| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥166.5億 | ¥147.2億 | +13.2% |
| 営業利益 | ¥72.6億 | ¥60.9億 | +19.4% |
| 経常利益 | ¥74.8億 | ¥62.1億 | +20.5% |
| 純利益 | ¥32.1億 | ¥38.0億 | -15.5% |
| ROE | 10.7% | 14.0% | - |
2026年3月期通期決算は、売上高166.5億円(前年比+19.4億円 +13.2%)、営業利益72.6億円(同+11.8億円 +19.4%)、経常利益74.8億円(同+12.7億円 +20.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益32.1億円(同-5.9億円 -15.5%)となった。増収増益で着地したものの、投資有価証券評価損8.5億円の特別損失計上により最終利益は減益。建築システム事業が売上80.3億円(+16.3%)、測量土木システム事業が78.6億円(+9.7%)と主力2事業が揃って2桁成長を実現し、営業利益率は43.6%(前年43.1%から+0.5pt)と高水準を維持した。粗利率81.8%(前年79.2%から+2.6pt)の改善と販管費率38.2%(前年37.8%から+0.4pt)の適切な管理により、営業レバレッジが発現した。
【売上高】トップラインは166.5億円と前年比+13.2%の増収。セグメント別では建築システム事業が80.3億円(構成比48.2%、前年比+16.3%)と最大シェアを占め、保守契約の積み上げとBIM対応ニーズの拡大が寄与した。測量土木システム事業は78.6億円(構成比47.2%、同+9.7%)で、公共投資の底堅さと法規制対応需要が追い風となった。ITソリューション事業は7.6億円(構成比4.6%、同+18.0%)と小規模ながら高成長を示し、Webアプリケーション・ホスティングサービスの引き合いが増加した。投資事業は営業損失0.04億円の計上にとどまった。前受金は29.5億円と前年比+2.6億円増加し、サブスクリプション・保守契約のストック基盤が強化された。地域別売上の詳細開示はないものの、国内建設・測量市場向けの製品販売と保守が収益の大部分を占める。
【損益】売上原価は30.3億円(原価率18.2%)にとどまり、売上総利益は136.2億円(粗利率81.8%、前年比+2.6pt)と高水準を維持した。販管費は63.5億円(販管費率38.2%、前年比+0.4pt)と売上成長に対し伸びを抑制し、営業利益72.6億円(営業利益率43.6%、同+0.5pt)を確保した。営業外収益2.2億円(受取利息1.3億円、受取配当金0.6億円等)、営業外費用0.8億円を加減し経常利益は74.8億円(同+20.5%)に達した。特別利益1.6億円(投資有価証券売却益)、特別損失8.5億円(投資有価証券評価損)の計上により税引前利益は68.0億円、法人税等24.9億円(実効税率36.6%)を控除後、当期純利益は32.1億円(同-15.5%)となった。一時的な投資評価損が最終利益を押し下げたものの、本業の収益性は順調に拡大しており、結論として増収増益(営業・経常段階)、一時的要因による最終減益の決算となった。
建築システム事業は営業利益31.8億円(前年比+26.3%)、利益率39.6%(同+3.2pt)と収益性が大幅改善した。新規ライセンス販売の増加と保守更新率の維持が寄与し、販管費効率の向上が利益率押上げに貢献した。測量土木システム事業は営業利益36.9億円(同+7.4%)、利益率47.0%(同-1.0pt)と全社で最大の利益貢献を果たした。公共・民間の測量DX案件が堅調に推移したが、競合環境と開発投資増により利益率はやや低下した。ITソリューション事業は営業利益5.8億円(同+20.1%)、利益率76.4%(同+1.2pt)と極めて高収益を維持し、システム開発案件の単価改善とホスティングサービスのスケール効果が奏功した。投資事業は営業損失0.04億円で、国内外建設テックスタートアップへの投資活動は継続中だが営業段階での利益貢献はない。
【収益性】ROE 10.7%、営業利益率43.6%(前年41.3%から+2.3pt)、粗利率81.8%(同+2.6pt)と、ソフトウェアビジネスの高収益体質が継続した。営業外収益は売上高の1.3%にとどまり、経常利益の大部分は本業から創出されている。【キャッシュ品質】営業CF 60.9億円は当期純利益32.1億円の1.9倍に達し、利益の現金転換は極めて良好である。営業CF小計80.3億円から法人税等支払21.3億円、前受金増加2.6億円等の運転資本変動を経てOCFを確保した。OCF/EBITDA比率は0.80倍(営業CF 60.9億円÷EBITDA 76.1億円)とやや基準未満だが、期中の税負担増が主因であり、本業の現金創出力は高い。【投資効率】設備投資は2.9億円、減価償却費3.5億円と資産ライトな事業モデルを反映し、投資CFの大部分は投資有価証券取得46.1億円である。総資産回転率は0.45回(売上高166.5億円÷総資産368.2億円)と現金厚めの財務構造により低位だが、ROAは8.7%(経常利益74.8億円÷総資産368.2億円)と良好な水準にある。【財務健全性】自己資本比率81.7%、現金及び預金240.8億円(総資産の65.4%)、流動比率400.4%と極めて強固である。有利子負債はゼロで、ネットキャッシュ240.8億円を保有し、財務リスクは極小である。
営業CFは60.9億円(前年比+4.4億円 +7.7%)で、税引前利益68.0億円から減価償却費3.5億円、引当金増減1.0億円等の非資金項目を加減し、運転資本変動として前受金増加+2.6億円、未払費用・未払税金増加+3.1億円等がプラス寄与した一方、法人税等支払21.3億円、売上債権増加0.3億円等がマイナスに作用した。投資CFは-43.3億円で、主に投資有価証券取得46.1億円による流出だが、一部売却による収入2.0億円もあり、余資運用の活発化がうかがえる。設備投資は2.9億円と抑制的で、無形資産取得1.3億円を含めても合計4.2億円にとどまる。財務CFは-14.5億円で全額配当支払いであり、自社株買いや借入返済はない。フリーCFは17.6億円(営業CF 60.9億円+投資CF -43.3億円)とプラスを確保し、配当14.5億円を賄いつつ現金を積み増した。現金及び預金残高は240.8億円(前年211.7億円から+29.1億円)に増加し、定期預金への預け入れ34.0億円を実施したため、現金同等物ベースでは21.5億円(前年21.2億円から+0.3億円)と微増にとどまった。
経常的収益は営業利益72.6億円が中核で、営業外収益2.2億円(受取利息1.3億円、受取配当金0.6億円等)は売上の1.3%と軽微である。一時的項目として特別利益1.6億円(投資有価証券売却益)、特別損失8.5億円(投資有価証券評価損)が計上され、ネットで6.8億円の税引前利益押下げ要因となった。営業CFは60.9億円で当期純利益32.1億円を大幅に上回り、アクルーアル比率は-0.45(営業CF超過)と利益の質は高い。包括利益は44.2億円(当期純利益32.1億円+その他包括利益1.1億円)で、その他有価証券評価差額金の変動が純利益と包括利益の差を生んでいる。経常利益74.8億円と当期純利益32.1億円の乖離は、特別損益のネット6.8億円と税負担24.9億円が主因であり、コア収益性は高水準を維持している。
通期業績予想は売上高166.4億円、営業利益69.0億円、経常利益71.0億円、当期純利益45.4億円を掲げていたが、実績は売上166.5億円(予想比+0.1%)、営業利益72.6億円(同+5.2%)、経常利益74.8億円(同+5.4%)、当期純利益32.1億円(同-29.3%)となった。売上・営業利益・経常利益は計画を上回ったが、投資有価証券評価損8.5億円の特別損失計上により最終利益は大幅未達となった。前受金29.5億円は売上高の17.7%に相当し、翌期以降の売上認識を下支えする。予想配当は期末73円と計画通り実施され、予想EPS219.54円に対し実績EPS208.63円(達成率95.0%)は特損影響によるものである。
期末配当73円を実施し、年間配当73円(前年同額)となった。配当性向は34.5%(配当総額14.5億円÷当期純利益32.1億円)で、適切な水準にある。自社株買いは実施されておらず、総還元性向も配当性向と同じ34.5%である。フリーCF 17.6億円に対し配当支払14.5億円で、FCFカバレッジは1.21倍と配当の持続可能性は高い。現金及び預金240.8億円と利益剰余金262.6億円の潤沢な内部留保により、安定配当の継続余力は十分である。
投資有価証券評価損リスク: 当期8.5億円の評価損を計上し、最終利益を押し下げた。投資有価証券残高46.9億円(総資産の12.7%)は市場環境や投資先の業績変動により評価損益が大きく振れる可能性がある。今後も一時損益のボラティリティが最終利益の予見性を低下させるリスクが継続する。
建設・測量市場の循環リスク: 売上の大部分を占める建築・測量土木システム事業は、住宅着工件数や公共投資動向に影響を受ける。景気後退や公共予算削減により新規ライセンス販売が減速するリスクがある。前受金29.5億円は保守収益のバッファーとなるが、新規受注減少が続けば中期的な売上成長に影響する。
技術・競争環境の変化リスク: BIM/CIMや建設DXの技術トレンド変化に対応する継続的な開発投資が必要であり、競合他社や海外ベンダーの参入により価格競争が激化した場合、営業利益率43.6%の高水準を維持できない可能性がある。販管費の絶対額は63.5億円と前年比+7.9億円増加しており、人件費・開発費のインフレ圧力が中期でマージンを圧迫するリスクがある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 43.6% | 8.1% (3.6%–16.0%) | +35.5pt |
| 純利益率 | 19.3% | 5.8% (1.2%–11.6%) | +13.4pt |
IT・通信業種内で営業利益率・純利益率ともに最高水準にあり、ソフトウェア・保守のストック収益モデルが卓越した収益性を実現している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 13.2% | 10.1% (1.7%–20.2%) | +3.1pt |
売上成長率は業種中央値を3.1pt上回り、成長性も業種内で上位に位置する。
※出所: 当社集計
高収益ストックモデルの強化: 営業利益率43.6%、粗利率81.8%と業種最高水準の収益性を維持し、前受金29.5億円のストック基盤が売上の安定性を支える。保守・サブスクリプション収益の積み上がりにより、営業レバレッジと利益率改善が継続する構造にある。
強固な財務体質と配当安定性: 現金預金240.8億円(総資産の65.4%)、自己資本比率81.7%、フリーCF 17.6億円と極めて健全な財務構造を有し、配当性向34.5%は持続可能な水準である。配当14.5億円をフリーCFで十分に賄い、内部留保の積み増しも可能な体質だ。
一時損益のボラティリティに留意: 投資有価証券評価損8.5億円の計上により最終利益は減益となったが、経常利益段階では+20.5%の増益を達成しており、本業の収益性は堅調である。投資有価証券残高46.9億円の評価動向が今後も最終利益のブレ要因となる可能性があり、コア事業の業績トレンドとの区別が重要となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。