小規模で、受取配当金1.0億円等が中心である。一方、営業外費用は4.4億円で支払利息2.6億円が主体であり、営業外は純費用として最終利益を圧迫している。営業増益(+42.2%)に対して純利益の伸び(+23.4%)が限定的なのは、実効税率47.1%の高止まりが主因であり、税負担の平常化が進めば下期以降の増益率は高まる可能性がある。包括利益は6.7億円と純利益14.3億円を下回り、有価証券評価差額金の悪化(-8.7億円)が主因であり、評価性損益が自己資本に与える影響には留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対するQ1進捗率は、営業利益が28.7億円/309.0億円で9.3%、経常利益が27.2億円/310.0億円で8.8%、純利益が14.3億円/204.0億円で7.0%と、いずれも単純比例(25%)を下回る。ただし建設業は完成・引渡しが期後半に集中しやすく、Q1の低進捗は季節性の範囲内と考えられる。粗利率の改善傾向や建築事業のマージン上昇(3.5%)が続けば、下期における通期計画達成の前提を下支えする材料となる。一方、土木事業の採算低下が継続する場合は、全社マージンへの下押し要因となり得る。業績予想の修正は今回無しとされている。

株主還元

会社計画による年間配当予想は50円(株式分割前基準)で、EPS予想120.04円に対する配当性向は約41.6%である。なお、2025年10月1日を効力発生日として1株につき4株の株式分割を実施しており、分割考慮後の第2四半期末配当は20円00銭、年間配当は47円00銭となる。配当予想の修正は今回無しである。自己資本比率43.1%、現金及び預金636.1億円という財務基盤を踏まえると、配当は内部資金で十分に賄える水準にあると考えられる。

リスク要因

  1. 土木事業の採算悪化: 土木事業の営業利益は5.3億円(前年比-42.4%)、利益率は1.9%へ低下しており、案件ミックスやコスト上振れが全社利益の下押し要因となり得る。

  2. 高い実効税率の継続: 実効税率は47.1%と高水準であり、税引前利益の伸び(+40.5%)に対して純利益の伸び(+23.4%)を抑制している。税率が平常化するかどうかが今後の純利益成長の変数となる。

  3. 営業外費用の拡大: 支払利息が2.6億円(前年1.8億円)へ増加しており、金利環境の変化に対する感応度がある。インタレストカバレッジは良好な水準にあるが、モニタリングが必要な項目である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(construction)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率2.9%4.5% (2.7%–6.6%)−1.6pt
純利益率1.4%3.8% (-1.1%–4.4%)−2.3pt

自社の収益性は業種中央値を下回っており、建築事業の改善が進む一方で全社としては業種内で相対的に低位にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−5.1%4.8% (3.4%–10.1%)−9.9pt

売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、同業他社の多くが増収を確保する中で自社は減収基調にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 建築事業の採算改善が全社マージン拡大を牽引しており、減収下でも営業利益率2.9%(前年1.9%)への改善が確認できる。完成工事粗利率も9.4%(前年7.6%)へ改善しており、価格条件・原価管理の是正が定着しているかが今後の焦点となる。

  2. 運転資本の質が改善している点は特徴的である。未成工事受入金(前受金)が274.9億円(+51.4%)へ増加し、完成工事未収入金は2199.9億円へ減少しており、請求・回収サイクルの改善とキャッシュ創出力の底上げが示唆される。

  3. 土木事業の利益率低下(1.9%、前年比-42.4%の営業減益)と高い実効税率(47.1%)が当期の増益率を抑制する構造的要因となっている。これらの動向が今後の四半期でどう変化するかが、業績の質を評価する上での重要な観察点である。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,123円
base(基準)1,163円
bull(強気)1,192円
算出前提
1株純資産(BPS)1,082円
調整後予想EPS134.1円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向41.6%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.07倍 / 8.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,131円〜1,197円、ω±0.1で 1,161円〜1,166円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。