クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2916.1億 | ¥2727.6億 | +6.9% |
| 営業利益 | ¥208.3億 | ¥173.4億 | +20.2% |
| 持分法投資損益 | - | - | - |
| 経常利益 | ¥225.7億 | ¥185.1億 | +22.0% |
| 純利益 | ¥157.4億 | ¥127.0億 | +23.9% |
| ROE | 8.5% | 7.3% | - |
Executive Summary
増収を上回る増益により収益性が明確に改善した決算である。売上高は2,916.1億円(前年比+6.9%)、営業利益は208.3億円(同+20.2%)、経常利益は225.7億円(同+22.0%)、純利益は157.4億円(同+23.9%)となった。営業利益の伸びが売上高の伸びを13.3pt上回り、営業利益率は7.1%へ改善した。増益の主因は電気設備資材事業の利益率改善と自社製品事業の高収益維持である。
業績変動要因
【売上高】売上高は2,916.1億円、前年比+6.9%増収。セグメント別では電設資材事業1,997.3億円(構成比68.5%、YoY+8.1%)、産業機器事業302.5億円(構成比10.4%、YoY+8.1%)、自社製品事業616.3億円(構成比21.1%、YoY+2.7%)で、電設資材事業が増収を牽引した。
【損益】営業利益は208.3億円(同+20.2%)、経常利益225.7億円(同+22.0%)、純利益157.4億円(同+23.9%)。セグメント利益(税引前ベース)では電設資材事業が110.6億円(YoY+23.3%、利益率5.5%)と大幅増益し、全体の増益を主導した。自社製品事業は129.4億円(YoY+8.7%、利益率21.0%)と高収益率を維持し続けている。産業機器事業は14.6億円(YoY+5.8%、利益率4.8%)で相対的に伸びは緩やか。営業外収益では受取配当金11.4億円を中心に18.6億円を計上し、経常利益を押し上げた。特別損益は投資有価証券売却益0.7億円など純額0.8億円で影響は軽微。前年同期に計上された固定資産減損1.7億円は当期は発生していない。全体として増収増益であり、電設資材事業の利益率改善が主因である。
セグメント別分析
3セグメント構成のうち、電設資材事業は売上構成比68.5%を占める中核事業で、売上YoY+8.1%、利益YoY+23.3%と増収増益率が突出しており、利益率も4.5%前後から5.5%へ改善した。自社製品事業は構成比21.1%ながら利益率21.0%と圧倒的な収益性を持ち、全体利益の押し上げに寄与している。産業機器事業は構成比10.4%と小さく、利益率4.8%も他セグメントに比べ低位で推移している。セグメント利益は税引前利益ベースであり、全社調整額△28.1億円(セグメント間取引消去・全社損益等)を控除して連結の税引前利益226.5億円となっている。
主要財務指標
【収益性】営業利益率7.1%、純利益率5.4%はいずれも前年同期(約6.4%、約4.7%)から改善した。粗利率は17.9%で、販管費率10.8%を差し引いた営業利益率が確保されている。年換算ROEは8.5%で、純利益率・総資産回転率(約1.03倍)が主因であり、財務レバレッジ(約1.53倍)への依存度は低い。【キャッシュ品質】現金及び預金は638.8億円で、売掛金・受取手形603.4億円、棚卸資産245.5億円という運転資本規模を抱える一方、買掛金・支払手形678.7億円が対応しており、事業取引の拡大局面では債権増加がキャッシュ創出を一部相殺しうる。【投資効率】投資有価証券318.3億円は総資産の11.3%を占め、有価証券評価差額金72.8億円が包括利益の押し上げ要因となっている。【財務健全性】自己資本比率65.5%(前年同期61.8%から上昇)、流動資産2,062.3億円に対し流動負債873.8億円と、財務基盤は保守的である。
キャッシュフロー分析
キャッシュフロー計算書の開示はないため、貸借対照表の推移から資金動向をみる。現金及び預金は638.8億円で前年同期の620.6億円から増加した。売掛金・受取手形は603.4億円、棚卸資産245.5億円と、事業拡大に伴う運転資本の積み上がりが見られる一方、買掛金・支払手形678.7億円が仕入債務としてこれを一定程度相殺している。投資有価証券は318.3億円と前年同期の199.7億円から大きく増加しており、余資運用や政策保有株式の評価益拡大が資産側の増加要因となっている。純資産は1,853.7億円へ増加し、利益剰余金1,451.5億円の積み上がりと有価証券評価差額金の増加が寄与している。全体として、営業活動による利益創出とバランスシートの積み上がりが両立しており、資金繰り面での逼迫は見受けられない。
収益の質
利益成長の中心は営業利益208.3億円であり、本業収益の改善を伴う質の高い増益である。営業外収益18.6億円は売上高の0.64%にとどまり、主な内訳は受取配当金11.4億円、受取利息2.6億円で、支払利息0.2億円を大幅に上回る安定的な収益源である。経常利益225.7億円と純利益157.4億円の差額68.4億円(経常利益比30.3%)は主に法人税等69.1億円によるもので、実効税率は約30.5%と通常水準にある。特別利益0.8億円(投資有価証券売却益0.7億円等)に対し特別損失はほぼ計上なく、純額寄与は軽微であり、当期利益は一時的要因への依存度が低い経常的な収益構造といえる。なお包括利益230.7億円は純利益を73.4億円上回っており、有価証券評価差額金の変動が純資産の振れ幅を生んでいる点は留意点である。
業績予想・ガイダンス
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高74.4%、営業利益78.0%、経常利益82.4%、純利益81.1%となっている。標準的な進捗率75%と比較すると、売上高はほぼ同水準だが、営業利益以下は3〜7pt上回っており、利益面での進捗が良好である。第4四半期に必要な営業利益は約58.7億円、必要営業利益率は約5.9%で、第3四半期累計の営業利益率7.1%を下回るため、計画達成に向けた負荷は相対的に軽い。業績予想および配当予想の修正はいずれも「無」であり、会社側は現行計画を据え置いている。
株主還元
第2四半期配当は1株当たり70.00円であり、当期純利益157.4億円に対する配当のみの配当性向は約50.6%である。2025年12月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割が実施されており、2026年3月期期末配当は分割後ベースで記載される一方、分割考慮前の期末配当70.00円・年間配当140.00円が参考値として開示されている。利益剰余金1,451.5億円、現金及び預金638.8億円、有利子負債はごく僅少という財務余力を踏まえると、配当支払い能力は確保されている。なお前期末配当には特別配当10円が含まれていた点は、単純な期間比較の際の留意点である。
リスク要因
-
粗利率の構造的低さ: 粗利率は17.9%にとどまり、一般的な良好水準とされる20%を下回る。仕入価格上昇や価格転嫁の遅延、製品ミックス変化が営業利益率に波及しやすい収益構造である。
-
運転資本負担の拡大: 売掛金・受取手形603.4億円、棚卸資産245.5億円に対し買掛金・支払手形678.7億円が対応するが、需要変動や取引条件の変化により運転資本負担が増減しうる。
-
有価証券評価変動リスク: 投資有価証券318.3億円を保有し、有価証券評価差額金72.8億円が包括利益に寄与している。株式市場の変動により純資産や包括利益が変動しうる。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.1% | 3.3% (1.8%–5.0%) | +3.8pt |
| 純利益率 | 5.4% | 3.1% (1.4%–6.3%) | +2.3pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回っており、収益性は業種内で相対的に高い位置にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 6.9% | 5.2% (-4.1%–8.6%) | +1.7pt |
売上高成長率は業種中央値をやや上回るが、IQR上限(8.6%)には届かず、業種内で中位上位の成長水準にある。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
-
売上高前年比+6.9%に対し営業利益は同+20.2%増となり、営業利益率は前年同期から改善した。電設資材事業の増益が全体の利益成長を牽引しており、営業レバレッジの発現が読み取れる。
-
通期会社予想に対する進捗率は営業利益78.0%、経常利益82.4%、純利益81.1%と、標準的な進捗率75%を上回っている。会社側は業績予想・配当予想をいずれも据え置いており、現行計画に対する下期の必要利益率は当第3四半期実績を下回る水準となっている。
-
粗利率17.9%は業種内では相対的に見劣りしない収益性を維持しているものの、絶対水準としては20%を下回る。利益率改善の持続性は、仕入条件・価格転嫁・製品ミックスの動向に左右される点が構造的な特徴として指摘できる。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,715円 |
| base(基準) | 1,734円 |
| bull(強気) | 1,767円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,661円 |
| 調整後予想EPS | 179.2円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 30.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.04倍 / 9.7倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,685円〜1,785円、ω±0.1で 1,732円〜1,737円。
注記:
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。