| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥404.3億 | ¥443.7億 | -8.9% |
| 営業利益 | ¥13.6億 | ¥17.1億 | -20.7% |
| 経常利益 | ¥15.8億 | ¥19.8億 | -20.5% |
| 純利益 | ¥19.7億 | ¥13.1億 | +50.1% |
| ROE | 2.6% | 1.7% | - |
2027年3月期第1四半期は、建築・不動産事業の縮小により本業の減収減益が続く一方、投資有価証券・固定資産の売却益計上により純利益は大幅増となった。売上高は404.3億円(前年比▲8.9%)、営業利益は13.6億円(同▲20.7%)、経常利益は15.8億円(同▲20.5%)と、いずれも前年を下回った。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は19.3億円(同+49.9%)と増加したが、これは特別利益13.3億円(固定資産売却益8.4億円、投資有価証券売却益4.9億円)の計上によるもので、本業の収益力自体は弱含みで推移している。
【売上高】売上高は404.3億円で前年比▲8.9%の減収。セグメント別では主力の土木工事が212.5億円(構成比52.6%、YoY▲2.3%)とほぼ横ばいだったのに対し、建築工事が175.4億円(同43.4%、▲15.2%)、不動産事業が15.2億円(同3.8%、▲27.3%)と大きく減少し、全体の減収を主導した。付帯事業は8.7億円(+8.8%)と小幅ながら増収を確保している。
【損益】営業利益は13.6億円(同▲20.7%)、営業利益率は3.4%で前年3.9%から低下した。完成工事総利益率は10.1%(前年9.4%)と改善したものの、販管費が30.4億円(+4.1%)と売上減少に反して増加し、増益効果を相殺した。経常利益は15.8億円(同▲20.5%)で、受取配当金4.8億円が下支えする一方、支払利息は3.1億円へ増加し金融収支は圧迫されている。税引前利益は特別利益13.3億円の計上により29.0億円まで押し上げられ、親会社株主に帰属する当期純利益は19.3億円(同+49.9%)となった。営業・経常段階では減収減益であり、純利益の増加は一時的な特別利益に依存している。
セグメント別では、主力の土木工事が売上212.5億円(構成比52.6%)を占めるが、営業利益は6.8億円(同▲34.7%)、利益率3.2%と採算が悪化しており、全社収益の重石となっている。建築工事は売上175.4億円(同▲15.2%)と減収だが、営業利益は2.7億円(同+89.4%)と採算是正が進み利益率は1.5%まで回復した。不動産事業は売上15.2億円(同▲27.3%)に縮小しつつも利益率16.9%と全セグメント中最高水準を維持しているが、規模縮小により全社利益への寄与は限定的である。付帯事業は売上8.7億円(+8.8%)、営業利益0.5億円(+284.6%)と伸びが目立つが規模は小さい。全体として、土木の採算悪化が主因で報告セグメント計の利益は前年比大幅減となっている。
【収益性】営業利益率は3.4%で前年3.9%から約50bp低下し、完成工事総利益率10.1%(前年9.4%)の改善を販管費増加が相殺した形である。純利益率(親会社株主帰属ベース)は4.8%で前年2.9%から約190bp上昇したが、これは特別利益計上による押し上げであり、経常段階の収益性低下とは方向が逆であることに留意が必要である。【キャッシュ品質】工事損失引当金は17.1億円(前年21.2億円)とやや縮小したが依然高水準で、案件採算の下振れリスクを内包する。【投資効率】ROEは2.6%で、特別利益による純利益押し上げが寄与しており、経常的な収益力を反映した水準とは言い難い。【財務健全性】自己資本比率は32.4%で前年30.6%から改善しているが、総資産は2351.4億円と前年比で圧縮されており、資産・負債の両面での規模縮小が進んでいる。
キャッシュフロー計算書は開示されていないが、貸借対照表の推移からは運転資本の圧縮傾向が読み取れる。現金及び預金は214.0億円で前年末247.7億円から33.7億円(▲13.6%)減少し、流動性クッションはやや低下した。完成工事未収入金は1027.3億円で前年末比102.5億円(▲9.1%)減少しており、売上規模の縮小に加え債権回収が進展した可能性がある。一方、未成工事受入金は83.8億円で前年末比13.4%減少し、前受金によるキャッシュバッファも縮小している。短期借入金は524.2億円(前年533.5億円)とほぼ横ばいで、短期資金への依存度は引き続き高い水準にある。全体として、資産・負債の同時圧縮により資金繰りは大きな変化を見せていないが、現金残高の減少と前受金の縮小は今後のキャッシュ創出力を注視すべき点である。
当期の経常的収益は完成工事の粗利と受取配当金4.8億円等の安定的な営業外収益で構成される一方、純利益の押し上げ要因は特別利益13.3億円(固定資産売却益8.4億円、投資有価証券売却益4.9億円)であり、経常的な収益とは性質が異なる。営業外収益は売上高比約1.3%にとどまり、その大半が配当金であることから安定性は高い。経常利益15.8億円と親会社株主に帰属する当期純利益19.3億円の乖離は約22%に達し、この差は主に特別利益によって説明される。営業利益がYoYで▲20.7%と減速する中、非経常項目が純利益を大きく押し上げている構図であり、収益の質の面では持続性への注意が必要である。
通期予想に対する進捗率は、売上高21.9%(1850.0億円に対し404.3億円)、営業利益20.6%(66.0億円に対し13.6億円)と、四半期の単純進捗目安である25%を下回っている。一方、経常利益は27.7%(57.0億円に対し15.8億円)、純利益(親会社株主帰属)は30.6%(63.0億円に対し19.3億円)と単純進捗を上回っているが、これは特別利益13.3億円の前倒し計上によるもので、売上・営業利益段階の遅れを補う持続的な要因とは言い難い。通期の経常利益予想は前年比▲3.0%と減益計画であり、下期にかけて建築・土木のボリューム回復とコスト管理が進捗達成の鍵となる。
会社は2026年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の株式分割を予定しており、2027年3月期の期末配当予想115円00銭はこの分割を考慮した金額である。株式分割を考慮しない場合の期末配当予想は230円00銭となり、前期配当実績170円と比較すると増配となる。株式分割前後で1株当たり指標の基準が異なるため、配当性向の単純な数値比較には注意が必要であるが、分割考慮前ベースで見た場合、増配の方向性は明確である。
工事採算悪化リスク: 主力の土木工事セグメントは営業利益が前年比▲34.7%、利益率3.2%まで低下している。工事損失引当金は17.1億円(前年21.2億円)と依然高水準にあり、資材・労務費上昇による採算下振れの継続を示唆する。
財務レバレッジ・流動性リスク: 短期借入金524.2億円に対し現金及び預金は214.0億円にとどまり、短期資金への依存度が高い。自己資本比率は32.4%と前年から改善したものの、総資産・負債の圧縮が同時進行しており、資金調達構造の変化をモニタリングする必要がある。
完成工事未収入金の回収リスク: 完成工事未収入金は1027.3億円と四半期売上高の約2.5倍に相当する規模であり、大口案件の与信・回収遅延が発生した場合、運転資金への影響が想定される。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 3.4% | 4.5% (2.7%–6.6%) | -1.1pt |
| 純利益率 | 4.9% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +1.1pt |
営業利益率は業種中央値を下回るが、純利益率は特別利益の寄与により業種中央値を上回っている。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -8.9% | 4.8% (3.4%–10.1%) | -13.7pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、業種内では減収局面にある企業として位置づけられる。
※出所: 当社集計
純利益の前年比+49.9%は特別利益13.3億円(投資有価証券・固定資産売却益)の計上が主因であり、営業利益・経常利益はいずれも前年比二桁減となっている。決算全体の収益構造としては、本業の稼ぐ力よりも非経常項目への依存度が高い点が特徴といえる。
主力の土木工事セグメントは営業利益が前年比▲34.7%と落ち込み、利益率3.2%まで低下している。全社売上の過半を占める同セグメントの採算動向は、通期業績を左右する構造的な要因として注目される。
通期進捗は経常利益27.7%、純利益30.6%と単純進捗(25%)を上回るが、売上高21.9%、営業利益20.6%は下回っており、非経常益による前倒しと本業の遅れが併存する点が読み取れる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 4,645円 |
| base(基準) | 4,714円 |
| bull(強気) | 4,763円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 5,474円 |
| 調整後予想EPS | 252.5円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 50.9% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.86倍 / 18.7倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 4,586円〜4,847円、ω±0.1で 4,689円〜4,729円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。