- 売上高: 2,561.66億円
- 営業利益: 115.97億円
- 当期純利益: 71.02億円
- 1株当たり当期純利益: 113.30円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,561.66億円 | 2,378.13億円 | +7.7% |
| 売上原価 | 1,586.24億円 | 1,488.76億円 | +6.5% |
| 売上総利益 | 975.41億円 | 889.36億円 | +9.7% |
| 販管費 | 979.74億円 | 873.67億円 | +12.1% |
| 営業利益 | 115.97億円 | 127.02億円 | -8.7% |
| 営業外収益 | 8.29億円 | 39.32億円 | -78.9% |
| 営業外費用 | 10.23億円 | 9.20億円 | +11.2% |
| 経常利益 | 114.03億円 | 157.13億円 | -27.4% |
| 税引前利益 | 115.91億円 | 150.35億円 | -22.9% |
| 法人税等 | 44.89億円 | 52.41億円 | -14.3% |
| 当期純利益 | 71.02億円 | 97.93億円 | -27.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 70.71億円 | 97.43億円 | -27.4% |
| 包括利益 | 72.88億円 | 67.24億円 | +8.4% |
| 支払利息 | 8.15億円 | 8.97億円 | -9.1% |
| 1株当たり当期純利益 | 113.30円 | 156.40円 | -27.6% |
| 1株当たり配当金 | 20.00円 | 20.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 997.43億円 | 872.37億円 | +125.06億円 |
| 現金預金 | 193.51億円 | 180.53億円 | +12.98億円 |
| 売掛金 | 153.75億円 | 109.12億円 | +44.63億円 |
| 棚卸資産 | 581.72億円 | 527.41億円 | +54.31億円 |
| 固定資産 | 2,478.87億円 | 2,474.07億円 | +4.80億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 2,014.75円 |
| 純利益率 | 2.8% |
| 粗利益率 | 38.1% |
| 流動比率 | 79.8% |
| 当座比率 | 33.3% |
| 負債資本倍率 | 1.73倍 |
| インタレストカバレッジ | 14.23倍 |
| 実効税率 | 38.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +7.7% |
| 営業利益前年同期比 | -8.7% |
| 経常利益前年同期比 | -27.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -27.4% |
| 包括利益前年同期比 | +8.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 64.73百万株 |
| 自己株式数 | 1.91百万株 |
| 期中平均株式数 | 62.41百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,025.01円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 20.00円 |
| 期末配当 | 20.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| FoodSurvice | 448.15億円 | 39.17億円 |
| RealEstate | 109.37億円 | 26.56億円 |
| Retail | 2,085.62億円 | 44.46億円 |
| Wholesale | 30.42億円 | 3.88億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 3,425.00億円 |
| 営業利益予想 | 145.00億円 |
| 経常利益予想 | 140.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 80.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 127.98円 |
| 1株当たり配当金予想 | 20.00円 |
2026年度Q3のアークランズ(9842)は、売上高は2,561.7億円と前年同期比+7.7%の増収ながら、営業利益115.97億円(-8.7%)、当期純利益70.71億円(-27.4%)と減益となり、増収減益決算となりました。営業利益率は4.53%と前年の約5.34%から約81bp低下し、利益面の鈍化が確認されます。純利益率も2.76%と前年約4.10%から約134bp低下し、税負担増(実効税率38.7%)と販売費の増加が重石となりました。営業外では有価証券売却益24.42億円等で営業外収益8.29億円を計上する一方、営業外費用10.23億円(支払利息8.15億円を含む)が利益を相殺し、経常利益は114.03億円で前年から大きく減少しています。粗利率は38.1%と一定の水準を維持していますが、販管費率の上昇により営業レバレッジが効かず、営業効率が悪化しています。デュポン分解によるROEは5.6%で、純利益率の低下が主因、総資産回転率0.737は小幅、レバレッジ2.73倍はやや高めでROEを下支えしています。貸借対照表では売掛金(+40.9%)、短期借入金(+33.5%)、のれん(+28.6%)が大きく増加し、成長投資・M&Aの進展と運転資金負担・短期資金依存の上昇が示唆されます。流動比率は79.8%、当座比率33.3%と基準を大きく下回り、短期資金繰りの緊張と満期ミスマッチのリスクが顕在化しています。短期負債比率45%とリファイナンスリスクも高まり、現金/短期負債0.50倍は現金緩衝が薄いことを示します。インタレストカバレッジ14.23倍は現状の利払い耐性は十分ですが、金利上昇やEBIT悪化には脆弱化し得ます。ROICは3.7%と資本コストを下回る水準が続く可能性があり、投下資本の収益性改善が最重要課題です。配当は中間20円・期末20円で年間40円相当、計算上の配当性向36.6%と持続可能なレンジですが、フリーCFが未開示であり確証性は限定的です。営業CFが未開示の一方で、売掛金・棚卸資産・短期借入金の増加から運転資本がキャッシュフローを圧迫している可能性があり、利益の質には慎重な見方が必要です。小売(ホームセンター)業態として在庫の重さと値下げ・ロス管理が利益率に直結するため、粗利維持と販管費コントロール、EC・オムニチャネルの効率化がレバレッジポイントになります。総じて、トップラインは堅調だが、コストインフレと運転資本の増勢が利益・キャッシュに重く、流動性とROICの改善進展が今後の評価の分岐点です。
DuPont(3因子)の分解: ROE 5.6% = 純利益率2.8% × 総資産回転率0.737 × 財務レバレッジ2.73倍。変化が最も大きい要素は純利益率の低下で、営業利益率の悪化(約-81bp)と実効税率の高さ(38.7%)が主因です。営業面では粗利率38.1%は維持される一方、販管費率上昇でEBITマージンが4.5%と5%を下回り、営業効率が低下しました。5因子分解では、税負担係数0.610(高税負担寄り)、金利負担係数0.999(金利負担の影響は軽微)、EBITマージン4.5%がROEのボトルネックです。ビジネス上の理由としては、人件費・光熱費・賃料のインフレ、出店やシステム投資に伴う固定費増、在庫関連の値下げ・ロス圧力が考えられます。これらのコスト要因の一部は構造的(賃金・エネルギー)で持続的、値下げ・ロスは商品ミックス・需要環境次第で改善余地があります。総資産回転率0.737はホームセンター業態として中位で、在庫積み増しが続けば低下リスク。販売費成長率が売上成長率を上回っている可能性が高く、営業レバレッジの逆回転が懸念されます。
売上は+7.7%と堅調。既存店売上や客数・客単価の内訳は非開示のため、成長の持続性判断は限定的ですが、在庫・売掛金の増加から拡販・商品強化の痕跡が見られます。利益は営業・純利益とも減益で、コストインフレや値下げ圧力が増収効果を相殺。営業外は有価証券売却益が寄与した一過性要素が含まれ、平常収益力はやや弱含み。オムニチャネルやEC比率は不明だが、粗利率維持のためのミックス改善と販管費効率化が必要。短期的にはコスト高・運転資本増が逆風、中期的には出店投資の成熟と効率化が回復ドライバー。
流動比率79.8%、当座比率33.3%といずれも警告水準で、明示的に短期支払能力リスクが高い。短期負債比率45%と短期資金依存が大きく、現金/短期負債0.50倍で現金緩衝が薄い。運転資本は-252.7億円で小売業としての仕入れサイト優位はあるが、短期借入金384.44億円の積み増しは満期ミスマッチを拡大。総負債2,204億円、有利子負債854.71億円、D/E 1.73倍はやや高めだが過度ではない。インタレストカバレッジ14.23倍と利払い余力は現時点で十分。のれん207.01億円・無形354.71億円と無形資産が厚く、将来的な減損リスク監視が必要。オフバランス債務の情報は未開示で評価不能。
売掛金: +44.63億円(+40.9%)- 売上拡大と与信延伸の可能性。回収サイトの悪化なら運転資本・OCFに負荷。短期借入金: +96.44億円(+33.5%)- 運転資金・投資資金の短期調達増。満期ミスマッチとロールリスク上昇。のれん: +46.05億円(+28.6%)- M&A進展を示唆。シナジー実現前提、減損リスク監視が必要。
営業CFが未開示のため、OCF/純利益などの品質指標は算出不可。もっとも、売掛金(+40.9%)と棚卸資産の厚み、短期借入金の増加から、運転資本がキャッシュを吸収している可能性があり、営業CF/純利益が1倍を下回るリスクを意識。フリーCF・設備投資額も未開示で、配当・投資の内部資金カバレッジは不明。決算期にかけた在庫の季節要因や仕入条件の変更による運転資本操作の可能性も否定できず、次四半期のOCF開示で検証が必要。
年間配当は中間20円・期末20円で40円想定、計算上の配当性向は36.6%と保守的レンジ。純利益ベースでは持続可能だが、FCFが未開示のためキャッシュベースの安全性は確認できない。短期負債依存が高い局面での配当継続は流動性管理とのトレードオフとなり得る。今後は投資計画・自己株式の方針と併せ、FCF創出力の回復が前提。
ビジネスリスクとして、粗利圧迫(値下げ・商品ミックス・ロス)によるEBITマージン低下リスク、在庫水準上昇に伴う値下げ・陳腐化リスク、人件費・光熱費・賃料の構造的上昇、新規出店・M&Aの統合作業遅延によるシナジー未達、EC競合の価格競争・来店客数減少が挙げられます。
財務リスクとしては、流動比率79.8%、当座比率33.3%による短期資金繰りリスク、短期負債比率45%・現金/短期負債0.50倍によるリファイナンスリスク、ROIC 3.7%で資本コスト割れの継続リスク、のれん・無形資産の減損リスク、金利上昇局面での利払い負担増(EBIT低下時の感応度)が挙げられます。
主な懸念事項としては、営業効率悪化(EBITマージン4.5%)が継続するか、運転資本増による営業CFの毀損可能性、短期借入金増(+33.5%)のロールオーバー確度、売掛金増(+40.9%)の回収期間長期化、M&A起因とみられるのれん増(+28.6%)の回収確度が挙げられます。
重要ポイントとして、増収ながら営業・純利益は減、営業利益率は約-81bp低下、ROE 5.6%、ROIC 3.7%と資本効率は要改善、流動比率79.8%、短期負債比率45%で流動性・リファイナンスの脆弱性、在庫・売掛金の増加が運転資本負担を増大、配当性向36.6%は適正だが、FCF裏付けの確認が必要が挙げられます。
注視すべき指標は、既存店売上(客数・客単価)と粗利率の四半期推移、販管費率(人件費・賃料・物流)の伸びと節減効果、在庫回転日数・値下げ率・棚卸ロス率、営業CF/純利益、運転資本の増減(AR・在庫・AP)、短期借入金の期末構成(期間分散)とコベナンツ、ROIC改善(NOPAT/投下資本)と投資回収計画です。
セクター内ポジションについては、ホームセンター小売としてトップラインは健闘する一方、利益率・流動性・ROICで同業上位に見劣り。運転資本と固定費の統制が改善すればバリュエーションの再評価余地。