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18602027 第1四半期プライムJGAAP

戸田建設(1860) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益83%増

2027年度第1四半期の売上高は1,554億円(前年同期比+18.3%)、営業利益は74.3億円(同+82.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1553.6億¥1313.4億+18.3%
営業利益¥74.2億¥40.6億+82.9%
経常利益¥108.1億¥62.0億+74.5%
純利益¥118.5億¥38.7億+206.3%
ROE2.4%1.0%-

Executive Summary

2027年3月期第1四半期は、建築事業の採算改善と特別利益の押し上げにより増収増益となったが、営業利益率はなお5%を下回り基礎収益の改善余地が残る。売上高は1553.6億円(前年比+18.3%)、営業利益は74.2億円(同+82.9%)、経常利益は108.1億円(同+74.5%)、純利益は118.5億円(同+206.3%)。純利益の急伸は投資有価証券売却益77.6億円を含む特別利益と、受取配当金・為替差益による営業外収益の増加が主因であり、一過性要因への依存度が高い点は留意が必要である。

業績変動要因

【売上高】売上高は1553.6億円で前年比+18.3%の増収。セグメント別では主力のConstruction(建築・土木)が955.9億円(+26.8%)と全体を牽引し、売上構成比は61.5%に達する。Engineeringは319.0億円(+18.3%)、国内グループ会社は149.0億円(+16.3%)と拡大した一方、海外グループ会社は128.6億円(-23.2%)と減収となった。

【損益】営業利益は74.2億円(前年比+82.9%)で、営業利益率は4.8%と前年3.1%から改善した。粗利率は12.6%で前年12.2%からわずかに上昇し、販管費率は7.8%へ低下し利益率改善に寄与した。経常利益は営業外収益41.2億円(受取配当金25.1億円、為替差益9.0億円)の押し上げで108.1億円となり、純利益は特別利益77.6億円(投資有価証券売却益が主因)を加え118.5億円に達した。セグメント損益では建築が82.6億円の利益を稼ぐ一方、国内不動産投資開発、環境・エネルギー、海外グループ会社は営業損失を計上し、収益ミックスは依然重い。増収増益であるが、純利益の伸びは一時的要因に大きく依存している。

セグメント別分析

Construction(建築・土木合算)は売上955.9億円(+26.8%)、営業利益82.6億円(+100.4%)、利益率8.6%と全社利益の中核を担う。Engineeringは売上319.0億円(+18.3%)、営業利益6.1億円(+75.8%)、利益率1.9%で増益に寄与した。国内グループ会社は売上149.0億円(+16.3%)、営業利益4.9億円(+138.0%)と改善が進む。一方、海外グループ会社は売上128.6億円(-23.2%)、営業損失3.3億円と赤字転落し、国内不動産投資開発は売上30.5億円で営業損失6.0億円、環境・エネルギーは売上12.1億円(+248.7%)で営業損失4.0億円となった。全社営業利益80.3億円(セグメント合計)に対し調整額△6.0億円を反映し、連結営業利益は74.2億円。建築の高採算が赤字セグメントを吸収する構図であり、収益の質はセグメント間で大きく分散している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率4.8%は前年3.1%から改善したものの5%を下回り、純利益率7.6%は前年2.7%から大幅に改善したが特別利益の影響を含む。ROEは2.4%で、純資産の増加(前年比+22.5%)が分母を拡大させた面もある。【キャッシュ品質】完成工事未収入金は前年末2680.5億円から2454.5億円へ226.0億円減少し回収面は改善したが、未成工事受入金は701.9億円から614.4億円へ87.5億円減少し前受構造は弱まった。未成工事支出金は283.8億円へ39.5億円増加し仕掛が積み上がっている。【投資効率】投資有価証券は3501.1億円と前年比+58.6%増加し総資産の31.7%を占め、事業投資よりも金融資産の拡大が目立つ。【財務健全性】自己資本比率は44.7%で前年39.1%から改善し、総資産11044.0億円、純資産4936.6億円と資本基盤は強化された。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないため、BS項目の変動から資金動向を分析する。完成工事未収入金は226.0億円減少し、工事代金の回収が進展したことで運転資本の改善要因となった。一方、未成工事受入金は87.5億円減少し、前受金による資金調達効果は弱まっている。未成工事支出金は39.5億円増加、販売用不動産は135.5億円増加しており、仕掛工事・在庫への資金拘束が拡大している。投資有価証券は1293.3億円増加し、時価評価による増加分を含むものの、投資活動に伴う資金需要は大きいと考えられる。現金及び預金は666.5億円で前年末とほぼ同水準を維持しており、事業活動と投資活動の資金バランスは概ね保たれている。

収益の質

当期の利益は経常的な事業利益と一時的な要因が混在している。特別利益77.6億円のうち77.5億円は投資有価証券売却益であり、再現性の低い一過性項目である。営業外収益41.2億円のうち受取配当金25.1億円、為替差益9.0億円は金融資産・為替市況に依存する収益であり、事業本体の収益力とは区別して評価する必要がある。税引前利益185.6億円のうち特別利益が占める割合は約4割にあたり、純利益118.5億円(親会社株主に帰属する純利益は117.9億円)の伸びの多くが非経常要因によって支えられている。包括利益は1020.3億円と純利益を大きく上回り、その主因は有価証券評価差額金888.3億円の増加であり、実現損益とは異なる評価益が純資産を押し上げている点は留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は、売上高が1553.6億円/7530.0億円で20.6%、営業利益が74.2億円/390.0億円で19.0%と、単純な四分位進捗(25%)をやや下回る。経常利益は108.1億円/400.0億円で27.0%、純利益は118.5億円/350.0億円で33.9%と進捗率が高いが、これは特別利益77.6億円による押し上げが主因である。会社は業績予想・配当予想のいずれも修正していない。通期の経常利益予想は前年比-9.1%であり、当期の高進捗が今後の四半期における非経常益の減少を前提としている可能性がある。

株主還元

会社の年間配当予想は60円で、前年実績の20円(中間)を含む年間実績と比較して増配方針が示されている。予想EPS118.23円に対する配当性向は約50.7%(配当のみ、通期予想純利益350.0億円ベース)で、無理のない範囲にあると考えられる。今回の四半期における配当予想の修正はなく、当期の特別利益による純利益押し上げが配当政策に直接反映されているわけではない。自己株式は21,966千株(発行済株式数の6.9%)保有しているが、当四半期において新たな取得方針の開示はない。

リスク要因

  1. セグミックス悪化リスク: 海外グループ会社が売上128.6億円(-23.2%)、営業損失3.3億円に転落し、国内不動産投資開発(利益率-19.5%)、環境・エネルギー(利益率-33.5%)も赤字が継続している。建築の高採算(利益率8.6%)が全社利益を支える構造であり、主力セグメントの採算悪化時に全社収益が急速に脆弱化する可能性がある。

  2. 市場性資産の感応度リスク: 投資有価証券は3501.1億円(総資産比31.7%)に達し、前年比+58.6%増加した。有価証券評価差額金は888.3億円増加し包括利益を押し上げたが、繰延税金負債も406.1億円増加しており、株式市況の反転時にはバランスシートと税効果双方に逆方向の影響が及ぶ可能性がある。

  3. 収益性の一時的要因への依存: 純利益118.5億円のうち、投資有価証券売却益77.5億円を含む特別利益が押し上げ要因となっている。粗利率は12.6%と低位であり、原価上昇や工程遅延が生じた場合の損失吸収力は限定的である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(construction)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.8%4.5% (2.7%–6.6%)+0.3pt
純利益率7.6%3.8% (-1.1%–4.4%)+3.9pt

自社の収益性は業種中央値をわずかに上回る水準にあり、純利益率は特別利益の影響もあって業種内で高位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)18.3%4.8% (3.4%–10.1%)+13.5pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、建設業界内でも高い成長ペースにある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 建築セグメントの採算改善(利益率8.6%、前年比+100.4%)が全社増益を牽引しており、案件選別とコスト管理の継続が今後の収益基盤を左右する。

  2. 純利益の伸長(+206.3%)は投資有価証券売却益や金融収益の寄与が大きく、営業利益の伸び(+82.9%)との差が示すように、収益の質としては一時的要因の影響を考慮する必要がある。

  3. 投資有価証券が総資産の31.7%を占めるまで拡大し、包括利益・純資産を押し上げる一方、繰延税金負債も連動して増加しており、資産構成の変化がバランスシートの市況感応度を高めている。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,567円
base(基準)1,605円
bull(強気)1,632円
算出前提
1株純資産(BPS)1,668円
調整後予想EPS132.0円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向50.7%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.96倍 / 12.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,561円〜1,651円、ω±0.1で 1,603円〜1,606円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。