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99842026 通期プライムIFRS

ソフトバンクグループ(9984) 2026年度通期決算

2026年度通期の売上高は7兆7,987億円(前年同期比+7.7%)、営業利益は1兆9,530億円(同+540.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥77986.5億¥72437.5億+7.7%
営業利益--+540.9%
税引前利益¥61349.1億¥17047.2億+259.9%
純利益¥56319.8億¥16031.1億+251.3%
ROE27.5%11.5%-

Executive Summary

FY2026は、SVF事業の投資損益急拡大が純利益を大きく押し上げた一方、営業段階では赤字に転じた決算である。売上高は7兆7,987億円(前年比+7.7%)、税引前利益は6兆1,349億円(同+259.9%)、純利益は5兆6,320億円(同+251.3%)、親会社所有者帰属利益は5兆22億円(同+333.7%)となった。純利益急増の主因はSVF事業の投資損益6兆6,386億円であり、投資損益合計7兆2,865億円が営業損益(税引前利益段階でセグメント利益はマイナス0.5億円規模)を大幅に上回った。一方、販管費が前年比32.9%増と売上増を上回るペースで拡大し、営業段階の収益性は悪化している。

業績変動要因

【売上高】売上高は7兆7,987億円で前年比+7.7%増収。売上の90.2%を占めるソフトバンク事業が同+7.5%増収と安定成長を続け、AIコンピューティング事業も+8.5%増収の6,403億円となった。その他事業は+11.0%増の1,244億円。ソフトバンク事業が全体の増収を牽引する構図に変化はない。

【損益】売上総利益率は51.5%(前年51.8%から微減)とほぼ維持されたが、販管費が前年比+32.9%増の4兆209億円となり、販管費率は41.8%から51.6%へ急上昇した。この結果、営業段階の採算は悪化した。しかし税引前利益は6兆1,349億円(同+259.9%)、純利益は同+251.3%と大幅増益となった。これはSVF事業の投資損益が前年の損失から6兆6,386億円の利益へ急反転したことによる一時的要因が主因であり、通常の事業採算とは区別される。結論として、営業面では収益性悪化が見られるが、投資損益を含めた全体としては大幅な増収増益決算である。

セグメント別分析

ソフトバンク事業は売上7兆340億円(構成比90.2%、YoY+7.5%)で、税引前利益9,650億円と連結の安定収益基盤を形成している。SVF事業は売上を計上しない投資事業だが、税引前利益6兆4,446億円を計上し前年の損失から急反転、連結利益成長の中心となった。AIコンピューティング事業は売上6,403億円(YoY+8.5%)に対し税引前損失1,373億円で、前年の損失109億円から赤字が拡大しており、Ampere等の統合に伴う投資・育成段階にある。持株会社投資事業は前年の利益から4,721億円の損失へ転じ、投資関連損益の変動が大きい。

主要財務指標

【収益性】ROEは34.3%と高水準だが、SVF投資損益が純利益率を大きく押し上げた結果であり、営業利益率は前年10.1%から概ねゼロ近傍へ悪化している。売上総利益率は51.5%で前年からわずかに低下した。【キャッシュ品質】営業CFは4,288億円の赤字であり、親会社株主帰属利益5兆22億円に対して大きく乖離している。当期純利益は多額の非現金評価益を含むため、キャッシュ創出力とは区別して評価する必要がある。【投資効率】設備投資は1兆7,338億円(前年比+103.0%)と減価償却費9,188億円の1.89倍に達し、通信・AI関連への成長投資が先行している。【財務健全性】自己資本比率は29.0%(前年25.7%から改善)、有利子負債は合計24兆6,851億円で前年比+37.3%増加。流動資産11兆8,156億円に対し流動負債14兆8,335億円と、流動比率は約80%にとどまる。

キャッシュフロー分析

営業CFは4,288億円の赤字となり、純利益5兆6,320億円と大きく乖離している。主因はSVF投資損益6兆6,386億円などの非現金評価益と、売掛金等営業債権が7,973億円増加したことである。投資CFは4兆5,072億円の赤字で、SVF投資取得5兆1,061億円、子会社支配獲得9,731億円、有形・無形固定資産取得1兆7,338億円が主な資金流出である。これに対し財務CFは6兆3,773億円のプラスとなり、有利子負債による資金調達(収入11兆9,482億円、返済5兆4,269億円)が投資資金を補っている。結果として現金及び現金同等物は1兆6,491億円増加し5兆3,622億円となったが、その原資は営業キャッシュ創出ではなく外部資金調達への依存が大きい。フリーキャッシュフローは4兆9,360億円の赤字であり、投資拡大局面における資金構造の特徴を示している。

収益の質

当期純利益の大部分はSVF事業の投資損益6兆6,386億円という市場価値の変動に基づく評価益であり、通常の事業活動から生じる経常的な収益とは性質が異なる。営業CFが4,288億円の赤字である一方、純利益は5兆6,320億円と大幅なプラスであり、両者の乖離は投資損益の非現金性を反映している。包括利益は6兆7,673億円で純利益をさらに上回り、うち親会社株主分は6兆988億円、これは主に在外営業活動体の為替換算差額1兆1,145億円の押し上げによる。財務費用は前年比+32.6%増の7,718億円、為替差損益は2,710億円の損失であり、これらのボラティリティも利益の質を評価する上で留意すべき点である。総じて、当期の高い利益水準は投資評価益に強く依存しており、事業単体の収益力を反映したものではない。

株主還元

年間配当は株式分割後1株当たり11.0円(分割前換算で44.0円相当)で、配当金支払額は629億円である。親会社株主帰属利益5兆22億円に対する配当性向は約1.3%と低水準である。自社株買いは932億円実施され、配当と合算した株主還元総額は1,561億円、総還元性向は約3.1%となる。配当性向・総還元性向は利益ベースでは低いが、フリーキャッシュフローが4兆9,360億円の赤字であるため、当期の還元は保有現金や資金調達を含む全体の資金管理に依存している点は留意される。

リスク要因

  1. 投資損益への依存: SVF事業の投資損益6兆6,386億円が当期利益の中核であり、投資先の株価・資金調達環境・売却機会の変化が利益・純資産を大きく変動させる構造にある。

  2. 流動性・借換えリスク: 流動比率は約80%で流動負債が流動資産を上回る。有利子負債は合計24兆6,851億円(前年比+37.3%)に達し、短期有利子負債7兆2,516億円を含むため借換え・資金調達環境への依存度が高い。

  3. 営業CFと純利益の乖離: 営業CFが4,288億円の赤字である一方、純利益は5兆6,320億円のプラスであり、利益の現金化が進んでいない。大型投資の継続により外部調達への依存が続く可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
自己資本利益率34.3%11.1% (4.5%–18.2%)+23.2pt
純利益率72.2%5.9% (2.2%–11.8%)+66.3pt

自己資本利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大きく上回るが、これはSVF投資損益による一時的な押し上げの影響が大きい。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)7.7%10.1% (1.8%–20.2%)−2.4pt

売上高成長率は業種中央値をやや下回り、増収ペースは同業他社比で標準的な水準にとどまる。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 親会社株主帰属利益は5兆22億円へ急増したが、主因はSVF投資損益であり、営業利益・営業CFの動向とは方向性が異なる点は決算の質を評価する上で重要な観察点である。

  2. ソフトバンク事業は増収増益で連結売上の90.2%を占める安定基盤である一方、AIコンピューティング事業は増収ながら税引前損失が拡大しており、Ampere等統合後の収益化進捗が今後の注目点となる。

  3. 有利子負債の拡大(前年比+37.3%)と流動比率80%という数値は、投資拡大局面における資金調達構造の変化を示しており、今後の営業CF回復の有無が資金基盤評価の観察点となる。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。