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97882026 第3四半期プライムJGAAP

ナック(9788) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益44%減

2026年度第3四半期の売上高は422.3億円(前年同期比-4.9%)、営業利益は12.8億円(同-43.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社 ナック

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥422.3億¥443.9億−4.9%
営業利益¥12.8億¥22.7億−43.5%
経常利益¥12.9億¥22.7億−43.2%
純利益¥8.2億¥10.7億−23.4%
ROE(年換算)4.9%6.4%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は、主力の住宅・建築コンサルティング事業の不振により、減収に加え利益率が大きく低下した減収減益決算となった。売上高は422.3億円(前年同期比▲4.9%)、営業利益は12.8億円(同▲43.5%)、経常利益は12.9億円(同▲43.2%)、親会社株主に帰属する純利益は8.2億円(同▲23.4%)となった。粗利益率は50.1%と前年から改善したものの、販管費率の上昇がこれを上回り、営業利益率は3.0%(前年5.1%)に低下した。純利益の減益率が営業利益より小さいのは、特別損益が前年の純損失から純利益へ改善したためであり、本業の収益力改善を示すものではない。

業績変動要因

【売上高】売上高は422.3億円で前年同期比4.9%減少した。主力のクリクラ事業(120.5億円、+3.3%)とレンタル事業(137.3億円、+0.3%)は堅調に推移したが、建築基準法改正に伴う工期延伸で建築コンサルティング事業が33.6億円(▲15.5%)に減収、住宅市況低迷でケイディアイ・ジェイウッド・秀和住研の販売不振により住宅事業が68.1億円(▲26.6%)と大幅減収となった。両事業の落ち込みが全社売上を押し下げた。

【損益】営業利益は12.8億円(同▲43.5%)、経常利益は12.9億円(同▲43.2%)となった。建築コンサルティング事業がセグメント損失1.9億円(前年利益2.9億円)に転じ、住宅事業も損失1.5億円(前年利益1.1億円)となったことが主因である。特別損益は投資有価証券売却益0.7億円などにより前年の純損失2.9億円から純利益0.6億円へ改善したが、これは一時的要因であり、税引前利益の減少率(▲31.8%)が営業利益の減少率(▲43.5%)より小幅にとどまった背景となっている。粗利益率が改善する一方、販管費が前年比4.8%増加したため、増益の余地を費用増が相殺した。結論として、減収減益である。

セグメント別分析

セグメント利益(合計22.4億円、前年33.1億円)は前年同期比32.3%減少した。売上構成比が最大のクリクラ事業(売上構成比28.5%)を主力事業とする。クリクラ事業はセグメント利益13.9億円(前年比+10.0%)、利益率11.6%と最大の利益貢献を果たし、増益を牽引した。一方、建築コンサルティング事業(利益率▲5.8%)と住宅事業(利益率▲2.2%)が揃って赤字化し、全社利益の圧迫要因となった。レンタル事業は利益率8.3%で前年比低下、美容・健康事業は利益率4.9%で前年比39.1%減益となり、事業間の利益率格差が拡大している。

主要財務指標

収益性: ROE 4.9%(年換算)、営業利益率 3.0%(前年5.1%) キャッシュ品質: 現金及び預金70.0億円、流動比率207.8% 財務健全性: 自己資本比率 57.3%(前年58.6%)、有利子負債56.2億円は純資産の0.25倍 1株指標: EPS 19.58円(前年24.80円)、BPS 533.64円

キャッシュフロー分析

本開示データにはキャッシュフロー明細の記載がなく、営業CF・投資CF・財務CFの各項目は算出できない。現金及び預金は70.0億円で前年同期の85.9億円から18.5%減少しており、短期借入金27.0億円・1年内返済予定長期借入金14.0億円を合わせた短期性有利子負債41.0億円を1.71倍上回る水準を維持している。

収益の質

経常利益12.9億円に対し親会社株主に帰属する純利益は8.2億円で、乖離率は約36%と大きい。この差は実効税率39.4%の法人税等負担によるものである。特別利益1.7億円(投資有価証券売却益0.7億円等)が特別損失1.1億円(投資有価証券評価損0.5億円等)を上回り、税引前利益は経常利益を上回る13.5億円となった。この特別損益の改善は一時的要因であり、本業の収益力を示す営業利益・経常利益の大幅減益と併せて評価する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期予想(売上高620.0億円、営業利益29.0億円、経常利益29.0億円)に対するQ3累計進捗率は、売上高68.1%、営業利益44.2%、経常利益44.5%であり、いずれも標準進捗75%を大きく下回る。特に営業利益の進捗率は標準から30.8pt乖離しており、Q4に必要な営業利益は16.2億円、営業利益率換算で8.2%相当となる。これはQ3累計の営業利益率3.0%からの急回復を要する水準であり、住宅・建築コンサルティング事業の採算改善が計画達成の前提となる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり5.00円で、通期配当予想は22.00円である。通期予想EPS44.27円に基づく予想配当性向は約49.7%となる。自社株買いに関する開示はなく、株主還元は配当のみのため配当性向で評価する。予想配当22.00円はQ3累計EPS19.58円を上回っており、通期利益計画の達成が配当水準維持の前提となる。

カタリスト

【短期】Q4における住宅事業・建築コンサルティング事業の採算改善の有無、および通期営業利益29.0億円達成に向けた進捗。

【長期】中期経営計画2028(売上685億円・営業利益33億円)および長期ビジョン2035(売上1,000億円・営業利益率8%)に向けたクリクラ事業のLTV最大化、ダスキン・ウィズの営業エリア拡大、コンビボックス・秀和住研等のM&A統合効果の実現。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.0%8.3% (3.6%–18.6%)−5.3pt
純利益率1.9%6.1% (2.3%–12.8%)−4.2pt

収益性は業種中央値を大きく下回り、下位グループに位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−4.9%10.4% (-0.9%–19.9%)−15.3pt

売上高成長率は業種中央値を大幅に下回り、業種内で減収傾向が目立つ位置づけにある。

※出所: 当社集計

リスク要因

  1. 住宅・建築コンサルティング事業の採算悪化: 住宅事業は売上高が前年同期比26.6%減、セグメント損失1.5億円、建築コンサルティング事業は売上高が同15.5%減、セグメント損失1.9億円となった。建築基準法改正による工期延伸が主要顧客である中小工務店の経営に影響し、両事業の受注環境が悪化している。

  2. 費用構造の悪化: 粗利益率が50.1%へ改善する一方、販管費率は47.1%へ上昇し、営業利益率を3.0%まで押し下げた。売上高が減少するなかで販管費が前年比4.8%増加しており、固定費吸収力の低下が続く場合、利益率の一段の低下につながり得る。

  3. 通期計画達成の不確実性: 通期営業利益予想29.0億円に対しQ3累計進捗率は44.2%にとどまり、Q4に営業利益率8.2%相当への急回復が必要となる。住宅・建築コンサルティング事業の回復が遅れる場合、通期計画との乖離が拡大する可能性がある。

決算上の注目ポイント

  1. クリクラ事業は増収増益で利益率11.6%(前年10.9%)と改善しており、全セグメント利益の6割超を占める主力事業として全社収益を支えている。

  2. 住宅・建築コンサルティング事業の赤字化により、セグメント間の利益率格差が拡大している。粗利益率の改善が販管費増で相殺されている点は、収益性再建における費用効率改善の必要性を示している。

  3. 特別損益の改善が最終利益の減益幅を営業利益より小さく抑えており、本業の収益動向を評価する際は経常利益・営業利益ベースでの確認が有用である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)509円
base(基準)518円
bull(強気)529円
算出前提
1株純資産(BPS)534円
調整後予想EPS46.4円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向49.7%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.97倍 / 11.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 504円〜533円、ω±0.1で 517円〜518円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。