| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥10005.0億 | ¥10488.7億 | -4.6% |
| 営業利益 | ¥6187.1億 | ¥6168.8億 | +0.3% |
| 税引前利益 | ¥6443.5億 | ¥6449.8億 | -0.1% |
| 純利益 | ¥2845.6億 | ¥2423.1億 | +17.4% |
| ROE | 5.3% | 4.8% | - |
INPEXの2026年度第2四半期は、資源価格の下落による減収局面でも利益率改善により増益を確保した決算である。売上高は10,005.0億円(前年比-4.6%)となったが、営業利益は6,187.1億円(同+0.3%)、純利益(親会社株主帰属)は2,631.5億円(同+17.7%)と増益を確保した。営業利益率は61.8%と高水準を維持し、コスト管理と持分法投資利益(749.6億円)の増加が最終利益の押し上げに寄与した。
【売上高】売上高は10,005.0億円で前年比-4.6%の減収となった。セグメント別ではOther Projectsが6,592.0億円(構成比65.9%、YoY-12.0%)と全体の減収を主導した一方、Ichthys Projectは2,158.4億円(同+17.5%)、Oil and Gas Japanは1,126.6億円(同+6.4%)と増収を確保し、減収幅を一定程度緩和した。案件別の生産・出荷タイミングの違いが売上構成を大きく左右している。
【損益】売上原価は4,275.8億円(前年4,315.4億円)とほぼ横ばいで、粗利率は57.3%を維持した。販管費は625.0億円と抑制されており、営業利益は6,187.1億円(同+0.3%)と減収下でも増益を確保した。税引前利益は6,443.5億円(同-0.1%)とほぼ前年並みだが、法人税等が3,597.9億円から359.79億円(実質前年比-10.7%)へ減少したことで純利益は2,845.6億円(同+17.4%、親会社株主帰属では2,631.5億円、同+17.7%)に拡大した。結論として、減収増益の決算である。
セグメント別売上はOther Projectsが6,592.0億円(構成比65.9%、YoY-12.0%)と最大で、全社売上の減収要因となった。Ichthys Projectは2,158.4億円(構成比21.6%、YoY+17.5%)と2桁成長を記録し、減収を補完する役割を果たした。Oil and Gas Japanは1,126.6億円(構成比11.3%、YoY+6.4%)と堅調に推移した。Other Projectsへの高い売上集中度は、個別案件の生産・価格動向が全社業績に与える影響が大きいことを示している。
【収益性】営業利益率は61.8%と高水準を維持し、純利益率(親会社株主帰属ベース)は26.3%で前年の21.3%から拡大した。【キャッシュ品質】営業CFは5,538.9億円で純利益2,845.6億円の約1.95倍にあたり、利益の現金裏付けは良好である。フリーCFは1,291.8億円で、配当・自社株買いの合計682.8億円を十分にカバーしている。【投資効率】ROEは5.3%で、税引前利益6,443.5億円に対し実効税率は約55.8%と高水準にあり、上流資源税制がROEの抑制要因となっている。【財務健全性】自己資本比率は60.8%(前年61.4%からわずかに低下)、総資産は83,869.0億円に拡大し、財務基盤は強固な水準を維持している。
営業CFは5,538.9億円で前年比+29.4%と大幅に増加し、純利益2,845.6億円を大きく上回る現金創出力を示した。投資CFは-4,247.0億円で、うち設備投資は117.7億円と限定的であり、持分法投資関連の資金拠出等が主な投資活動の内容とみられる。財務CFは-910.2億円で、配当支払583.0億円と自社株買い99.8億円が主な資金流出項目である。この結果、フリーCF(営業CF+投資CF)は1,291.8億円となり、株主還元後も内部留保を積み増せる水準を確保している。運転資本面では棚卸資産の増加(-207.4億円)と仕入債務の減少(-35.7億円)がキャッシュアウト要因となっており、在庫・債権回転の動向は今後のキャッシュ効率を左右する要素として注視される。
経常的な収益の中心は営業利益6,187.1億円であり、持分法損益749.6億円が税引前利益6,443.5億円の約12%を占め、連結業績を安定的に下支えしている。金融収益602.5億円は金融費用346.2億円を上回り、金融収支はネットでプラスを確保している。税引前利益から純利益へのブリッジでは、法人税等3,597.9億円の計上により実効税率は約55.8%と高水準となっており、上流資源税制(PRRT等)の影響が純利益を圧縮する構造が継続している。営業CFが純利益を上回っている点は、発生主義利益の現金裏付けが良好であることを示しており、営業利益と純利益の乖離は主に税負担構造に起因するもので、収益の質そのものに問題があるとは評価されない。
通期計画(売上高19,730.0億円、営業利益12,230.0億円)に対する進捗は、売上高で50.7%、営業利益で50.6%となり、上期の標準的な進捗ペース(50%)と概ね整合している。純利益(親会社株主帰属)についても2,631.5億円と通期計画5,100億円に対し51.6%の進捗であり、下期の生産・価格前提を大きく変更しない限り計画線に沿った進捗と評価できる。なお、当四半期において業績予想および配当予想の修正が実施されており、通期EPS予想は438.82円、年間配当予想は112円とされている。
第2四半期(中間)配当は56円で実施済みであり、通期配当予想は112円である。配当のみに基づく配当性向は、配当支払額583.0億円を純利益(親会社株主帰属)2,631.5億円で除して約22.2%となる。自社株買い99.8億円を加えた総還元性向は約26.0%であり、配当と自社株買いを合わせた株主還元は保守的な水準にとどまっている。フリーCF1,291.8億円に対する還元額682.8億円のカバレッジは約1.9倍で、株主還元の原資には十分な余力がある。
プロジェクト集中リスク: Other Projectsが売上の65.9%を占めており、個別案件の生産計画・価格動向・規制変化が全社業績に与える影響が大きい。
高税負担構造: 税引前利益6,443.5億円に対し法人税等3,597.9億円が計上され、実効税率は約55.8%に達する。上流資源税制(PRRT等)による税後利益の圧縮が構造的に継続している。
資源価格変動リスク: 売上高は前年比-4.6%の減収となっており、原油・LNG価格の変動が売上・粗利に直接影響する事業構造である。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 61.8% | – | – |
| 純利益率 | 28.4% | – | – |
自社の営業利益率・純利益率はいずれも高水準にあるが、業種中央値データが未整備のため相対位置づけの評価は限定的である。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -4.6% | – | – |
売上高成長率は前年比マイナスだが、業種中央値との比較データが未整備のため、資源価格下落局面における相対的な耐性評価は今後の充実が望まれる。
※出所: 当社調べ
減収下での増益構造: 売上高が前年比-4.6%と減収するなかで、営業利益は+0.3%、純利益は+17.7%と増益を確保しており、コスト管理と持分法投資利益の拡大が収益構造を支えている。
高い税負担構造: 実効税率は約55.8%に達し、上流資源税制がROE(5.3%)の押し下げ要因となっている。この構造は税制・案件ミックスの変化がない限り継続的な特徴として観察される。
潤沢なキャッシュ創出力と保守的な株主還元: 営業CFは純利益の約1.95倍に達し、フリーCF1,291.8億円は配当・自社株買いの合計682.8億円を十分にカバーしている。総還元性向は約26.0%と保守的であり、還元余力の面で構造的な特徴として観察される。
残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード)により公表データのみから機械算出した参考レンジです。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではありません。
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 4,482円 |
| base(基準) | 4,677円 |
| bull(強気) | 4,743円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 4,390円 |
| 調整後予想EPS | 504.6円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 25.5% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.150(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.07倍 / 9.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 4,545円〜4,816円、ω±0.1で 4,670円〜4,688円。
注記:
(算出モデル: 残余利益モデル / 金利基準月: 2026-07 / 本値は将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
残余利益モデルによる機械的な算出値です。市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません。 過去分は現行のガイダンス達成率統計を用いて遡及算出しています。