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98312026 第3四半期プライムJGAAP

ヤマダホールディングス(9831) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は1兆2,080億円(前年同期比+1.2%)、営業利益は350.5億円(同-10.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

小売/小売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥12080.4億¥11936.5億+1.2%
営業利益¥350.5億¥393.3億−10.9%
経常利益¥383.5億¥430.7億−10.9%
純利益¥227.3億¥256.2億−11.3%
ROE3.5%4.0%-

Executive Summary

増収減益の決算であり、売上成長に対して収益性が低下している点が最大の特徴である。売上高は1兆2,080.4億円(前年比+1.2%)、営業利益は350.5億円(同△10.9%)、経常利益は383.5億円(同△10.9%)、純利益(親会社株主に帰属する四半期純利益)は222.0億円(同△12.6%)となった。営業利益率は2.9%で前年の3.3%から低下しており、売上原価・販管費の増加が利益成長を上回ったことが主因である。通期会社予想に対する進捗率は売上高71.2%、営業利益71.7%と標準的な75%をやや下回っており、第4四半期の収益性回復が焦点となる。

業績変動要因

【売上高】売上高は1兆2,080.4億円で前年比+1.2%の増収。セグメント別ではElectricalが売上構成比81.3%を占める主力事業であり、売上812.9億円増(前年比+約1.7%)を牽引した。Housingは2,064.9億円(構成比17.1%)、Environmentalは306.9億円(構成比2.5%)、Financialは35.0億円(構成比0.3%)と小規模にとどまる。全体として増収基調は維持されているが、通期計画の前期比+4.2%増収には届かないペースである。

【損益】営業利益は350.5億円で前年比△10.9%の減益。粗利率は28.7%(前年28.9%)とほぼ横ばいだが、販管費率が25.8%(前年25.6%)へ上昇し、営業利益率を2.9%(前年3.3%)へ押し下げた。セグメント利益率でみるとElectricalが3.1%、Housingが1.1%と低水準であり、主力事業の収益性圧縮が全体利益を押し下げている。営業外損益はネットで33.0億円の黒字となり経常利益383.5億円を確保したが、特別損失23.2億円(うち減損損失13.6億円)が税引前利益を圧迫し、純利益222.0億円(同△12.6%)となった。増収減益であり、収益性の改善が当面の課題である。

セグメント別分析

Electricalは売上9,814.4億円(構成比81.3%)、営業利益300.9億円、利益率3.1%と全社利益の大半を占める中核セグメントである。Housingは売上2,064.9億円(構成比17.1%)、利益率1.1%と低収益にとどまる。Environmentalは売上306.9億円、利益率4.4%と相対的に高収益であるが規模は小さい。Financialは売上35.0億円ながら利益率27.9%と突出して高いが、全社利益への寄与額は9.8億円にとどまる。全社利益率2.9%に対し、主力のElectricalとHousingの利益率がいずれも下回っており、これらのコスト構造改善が全社収益性の鍵となる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は2.9%で前年の3.3%から低下し、純利益率は1.8%にとどまる。粗利率28.7%に対し販管費率25.8%と高く、粗利の大部分が販管費で吸収される構造である。【キャッシュ品質】特別損失に減損損失13.6億円を含み、非現金費用が利益を押し下げている。棚卸資産は4,003.3億円で総資産の28.2%を占め、資金効率面での圧迫要因となっている。【投資効率】ROEは3.5%、ROICは3%台前半にとどまり、投下資本に対する利益創出力は低位である。EPS(基本)は32.79円で前年の36.72円から低下した。【財務健全性】自己資本比率は45.5%(前年48.1%)とやや低下したが、依然として一定水準を維持している。現金及び預金は508.5億円で、短期借入金1,991.2億円・1年内返済長期借入金499.5億円に対しては限定的な水準にある。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示データは含まれていないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。棚卸資産は4,003.3億円へ前年の3,366.6億円から増加しており、運転資本の積み上がりが資金効率に影響している可能性がある。現金及び預金は508.5億円で前年の583.8億円から減少した一方、短期借入金は1,991.2億円へ前年の1,500.9億円から増加しており、運転資本の拡大を短期資金調達で賄う構図がうかがえる。買掛金・支払手形も1,528.5億円へ前年の845.3億円から大きく増加しており、支払サイトの活用も資金繰りの一助となっている。設備投資に相当する有形固定資産は4,671.7億円へ増加しており、投資活動は継続している模様である。

収益の質

経常利益383.5億円と純利益222.0億円の乖離は、主に特別損失23.2億円(うち減損損失13.6億円)の計上によるものであり、一時的要因として区別できる。営業外収益75.6億円の大半はその他営業外収益62.0億円であり、経常的な性質のものかは開示から特定しにくい部分がある。特別利益6.0億円には固定資産売却益5.6億円が含まれ、これも非経常的な項目である。包括利益は228.2億円で純利益222.0億円と近接しており、為替換算調整額や有価証券評価差額金等その他包括利益項目の影響は限定的である。全体として、当期の利益水準には減損損失という非経常的な下押し要因が含まれており、本業の実力値は経常利益ベースでの評価がより適切である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する進捗率は、売上高71.2%、営業利益71.7%、経常利益74.5%、純利益81.3%である。売上高・営業利益の進捗率は第3四半期累計として標準的な75%をやや下回っており、通期計画である売上高16,975.0億円(前期比+4.2%)、営業利益489.0億円(同+14.2%)の達成には第4四半期における増収に加え利益率の回復が必要となる。純利益の進捗率は81.3%と相対的に高く、通期予想273.0億円に対しては比較的順調に推移している。会社計画は下期に大幅な営業増益を織り込んでおり、その実現状況が今後の焦点である。

株主還元

通期の配当予想は1株当たり17.00円であり、予想EPS40.56円に基づく配当性向は約41.9%である。第2四半期配当は0円であり、年間配当は期末配当に重点を置く設計となっている。第3四半期累計EPSは32.79円であり、年間配当水準に対する利益の裏付けは確保されている。自己株式は305,630千株で発行済株式数の31.6%を占め、1株当たり指標や配当総額の算定に影響を与える規模である。

リスク要因

  1. 収益性の低下: 営業利益率は2.9%で前年3.3%から低下した。売上高が+1.2%増加する一方、営業利益は△10.9%減少しており、販管費率上昇による営業レバレッジの逆行が継続すればさらなる利益圧縮につながり得る。

  2. 資金調達構成のリスク: 現金及び預金508.5億円に対し、短期借入金1,991.2億円・1年内返済長期借入金499.5億円を計上しており、短期資金への依存度が高い。借換え環境の変化は資金調達コストに影響し得る。

  3. 減損損失および資産効率: 特別損失に減損損失13.6億円を計上しており、店舗・不動産等の資産収益性の低下を示唆する。また棚卸資産は総資産の28.2%を占めており、在庫水準の管理が資金効率と収益性の両面に影響する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(retail)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率2.9%3.2% (0.7%–6.8%)−0.3pt
純利益率1.9%1.4% (0.1%–4.4%)+0.5pt

営業利益率は業種中央値をやや下回るが、純利益率は中央値を上回っている。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)1.2%3.0% (1.2%–10.3%)−1.8pt

売上高成長率は業種中央値およびIQR下限に近く、成長ペースは相対的に緩やかである。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増収にもかかわらず営業利益は前年比△10.9%減となり、営業利益率は2.9%へ低下した。粗利率は28.7%と横ばいの一方、販管費率が25.8%へ上昇しており、コスト構造が収益性を制約している。

  2. 通期計画に対する営業利益進捗率は71.7%で標準的な75%をやや下回る。会社計画は通期で前期比+14.2%の営業増益を見込んでおり、第4四半期の利益率改善が計画達成の鍵となる。

  3. 特別損失に減損損失13.6億円を計上しており、資産収益性の一部に課題があることを示す。純利益の進捗率81.3%は相対的に高いが、本業収益性は経常利益ベースでの評価がより実態に即している。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)816円
base(基準)833円
bull(強気)842円
算出前提
1株純資産(BPS)964円
調整後予想EPS41.7円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向41.9%
予想EPSの信頼度調整×1.028(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.86倍 / 20.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 810円〜857円、ω±0.1で 829円〜836円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。