クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥6234.3億 | ¥5237.6億 | +19.0% |
| 営業利益 | ¥327.0億 | ¥158.0億 | +107.0% |
| 経常利益 | ¥364.7億 | ¥184.0億 | +98.2% |
| 純利益 | ¥401.4億 | ¥185.8億 | +116.1% |
| ROE(年換算) | 12.4% | 5.6% | - |
Executive Summary
国内建築の採算改善と不動産事業の大幅増益を軸に、増収増益かつ利益率も改善する強い決算となった。売上高は6,234.3億円(前年比+19.0%)、営業利益は327.0億円(同+107.0%)、経常利益は364.7億円(同+98.2%)、純利益は401.4億円(同+116.1%)となった。純利益には投資有価証券売却益200.6億円を含む特別利益201.1億円が寄与しており、営業増益に加え非経常要因が最終利益を押し上げている。
業績変動要因
【売上高】売上高は6,234.3億円で前年比+19.0%。セグメント別では国内建築が2,714.1億円(+16.9%、構成比43.5%)と最大で、海外建築1,310.2億円(+14.1%)、国内土木1,063.8億円(+13.8%)、海外土木795.9億円(+24.5%)が続く。不動産は307.0億円と規模は小さいが+188.2%と突出した伸びを示した。完成工事高は5,774.9億円(+16.3%)で受注案件の進捗が順調に反映されている。
【損益】営業利益は327.0億円(+107.0%)、営業利益率5.2%(前年3.0%)。国内建築の利益率が2.2%から4.9%へ改善し132.9億円(+156.7%)を計上、不動産は31.0%の高い利益率で95.3億円(+565.4%)と全体利益を牽引した。一方、海外建築は売上増にもかかわらず利益率1.1%(前年2.5%)へ低下し14.2億円(-44.1%)と減益となった。経常利益は営業外収益の受取配当金26.1億円等により364.7億円(+98.2%)、純利益は投資有価証券売却益200.6億円を含む特別利益で401.4億円(+116.1%)となった。増収増益、かつ本業ベースの利益率改善が最終利益の押し上げに加え非経常要因も寄与した構図である。
セグメント別分析
6セグメント中、国内建築(売上構成比43.5%)と不動産(同4.9%)が利益成長を主導した。不動産は営業利益率31.0%と突出して高く、95.3億円の利益は全社営業利益327.0億円の29.1%を占める。海外建築は売上構成比21.0%を占める主要セグメントだが、利益率が前年2.5%から1.1%へ低下し、営業利益は14.2億円(-44.1%)と全社増益の中で唯一大きく減益した。海外土木は795.9億円(+24.5%)、利益率4.3%と底堅く推移している。その他事業(PFI・再エネ・金融等)は売上192.7億円(-5.0%)、利益2.9億円(-73.2%)と減収減益であった。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は5.2%で前年同期3.0%から2.2pt改善、純利益率は6.4%で前年同期3.5%から2.9pt改善した。粗利率は12.4%(前年10.4%)で、完成工事総利益率も9.8%から11.1%へ改善している。【キャッシュ品質】現金及び預金は4,575.4億円と前年末4,308.9億円から増加し、未成工事受入金3,191.6億円が未成工事支出金567.1億円を大きく上回る資金構造が維持されている。【投資効率】ROE(年換算)は12.4%と高水準で、EPS(基本)は56.87円(前年25.59円、+122.2%)。総資産回転率と財務レバレッジの組合せで資本効率が支えられている。【財務健全性】自己資本比率は42.4%(前年40.6%)と改善、有利子負債は長期借入金1,406.9億円・社債400.1億円・1年内償還社債200.7億円を含むが、現金預金がこれを上回りネットキャッシュの状態にある。
キャッシュフロー分析
本決算はキャッシュ・フロー計算書が示されていないため、貸借対照表の増減から資金動向を確認する。完成工事未収入金は前年同期比595.6億円減の9,763.7億円となり、売上高が19.0%増加する中での売掛金圧縮は資金回収面で前向きな動きである。一方、工事未払金等は723.7億円減の5,219.9億円と支払債務も減少しており、運転資本改善の評価は債権回収と債務支払いの両面を合わせて判断する必要がある。未成工事受入金は191.8億円増の3,191.6億円となり、未成工事支出金567.1億円を大きく上回る水準を維持しており、進行中工事に対する前受金による資金繰り面の余裕がある。現金及び預金は前年末から増加しており、投資有価証券の売却(残高は376.3億円減の3,016.9億円)による資金流入も含め、全体として資金基盤は安定的に推移している。
収益の質
営業利益327.0億円、経常利益364.7億円は本業の採算改善を反映した経常的な利益成長である一方、純利益401.4億円には投資有価証券売却益200.6億円を中心とする特別利益201.1億円が含まれており、この部分は一時的要因として区別する必要がある。特別損益を除いた税引前利益ベースでみると、営業面の回復が利益改善の主因であることが確認できる。営業外収益54.0億円のうち受取配当金26.1億円は保有株式に基づく安定的な収益である一方、その他営業外収益14.8億円の内訳次第では継続性の評価が分かれる。包括利益は187.1億円と親会社株主に帰属する純利益390.9億円を下回っており、有価証券評価差額金が238.0億円のマイナスとなったことが主因である。株式市場の変動により純資産が押し下げられており、純利益の伸びほどには自己資本の実質的な増加につながっていない点は収益の質を評価するうえで留意点となる。
業績予想・ガイダンス
通期会社計画は売上高2兆9,450億円(前期比+13.9%)、営業利益1,800億円(同-7.5%)、経常利益1,830億円(同-10.4%)であり、通期は減益を前提とした保守的な計画となっている。Q1実績の進捗率は売上高21.2%、営業利益18.2%、経常利益19.9%であり、営業利益・経常利益は四半期均等進捗の25%を下回る。Q1の高い前年同期比増益(+107.0%)をそのまま通期に外挿することはできず、通期計画達成には残り3四半期での利益計上、特に海外建築の採算回復や工事案件の進捗管理が鍵となる。当四半期において業績予想・配当予想の修正は行われていない。
株主還元
通期の配当予想は1株当たり94.00円で、通期EPS予想228.39円に基づく配当性向は41.2%である。前年配当実績41円からの増配が計画されており、配当予想の修正は当四半期時点で行われていない。配当の持続可能性については、現金及び預金4,575.4億円、自己資本比率42.4%、有利子負債を上回る現預金水準(ネットキャッシュ)に支えられており、配当負担が財務健全性を圧迫する状況にはない。ただし、通期利益計画には投資有価証券売却益のような一時的要因は含まれておらず、配当原資の評価には経常的な利益水準の維持が重要となる。
リスク要因
-
海外建築セグメントの採算悪化: 売上高は1,310.2億円(+14.1%)と増収だが、営業利益は14.2億円(-44.1%)、利益率は前年2.5%から1.1%へ低下した。原価上振れや工期管理が連結収益を下押しするリスクとなっている。
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工事採算の変動リスク: 工事損失引当金78.8億円を計上しており、資材価格・労務費の上昇や設計変更、工程遅延が発生した場合、改善した国内建築の利益率(粗利率12.4%)の持続性に影響し得る。
-
有価証券評価変動と資本の減少: 前年同期比で純資産は167.2億円減少し、主因は有価証券評価差額金の237.99億円の低下である。投資有価証券は3,016.9億円と総資産の9.8%を占め、市場価格変動が包括利益・純資産に影響する。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(construction)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 5.2% | 4.5% (2.7%–6.6%) | +0.8pt |
| 純利益率 | 6.4% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +2.7pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回り、収益性は業種内で上位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 19.0% | 4.8% (3.4%–10.1%) | +14.2pt |
売上高成長率は業種中央値を大幅に上回り、業種内でも突出した増収ペースにある。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
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営業利益は327.0億円と前年同期比+107.0%となり、国内建築(利益率2.2%→4.9%)と不動産(同5.4%→31.0%)の採算改善が全社増益を牽引した。一方で海外建築は増収減益となり、事業別の収益格差が拡大している点は決算データから読み取れる構造的特徴である。
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純利益401.4億円のうち200.6億円は投資有価証券売却益による特別利益であり、最終利益の伸び率(+116.1%)は営業利益の伸び率(+107.0%)よりもさらに一時的要因の影響を受けている。
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通期営業利益計画1,800億円に対するQ1進捗率は18.2%と均等進捗(25%)を下回っており、通期計画自体が前期比-7.5%の減益を前提としている点も含め、四半期ごとの利益変動性が高い決算構造である。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,044円 |
| base(基準) | 2,124円 |
| bull(強気) | 2,180円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,891円 |
| 調整後予想EPS | 255.3円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 41.2% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.118(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.12倍 / 8.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,065円〜2,185円、ω±0.1で 2,118円〜2,132円。
注記:
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。