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18522027 第1四半期プライムJGAAP

淺沼組(1852) 2027年度第1四半期決算 減収・営業益52%増

2027年度第1四半期の売上高は373.7億円(前年同期比-12.5%)、営業利益は16.9億円(同+51.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社淺沼組

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥373.7億¥427.1億−12.5%
営業利益¥16.9億¥11.1億+51.7%
経常利益¥17.0億¥10.8億+56.9%
純利益¥11.4億¥7.2億+59.3%
ROE2.3%1.4%-

Executive Summary

淺沼組の2027年3月期第1四半期は、完成工事高の減少にもかかわらず採算改善により大幅増益となった減収増益の決算である。売上高は373.7億円(前年427.1億円、YoY△12.5%)と2桁減収となったが、営業利益は16.9億円(前年11.1億円、YoY+51.7%)、経常利益は17.0億円(前年10.8億円、YoY+56.9%)、純利益は11.4億円(前年7.2億円、YoY+59.3%、連結当期純利益ベース)と、いずれも大幅な増益を確保した。増益の主因は完成工事総利益率の改善と販管費の抑制で、粗利率は11.8%と前年から約2.4pt上昇、販管費は27.3億円(YoY△5.5%)に圧縮された。特別損益はいずれもほぼ僅少で、増益は本業の採算改善によるものである。

業績変動要因

【売上高】売上高は373.7億円でYoY△12.5%の減収となった。主力のConstructionセグメントは300.0億円(構成比80.3%、YoY△15.4%)と全体の減収を主導し、Engineeringは64.9億円(同17.4%、YoY△0.1%)でほぼ横ばい、その他は8.8億円(同2.4%、YoY+14.1%)と小幅ながら増収した。完成工事高(民間工事)の進捗タイミングの影響が大きく、官庁工事は前年から増加した一方、民間工事の減少が全体を押し下げた。

【損益】完成工事総利益率の改善が増益を牽引した。全社粗利率は11.8%で前年9.4%から約2.4pt改善、完成工事総利益率も11.5%(前年9.0%)へ上昇した。販管費は27.3億円(YoY△5.5%)に抑制され、営業利益率は4.5%(前年2.6%)へ約1.9pt上昇した。営業外損益は収益1.2億円・費用1.0億円と純額でわずかにプラスで、経常利益は営業利益をやや上回る17.0億円となった。特別損益は利益・損失とも0.0億円台と僅少で一時的要因の影響は限定的である。結論として、減収の中で採算改善と費用抑制が寄与した減収増益の決算といえる。

セグメント別分析

Constructionは売上300.0億円(YoY△15.4%)、営業利益34.4億円(YoY+12.1%)、利益率11.5%(前年8.9%)で、減収下でも採算改善により増益を確保し全社利益の大半を支えた。Engineeringは売上64.9億円(YoY△0.1%)とほぼ横ばいながら、営業利益7.6億円(YoY+8.8%)、利益率11.7%(前年10.5%)と改善した。その他セグメント(メンテナンス・不動産等)は売上8.8億円(YoY+14.1%)、営業利益1.6億円(YoY+127.9%)、利益率17.6%と全社中最も高い収益性を示し、規模は小さいものの増益への寄与度は大きい。全セグメントで利益率が前年から改善しており、案件採算の底上げが全社的に進んでいることがうかがえる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は4.5%(前年2.6%)、純利益率は3.0%(親会社株主帰属ベース、前年1.7%)といずれも改善した。ROEは2.3%(四半期実績、年率換算前)で、純利益率の改善が寄与した一方、総資産回転率は低水準にとどまり伸び代を残す。【キャッシュ品質】現金及び預金は275.5億円で前年末23.89億円台から+15.3%増加し、完成工事未収入金は552.65億円と前年684.70億円から△19.3%減少しており、債権回収が進捗している。【投資効率】投資有価証券は74.6億円(前年77.9億円)、のれん7.7億円と資産構成に大きな変化はなく、総資産は1086.4億円(前年1181.8億円)へ縮小した。【財務健全性】自己資本比率は45.3%(前年42.1%)へ+3.2pt改善し、流動比率は209.9%(流動資産896.7億円/流動負債427.3億円)と高水準を維持している。長期借入金124.0億円、社債3.9億円に対し現金及び預金275.5億円が上回り、支払利息0.7億円に対する営業利益カバー倍率も高く、財務体質は健全な水準にある。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向を確認できる。現金及び預金は275.5億円で前年末238.9億円から36.6億円(+15.3%)増加した。完成工事未収入金は552.65億円で前年末684.70億円から19.3%減少しており、売上債権の回収進捗が現金増加の主因とみられる。一方、未成工事支出金は23.9億円で前年末16.9億円から+41.2%増加し、工事進行中の先行支出が積み上がっている。未成工事受入金(前受金)は104.7億円で前年末103.9億円からほぼ横ばい(+0.8%)であり、受注段階での資金前受の水準は安定的に推移している。全体として、売上債権の回収が資金の主な創出源となっており、運転資本面の資金効率は改善方向にある。

収益の質

利益の大半は本業由来で、非経常項目の寄与は極めて限定的である。営業外収益1.2億円(受取配当金0.6億円が中心)、営業外費用1.0億円(支払利息0.7億円が中心)と純額で軽微なプラスにとどまり、経常利益17.0億円は営業利益16.9億円とほぼ同水準である。特別利益・特別損失はいずれも0.0億円台で、一時的要因による損益への影響は実質的にない。税引前利益17.1億円に対し法人税等5.7億円(実効税率33.1%)を控除し、純利益11.4億円(連結)、親会社株主に帰属する当期純利益は11.4億円となった。包括利益は10.9億円(親会社株主分10.8億円)で純利益をやや下回るが、これはその他有価証券評価差額金△2.3億円が為替換算調整額+1.2億円、退職給付に係る調整額+0.6億円の増加を相殺した影響であり、事業損益の質を損なうものではない。アクルーアルの観点では、完成工事未収入金の大幅な減少と現金の増加が確認でき、計上された利益の現金化は良好に進んでいる。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する第1四半期の進捗率は、売上高21.3%(373.7億円/1755.0億円)、営業利益21.7%(16.9億円/77.8億円)、経常利益22.6%(17.0億円/75.3億円)、純利益(親会社株主帰属ベース)22.0%(11.4億円/51.8億円)である。単純な四半期均等進捗の目安25%をいずれも下回るが、建設業では下期に工事引渡しが偏重する季節性があり、この点を踏まえると許容範囲内の進捗と評価できる。通期計画は増収率+0.1%とほぼ横ばいを見込む一方、営業利益は+7.9%増を計画しており、当第1四半期で確認された採算改善のトレンドが年間を通じて持続するかが計画達成の鍵となる。

株主還元

通期配当予想は45.00円で、会社計画ベースのEPS64.22円に対する配当性向は約70.1%となる。当四半期時点で配当予想の修正はない。配当性向は相応に高い水準だが、現金及び預金275.5億円と低水準の有利子負債、高い自己資本比率(45.3%)を踏まえると、支払原資の面での余力は確保されている。

リスク要因

  1. セグメント集中リスク: 売上高の80.3%をConstructionセグメントが占め、同セグメントの受注動向・採算変動が全社業績に与える影響が大きい。Engineering(17.4%)、その他(2.4%)は相対的に小規模である。

  2. 収益性水準に関するモニタリング: 営業利益率4.5%、純利益率3.0%は前年から改善したものの、業種中央値(営業利益率4.5%、純利益率3.8%)と比較すると純利益率は△0.7pt下回っており、収益性の趨勢的な改善が継続するかの確認が必要である。

  3. 運転資本の変動: 完成工事未収入金は552.65億円と当四半期は減少したが、未成工事支出金は23.9億円と前年末から+41.2%増加しており、工事進行に伴う先行支出の増減が今後の資金繰りに影響しうる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.5%4.5% (2.7%–6.6%)+0.0pt
純利益率3.0%3.8% (-1.1%–4.4%)−0.7pt

営業利益率は業種中央値と同水準だが、純利益率はやや下回っており税負担や営業外項目の差異が影響している可能性がある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−12.5%4.8% (3.4%–10.1%)−17.3pt

売上高成長率は業種中央値を大きく下回っており、当四半期の完成工事高の進捗遅れが業種内でも目立つ水準である。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 減収局面での大幅増益は、粗利率の約2.4pt改善と販管費5.5%削減という費用構造面の改善によるものであり、全セグメントで利益率が前年から上昇している点は採算管理の底上げを示唆する。

  2. 完成工事未収入金の19.3%減少と現金及び預金の15.3%増加は、売上債権の回収進捗を示しており、計上利益の現金化の質を裏付ける材料といえる。

  3. 通期計画に対する進捗率は売上高21.3%、営業利益21.7%と単純進捗目安の25%を下回るものの、建設業の季節性を踏まえると、下期の工事引渡し集中により通期計画達成の余地が残る進捗状況である。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)622円
base(基準)642円
bull(強気)657円
算出前提
1株純資産(BPS)609円
調整後予想EPS71.7円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向70.1%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.05倍 / 9.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 625円〜660円、ω±0.1で 642円〜643円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。