| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥6400.9億 | ¥6496.2億 | -1.5% |
| 営業利益 | ¥405.2億 | ¥375.7億 | +7.8% |
| 経常利益 | ¥444.3億 | ¥388.4億 | +14.4% |
| 純利益 | ¥330.9億 | ¥269.8億 | +22.7% |
| ROE | 2.4% | 1.9% | - |
売上高は前年並みの水準を維持しつつ、粗利率改善を主因に営業・経常・純利益がそろって増益となった決算。売上高は6400.9億円(前年比-1.5%)、営業利益は405.2億円(同+7.8%)、経常利益は444.3億円(同+14.4%)、純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)は309.3億円(同+16.6%)となった。増益の主因は、エンジニアリング・海外関係会社の増収増益と粗利率改善(13.3%、前年11.7%から+1.7pt)で、建設セグメントの大幅減収減益による下押しを吸収した。
【売上高】売上高は6400.9億円で前年比-1.5%の減収。セグメント別では、エンジニアリングが+13.3%、海外関係会社が+5.1%、開発事業が+23.1%、国内関係会社が+7.7%と増収した一方、建設が-15.2%と大幅減収となり全体を押し下げた。建設の減収は大型案件の完成工事高計上タイミングの差によるものとみられる。
【損益】営業利益は405.2億円(前年比+7.8%)、営業利益率は6.3%(前年5.8%から+0.5pt改善)。粗利率は13.3%(前年11.7%から+1.7pt改善)となり、販管費率の上昇(7.0%、前年5.9%から+1.1pt)を吸収した。経常利益は444.3億円(同+14.4%)で、受取配当金33.9億円を含む営業外収益131.3億円の計上が押し上げに寄与。純利益(親会社株主帰属)は309.3億円(同+16.6%)で、投資有価証券売却益40.8億円を含む特別利益41.8億円が下支えした。売上高は減収となったものの利益は全段階で増益しており、減収増益の決算といえる。
エンジニアリングが売上1062.1億円(前年比+13.3%)、営業利益152.9億円(同+56.8%)、利益率14.4%と全セグメント中最高の採算性を示し、増益の主力となった。海外関係会社は売上2405.9億円(同+5.1%)、営業利益81.4億円(同+48.7%)と大幅増益し、利益率も3.4%へ改善した。一方、建設は売上2261.6億円(同-15.2%)、営業利益123.0億円(同-24.0%)と減収減益で、利益率は5.4%に低下した。国内関係会社(売上869.4億円、営業利益42.0億円、同-20.2%)と開発事業(売上113.2億円、営業利益4.9億円、同-39.5%)も減益となり、建設本体を含めた3セグメントが減益、エンジニアリングと海外関係会社の2セグメントが増益という構図で、収益ミックスの二極化が進んでいる。
【収益性】営業利益率は6.3%で前年5.8%から+0.5pt改善、経常利益率は6.9%で前年6.0%から+1.0pt改善、純利益率(親会社株主帰属ベース)は4.8%で前年4.1%から+0.8pt改善しており、各段階で利益率が趨勢的に上昇している。【キャッシュ品質】現金及び預金は4921.2億円で前年末4032.9億円から+888.3億円増加し、完成工事未収入金は8193.0億円で前年末11124.1億円から-2931.1億円(-26.3%)減少するなど、回収進展による運転資本の圧縮が進んだ。【投資効率】ROEは2.4%(四半期実績、年率換算前)、自己資本比率は41.0%で前年39.0%から+2.0pt上昇している。有利子負債は8177.0億円で前年8331.3億円からやや減少し、自己資本に対する有利子負債倍率は約0.60倍と大きな変化はない。【財務健全性】流動比率は136.1%(流動資産19756.8億円/流動負債14515.2億円)で、短期的な支払余力は確保されている。総資産は33844.9億円で前年36243.4億円から縮小しており、完成工事未収入金の圧縮がその主因となっている。
キャッシュフロー計算書の開示区分はないが、貸借対照表の推移からは運転資本の解放によるキャッシュ創出が読み取れる。完成工事未収入金は前年末11124.1億円から8193.0億円へ-2931.1億円(-26.3%)減少し、売上債権の回収が進展した。未成工事支出金も176.2億円と前年末203.5億円から-13.4%減少し、仕掛工事の圧縮が進んでいる。一方、未成工事受入金は2317.3億円で前年末2245.3億円から+3.2%増加し、前受構造は維持されている。これらの結果、現金及び預金は4921.2億円と前年末4032.9億円から+888.3億円(+22.0%)増加しており、利益の現金転換は良好に推移している。
経常的な収益に加え、営業外収益・特別利益の寄与が今期利益を押し上げている点に留意が必要である。営業外収益131.3億円のうち受取配当金33.9億円が含まれ、特別利益41.8億円の大半(40.8億円)は投資有価証券売却益であり、いずれも毎期の経常的な事業収益とは性質が異なる一時的要因である。特別損失は1.1億円と小幅にとどまった。包括利益は282.9億円(うち親会社株主分257.8億円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益309.3億円を下回っている。この乖離は主に有価証券評価差額金が-106.4億円と大きく悪化した一方、為替換算調整額が+54.9億円のプラスにとどまったことによるもので、保有有価証券の時価変動が包括利益ベースの収益の質をやや押し下げている。
通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が22.1%(6400.9億円/29000.0億円)、営業利益が20.3%(405.2億円/2000.0億円)、経常利益が21.6%(444.3億円/2060.0億円)となっている。単純な4分の1(25%)基準に対してはいずれも下回るペースだが、建設業では下期に完成工事高が偏重する傾向があり、季節性を踏まえた進捗と見られる。通期予想は前年比で売上高-5.5%、営業利益-16.9%、経常利益-14.3%の減益計画となっており、当第1四半期の増益基調とは方向性が異なる点は今後の四半期進捗で確認すべきポイントとなる。当四半期時点で業績予想・配当予想の修正は行われていない。
会社計画の1株当たり配当金は146.00円で、会社予想EPS368.20円に基づく配当性向は約39.7%となる。当四半期の配当予想修正はなく、既存計画が維持されている。自己株式は1461.7億円(発行済株式528,656千株のうち自己株式67,914千株)で前年から積み増しが継続しており、配当に加えた資本政策として株主還元の一端を担っている。配当のみでなく自己株式取得を合算した総還元の観点では、還元水準は配当性向単体の数値よりも高くなる可能性がある。
建設セグメントの減収減益: 売上高2261.6億円(前年比-15.2%)、営業利益123.0億円(同-24.0%)と主力セグメントの一角が減速しており、利益率も5.4%に低下している。全社の収益ミックスがエンジニアリング・海外関係会社に依存する構図が強まっている。
有利子負債の構成: 有利子負債は8177.0億円で、うち短期借入金が4117.1億円と過半を占める。金利環境が変動した場合、借換えや調達コストの影響を受けやすい構成となっている。
一時的利益への依存: 特別利益41.8億円(投資有価証券売却益40.8億円が主)や受取配当金33.9億円など非経常的な項目が純利益を押し上げており、これらを除いた経常的な収益力の伸びは利益全体の伸び率よりも緩やかである可能性がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 6.3% | 4.5% (2.7%–6.6%) | +1.8pt |
| 純利益率 | 5.2% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +1.4pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回っており、収益性は建設業界内で相対的に高い水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -1.5% | 4.8% (3.4%–10.1%) | -6.3pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、増収基調にある同業他社と比べてトップラインの伸びは劣後している。
※出所: 当社集計
粗利率が前年11.7%から13.3%へ+1.7pt改善し、エンジニアリング・海外関係会社の増益がこれを牽引した。この収益構造の変化が持続するかは、建設本体の採算回復とあわせて今後の四半期で確認するポイントとなる。
完成工事未収入金が前年末比-26.3%減少し、現金及び預金が+22.0%増加するなど、運転資本の回収進展が明確に表れている。これは利益の現金転換の質を示す前向きな兆候である。
通期進捗率は売上高22.1%、営業利益20.3%と単純な4分の1基準を下回る一方、通期計画自体が前年比減益を見込んでいる。当第1四半期の増益基調と通期減益計画の方向性の違いは、今後の四半期における建設セグメントの案件消化ペースが鍵となる。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 3,268円 |
| base(基準) | 3,345円 |
| bull(強気) | 3,409円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 3,011円 |
| 調整後予想EPS | 393.9円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 39.6% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.070(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.11倍 / 8.5倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 3,252円〜3,442円、ω±0.1で 3,337円〜3,357円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。