| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1026.3億 | ¥829.1億 | +23.8% |
| 営業利益 | ¥69.9億 | ¥30.3億 | +130.8% |
| 経常利益 | ¥70.1億 | ¥25.4億 | +176.1% |
| 純利益 | ¥45.4億 | ¥16.2億 | +180.9% |
| ROE | 2.3% | 0.8% | - |
西松建設の2027年3月期第1四半期は、増収に加え採算改善が進んだ増収増益決算となった。売上高は1026.3億円(前年829.1億円、+23.8%)、営業利益は69.9億円(前年30.3億円、+130.8%)、経常利益は70.1億円(前年25.4億円、+176.1%)、純利益は45.4億円(前年16.2億円、+180.9%)といずれも大幅増となった。粗利率は13.5%へ改善し、販管費率も低下したことで営業利益率は6.8%となり、前年から大きく拡大している。
【売上高】売上高は1026.3億円(+23.8%)と2桁増収。セグメント別では建築事業が549.5億円(構成比53.5%、+16.4%)と最大規模を占め、土木事業302.6億円(+17.8%)、海外事業91.6億円(+48.7%)、環境・都市開発事業91.2億円(+114.3%)と全セグメントで増収となった。
【損益】営業利益は69.9億円(+130.8%)、経常利益70.1億円(+176.1%)、純利益45.4億円(+180.9%)。粗利率は13.5%(前年比約+2.5pt)へ改善し、販管費率は6.7%(前年比低下)に抑制されたことで営業利益率は6.8%となった。営業外では受取配当2.1億円、為替差益2.6億円があるが、支払利息6.1億円とほぼ相殺され、経常段階の伸長は本業の採算改善が主因である。特別損益はいずれも0.1億円規模で軽微であり、収益への影響は限定的。結論として増収増益。
建築事業は売上549.5億円(+16.4%)、営業利益43.3億円(+95.0%、利益率7.9%)と全社利益の中心を担う。土木事業は売上302.6億円(+17.8%)、営業利益17.4億円(+366.6%、利益率5.8%)と採算が急改善した。環境・都市開発事業は売上91.2億円(+114.3%)、営業利益10.1億円(+99.0%、利益率11.1%)と規模拡大と高マージンを両立している。一方、海外事業は売上91.6億円(+48.7%)と増収も、営業利益は▲4.0億円の赤字(前年+1.8億円から悪化)で、全社マージンの押し下げ要因となっている。
【収益性】営業利益率6.8%は前年の3.7%から大幅に改善し、純利益率も4.4%へ上昇した。【キャッシュ品質】特別損益は軽微で、営業外損益は受取配当・為替差益と支払利息がおおむね相殺しており、利益の大半は本業由来と評価できる。【投資効率】ROEは2.3%で、純利益率の改善と総資産回転率の上昇がプラス要因となっている。【財務健全性】自己資本比率は30.9%(前年28.4%から改善)。総資産は6516.3億円で前年比縮小、純資産は2013.5億円とほぼ横ばいであり、資産規模を絞りつつ効率が改善する構図がうかがえる。
キャッシュフロー計算書の開示は限定的だが、BS推移から資金動向を分析すると、完成工事未収入金は2291.5億円(前年末比▲13.4%)に縮小し、資産の資金化が進展したことが示唆される。一方で未成工事受入金(前受金)は403.5億円(前年末比▲11.6%)に縮小しており、短期の資金クッションはやや低下している。現金及び預金は480.9億円で前年末とほぼ同水準を維持しており、資金繰りに大きな緊張はうかがえない。工事損失引当金は8.8億円(前年9.7億円)に縮小し、案件採算の悪化リスクは限定的である。
特別損益は特別利益0.1億円、特別損失0.1億円といずれも軽微で、当期の利益は経常的な収益が主体である。営業外収益は6.9億円で売上比0.7%程度にとどまり、受取配当2.1億円や為替差益2.6億円が含まれるが、支払利息6.1億円とほぼ相殺されているため、経常利益の伸長は本業の採算改善が主因と言える。実効税率は約35.2%とやや高く、税引前利益70.1億円から純利益45.4億円への圧縮要因となっており、経常利益と純利益の乖離は主に税負担に起因するもので、構造的な収益質の問題は見当たらない。
通期計画に対する第1四半期の進捗率は、売上高23.3%(会社計画4400.0億円)、営業利益24.5%(同285.0億円)、経常利益26.5%(同265.0億円)となっており、いずれも単純進捗の目安である25%近傍で、概ね計画線上にある。なお、通期計画は経常利益で前年比▲3.2%を見込むなど、当第1四半期の大幅増益とは対照的な保守的な前提が置かれており、下期以降の海外損益や原価動向が計画達成の焦点となる。当四半期において業績予想・配当予想の修正は行われていない。
会社は年間配当予想を250円としており、前年の配当100円(中間・期末合計の一部)から増額の計画である。通期予想EPS519.19円に対する配当性向は約48.1%となる。配当は自社株買いを伴わない配当のみのため「配当性向」として整理される。現時点で配当予想の修正はない。
海外事業の損失継続: 海外セグメントは売上91.6億円(+48.7%)と増収したが、営業利益は▲4.0億円の赤字であり、前年同期の利益(+1.8億円)から悪化している。全社マージンの押し下げ要因として継続的な確認が必要である。
建築事業への構成集中: 建築事業の売上構成比は53.5%、営業利益では全社の約62%を占め、単一セグメントへの依存度が高い。当該事業の受注環境や原価動向の変化が全社業績に大きく影響しうる。
資材・労務費インフレと運転資本の変化: 未成工事受入金(前受金)は前年末比▲11.6%に縮小し、短期の資金クッションが低下している。資材・外注費・人件費の上昇が続く中、工事採算への影響をモニタリングする必要がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 6.8% | 4.5% (2.7%–6.6%) | +2.3pt |
| 純利益率 | 4.4% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +0.7pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回り、収益性は業種内で上位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 23.8% | 4.8% (3.4%–10.1%) | +19.0pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内で高い増収ペースを示している。
※出所: 当社調べ
営業利益率は6.8%(前年3.7%)へ改善し、粗利率・販管費率の両面での効率化が進んだ点は、業績の質を評価する上での注目点である。
建築・土木・環境都市開発の主要3セグメントがいずれも増収増益となった一方、海外事業は増収下での損失が継続しており、事業ポートフォリオ内での採算の偏りが確認できる。
通期計画に対する進捗は売上・利益ともに概ね標準的な水準にあり、会社が示す通期計画(経常利益は前年比減益予想)との対比から、下期にかけての海外損益や原価動向が実績の推移を左右する要素として観察される。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 5,230円 |
| base(基準) | 5,403円 |
| bull(強気) | 5,528円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 5,099円 |
| 調整後予想EPS | 579.8円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 48.1% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.06倍 / 9.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 5,255円〜5,558円、ω±0.1で 5,396円〜5,413円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。