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97902026 第3四半期プライムJGAAP

福井コンピュータホールディングス(9790) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は123億円(前年同期比+9.3%)、営業利益は54.6億円(同+9.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥123.0億¥112.6億+9.3%
営業利益¥54.6億¥50.0億+9.2%
経常利益¥56.0億¥50.8億+10.4%
純利益¥30.5億¥34.2億−10.7%
ROE(年換算)14.0%16.8%-

Executive Summary

増収増益(営業・経常段階)ながら投資有価証券評価損の計上により純利益は減益となった決算である。売上高は123.0億円(前年比+9.3%)、営業利益は54.6億円(同+9.2%)、経常利益は56.0億円(同+10.4%)と増収増益を確保した一方、親会社株主に帰属する純利益は30.5億円(同-10.7%)にとどまった。主因は投資有価証券評価損8.3億円の特別損失計上と実効税率の上昇であり、営業段階の収益力とは切り離して評価する必要がある。

業績変動要因

【売上高】売上高は123.0億円で前年同期比+9.3%増収。セグメント別では建築システム事業が60.3億円(構成比49.0%、前年比+17.3%)と最大の伸びを示し、測量土木システム事業は59.1億円(構成比48.0%、同+7.1%)で堅調。一方ITソリューション事業は3.7億円(構成比3.0%、同-39.3%)と大きく減収し、全社成長の下押し要因となった。

【損益】営業利益は54.6億円(同+9.2%)、経常利益は56.0億円(同+10.4%)と増益を確保したが、販管費が45.8億円と前年比+14.7%で売上高成長率を上回り、粗利率改善(81.6%、前年比+約1.7pt)を営業利益率の拡大につなげられなかった(営業利益率44.4%、前年同期とほぼ横ばい)。経常利益56.0億円に対し、特別利益として投資有価証券売却益1.6億円、特別損失として投資有価証券評価損8.3億円が計上され(一時的要因)、税引前利益は49.3億円に圧縮。実効税率は38.2%(前年同期32.7%)へ上昇し、純利益30.5億円(同-10.7%)と経常利益の伸びから乖離した。結論として、全社は増収増益(営業・経常ベース)、純利益ベースでは特別損益要因により減益である。

セグメント別分析

建築システム事業は売上高60.3億円(前年比+17.3%)、セグメント利益24.6億円(同+25.6%)、利益率40.7%(前年比+約2.7pt)と増収増益・利益率改善が同時進行し、当期の成長ドライバーとなった。測量土木システム事業は売上高59.1億円(同+7.1%)、セグメント利益28.2億円(同+2.0%)と最大の利益貢献事業だが、利益率は47.7%と前年の50.1%から低下しており収益性はやや軟化した。ITソリューション事業は売上高3.7億円(同-39.3%)、セグメント利益2.4億円(同-51.4%)と大幅減収減益となり、利益率も64.1%(前年80.2%)へ低下した。投資事業はセグメント利益△0.02億円とほぼ影響なし。

主要財務指標

【収益性】営業利益率44.4%、粗利益率81.6%(前年比+約1.7pt)と高水準の収益性を維持するが、純利益率は24.8%と前年の30.3%から約5.5pt低下しており、特別損益の影響が収益性指標を押し下げている。【キャッシュ品質】現金及び預金は199.0億円で総資産の56.5%を占め、営業実態から乖離した会計処理は見られない。【投資効率】ROE(年換算)は14.0%で、高い純利益率主導型の構造であり、総資産回転率0.465倍・財務レバレッジ1.22倍とレバレッジ依存度は低い。【財務健全性】自己資本比率82.2%、流動比率は流動資産223.0億円/流動負債59.2億円で約376%、負債資本倍率は0.22倍相当であり、財務基盤は極めて保守的である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別開示は限定的だが、貸借対照表の推移からは現金及び預金が199.0億円と前年末の211.7億円から12.8億円減少しており、投資有価証券(+7.4億円)や投資その他の資産(+30.8億円)への資金シフトが進んだことが読み取れる。純資産は289.7億円(前年比+18.7億円)へ増加し、利益剰余金の積み上げに加えその他有価証券評価差額金の増加(+2.7億円)が寄与した。前受金は31.1億円(前年比+4.2億円)へ増加しており、契約対価の先行受領によるキャッシュ創出力を下支えしている。全体として、現金は減少したものの投資資産への振り替えによるものであり、流動性余力(現金は流動負債の3.4倍)は引き続き厚い。

収益の質

経常利益56.0億円までは営業活動に基づく経常的な収益力を反映しているが、税引前利益49.3億円への移行では投資有価証券売却益1.6億円と評価損8.3億円というネットで6.7億円の一時的な特別損益が影響しており、経常的な収益力とは区別して評価する必要がある。営業外収益は受取利息0.8億円、受取配当金0.4億円等で構成され、いずれも経常的な性質を持つ。実効税率は38.2%と前年の32.7%から上昇し、税負担の増加が純利益率(24.8%、前年30.3%)の低下を増幅した。包括利益は33.2億円で純利益30.5億円を上回り、その他有価証券評価差額金の増加(+2.7億円)が寄与しているが、これも市場変動に左右される非経常的な項目であり、アクルーアルの観点からは営業キャッシュフローを裏付ける経常利益・営業利益の水準がより重視されるべきである。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高74.1%、営業利益74.1%、経常利益74.2%と、9か月経過時点として標準的な75%近傍で推移している。通期計画達成には第4四半期に売上高42.96億円、営業利益19.06億円が必要であり、これは前年同期の実績水準を上回る成長が織り込まれた計画となっている。会社は通期で売上高+12.8%、営業利益+21.0%を見込んでおり、当四半期に業績予想の修正が行われた点も踏まえ、第4四半期の実績が計画達成の焦点となる。

株主還元

通期配当予想は1株73.0円、通期EPS予想208.46円に基づく予想配当性向は35.0%であり、利益に対して保守的な水準にある。第2四半期配当は0円で、期末配当に重点を置く配当設計となっている。利益剰余金250.0億円、現金及び預金199.0億円という財務基盤を踏まえると、公表配当水準の持続性に懸念は小さい。当四半期の配当予想修正は無となっている。

リスク要因

  1. 建設・測量土木市場への感応度: 主力の測量土木システム事業はセグメント利益の51.2%を占め、建設投資や公共工事執行の変動が全社利益に与える影響は大きい。同事業の利益率は47.7%と前年の50.1%から低下しており、収益性のモニタリングが必要である。

  2. ITソリューション事業の減収減益: 売上高は前年比-39.3%、セグメント利益は-51.4%と大幅に縮小し、全社の成長率を下押ししている。利益率も64.1%(前年80.2%)へ低下しており、案件構成の変化が継続するか注視が必要である。

  3. 投資有価証券の評価変動リスク: 投資有価証券は54.3億円で総資産の15.4%を占め、当期は評価損8.3億円を特別損失に計上した。実効税率も38.2%へ上昇しており、市場変動が純利益に与える影響は引き続き大きい。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率44.4%8.3% (3.6%–18.6%)+36.1pt
純利益率24.8%6.1% (2.3%–12.8%)+18.7pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく上回り、高収益体質が際立つ。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)9.3%10.4% (-0.9%–19.9%)−1.1pt

売上高成長率は業種中央値をわずかに下回り、成長スピードは業界平均並みに位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率44.4%、粗利益率81.6%という高水準の収益性が年換算ROE14.0%の中核であり、建築システム事業の増収増益と利益率改善が牽引役となっている。

  2. 投資有価証券評価損8.3億円により、経常段階の増益(+10.4%)と純利益の減益(-10.7%)が乖離しており、両者を区別して業績を捉える必要がある。

  3. 自己資本比率82.2%、負債資本倍率0.22倍、現金及び預金199.0億円という保守的な財務基盤は、業績変動への耐性を示す一方、測量土木システム事業の利益率低下とITソリューション事業の減収傾向は構造的な変化として注視が必要である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,596円
base(基準)1,643円
bull(強気)1,701円
算出前提
1株純資産(BPS)1,401円
調整後予想EPS218.6円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向35.0%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.17倍 / 7.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,597円〜1,691円、ω±0.1で 1,637円〜1,651円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。