クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥5212.1億 | ¥4403.4億 | +18.4% |
| 営業利益 | ¥453.2億 | ¥392.9億 | +15.3% |
| 経常利益 | ¥458.6億 | ¥411.4億 | +11.5% |
| 純利益 | ¥319.5億 | ¥302.5億 | +5.6% |
| ROE(年換算) | 13.1% | 12.2% | - |
Executive Summary
完成工事高の拡大を主因に増収・営業増益を確保したものの、販管費増加により営業利益率はわずかに低下した。売上高は5212.1億円(前年比+18.4%)、営業利益は453.2億円(同+15.3%)、経常利益は458.6億円(同+11.5%)、純利益は319.5億円(同+5.6%)となった。営業利益率は8.7%で前年同期の8.9%から僅かに低下し、粗利率は16.4%へ改善したものの、販管費が売上成長を上回るペースで増加したことが要因である。純利益の伸びが相対的に鈍いのは、実効税率の上昇が影響している。
業績変動要因
【売上高】売上高は5212.1億円(前年比+18.4%)で、建築(315.6億円、+21.0%)と土木(177.3億円、+19.5%)が主導した。完成工事高は4690.5億円(+20.1%)と全体の増収を牽引し、開発事業等売上も521.6億円(+4.4%)と増収に寄与した。セグメント別では建築が売上構成比の中心を占め、開発は規模は小さいが利益率が高い構造である。
【損益】営業利益は453.2億円(+15.3%)となったが、営業利益率は8.7%で前年同期の8.9%から低下した。粗利率は16.4%(前年15.4%)と改善した一方、販管費が41.1%増と売上成長を大きく上回り、のれん償却額の増加(1.3億円→29.8億円)がその一因となった。セグメント別では建築が営業利益250.2億円(+199.1%)と大幅増益、開発も93.4億円(+46.2%)と増益したが、土木は153.3億円(△37.9%)と減益であり、建築・開発の増益が土木の減益を補う構図である。経常利益は458.6億円(+11.5%)、税引前利益は501.7億円(+10.9%)まで伸びたが、実効税率が36.3%へ上昇し純利益は319.5億円(+5.6%)にとどまった。税引前利益には投資有価証券売却益43.9億円を含む特別利益44.2億円が計上されており、一時的要因が押上げに寄与している。総じて増収増益だが、増益率は売上成長を下回る構造である。
セグメント別分析
建築セグメントは売上315.6億円(+21.0%)、営業利益250.2億円(+199.1%)と大幅増益し、連結営業利益拡大の最大の牽引役となった。土木は売上177.3億円(+19.5%)と増収だが、営業利益153.3億円(△37.9%)と大幅減益であり、案件採算の悪化が示唆される。開発は売上46.1億円(+6.5%)、営業利益93.4億円(+46.2%)と高い利益率(20.2%)を維持し、全社の粗利益率を支えている。その他事業は売上45.3億円(+32.2%)、営業利益7.1億円(+69.9%)と小規模だが高成長である。建築・開発の増益が土木の減益を吸収し、連結営業増益を実現した構図である。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は8.7%で、粗利率16.4%(前年15.4%から改善)に対し販管費率7.7%が上昇したことで前年同期の8.9%から低下した。純利益率は5.9%で前年同期の6.7%から低下しており、実効税率上昇(36.3%)が主因である。【キャッシュ品質】完成工事未収入金は8070.9億円で前年同期比15.9%減少し、増収局面で未収金が膨張していない点は回収面で前向きである。一方、未成工事受入金は2408.4億円(前年末比△15.0%)で前受金の減少が見られる。【投資効率】ROEは年換算13.1%で、純利益率・総資産回転率に加え財務レバレッジの寄与が大きい構造である。自己資本比率は38.4%で前年同期の34.9%から改善している。【財務健全性】流動比率は119.3%、有利子負債の資本比率は26.3%、インタレストカバレッジは30.85倍であり、短期的な利払い余力は強い。工事損失引当金は688.2億円と前年から減少したが、依然大きく、個別工事の採算リスクは継続監視が必要である。
キャッシュフロー分析
CF計算書の詳細開示はないが、BS変動から資金動向を分析すると、現金及び預金は2073.2億円で前年同期比710.1億円(△25.5%)減少した。完成工事未収入金は8070.9億円で前年同期比1529.5億円減少し、増収下でも回収は進んでいることが確認できる。一方、未成工事受入金は2408.4億円と前年末比15.0%減少し、前受金の減少が資金流入の減速要因となっている。買掛金・工事未払金等も前年同期比407.7億円減の4607.9億円であり、支払と回収のバランスは概ね並行して縮小している。現金預金は短期借入金1388.7億円の1.49倍を維持しており、短期的な資金余力は確保されているが、工事代金回収や投資・株主還元との資金配分については今後の動向を確認する必要がある。
収益の質
税引前利益501.7億円には、投資有価証券売却益43.9億円を中心とする特別利益44.2億円が含まれ、経常利益458.6億円との差額約43.1億円は概ね非経常的な要因による押上げである。営業外収益31.5億円は売上高の0.6%程度にとどまり、受取配当金17.0億円と受取利息4.5億円が中心で、収益構造への影響は限定的である。包括利益は163.6億円と純利益319.5億円を大きく下回り、その他有価証券評価差額金の145.4億円の減少が主因である。この乖離は、保有株式等の市場価格変動が純資産に与える影響を示しており、経常的な収益力を評価する際は営業利益・経常利益を基準に、特別利益や評価差額金の変動要因を区別して捉えることが妥当である。
業績予想・ガイダンス
通期会社予想は売上高2兆4200億円(+15.8%)、営業利益1880億円(±0.0%)、経常利益1870億円(△4.5%)である。Q1の進捗率は売上高21.5%、営業利益24.1%であり、標準進捗率25%に概ね近い水準にある。ただし、通期は増収を見込みながら営業利益は前年比横ばいであり、通期営業利益率は7.8%程度とQ1実績の8.7%を下回る前提が置かれている。この前提は、下期における販管費増加やのれん償却負担、案件採算の変動を織り込んだものと解釈でき、増収を利益成長に転換できるかが今後の焦点となる。業績予想・配当予想の修正は当四半期において行われていない。
株主還元
通期の1株当たり配当予想は380円であり、通期EPS予想926.33円に基づく配当性向は約41.0%である。会社予想の純利益1510億円に対する予想配当総額は約619億円で、利益ベースの配当カバレッジは約2.4倍であり、配当性向は持続可能性の目安とされる60%を下回る。Q1の純利益309.1億円は通期予想の20.5%であり、通期配当の実現は下期を含む利益計画の達成に依存する。なお、純利益には投資有価証券売却益43.9億円という一時的要因が含まれており、配当原資の評価では経常的な利益創出力を併せて確認することが有用である。
リスク要因
-
工事採算変動リスク: 粗利率16.4%は20%未満の水準にあり、資材価格・労務費・外注費の変動や設計変更が工事採算を圧迫しうる。工事損失引当金は688.2億円と大きく、個別工事の採算悪化が発生した場合の追加引当リスクが残る。
-
土木セグメントの採算悪化: 土木の営業利益は前年同期比37.9%減の153.3億円となった。建築・開発の増益で連結全体は増益を確保したが、土木の減益要因(案件ミックス、原価上昇等)が継続する場合、連結マージンへの影響が懸念される。
-
資産回収・流動性関連: 完成工事未収入金は8070.9億円で総資産の31.8%を占め、発注者の支払遅延や信用悪化が資金繰りに影響する可能性がある。また現金及び預金は前年同期比25.5%減少しており、資金配分の状況を注視する必要がある。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 8.7% | 4.5% (2.7%–6.6%) | +4.2pt |
| 純利益率 | 6.1% | 3.8% (-1.1%–4.4%) | +2.4pt |
営業利益率・純利益率ともに業種中央値を大きく上回り、業種内では収益性の高い位置づけにある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 18.4% | 4.8% (3.4%–10.1%) | +13.6pt |
売上高成長率は業種中央値を大幅に上回り、業種内でも高成長の位置づけにある。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
-
増収率18.4%に対し営業利益率が前年同期比で低下しており、販管費増加(のれん償却負担を含む)が増収を利益成長に転換する上での制約となっている点が決算上の注目ポイントである。
-
セグメント別では建築・開発の増益が土木の大幅減益を補う構図となっており、事業ポートフォリオ内での採算のばらつきが確認できる。土木の採算動向は今後の連結マージンを左右する要素である。
-
純利益には投資有価証券売却益43.9億円という一時的要因が含まれており、経常的な収益力を評価する際は営業利益・経常利益を基準とすることが妥当である。通期予想では増収に対し営業利益が横ばいとされており、下期のマージン動向が確認ポイントとなる。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 6,520円 |
| base(基準) | 7,465円 |
| bull(強気) | 7,660円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 5,981円 |
| 調整後予想EPS | 1,050.4円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 41.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.134(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.25倍 / 7.1倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 7,256円〜7,684円、ω±0.1で 7,429円〜7,520円。
注記:
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。