- 売上高: 176.74億円
- 営業利益: 10.22億円
- 当期純利益: 6.72億円
- 1株当たり当期純利益: 89.05円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 176.74億円 | 167.27億円 | +5.7% |
| 売上原価 | 135.77億円 | 131.15億円 | +3.5% |
| 売上総利益 | 40.97億円 | 36.12億円 | +13.4% |
| 販管費 | 30.75億円 | 30.47億円 | +0.9% |
| 営業利益 | 10.22億円 | 5.64億円 | +81.2% |
| 営業外収益 | 1.45億円 | 1.73億円 | -16.0% |
| 営業外費用 | 1.30億円 | 1.04億円 | +25.0% |
| 経常利益 | 10.38億円 | 6.33億円 | +64.0% |
| 税引前利益 | 10.82億円 | 6.76億円 | +60.0% |
| 法人税等 | 4.10億円 | 2.70億円 | +51.9% |
| 当期純利益 | 6.72億円 | 4.06億円 | +65.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6.71億円 | 4.06億円 | +65.3% |
| 包括利益 | 6.37億円 | 4.70億円 | +35.5% |
| 支払利息 | 66百万円 | 36百万円 | +81.9% |
| 1株当たり当期純利益 | 89.05円 | 53.83円 | +65.4% |
| 1株当たり配当金 | 14.00円 | 14.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 198.48億円 | 206.77億円 | -8.30億円 |
| 現金預金 | 84.93億円 | 95.57億円 | -10.64億円 |
| 売掛金 | 40.43億円 | 43.10億円 | -2.67億円 |
| 棚卸資産 | 23百万円 | 19百万円 | +4百万円 |
| 固定資産 | 205.09億円 | 196.74億円 | +8.35億円 |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 3.8% |
| 粗利益率 | 23.2% |
| 流動比率 | 199.0% |
| 当座比率 | 198.7% |
| 負債資本倍率 | 0.82倍 |
| インタレストカバレッジ | 15.45倍 |
| 実効税率 | 37.9% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +5.7% |
| 営業利益前年同期比 | +81.1% |
| 経常利益前年同期比 | +63.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +65.4% |
| 包括利益前年同期比 | +35.7% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 7.72百万株 |
| 自己株式数 | 175千株 |
| 期中平均株式数 | 7.54百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,940.45円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 14.00円 |
| 期末配当 | 14.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 360.00億円 |
| 営業利益予想 | 15.00億円 |
| 経常利益予想 | 16.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 11.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 145.82円 |
| 1株当たり配当金予想 | 18.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のビケンテクノ連結決算は、売上・利益ともに増加し、営業利益は大幅増で採算が改善した四半期でした。売上高は176.74億円で前年比+5.7%、営業利益は10.22億円で+81.1%、経常利益は10.38億円で+63.8%、当期純利益は6.71億円で+65.4%と、トップラインを上回るレバレッジの効いた増益となりました。粗利益は40.97億円で粗利率は23.2%、販管費は30.75億円(売上比17.4%)に抑制され、営業利益率は5.78%に到達しました。前年実績を前提に推計すると営業利益率は約241bp拡大(前年約3.37%→今期5.78%)、純利益率も約137bp拡大(前年約2.43%→今期3.80%)したとみられます。インタレストカバレッジは15.45倍と金利負担耐性は高く、経常段階の安定感が確認できます。非営業損益は営業外収益1.45億円と費用1.30億円で差引+0.15億円と限定的、受取利息0.10億円・受取配当0.13億円の寄与は小さい水準です。貸借対照表は総資産403.56億円、純資産221.82億円、負債資本倍率0.82倍、流動比率199%と流動性・資本構成は堅調です。現金預金は84.93億円で短期借入金21.00億円を十分に上回り、短期の満期ミスマッチは限定的です。一方で、ROEは3.0%、ROICは2.9%にとどまり、資本効率は依然として低位である点が構造的課題です。ROICが5%を下回る水準は資本コストを下回る可能性が高く、価値創造の観点で警戒が必要です。営業外収入比率が21.6%と示される一方、今期は本業の改善が収益牽引役であり、質としてはポジティブです。営業CFは未開示のため、営業CF/純利益の乖離や運転資本の変動有無は確認困難で、利益のキャッシュ裏付けには不透明感が残ります。実効税率は37.9%とやや高めで、純利益段階の伸びに対する抑制要因です。EPSは89.05円、計算ベースの配当性向は32.2%と保守的で、現時点の利益水準に対し配当の持続可能性は概ね良好とみられます。総じて、費用コントロールとスケール効果で利益率が改善した半面、ROIC/ROEの低位・営業CF未開示が評価のボトルネックです。今後は労務コストのインフレや金利動向に留意しつつ、価格転嫁・高付加価値案件比率の引き上げ、資産の回転効率改善が中期的テーマになります。
デュポン分析: ROE(3.0%) = 純利益率(3.8%) × 総資産回転率(0.438) × 財務レバレッジ(1.82)。今回の四半期で最も改善したのは純利益率で、売上+5.7%に対し営業利益+81.1%、純利益+65.4%と利益の伸びが顕著でした。営業利益率は5.78%と、前年推計約3.37%から約241bp拡大しており、粗利の改善と販管費の固定費吸収(営業レバレッジ)が主因と考えます。営業外収益・費用のネットは+0.15億円と小さく、ROE改善の主因は本業です。総資産回転率0.438は依然低位で、潤沢な現金や有形・無形の固定資産保有が資産効率を抑制している可能性があります。財務レバレッジ1.82倍は健全な範囲で大きな変動要因ではありません。したがってROE改善のドライバーは利益率であり、持続性は価格転嫁力と人件費管理に依存します。最低賃金上昇・人手不足環境下で労務費上昇圧力は続く見込みで、過度なマージン改善の持続性には慎重です。販管費の伸び率は未開示ですが、売上の伸びを下回った可能性が高く、今期は正の営業レバレッジが発現しました。今後、売上成長が鈍化する局面では再び固定費負担が顕在化しやすく、資産回転率の改善(遊休資産圧縮、案件ポートフォリオの見直し)を並行して進める必要があります。
売上は前年比+5.7%と堅調で、メンテナンス・ビルサービス系のストック性が土台となった伸長とみられます。営業利益+81.1%は費用コントロールとミックス改善によるもので、一次的コストの剥落や価格改定の効果が寄与した可能性があります。粗利率は23.2%で、サービス単価是正や外注費・材料費の抑制が示唆されます。営業外の寄与は軽微で、成長の質は本業中心です。今後の持続性は、(1) 人件費・外注費の上昇に対する価格転嫁、(2) 長期保守契約の更新条件、(3) 高付加価値分野(衛生管理、設備DX、環境関連)の案件拡大に依存します。受注残・契約更新率の開示がなく、パイプラインの視認性は限定的です。税負担(実効税率37.9%)が高めな点は純利益成長のハードルになります。総じて、トップラインの安定性は高い一方、外部コスト環境により営業レバレッジの剥落リスクがあるため、中期は一桁前半の売上成長と中位一桁台の営業利益率定着を目標レンジとみます。
流動比率199%、当座比率198.7%と流動性は良好で、短期支払能力に懸念は見当たりません。負債資本倍率0.82倍でD/Eは許容範囲内、警戒水準(>2.0)には程遠いです。短期借入金21.00億円に対し現金預金84.93億円、売掛金40.43億円があり、短期の満期ミスマッチは低いと評価します。長期借入金63.09億円を含む固定負債81.98億円の返済能力は、営業利益水準とインタレストカバレッジ15.45倍からみて十分とみられます。のれん4.69億円・無形固定資産7.03億円は総資産に対し小さく、減損リスクは相対的に限定的です。オフバランス債務(リース・保証等)の情報は未開示で、追加的なコミットメントの有無は確認できません。
営業キャッシュフローは未開示のため、営業CF/純利益や運転資本の実態は評価困難です。売上高増に伴う売掛金40.43億円の積み上がりは平常運転の範囲とみられる一方、回収条件や滞留債権の状況は不明です。フリーキャッシュフロー、設備投資額、配当支出の開示がなく、FCFベースの自己資本還元の持続可能性評価には限界があります。短期的な資金繰りは潤沢な現金(84.93億円)で安定しているものの、運転資本の季節性や一時的前受・未払の変動が利益とキャッシュの乖離を招く可能性は留意点です。次四半期以降、営業CF/純利益が0.8倍以上を安定的に維持できるかが品質確認の重要指標になります。
配当性向(計算値)は32.2%と保守的で、今期純利益6.71億円に対して理論上約2.16億円の配当原資を割り当てた水準に相当します(実際の配当金総額は未開示)。営業CF・FCFが未開示のため、キャッシュベースのカバレッジ評価はできませんが、手元流動性と低レバレッジを踏まえると短期的な配当継続可能性は高いとみられます。中期的にはROICが2.9%と低位であるため、成長投資と配当のバランス最適化(資本効率改善に資する投資の選別、遊休資産圧縮)が重要です。方針が不明なため、配当性向レンジや安定配当の有無の開示拡充が望まれます。
ビジネスリスク:
- 人件費・外注費の上昇(最低賃金引き上げ・人手不足)による粗利率圧迫
- 長期保守・管理契約の更新条件悪化や価格転嫁遅れ
- 大型施設稼働率・テナント入替に伴う受注変動
- 衛生・環境関連規制対応コストの増加
財務リスク:
- ROIC 2.9%と資本コスト下回りの継続による資本効率の低迷
- 金利上昇局面での借入金利負担増(長短合計84.09億円)
- 営業CF未開示に伴う利益のキャッシュ裏付け不確実性
- 売掛金回収期間長期化リスクによる運転資金圧迫
主な懸念事項:
- 営業CF/純利益の確認不可(品質評価の盲点)
- 資産回転率0.438の低位がROEのボトルネック
- 実効税率37.9%の高止まりが純利益率の上値を抑制
- 非営業収入比率21.6%という指標提示に対する定義不明瞭さ(依存度の正確な把握に課題)
重要ポイント:
- 売上+5.7%に対し営業利益+81.1%と利益率が大幅改善、営業レバレッジが発現
- ROE3.0%、ROIC2.9%と資本効率は低位で中期課題が残存
- 流動比率199%、インタレストカバレッジ15.45倍で財務安全性は高い
- 営業CF未開示で利益のキャッシュ裏付けに不確実性、開示拡充が必要
- 人件費インフレ環境下で価格転嫁・高付加価値案件比率の維持が持続性の鍵
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益(目安≥0.8)
- 営業利益率と粗利率の四半期推移(bps変化)
- 受注残・契約更新率・平均契約単価
- 人件費率・外注費率の推移(売上比)
- 資産回転率(売上/総資産)と遊休資産圧縮の進捗
- 有利子負債の平均金利・固定比率
- ROIC(税後NOPAT/投下資本)の改善度合い(目安≥5%→7–8%)
セクター内ポジション:
財務安全性は業界内で良好だが、資本効率(ROE/ROIC)は同業平均と比べても低位。短期の利益率改善は評価できる一方、中期は資産効率改善と継続的な価格転嫁力の確立が競合比較での差別化要因となる。
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