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17202027 第1四半期プライムJGAAP

東急建設(1720) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益26%増

2027年度第1四半期の売上高は740.6億円(前年同期比+2.9%)、営業利益は27.3億円(同+25.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥740.6億¥719.5億+2.9%
営業利益¥27.3億¥21.7億+25.9%
経常利益¥28.4億¥23.1億+23.0%
純利益¥19.7億¥14.3億+37.3%
ROE1.8%1.3%-

Executive Summary

売上高・利益ともに前年を上回る増収増益決算となり、特に営業利益段階の改善幅が大きい点が特徴である。売上高は740.6億円(前年比+2.9%)、営業利益は27.3億円(同+25.9%)、経常利益は28.4億円(同+23.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は19.5億円(同+36.9%)となった。増収は建築事業の伸長が牽引し、増益は粗利率改善(10.8%、+0.9pt)が販管費増加を吸収したことが主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は740.6億円で前年比+2.9%の増収。セグメント構成比は建築79.1%・土木19.9%・不動産等1.0%で、建築事業(585.6億円、+4.4%)が全体を牽引した。一方、土木事業は147.7億円(-3.9%)と減収、不動産事業等は7.3億円(+44.7%)と大きく伸びたが規模は限定的。

【損益】営業利益27.3億円(+25.9%)、経常利益28.4億円(+23.0%)、純利益(親会社株主帰属)19.5億円(+36.9%)と各段階で増益。粗利率は10.8%で前年9.9%から+0.9pt改善し、販管費率は7.2%(+0.2pt)とやや上昇したが粗利改善が吸収した。営業外は受取配当金1.1億円・為替差益0.9億円等でネット+1.05億円寄与し、経常利益を押し上げた。特別損益の計上は無く、増益は本業の採算改善が主因である。結論として増収増益。

セグメント別分析

セグメント別営業利益は建築が牽引し、土木は採算が大きく悪化した。

  • 建築(ConstructionConstruction): 売上585.5億円(+4.4%)、営業利益44.7億円(+34.8%)、利益率7.6%。売上・利益率とも改善し増益の主因となった。
  • 土木(ConstructionEngineering): 売上147.7億円(-3.9%)、営業利益5.1億円(-50.5%)、利益率3.4%(前年6.7%から半減)。減収に加え採算悪化が顕著。
  • 不動産事業等(RealEstate): 売上7.3億円(+44.7%)、営業利益0.5億円(-16.7%)、利益率6.1%。売上拡大に対し利益は減少しており、案件構成や販売タイミングの影響が示唆される。

全社費用(セグメント間調整額)は23.0億円で前年22.3億円から+3.0%増加しており、報告セグメント利益合計50.3億円から差し引かれる形で営業利益27.3億円となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率3.7%(前年3.0%から+0.7pt)、純利益率2.6%(前年2.0%から+0.7pt)、粗利率10.8%(前年9.9%から+0.9pt)と、利益率は各段階で改善している。【キャッシュ品質】包括利益は15.7億円で、純利益19.5億円を下回る。差異は有価証券評価差額金-1.9億円、退職給付に係る調整額-1.3億円、持分法適用会社のOCI持分-0.9億円等の評価性項目によるもので、当期の稼得利益に対し包括ベースの成果はやや保守的である。【投資効率】ROEは当第1四半期ベースで1.8%(親会社株主帰属純利益19.5億円÷自己資本110.8億円)であり、年率換算値ではない点に留意が必要。【財務健全性】自己資本比率は39.6%で前年36.3%から+3.3pt上昇、総資産は2829.7億円で前年比-9.0%となる一方、短期借入金は200.8億円と前年比-42.8%と大幅に圧縮され、財務構造の保守化が進んでいる。

キャッシュフロー分析

キャッシュ・フロー計算書の開示項目はないが、貸借対照表の推移からは運転資本起点の資金創出が確認できる。現金及び預金は642.4億円で前年末比+29.6%増加し、完成工事未収入金は1124.3億円と前年末比-29.0%縮小、未成工事受入金は301.4億円と+27.1%増加した。これらは債権回収の進捗と前受金の積み上がりが同時に進んだことを示し、資金繰り面での安定性向上に寄与している。この資金創出を背景に短期借入金は200.8億円まで-42.8%圧縮された一方、有形固定資産は233.3億円と前年末比+14.9%増加しており、設備投資は継続している。前受金の積み上がりは工事進捗に伴い将来的に取り崩される性質のものであり、出来高請求と回収サイトの管理が今後も資金動向を左右する。

収益の質

今期の増益は営業利益・経常利益ともに本業の採算改善によるもので、特別損益の計上はなく一時的要因への依存は限定的である。営業外損益はネットで+1.05億円と経常利益を押し上げているが、内訳は受取配当金1.1億円、為替差益0.9億円が中心であり、事業本体の収益拡大が主要因である点は変わらない。一方、包括利益15.7億円は親会社株主に帰属する純利益19.5億円を下回り、有価証券評価差額金や退職給付に係る調整額など評価性のOCI項目がマイナスに寄与した。このため、フロー損益の改善ほどには資産・負債の時価評価を含めた包括的な成果は伸びておらず、収益の質を見る上では損益計算書上の増益とバランスシート評価の動きを併せて確認する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する第1四半期進捗率は、売上高22.2%(740.6億円/3340.0億円)、営業利益16.5%(27.3億円/165.0億円)、経常利益16.9%(28.4億円/168.0億円)、純利益17.8%(19.5億円/110.0億円)で、いずれも単純比例配分基準の25%を下回る。当四半期時点で業績予想・配当予想の修正は行われておらず、会社計画は下期偏重の進捗を前提としていると解釈できる。なお通期計画の前年比は売上高-2.1%、営業利益+1.2%、経常利益-4.3%となっており、第1四半期の増収増益とは異なり、通期では小幅な減収・増益率の鈍化を織り込んだ計画となっている点が注目される。

株主還元

年間配当予想は1株当たり43.00円で、当四半期において配当予想の修正は行われていない。発行済株式数(自己株式控除後、約1億629万株)を基に算出した年間配当総額は約45.7億円となり、通期純利益計画110.0億円に対する配当性向は約42%となる。現金及び預金642.4億円の水準や短期借入金の圧縮傾向を踏まえると、当該配当性向は利益・キャッシュ双方の裏付けを伴った水準といえる。

リスク要因

  1. セグメント収益性の二極化: 土木事業の営業利益率は3.4%と前年6.7%から半減し、営業利益は-50.5%の減益となった。建築事業(利益率7.6%、+34.8%)との対照が鮮明であり、土木部門の採算回復状況が今後の注目点となる。

  2. 事業ポートフォリオの集中: 売上高に占める建築事業の構成比は79.1%に達し、特定セグメントへの依存度が高い。不動産事業等は+44.7%増収したものの営業利益は-16.7%と減益であり、規模拡大が採算に直結していない。

  3. 工事関連の原価・引当金水準: 未成工事支出金は138.9億円で前年末比+5.4%増加し、工事損失引当金は46.8億円(前年48.0億円)と依然として高水準にある。原価動向と損失案件の発生状況は、粗利率改善の持続性を左右する要因となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(construction)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.7%4.5% (2.7%–6.6%)−0.8pt
純利益率2.7%3.8% (-1.1%–4.4%)−1.1pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を下回り、収益性は業種内でやや低い水準に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)2.9%4.8% (3.4%–10.1%)−1.9pt

売上高成長率も業種中央値を下回り、増収ペースは業種内で相対的に緩やかである。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増益の中心は粗利率改善(+0.9pt)と全社費用の吸収であり、非経常要因への依存が小さい点は決算の質を評価する上でのポイントとなる。

  2. 完成工事未収入金の縮小と未成工事受入金の積み上がりにより資金繰りが改善し、短期借入金は-42.8%と大幅に圧縮された。財務レバレッジの低下は資本構成の保守化を示している。

  3. 通期進捗率は主要4指標すべてで単純按分基準の25%を下回っており、会社計画は下期偏重の前提となっている。加えて土木事業の採算悪化は通期計画達成に向けたモニタリングポイントである。

理論株価(参考値)

残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,055円
base(基準)1,090円
bull(強気)1,114円
算出前提
1株純資産(BPS)1,054円
調整後予想EPS115.6円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向41.5%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.03倍 / 9.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,060円〜1,121円、ω±0.1で 1,089円〜1,091円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。