お金の基本高校生向け
生命保険の基礎|社会人になる前に知ること
高校生向けに、生命保険の種類・仕組み・必要性を平易に解説。大学進学や就職、アルバイト収入や奨学金との関係、新NISAとの使い分けもわかります。
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保険生命保険高校生
目次
生命保険は「もしものときに家計を守る仕組み」です。ここでいう“もしも”とは、世帯の収入を支える人が亡くなったり、重い病気・ケガで働けなくなったりすることです。毎月支払うお金(保険料)を、多くの人で出し合い、必要になった人に大きな金額(保険金)を支払う“助け合い”の仕組みだと考えるとイメージしやすいでしょう。
貯金や投資は「自分のお金を将来へためる」道具ですが、生命保険は「万一のときに大きなお金を短時間で用意する」道具です。例えば、大学進学前に家計の支え手が急にいなくなると、学費や生活費が一気に足りなくなることがあります。貯金だけでは間に合わない金額やタイミングを、保険はカバーできます。
種類もいくつかあります。代表的なのは、一定期間だけ大きな保障を持つ「定期保険」、一生涯の保障があり途中解約でお金が戻ることもある「終身保険」、入院や手術の費用をサポートする「医療保険」、がんに特化した「がん保険」、生協などが提供するシンプルで低コストな「共済」などです。それぞれ役割が異なるため、“何のリスクに備えたいのか”を先に考えるのがコツです。
高校生の段階では、自分が契約者になる場面は多くありませんが、18歳になると自分名義で契約できる商品も増えます。将来の進路(大学進学、専門学校、就職)を見すえ、「どんなリスクがあるのか」「公的制度でどこまで守られるのか」を知っておくと、大人になってからの判断がぐっと楽になります。
まず、家計には“収入の柱”があります。保護者の収入、奨学金、アルバイト収入などがそれです。もし収入の柱が折れると、家計は急に不安定になります。保険は、その“柱折れリスク”に対して、短時間で大きな資金を用意する役割を持ちます。特に、大学進学を予定している場合、学費や家賃などの固定費は待ってくれません。
次に、公的制度の限界も理解しておきましょう。日本には、遺族年金(家族の稼ぎ手が亡くなったときに支給される年金)や、高額療養費制度(医療費が一定額を超えた分をあとで戻す仕組み)などがあります。これらは非常に頼りになりますが、“すべてをカバーできる”わけではありません。足りない部分を民間の保険で補う、という考え方が基本です。
最後に、お金の優先順位の話です。高校生〜社会人になりたての時期は、貯金づくり(緊急資金)や学費、生活立ち上げ資金が最優先になりやすいです。貯蓄や新NISAによる資産形成と、保険によるリスク対策は、どちらか一方ではなく“役割分担”だと理解すると迷いにくくなります。
ここでは、「遺される家族の生活費や学費をどれくらいカバーすべきか」をシンプルに考えるフレームを紹介します。
具体的には次の式で考えます。
目安の保障額 = (年間必要支出 × 必要年数) - (手元資金 + 奨学金見込み + 公的給付見込み)次に、保険料の負担感の目安を見ます。アルバイト収入など月の可処分収入に対して、保険料がどれくらいかを割合で見ます。
保険料負担率(%) = (月々の保険料 ÷ 月の手取り収入) × 100例えば、月の手取りが8万円、保険料が1,200円なら、負担率は1.5%です。一般的に、独身で扶養家族がいない間は、生命保険の負担率は低く抑えるのが無理のない形です。
ケースA: 大学進学予定、保護者の収入が主な家計の柱
ケースB: 専門学校進学・一人暮らし、アルバイト収入が生活の一部
ケースC: 就職予定・独身・実家暮らし
生命保険: 死亡や高度障害など万一の際に保険金が支払われる仕組み。家計を守るための“助け合い”。
定期保険: 一定の期間だけ大きな保障を持つ保険。期間が終わると保障も終了し、貯蓄性は低い。
終身保険: 一生涯の死亡保障がある保険。解約するとお金が一部戻ることもあるが、長期の拘束に注意。
医療保険: 入院・手術などの医療費負担をサポートする保険。日額や回数などの条件がある。
がん保険: がんの診断や治療に特化した保障を提供する保険。
共済: 生協や共済団体が提供するシンプルで低コストの保障制度。少額から加入できるものが多い。
保険料: 保険に加入するために定期的に支払うお金。毎月払いなどが一般的。
保障: 万一のときに受け取れる保険金の内容や範囲。
遺族年金: 家計の稼ぎ手が亡くなった際、遺族に支給される公的年金。
高額療養費制度: 医療費の自己負担が一定額を超えたとき、超過分が払い戻される公的制度。
就業不能リスク: 病気やケガで働けなくなり、収入が減るリスク。
新NISA: 少額投資非課税制度。投資の利益が非課税になる枠で、18歳から利用できる。