将来設計高校生向け
大学進学とお金|学費・生活費・奨学金のリアル
大学4年間で必要なお金を具体的な数字で理解し、奨学金や教育ローンの仕組みと選び方、アルバイトや新NISAの活用まで、高校生が今からできる準備を解説します。
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大学奨学金高校生
目次
大学進学にかかるお金は、大きく分けて二つです。ひとつは入学金や授業料などの「学費」。もうひとつは家賃、食費、交通費、教科書代、スマホ代などの「生活費」。自宅から通うのか、一人暮らしをするのかで大きく変わります。
費用をまかなう方法は、家庭の貯蓄、アルバイト収入、奨学金、教育ローンなどの組み合わせです。奨学金には、返さなくてよい「給付型」と、卒業後に返す「貸与型」があります。教育ローンは、家庭が金融機関から借りるお金で、金利がかかります。社会科で学ぶ「家計」の視点で言えば、収入と支出の差を管理し、足りない分をどう調達し、将来どう返すかを計画することです。
お金を借りると利子がつきます。利子はお金のレンタル料のようなもの。金利が高いほど返済総額は増えます。逆に、早く返すほど利子は少なくなります。高校の政経で学ぶ「金利」「機会費用」のイメージともつながります。大学進学は将来の収入を高める投資という側面もありますが、費用やリスクもあるので、数字で具体的に考えることが大切です。
18歳になると、銀行口座や証券口座を自分名義で作れます。新NISAという、投資の利益が非課税になる制度も利用可能です。投資は値動きがあり元本が保証されませんが、長期でコツコツ積み立てる考え方は、将来の資金づくりに役立ちます。
大学の費用は、家計にとって大きな支出です。入学前に「だいたいこれくらい」と見積もっておくと、志望校選びや住まい選び、入学時期の支払いに備えやすくなります。進路によっては総額が何百万円も変わるため、早めに把握しておくほど選択肢が広がります。
また、奨学金や教育ローンは「契約」です。借りたお金は返す約束で、返済が遅れると信用情報に傷がつくこともあります。逆に、制度を正しく理解し計画的に使えば、学びたい気持ちを後押ししてくれます。大人になる前に知っておけば、焦らず冷静に選べます。
最後に、卒業後の毎月の返済額は、手取り収入や生活設計に直結します。就職先の初任給の相場、家賃の目安、税金や社会保険料のイメージとあわせて、無理のない範囲に収まるかを考えましょう。
ここでは、学費・生活費・返済をシンプルな式で見える化します。実際の金額は大学や地域、物価で変わるため、必ず最新情報で確認しましょう。
学費の基本イメージ
生活費の基本イメージ
以下のように足し算で総額を見積もれます。
総費用 = 4年間の学費合計 + 4年間の生活費合計 + その他費用その他費用には、受験料、引っ越し代、パソコン、教材、サークル費などが含まれます。
ここで、月利は年利を12で割った値、返済回数は返済年数×12です。金利がゼロの給付型・無利子型では、単純に借入額÷返済回数で近い値になります。
ここでは3つのケースを見て、総費用や返済を具体化します。数字は目安です。
ケースA: 国立・自宅通学・アルバイト月3万円
ケースB: 私立理系・一人暮らし・アルバイト月6万円
ケースC: 私立文系・自宅通学・教育ローン併用
志望校の費用を「見積もり表」にする
アルバイトの時間設計
奨学金の選び方
教育ローンの使いどころ
新NISAを知る
生活防衛資金を確保
情報収集の習慣
奨学金: 学生が学費や生活費に使うために受けられる資金。給付型は返済不要、貸与型は卒業後に返済が必要。
教育ローン: 主に保護者が金融機関から借りる教育資金のローン。金利がかかり、返済期間や条件が決まっている。
給付型: 返済不要の奨学金。家計基準や成績基準などの条件がある。
貸与型: 卒業後に返済が必要な奨学金。無利子と有利子のタイプがある。
金利: お金を借りるための費用。借入額に対する利子の割合を示す。
固定金利: 返済中に金利が変わらないタイプの金利。返済額が安定する。
変動金利: 市場金利の動きに応じて金利が変わるタイプ。金利が下がれば返済負担が軽くなるが、上がるリスクもある。
返済猶予: 一定の条件のもと返済を一時的に待ってもらえる制度。失業や収入減少時などに利用できることがある。
家計: 世帯の収入と支出のバランス。将来の大きな支出に備えて計画を立てることが重要。
新NISA: 2024年開始の少額投資非課税制度。投資の利益が非課税になり、18歳から利用できる。
非課税: 税金がかからないこと。新NISAでは売却益や配当に税金がかからない。