記事一覧に戻る
98372026 第2四半期プライムJGAAP

モリト(9837) 2026年度第2四半期決算 増収・営業益31%増

2026年度第2四半期の売上高は330.7億円(前年同期比+28.1%)、営業利益は20.6億円(同+31.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

モリト株式会社

商社・卸売/卸売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥330.7億¥258.1億+28.1%
営業利益¥20.6億¥15.7億+31.2%
持分法投資損益---
経常利益¥21.6億¥17.1億+26.4%
純利益¥16.5億¥23.5億−29.9%
ROE4.1%5.9%-

Executive Summary

M&A(Ms.ID、久永製作所等)の連結寄与と日本事業の伸長により大幅増収増益となったが、純利益は前年の負ののれん発生益反動で減益となった。売上高は330.7億円(前年比+28.1%)、営業利益は20.6億円(同+31.2%)、経常利益は21.6億円(同+26.4%)。純利益は16.5億円(同△29.9%)となったが、これは前年同期に計上された負ののれん発生益11.1億円の反動が主因であり、本業の収益力は営業利益・経常利益の伸長が示す通り改善している。

業績変動要因

【売上高】売上高は330.7億円で前年比+28.1%増収。地域別では主力の日本が255.0億円(同+34.2%)と全体を牽引し、久永製作所の連結子会社化効果も寄与した。アジアは66.9億円(同+13.0%)、欧米は38.3億円(同+7.3%)と増収を確保した。製品分野ではアパレル関連が44.0%増と最も高い伸びを示し、成長の中心となっている。

【損益】営業利益は20.6億円(同+31.2%)で、増収率を上回る伸びとなり営業利益率は6.2%へ改善した。経常利益は21.6億円(同+26.4%)で、営業外収支は純額プラス(営業外収益1.7億円、営業外費用0.7億円)と業績への影響は限定的。特別利益は投資有価証券売却益3.6億円を中心に3.7億円を計上し一時的要因として税引前利益を押し上げたが、前年同期の負ののれん発生益11.1億円という一時的な押し上げがなくなったことで純利益は減益となった。結論として増収増益(純利益は特殊要因の反動による減益)。

セグメント別分析

日本セグメントは売上255.0億円(同+34.2%)、営業利益15.0億円(同+24.0%)で、セグメント利益合計の64.5%を占める主力事業。利益率は5.9%とやや低下傾向にある。アジアは売上66.9億円(同+13.0%)、営業利益4.6億円(同+9.0%)、利益率6.9%。欧米は売上38.3億円(同+7.3%)に対し営業利益3.6億円(同+155.7%)と大幅増益し、利益率は前年の約4.0%から9.5%へ大きく改善した。欧米の採算改善が全体の利益率を下支えしている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率6.2%は前年同期から改善したが、依然として一般的な良好水準とされる8%には未達。純利益率5.0%は投資有価証券売却益3.6億円を含む数値であり、本業収益力は営業利益・EBITDAで評価する必要がある。ROEは4.1%にとどまる。【キャッシュ品質】営業CFは35.0億円で純利益16.5億円の約2.1倍に達し、利益の現金化は良好。アクルーアル要因は限定的で、会計上の見越計上に依存した利益構造ではない。【投資効率】設備投資3.3億円に対し減価償却費5.5億円と、設備投資は減価償却を下回る水準(比率0.6倍)で推移しており、更新投資の水準としては小さい。【財務健全性】自己資本比率70.9%は前年70.9%からほぼ横ばいで、財務基盤は引き続き強固。現金及び預金106.3億円は流動負債110.5億円に近い水準にあり、流動比率は281.0%と短期支払能力は高い。

キャッシュフロー分析

営業CFは35.0億円で前年比+162.3%と大幅に増加し、純利益16.5億円を大きく上回る水準となった。運転資本面では売上債権の減少18.2億円がプラス寄与した一方、棚卸資産は1.6億円増加している。投資CFは3.8億円のプラスで、設備投資3.3億円の支出を投資有価証券売却等の回収が上回った。財務CFは29.7億円のマイナスで、自社株買い11.5億円と配当支払い、借入返済が主な資金流出要因である。フリーキャッシュフローは38.8億円となり、株主還元と成長投資を賄う十分な水準を確保している。

収益の質

経常的な収益力は営業利益・経常利益の伸長(それぞれ前年比+31.2%、+26.4%)に表れており、営業外損益は売上高比0.5%程度と限定的な影響にとどまる。一方、純利益16.5億円には投資有価証券売却益3.6億円を含む特別利益3.7億円が計上されており、前年同期に計上された負ののれん発生益11.1億円という一時的な利益とは性質が異なるものの、いずれも非経常項目である点に留意が必要である。前年同期との比較では、この一時的利益の規模差が純利益の減益(前年比△29.9%)の主因であり、税引前利益ベースの減益率(△15.8%)よりも純利益の落ち込みが大きい。包括利益は28.8億円で純利益16.5億円を上回り、為替換算調整額8.9億円や有価証券評価差額金3.8億円といった評価性の増加が寄与しており、当期純利益と包括利益の間には一定の乖離がみられる。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高630.0億円(同+10.8%)、営業利益35.0億円(同+5.0%)、経常利益37.0億円(同+2.1%)であり、業績予想・配当予想ともに修正は行われていない。上期実績の進捗率は売上高52.5%、営業利益58.8%、経常利益58.4%と、いずれも単純進捗の50%を上回る水準にある。上期の営業利益は前年比+31.2%増と高い伸びを示した一方、通期計画は+5.0%増にとどまり、下期は増益率が大きく減速する前提となっている点が特徴である。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり36.00円で、通期配当予想は72.00円と据え置かれている。配当のみを基準とした配当性向は上期実績ベースで50%台後半となる。加えて自社株買いを11.5億円実施しており、配当と自社株買いを合算した総還元性向は純利益比で100%を超える水準となる。フリーキャッシュフロー38.8億円との対比では、配当・自社株買いの合計額は十分にカバーされており、現預金106.3億円、自己資本比率70.9%という財務基盤の厚さも還元原資として機能している。

リスク要因

  1. 日本事業への利益集中: 日本セグメントはセグメント利益合計の64.5%を占め、同事業の需要動向やM&A(Ms.ID、久永製作所等)の統合進捗が連結利益に大きく影響する構造にある。

  2. 在庫水準の上昇: 棚卸資産は78.1億円で前年比+9.5%増加しており、アパレル関連が同+44.0%増と急拡大する中で、在庫評価や販売動向のモニタリングが必要である。

  3. 特別利益への依存: 上期純利益には投資有価証券売却益3.6億円を含み、前年同期も負ののれん発生益11.1億円という非経常項目が計上されていた。両期とも本業以外の要因が純利益に影響しており、経常的な収益力は営業利益・経常利益で評価することが適切である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(trading)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率6.2%––
純利益率5.0%7.0% (6.4%–7.5%)−2.0pt
純利益率は業種中央値を下回るが、これは特別利益・非経常要因の影響差によるところが大きい。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)28.1%4.5% (2.2%–5.8%)+23.7pt
売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、M&Aを含む積極的な事業拡大が反映されている。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 上期は増収増益基調が継続し、営業利益率は6.2%へ改善したが、通期会社予想の営業利益伸び率は+5.0%にとどまり、上期の伸び(+31.2%)からの減速が計画に織り込まれている。

  2. 純利益は前年同期の負ののれん発生益の反動により減益となったが、営業CFは純利益の約2.1倍の35.0億円を確保しており、キャッシュ創出力は会計上の純利益減少ほど悪化していない。

  3. 欧米セグメントは利益率が前年から大幅に改善し、日本セグメントへの利益集中を一部緩和する動きがみられる一方、在庫水準の増加や設備投資が減価償却を下回る状況は今後の推移確認が有用な項目である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,550円
base(基準)1,561円
bull(強気)1,582円
算出前提値
1株純資産(BPS)1,625円
調整後予想EPS135.4円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向61.4%
予想EPSの信頼度調整×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.96倍 / 11.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,520円〜1,605円、ω±0.1で 1,559円〜1,563円。

注記:

  • のれん償却 13.9円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。