クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥6400.9億 | ¥6496.2億 | −1.5% |
| 営業利益 | ¥405.2億 | ¥375.7億 | +7.8% |
| 経常利益 | ¥444.3億 | ¥388.4億 | +14.4% |
| 純利益 | ¥330.9億 | ¥269.8億 | +22.7% |
| ROE(年換算) | 9.5% | 7.5% | - |
Executive Summary
減収ながら採算改善により増益となった決算で、利益率上昇が全体を牽引した。売上高は6400.9億円(前年比-1.5%)、営業利益は405.2億円(同+7.8%)、経常利益は444.3億円(同+14.4%)、純利益は330.9億円(同+22.7%)となった。完成工事高の減少を開発事業等の大幅増収が補い、加えて土木・開発事業の粗利改善と営業外収益・特別利益の押し上げが増益に寄与した。
業績変動要因
【売上高】売上高は6400.9億円で前年比1.5%減となった。完成工事高は5590.0億円で同6.9%減少した一方、開発事業等売上高は810.9億円で同65.3%増加し、減収幅を緩和した。セグメント別では土木事業(Engineering)が1062.1億円(+13.3%)、開発事業(Development)が113.2億円(+23.1%)、国内関係会社が869.4億円(+7.7%)、海外関係会社が2405.9億円(+5.1%)と増収した一方、建築事業(Construction)は2261.6億円で同15.2%減少し、連結売上構成上の比重が大きい同事業の落ち込みが全体を押し下げた。
【損益】営業利益は405.2億円で前年比7.8%増、営業利益率は6.3%と前年の5.8%から改善した。粗利率は13.3%(前年11.7%)と上昇し、うち完成工事総利益率は12.0%(前年10.9%)、開発事業等総利益率は22.3%(前年20.5%)へ改善した。セグメント利益では土木事業が152.9億円(+56.8%、利益率14.4%)と最大の寄与を果たした一方、建築事業は123.0億円(-24.0%、利益率5.4%)と減益で、増益の裾野は一様でない。販管費は448.4億円で前年比17.0%増、販管費率は7.0%(前年5.9%)へ上昇しており、粗利改善がなければ営業利益率は悪化していた。経常利益は444.3億円(+14.4%)で、受取利息56.5億円、受取配当金33.9億円を含む営業外収益131.3億円が寄与した。さらに投資有価証券売却益40.8億円を主因とする特別利益40.6億円(一時的要因)が税引前利益484.9億円を押し上げ、純利益330.9億円(+22.7%)につながった。総じて減収増益の決算である。
セグメント別分析
セグメント利益構成では土木事業(Engineering)が152.9億円で全社セグメント利益の約37.8%を占め最大の牽引役となった。海外関係会社は81.4億円(+48.7%)と大幅増益、国内関係会社は42.0億円(-20.2%)と減益、開発事業は4.9億円(-39.5%)と縮小した。建築事業(Construction)は123.0億円(-24.0%)と減益で、売上規模の大きさから連結利益への影響が大きい。土木事業の高採算化と海外事業の伸長が増益を主導する一方、建築事業の採算悪化が構造的な課題として残る。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は6.3%で前年5.8%から改善し、純利益率は5.2%(純利益330.9億円ベース)で前年4.2%から上昇した。粗利率13.3%は前年11.7%から約1.6pt改善したが、販管費率も7.0%(前年5.9%)へ上昇しており、粗利改善が営業利益率の伸びを支えた構図である。【キャッシュ品質】現金及び預金は4921.2億円で、流動資産1兆9756.8億円が流動負債1兆4515.2億円を上回り、流動比率は約136.1%である。未成工事受入金2317.3億円は未成工事支出金176.2億円を大きく上回り、前受金構造が運転資金を補完している。【投資効率】ROE(年換算)は9.5%で、純資産13872.0億円、自己資本比率41.0%のもとで形成されている。EPS(基本)は66.57円で前年56.46円から+17.9%増加した。【財務健全性】自己資本比率は41.0%と前年39.6%から改善し、長期借入金2801.4億円・社債1058.5億円を含む有利子負債構成のもと、支払利息50.6億円に対し営業利益405.2億円が確保されている。総資産は3兆3844.9億円で前年比減少し、資産圧縮と資本効率の両立が進んでいる。
キャッシュフロー分析
キャッシュフロー計算書は開示されていないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は4921.2億円で前年の4032.9億円から888.3億円増加し、短期流動性は改善している。完成工事未収入金は8193.0億円と前年の1兆1124.1億円から2931.0億円減少し、工事代金回収の進展または売上構成変化により運転資本負担が軽減した。未成工事受入金は2317.3億円と未成工事支出金176.2億円を2141.1億円上回り、進行中工事に係る前受資金が資金繰りを下支えしている。流動負債は1兆4515.2億円と前年の1兆6047.6億円から1532.4億円減少しており、負債圧縮と現金積み増しが同時に進んだ形である。
収益の質
当期純利益330.9億円には、経常的な事業収益に加え非経常項目が含まれる点に留意が必要である。特別利益41.8億円のうち投資有価証券売却益が40.8億円を占め、税引前利益484.9億円の押し上げ要因となっており、これは継続的な収益力とは区別すべき一時的要因である。営業外収益131.3億円は受取利息56.5億円、受取配当金33.9億円が中心で、経常的な性格を持つ。一方、包括利益は282.9億円と純利益330.9億円を下回り、その他有価証券評価差額金がマイナス106.4億円となったことが主因である。これは保有株式の時価変動によるもので、当期の実現損益とは別の変動要因であり、純利益と包括利益の乖離は資産価値の変動リスクを示唆する。
業績予想・ガイダンス
通期予想は売上高2兆9000億円(前期比-5.5%)、営業利益2000億円(同-16.9%)、経常利益2060億円(同-14.3%)である。Q1実績の進捗率は売上高22.1%、営業利益20.3%、経常利益21.6%であり、いずれも単純な四半期均等進捗の25%を下回る。特に営業利益進捗率は標準比で4.7pt低く、通期の営業利益率予想6.9%に対しQ1実績は6.3%にとどまる。建築事業の出来高回復と土木事業の高採算維持が、後続四半期での進捗改善の鍵となる。業績予想の修正は今回発表されていない。
株主還元
通期配当予想は1株146円である。期中平均株式数4億6460万株を基に算出した予想配当総額は約678億円で、通期純利益予想1700億円に対する配当性向は約39.9%となる。自己株式は前年の1145.1億円から1461.7億円へ316.6億円(+27.7%)増加しており、株主資本の圧縮要因となっている。配当予想の修正は今回なく、配当のみを基準とした持続性は現預金4921.2億円の水準からみて相応の余力を有すると考えられる。
リスク要因
-
建築事業の採算悪化: 売上高は前年比15.2%減、セグメント利益は同24.0%減となった。連結売上に占める比重が大きく、出来高回復の遅延や採算悪化が通期利益に及ぼす影響が大きい。
-
短期負債構成の偏り: 有利子負債は短期借入411.7億円を含み構成が短期側に偏っている。現金/短期負債は約1.2倍、流動比率136.1%と当面の支払余力は確保されているが、借換環境悪化時の資金繰り変動には留意が必要である。
-
完成工事未収入金の回収動向: 8193.0億円と依然大きく、前年から2931.0億円減少したものの、顧客の検収・請求サイクル次第で運転資本と資金繰りに影響し得る。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(construction)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 6.3% | 4.5% (2.7%–6.6%) | +1.8pt |
| 純利益率 | 5.2% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +1.4pt |
自社の収益性は業種中央値を上回り、営業利益率・純利益率ともに上位水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | −1.5% | 4.8% (3.4%–10.1%) | −6.3pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、増収が続く業界内で自社は減収局面にある。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
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減収下でも粗利率改善(13.3%、前年11.7%)により営業増益を達成しており、土木事業の高採算化(利益率14.4%)が収益構造改善の中心である。
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建築事業の減収減益と販管費率上昇(7.0%、前年5.9%)は増益トレンドの持続性を左右する監視点であり、通期営業利益進捗率20.3%は標準的な25%を下回る。
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純利益には投資有価証券売却益40.8億円を含む特別利益が寄与しており、経常的な収益力を評価する際はこの非経常要因を区別して見る必要がある。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 3,268円 |
| base(基準) | 3,345円 |
| bull(強気) | 3,409円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 3,011円 |
| 調整後予想EPS | 393.9円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 39.6% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.070(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.11倍 / 8.5倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 3,252円〜3,442円、ω±0.1で 3,337円〜3,357円。
注記:
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。