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99842026 第3四半期プライムIFRS

ソフトバンクグループ(9984) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は5兆7,192億円(前年同期比+7.9%)、税引前利益は4兆1,692億円(同+228.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥57192.5億¥53025.8億+7.9%
営業利益---
税引前利益¥41691.6億¥12709.3億+228.0%
純利益¥37334.5億¥10576.9億+253.0%
ROE20.4%7.6%-

Executive Summary

2026年度第3四半期決算は、売上高57,192億円(前年比+4,167億円 +7.9%)、営業利益4,195億円、経常利益は非開示、親会社所有者帰属当期純利益37,335億円(同+26,758億円 +253.0%)と大幅増益を記録した。純利益率は65.3%に達し、主に投資有価証券の売却益や評価益等の一時的要因が寄与。一方で営業キャッシュフローは▲1,190億円とマイナスに転じ、投資CFは▲45,158億円、財務CFは+51,829億円と大規模な資金調達を実施。ROEは20.4%、自己資本比率は28.1%となった。

業績変動要因

売上高は前年比+7.9%の増収を達成し、売上総利益は29,851億円(粗利率52.2%)を計上。販管費は25,657億円(販管費率44.9%)で、営業利益は4,195億円となった。営業利益率は約7.3%で、業種中央値8.2%を下回る水準。税引前利益は41,692億円に達し、営業利益との差額約37,497億円は営業外損益が大幅なプラスであることを示す。投資有価証券の売却益や持分法投資利益、評価益等の一時的要因が税引前利益を大きく押し上げた。税金費用は4,357億円で実効税率は約10.5%と軽減され、最終的な親会社所有者帰属当期純利益は37,335億円(前年比+253.0%)に達した。一方で営業CFは▲1,190億円とマイナスに転じ、法人税支払額▲7,824億円、売上債権増加▲6,107億円が主因。売掛金回転日数は約210日と長期化しており、収益の現金化に課題が残る。投資有価証券は前年の80,401億円から46,416億円へ▲42.3%減少し、大規模な売却により投資CF▲45,158億円の主因となった。財務CFは+51,829億円で借入等による資金調達で流動性を確保。結論として増収増益だが、営業CFのマイナス転換と評価益依存の利益構造が収益の質に課題を残す。

主要財務指標

【収益性】ROE 20.4%(業種中央値8.3%を大きく上回る)、営業利益率 7.3%(業種中央値8.2%を下回る)、純利益率 65.3%(業種中央値6.0%を大幅に上回るが評価益等の一時的要因に依存)。総資産利益率は6.7%で業種中央値3.9%を上回る。【キャッシュ品質】現金及び現金同等物44,067億円、営業CF対純利益比率▲0.04倍と収益の現金化に重大な乖離。売掛金回転日数約210日(業種中央値61日を大幅超過)で回収遅延が顕著。【投資効率】総資産回転率 0.103倍(業種中央値0.67倍を大きく下回る)、ROIC 2.1%(業種中央値16%水準を大幅下回り資本効率の改善余地大)。棚卸資産回転日数は約15日で業種中央値16.5日と同等。【財務健全性】自己資本比率 28.1%(業種中央値59.2%を大幅に下回る)、負債資本倍率 2.03倍(高レバレッジ警告水準)、財務レバレッジ 3.03倍(業種中央値1.66倍を上回る)。のれん72,033億円、無形資産24,889億円が固定資産の大半を占め、減損リスクが存在。

キャッシュフロー分析

営業CFは▲1,190億円とマイナスに転じ、純利益37,335億円に対する現金裏付けは確認できない。内訳では法人税支払額▲7,824億円、売上債権増加▲6,107億円が主因で、仕入債務増加+5,264億円で一部相殺。投資CFは▲45,158億円で、投資有価証券の売却収入+3,082億円があったものの、投資有価証券購入▲12,945億円、設備投資▲10,354億円が大規模なキャッシュアウトを生じた。財務CFは+51,829億円で、借入等による資金調達が流動性を支える一方、配当支払▲629億円、自社株買い▲932億円を実施。FCFは▲46,348億円と大幅なマイナスで、現金創出力は脆弱。現金及び現金同等物は44,067億円で流動性は一定水準を保つが、短期負債に対する現金カバレッジは要注視。運転資本効率では売掛金の増加が顕著で、DSOは約210日と業種水準を大幅超過し、回収管理の改善が急務。

収益の質

税引前利益41,692億円に対し営業利益4,195億円で、非営業純増は約37,497億円と利益の大半が営業外要因に依存。投資有価証券の売却益や持分法投資利益、評価益等の一時的要因が主体で、持続的な収益構造ではない。営業外収益の構成は投資関連収益が中心と推定され、売上高比では営業外純増が約66%を占める。実効税率は約10.5%と軽減されており、税務面でも一時的要因が寄与。営業CFが純利益を大幅に下回り▲1,190億円とマイナスで、利益のアクルーアルは極めて高く、現金裏付けのない会計利益が大半を占める。売掛金の大幅増加と法人税支払の影響で運転資本は悪化。収益の質は低く、評価益依存と現金化不良が顕著で、持続性に懸念が残る。

株主還元

年間配当は中間22円、期末22円の計44円を予定し、前年比で維持または微増の水準。配当総額は約2,511億円と試算され、純利益37,335億円に対する配当性向は約6.7%と極めて保守的。自社株買いは932億円を実施し、配当と合わせた総還元額は約3,443億円、総還元性向は約9.2%と低位。FCFは▲46,348億円で配当と自社株買いをカバーできず、資金源は営業外の評価益や資金調達に依存。現金及び現金同等物44,067億円が配当原資を支えるが、キャッシュベースの持続性は営業CF改善次第。配当方針は短期的には維持可能だが、運転資本管理と資産売却依存からの脱却が中長期的な配当持続性の鍵となる。

リスク要因

  1. 投資有価証券評価損益の逆転リスク: 利益の大半が投資売却益・評価益等の一時的要因に依存し、前年比▲42.3%の投資有価証券残高減少は今後の評価益寄与の縮小を意味。市場環境悪化時には逆に大規模な評価損発生の可能性があり、純利益の変動性が極めて高い。
  2. 高レバレッジと流動性リスク: D/E比率2.03倍、自己資本比率28.1%と高レバレッジ構造で、金利上昇局面では利息負担が増大。営業CFがマイナスでFCFも▲46,348億円と現金創出力が脆弱なため、資金調達環境の悪化や満期ミスマッチが発生した場合、流動性危機に陥るリスクがある。
  3. のれん減損リスク: のれん72,033億円、無形資産24,889億円と固定資産の大半を占め、投資先業績の悪化や市場環境変化により大規模減損が発生する可能性。減損損失は一時的要因として利益を大幅に圧迫し、自己資本を毀損する重大リスクとなる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) IT・通信業種の2025年第3四半期中央値との比較では、収益性面でROE 20.4%は業種中央値8.3%を大きく上回るが、一時的な評価益依存が主因で持続性は限定的。営業利益率7.3%は業種中央値8.2%を下回り、本業での収益性は相対的に低い。効率性では総資産回転率0.103倍(業種中央値0.67倍)、ROIC 2.1%(業種推定中央値16%水準)と大幅に下回り、資本効率は業種内で最低水準。健全性では自己資本比率28.1%(業種中央値59.2%)、財務レバレッジ3.03倍(業種中央値1.66倍)と高レバレッジ構造が顕著。売掛金回転日数約210日(業種中央値61日)と回収遅延が際立ち、運転資本管理も業種内で劣位。営業CF/純利益のキャッシュコンバージョン率は▲0.04倍で業種中央値1.31倍を大幅に下回り、収益の質は業種内で最低レベル。売上高成長率7.9%は業種中央値10.4%を下回るが、EPS成長率は評価益により大幅プラス。総じて評価益による見かけ上の高収益性の裏で、本業収益力・資本効率・財務健全性・運転資本管理の全てで業種内劣位にあり、構造的な改善が必要。(業種: IT・通信業(N=104社)、比較対象: 2025年第3四半期、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントは以下3点。第一に、純利益の急増は投資有価証券の売却益・評価益等の一時的要因に大きく依存し、営業利益率7.3%と本業収益力は業種水準を下回る点。投資有価証券残高が前年比▲42.3%減少しており、今後の評価益寄与は縮小する可能性が高い。第二に、営業CFが▲1,190億円とマイナス転換し、純利益37,335億円に対する現金裏付けが確認できず、売掛金回転日数約210日と回収遅延が顕著で収益の質に重大な懸念が残る。第三に、自己資本比率28.1%、D/E比率2.03倍と高レバレッジ構造の下でのれん・無形資産が96,922億円と固定資産の大半を占め、投資先業績や市場環境の変動により減損リスクが顕在化する構造にある。配当は保守的で短期維持可能だが、営業CF改善と資本効率向上が中長期的な企業価値創出の鍵となる。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度Q3累計は、売上高が前年同期比7.9%増の5兆7,192億円となる一方、営業利益は4,195億円へ前年同期の5,785億円から27.5%減少した。親会社所有者帰属利益は同398.7%増の3兆1,727億円であり、営業段階とは対照的に大幅増益となった。税引前利益は4兆1,692億円と営業利益の約9.9倍で、当期の最終利益は本業利益よりも投資・金融損益等の営業外・評価損益への依存度が高い構造である。売上総利益率は52.2%で、前年同期の52.5%から約33bp低下した。販管費率は44.9%と前年同期の41.6%から約325bp上昇した。これにより営業利益率は7.3%となり、前年同期の10.9%から約358bp縮小した。営業利益率は業界ベンチマークの「良好」下限である8%をわずかに下回り、売上成長が営業利益の増加に結び付いていない。EBITDAは1兆861億円、EBITDAマージンは19.0%であり、減価償却・償却費の大きい通信・投資保有を含む事業構成では、純利益率よりも本指標が基礎収益力の評価に有用である。もっとも、営業CFは1,190億円の赤字で、親会社所有者帰属利益に対する営業CF/純利益はマイナス0.04倍となった。営業CF赤字には、売上債権の増加6,107億円、法人税等支払7,824億円、利息支払5,264億円、リース料支払1,445億円が大きく影響した。投資CFは4兆5,158億円の支出となり、投資有価証券の売却収入3兆818億円がある一方で投資取得1兆2,945億円等を含む投資活動が継続している。フリーキャッシュフローはマイナス4兆6,348億円であり、財務CFプラス5兆1,829億円による資金調達への依存が強い。総資産は55兆5,573億円、負債は37兆2,462億円、負債資本倍率は2.03倍で、資産価格・投資先価値の変動が資本に与える影響は大きい。純資産は前年同期比31.2%増の18兆3,112億円へ拡大し、親会社所有者帰属持分も15兆6,386億円へ増加した。ROEは年換算23.1%と高いが、純利益率55.5%という非営業的・評価損益を含み得る高水準が主因であり、営業利益率の低下と低いROIC 2.7%を併せて見る必要がある。今後は投資先の公正価値・為替・株式市場の変動、売上債権の回収、資金調達条件、および営業CFの黒字転換が、利益の再現性と財務柔軟性を判断する中核となる。

収益性分析

年換算ROE 23.1%は、純利益率55.5%×総資産回転率0.137回×財務レバレッジ3.03倍に分解される。3因子のうち最も特異的なのは55.5%の純利益率であり、営業利益率7.3%を大幅に上回る。税引前利益4兆1,692億円が営業利益4,195億円を3兆7,497億円上回り、5因子分解でも金利負担係数(EBT/EBIT)が9.939倍となっていることから、投資・金融資産の評価益、投資売却益、為替等を含む営業外・非営業要因が利益を大きく押し上げた構図である。税負担係数は0.761、実効税率は10.5%であり、税負担は最終利益を相対的に大きく毀損していない。一方、総資産回転率0.137回は、55兆円超の投資資産・無形資産を抱える資産集約的なポートフォリオを反映し、資産効率は低い。レバレッジ3.03倍と負債資本倍率2.03倍もROEを増幅している。売上は7.9%増加した一方、販管費は前年同期の2兆2,065億円から2兆5,657億円へ16.3%増と売上成長を上回ったため、営業レバレッジは悪化した。粗利率の33bp低下に加え、販管費率の325bp上昇が営業利益率の358bp低下を招いた。したがって、高ROEは本業の収益性改善よりも、評価・金融損益およびレバレッジの寄与が大きく、持続性は投資先価値と市場環境に強く左右される。なお、年換算ROICは2.7%で5%未満にとどまり、会計上の高ROEと投下資本に対する基礎的な収益力との乖離が重要である。

成長性評価

売上高は前年同期比7.9%増の5兆7,192億円で増収を維持したが、成長一貫性スコアは2/10であり、過去を通じた成長の安定性は低い。営業利益は前年同期比27.5%減の4,195億円で、売上拡大を上回る販管費増加により収益化が後退した。親会社所有者帰属利益は3兆1,727億円へ急増したものの、営業利益から税引前利益への大幅な乖離から、本業成長の成果として単純に外挿することは適切でない。EBITDAマージン19.0%は一定の収益基盤を示すが、営業CF/EBITDAはマイナス0.11倍であり、当期のEBITDAは現金創出に転化していない。設備投資は1兆354億円で減価償却費6,667億円の1.55倍に達し、通信・インフラ等における投資強度は上昇している。投資CFは4兆5,158億円の支出であり、成長投資・投資ポートフォリオの組替えの成果は、将来の投資先価値とキャッシュ回収で検証する必要がある。

財務健全性

流動資産は11兆271億円に対し、流動負債は総負債37兆2,462億円から固定負債23兆9,991億円を差し引いた13兆2,470億円と推計され、流動比率は約83.2%である。流動比率が1.0倍を下回るため、短期債務に対する流動性には明示的な警戒が必要である。現金及び現金同等物4兆4,067億円、売掛金3兆2,937億円、流動金融資産2兆2,453億円を有する一方、短期有利子負債は5兆6,647億円であり、短期負債の借換えおよび保有金融資産の流動性・価値が重要となる。長期有利子負債は17兆6,361億円、短期分を含む有利子負債は23兆3,008億円で、負債資本倍率は2.03倍と2.0倍超の警戒水準にある。年換算EBITDAでみた有利子負債/EBITDAは約16.1倍であり、投資持株・金融資産を活用する事業モデルを踏まえても、事業キャッシュフローのみで負債を返済する能力は限定的である。リース負債は流動1,799億円、非流動7,695億円の計9,494億円で、使用権資産8,934億円を伴う固定的な支払負担となる。のれんは7兆2,033億円、純資産の39.3%を占め、警戒水準の50%未満ではあるが30%を上回る。のれん/EBITDAは6.63倍で回収期間は長めであり、買収先の事業計画や割引率の変化による減損リスクを継続監視すべきである。利益剰余金は前年同期比2兆8,010億円増の5兆5,028億円へ増加し、自己資本比率も25.7%から28.1%へ改善した一方、投資有価証券は3兆3,985億円減の4兆6,416億円となった。投資有価証券の減少は売却・評価変動・分類変更等の可能性を含むため、純資産増加の持続性と併せて投資資産の内訳を確認する必要がある。

B/S変動のポイント

利益剰余金: +2兆8,010億円(+103.7%)- 親会社所有者帰属利益の大幅増加等を背景に資本蓄積が進み、自己資本比率は前年同期の25.7%から28.1%へ改善。自己株式: -2,563億円から-251億円へ2,312億円改善(簿価絶対額で90.2%縮小)- 自己株式の処分・消却等を含む資本取引の影響が示唆され、当期の自社株買い932億円と合わせて資本政策の継続性を確認する必要。投資有価証券: -3兆3,985億円(-42.3%)- 売却、評価変動、投資ポートフォリオの組替え等を反映し得る大幅な変動。投資先価値の変動は将来の損益・流動性・純資産に大きく影響。のれん: +1兆4,022億円(+24.2%)- 企業結合等を背景に増加した可能性。純資産比39.3%まで高まっており、買収先の収益実現と減損リスクの監視が必要。長期有利子負債: +5兆9,594億円(+48.0%)- 非流動有利子負債は17兆6,361億円へ増加。投資活動・資産取得を支える資金調達の拡大を示し、金利負担と借換えリスクを高める要因。

キャッシュフロー品質

営業CFはマイナス1,190億円であり、親会社所有者帰属利益3兆1,727億円に対する営業CF/純利益はマイナス0.04倍と、0.8倍未満の品質警戒基準を大幅に下回る。営業CF小計は1兆371億円のプラスであったが、法人税等支払7,824億円、利息支払5,264億円、リース料支払1,445億円が現金創出を圧迫した。運転資本では、売上債権が6,107億円増加し、DSOは年換算158日と60日超の警戒水準にある。仕入債務は5,264億円増加して債権増加の一部を相殺したが、売掛金増加、棚卸資産364億円増加、買掛金増加への依存を合わせると、運転資本はキャッシュ創出を支えていない。営業CF/EBITDAはマイナス0.11倍であり、EBITDA 1兆861億円に対する現金転換は著しく低い。アクルーアル比率5.9%は5%の高品質目安をやや上回るが10%未満であり、主要な問題は会計発生額そのものより税・利息支払と運転資本の資金負担である。設備投資1兆354億円を控除した営業ベースのFCFはマイナス1兆1,544億円で、投資CF全体を含む開示上のフリーキャッシュフローはマイナス4兆6,348億円である。投資CFの大幅赤字を財務CFプラス5兆1,829億円で補っており、投資活動の継続には資産売却、投資回収、または資本市場・借入市場へのアクセスが重要となる。

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり22円で、提示された計算上の配当性向は4.0%である。これは配当金のみを純利益で除した配当性向であり、自社株買いを含む総還元性向とは区別される。配当支払額は629億円、自社株買いは932億円で、合計1,561億円の株主還元を実施した。親会社所有者帰属利益3兆1,727億円との比較では、現時点の利益対比の還元負担は低い。ただし、フリーキャッシュフローはマイナス4兆6,348億円、提示されたFCFカバレッジはマイナス36.88倍であり、当期の配当・買戻しは内部キャッシュ創出ではカバーされていない。したがって、低い会計上の配当性向は配当余力を示す一方、配当の持続可能性は投資回収、資産売却、借換えを含む資金調達能力に依存する。今後の配当方針の評価では、営業CFの回復、投資支出の規模、および株主還元を含む総還元額の抑制度合いが重要である。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度(発生可能性: 高、影響度: 高): 投資先の株価・企業価値・為替変動により、営業利益を大幅に上回る税引前利益の変動が生じ得る。親会社所有者帰属利益の急増は営業利益の減少と並存しており、最終利益の再現性は低い。、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): のれん7兆2,033億円は純資産の39.3%、のれん/EBITDAは6.63倍である。買収先の成長鈍化、金利上昇、評価前提の悪化は減損損失につながり得る。、中優先度(発生可能性: 高、影響度: 中): 通信・テクノロジー業界ではネットワーク投資、技術陳腐化、競争激化、サイバーセキュリティおよび個人情報保護対応が継続的なコスト・投資負担となる。設備投資/減価償却は1.55倍であり、投資回収の規律が重要である。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): 投資有価証券は前年同期比42.3%減少しており、投資ポートフォリオの売却・評価変動が資産価値、流動性、将来損益に与える影響を注視する必要がある。が挙げられます。

財務リスクとしては、高優先度(発生可能性: 高、影響度: 高): 負債資本倍率2.03倍は2.0倍超のレバレッジ警戒水準である。有利子負債は23兆3,008億円で、資産価値下落時には資本の変動が増幅される。、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): 流動比率は約83.2%で1.0倍を下回る。短期有利子負債5兆6,647億円に対し、借換え環境の悪化または金融資産の流動性低下が満期ミスマッチを顕在化させる可能性がある。、高優先度(発生可能性: 高、影響度: 中): 営業CF/純利益はマイナス0.04倍、営業CF/EBITDAはマイナス0.11倍である。税金、利息、リース支払および運転資本負担が継続すれば、投資・株主還元の資金源は外部調達への依存を強める。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): DSOは年換算158日であり、売上債権3兆2,937億円の回収長期化は流動性と貸倒リスクの両面で注意を要する。が挙げられます。

主な懸念事項としては、ROEは年換算23.1%と高い一方、ROICは年換算2.7%にとどまり、資本効率の見かけ上の高さが高レバレッジと非営業損益に依存している可能性。、営業利益率は前年同期比358bp低下して7.3%となり、販管費の増加率16.3%が売上成長率7.9%を上回っていること。、のれん比率は警戒域ではないものの高めであり、投資・買収ポートフォリオの評価前提の変化が純資産に与える影響。、開示数値からは税引前利益を構成する投資損益・金融損益の詳細、および投資CFの個別案件別内訳を特定できないため、利益変動の源泉と資産売却の継続性の評価には追加開示の確認が必要。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、売上は7.9%増だが、営業利益は27.5%減、営業利益率は358bp低下しており、本業の収益性改善が最優先の観察点。、親会社所有者帰属利益は3兆1,727億円、年換算ROEは23.1%だが、税引前利益が営業利益の約9.9倍であるため、投資・評価損益の持続性が収益評価を左右する。、営業CFはマイナス1,190億円、投資CFはマイナス4兆5,158億円で、資金調達CFプラス5兆1,829億円への依存が大きい。、自己資本比率は28.1%へ改善した一方、D/E 2.03倍、流動比率約83.2%、年換算ROIC 2.7%は資本構成・資本効率上の制約を示す。、のれんは純資産の39.3%を占めるため、買収先の実績、投資先評価、減損テストの前提が中長期の純資産防衛に重要となる。が挙げられます。

注視すべき指標は、営業利益率および販管費率(売上成長率を上回る販管費増加が是正されるか)、営業CF/純利益、営業CF/EBITDA、法人税・利息支払後のキャッシュ創出、DSO(年換算158日)と売上債権残高の推移、有利子負債、短期有利子負債、流動比率、および借換え条件、投資有価証券の売却・評価損益、投資CF、投資先価値およびのれん減損、年換算ROIC 2.7%の改善と、投下資本に対するリターンです。

セクター内ポジションについては、収益性はEBITDAマージン19.0%を確保する一方、営業利益率7.3%は一般的な15%超の優良基準を下回る。年換算ROE 23.1%は高水準だが、年換算ROIC 2.7%、D/E 2.03倍、営業CF赤字を踏まえると、安定的な事業キャッシュフロー主導型企業よりも、投資資産の価値変動と資本市場へのアクセスに収益・財務余力が左右されやすいポジションにある。