| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥589.2億 | ¥597.9億 | -1.5% |
| 営業利益 | ¥24.8億 | ¥30.1億 | -17.4% |
| 経常利益 | ¥24.9億 | ¥30.2億 | -17.7% |
| 純利益 | ¥8.6億 | ¥16.2億 | -46.6% |
| ROE | 3.7% | 7.2% | - |
2026年3月期決算は、売上高589.2億円(前年比-8.7億円 -1.5%)、営業利益24.8億円(同-5.2億円 -17.4%)、経常利益24.9億円(同-5.3億円 -17.7%)、純利益8.6億円(同-7.6億円 -46.6%)。売上は住宅事業(-12.6%)と建築コンサルティング事業(-8.4%)の減収が全体を押し下げ、クリクラ事業(+2.9%)とレンタル事業(+0.5%)の増収では補いきれず微減収。営業利益は販管費率が前年42.0%から44.0%へ2.0pt上昇したことに加え、その他セグメントが0.27億円の赤字から2.31億円の赤字に拡大し、営業利益率は5.0%から4.2%へ0.8pt悪化。純利益は前年に特別損失6.3億円(減損等)を計上した反動で当期は特別損益純額-0.4億円と特損が大幅縮小したものの、営業減益の影響と税引前利益の減少により46.6%減益。
【売上高】 売上高589.2億円(前年比-1.5%)は、主力のクリクラ事業160.5億円(+2.9%)とレンタル事業179.4億円(+0.5%)が堅調に推移した一方、住宅事業116.9億円(-12.6%)と建築コンサルティング事業49.3億円(-8.4%)の落ち込みが全体を押し下げた。その他セグメントは19.3億円(+51.0%)と大幅増収だが、営業赤字2.31億円と収益性は低い。セグメント別売上構成比はクリクラ27.2%、レンタル30.5%、住宅19.8%、建築コンサル8.4%、美容・健康11.4%、その他3.3%。売上総利益は283.8億円で粗利率48.2%(前年47.1%)と1.1pt改善したが、主に特損削減とミックス要因。
【損益】 営業利益24.8億円(前年比-17.4%)の減益は、販管費259.0億円(前年比+3.0%)が売上減少と逆行して増加し、販管費率が44.0%(前年42.0%)へ2.0pt悪化したことが主因。販管費の主要項目は給料及び手当75.8億円、その他販管費98.3億円、賃借料17.1億円。営業利益率は4.2%(前年5.0%)へ0.8pt低下。経常利益24.9億円(-17.7%)は営業外収支が純額0.1億円とほぼ中立で、営業利益の減少をそのまま反映。特別損益は特別利益1.7億円(投資有価証券売却益0.7億円等)、特別損失2.1億円(減損損失0.6億円、投資有価証券評価損0.5億円等)で純額-0.4億円。前年は特別損失6.3億円と大きかったため、当期は特損が大幅縮小。税引前利益24.4億円(前年24.0億円、+0.4億円)はわずかに増加したが、法人税等8.1億円(前年10.4億円)の減少により税引後の純利益は8.6億円(前年16.2億円、-46.6%)と大幅減益。純利益減益の主因は、前年の純利益16.2億円がEPS 31.82円で当期EPS 39.03円(+22.7%)と1株利益は増加しており、発行済株式数の減少(自社株買い)が影響している。結論として、減収減益(営業・経常段階)だが、税負担減と特損縮小により純利益は前年比で減少したものの1株利益ベースでは改善している。
クリクラ事業(売上160.5億円 +2.9%、営業利益18.5億円 +11.9%、利益率11.5%)は全社営業利益の74.5%を占める最大の稼ぎ頭で、増収増益を達成し利益率も前年10.6%から0.9pt改善。レンタル事業(売上179.4億円 +0.5%、営業利益14.8億円 -4.4%、利益率8.3%)は微増収だが営業利益は減益、利益率は前年8.7%から0.4pt低下。建築コンサルティング事業(売上49.3億円 -8.4%、営業利益0.9億円 -77.1%、利益率1.9%)は減収に伴い営業利益が大幅減益、利益率は前年7.4%から5.5pt悪化。住宅事業(売上116.9億円 -12.6%、営業利益2.8億円 -30.5%、利益率2.4%)は減収減益で利益率は前年3.0%から0.6pt低下。美容・健康事業(売上66.9億円 +2.9%、営業利益2.5億円 -26.3%、利益率3.7%)は増収減益で利益率は前年5.2%から1.5pt悪化。その他(売上19.3億円 +51.0%、営業損失2.3億円)は大幅増収だが赤字が拡大し、前年0.27億円の赤字から2.31億円の赤字へ悪化(減損損失0.57億円を計上)。セグメント間でマージンのばらつきが大きく、高利益率のクリクラが全社を牽引する一方、建築コンサル・住宅の低採算化とその他の赤字が全社マージンを希薄化。
【収益性】営業利益率4.2%(前年5.0%、-0.8pt)、純利益率1.5%(前年2.7%、-1.2pt)、粗利率48.2%(前年47.1%、+1.1pt)で、粗利率は改善したが販管費率44.0%(前年42.0%、+2.0pt)の上昇により営業段階で圧迫された。ROE3.7%(前年6.1%)は純利益の減少により低下、自己資本比率59.5%(前年58.6%、+0.9pt)と財務健全性は維持。【キャッシュ品質】営業CF13.5億円は純利益8.6億円の1.57倍、減価償却費8.9億円を加えたEBITDA33.7億円に対し営業CF/EBITDA0.40倍と低水準で、在庫増加9.2億円、契約負債減少2.4億円、前受減少3.4億円など運転資本の吸収が主因。フリーCF9.0億円(営業CF13.5億円-設備投資3.6億円)は黒字だが、配当9.2億円のカバーは0.98倍と僅少。【投資効率】設備投資3.6億円は減価償却費8.9億円の0.41倍と抑制的。【財務健全性】流動比率210%、当座比率181%と厚く、有利子負債52.4億円(短期負債41.5億円、長期負債26.0億円、リース負債5.4億円控除後)に対しEBITDA33.7億円でDebt/EBITDA1.57倍、インタレストカバレッジ41.7倍(EBITDA33.7億円/支払利息0.8億円)と保守的。
営業CF13.5億円(前年41.4億円、-67.5%)は、税引前利益24.4億円に減価償却費8.9億円、のれん償却1.6億円等の非現金費用を加算し、営業CF小計23.3億円を計上。運転資本変動では棚卸資産の増加-9.2億円(仕掛在庫+13.6億円等)、売上債権の増加-2.3億円、仕入債務の増加1.8億円、契約負債の減少-2.4億円、建設前受金の減少-3.4億円が主な減少要因。法人税等の支払9.7億円控除後、営業CF13.5億円。投資CF-4.5億円は設備投資-3.6億円、無形資産投資-1.5億円、投資有価証券売却による収入1.1億円等で構成。財務CF-10.0億円は自社株買い-8.2億円、配当金支払-9.2億円、長期借入による収入16.0億円、長期借入金返済-15.5億円、短期借入金純減-4.9億円等。フリーCF9.0億円は配当9.2億円のカバーが0.98倍と僅少で、自社株買いを含む総還元17.4億円(配当+自社株買い)は内部創出を上回る。現金及び預金は前年85.9億円から84.8億円へ1.1億円減少。
経常利益24.9億円は本業中心で、営業外収益2.4億円(営業外収益比率0.4%)のうち受取配当金0.2億円、投資事業組合運用益0.1億円など。営業外費用2.3億円は支払利息0.8億円、為替差損0.2億円等で、営業外収支純額は0.1億円と中立的。特別損益は純額-0.4億円(特別利益1.7億円-特別損失2.1億円)で、前年の-6.3億円(特別利益0.1億円-特別損失6.3億円)から大幅縮小。特別利益は投資有価証券売却益0.7億円、特別損失は減損損失0.6億円と投資有価証券評価損0.5億円が主。経常利益24.9億円に対し純利益8.6億円(-65%)とギャップが大きく、税負担8.1億円と特別損失の影響。包括利益16.0億円は純利益8.6億円を上回り、その他有価証券評価差額金-0.2億円、為替換算調整-0.1億円、繰延ヘッジ損益-0.0億円が影響。営業CF13.5億円/EBITDA33.7億円=0.40倍と転換率は低く、在庫・前受の変動影響が顕著。JGAAPのれん償却1.6億円(EBITDA比4.8%)は利益を若干抑制するが歪曲は軽微。
通期予想は売上高635.0億円(前年比+7.8%)、営業利益28.0億円(+12.7%)、経常利益28.0億円(+12.6%)、純利益9.0億円(+4.2%)。当期実績(売上589.2億円、営業利益24.8億円)に対し、売上+45.8億円、営業利益+3.2億円の上積みが必要。増収の前提は、建築コンサル・住宅の回復とクリクラ・レンタルの安定成長。営業利益の改善(営業利益率4.2%→4.4%へ0.2pt改善想定)は、販管費率の抑制とその他セグメント赤字の縮小が鍵。純利益9.0億円は当期実績8.6億円とほぼ同水準で、EPS予想40.67円(当期39.03円)と1株利益ベースでは微増。配当予想5円(年間)は配当性向69.1%と高水準だが、来期予想ベースでは配当性向12.3%(予想配当5円/予想EPS40.67円×平均株式数41.8百万株≒年間配当総額2.09億円/予想純利益17億円≒12.3%)と大幅に低下する見込み。ガイダンス達成には、クリクラ・レンタルの増収維持、建築コンサルの利益率回復、その他赤字の大幅縮小が前提。
配当は期末配当17円、中間配当5円の年間22円で、前年年間5円から大幅増配(前年比+340%)。配当性向69.1%(年間配当22円/EPS31.82円×前年株式数)は高水準だが、当期EPSは39.03円に増加しており、配当性向は実質56.4%(22円/39.03円)。自社株買い8.2億円を含む総還元性向は(配当9.2億円+自社株買い8.2億円)/純利益8.6億円≒202%と極めて高水準で、内部資金のみでは賄えず、フリーCF9.0億円からの充当でも不足気味。配当持続性は現預金84.8億円と営業CFの回復次第だが、当期の運転資本吸収が一時的要因であれば、来期以降の営業CF改善により配当は維持可能。総還元性向の高さは株主還元重視の姿勢を示すが、継続には営業CF/EBITDA比率の改善と運転資本の正常化が必要。
販管費率上昇リスク: 販管費259.0億円(前年比+3.0%)が売上減少(-1.5%)と逆行して増加し、販管費率は44.0%(前年42.0%、+2.0pt)へ上昇。全社費用12.3億円の増加と、低採算セグメント(建築コンサル・住宅・その他)のミックス悪化が主因。販管費率の高止まりは営業レバレッジを悪化させ、ROE改善の制約要因。
運転資本管理リスク: 棚卸資産増加9.2億円(特に仕掛在庫+13.6億円)、契約負債減少2.4億円、建設前受金減少3.4億円が営業CFを圧迫。在庫回転の低下と前受減少は需要変動または案件進捗の遅延を示唆し、キャッシュ転換率(営業CF/EBITDA 0.40倍)の低下要因。運転資本の正常化遅延は配当原資と投資余力を制約。
セグメント収益性格差リスク: クリクラ(利益率11.5%)とレンタル(8.3%)が主力だが、建築コンサル(1.9%)、住宅(2.4%)、美容・健康(3.7%)は低採算で、その他は赤字(-12.0%)。建築・住宅の減収(-8.4%、-12.6%)とその他の赤字拡大(-2.31億円、前年比▲9.6倍)が全社マージンを希薄化。セグメント間の収益性格差が拡大する場合、全社ROEの改善は困難。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 4.2% | 8.1% (3.6%–16.0%) | -3.9pt |
| 純利益率 | 1.5% | 5.8% (1.2%–11.6%) | -4.4pt |
営業利益率4.2%は業種中央値8.1%を3.9pt下回り、純利益率1.5%も中央値5.8%を4.4pt下回る。収益性は業種内で下位に位置し、販管費率の高さ(44.0%)が主因。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -1.5% | 10.1% (1.7%–20.2%) | -11.6pt |
売上成長率-1.5%は業種中央値+10.1%を11.6pt下回り、減収は業種内で顕著な劣後。建築コンサル・住宅の減速が主因で、主力のクリクラ・レンタルの微増では補えず。
※出所: 当社集計
クリクラ事業の収益貢献と成長持続性: 営業利益18.5億円(全社の74.5%)で利益率11.5%とセグメント内最高。増収増益(売上+2.9%、利益+11.9%)を達成し、全社業績の下支え役。来期ガイダンスの達成にはクリクラの安定成長が前提で、新規顧客獲得と既存顧客維持の進捗が注目点。顧客関連資産1.92億円(クリクラ事業)の積み上げは将来収益の蓄積を示唆。
運転資本の正常化とキャッシュ創出力の回復: 営業CF13.5億円は前年41.4億円から67.5%減少、営業CF/EBITDA 0.40倍と低水準。主因は在庫増加9.2億円(仕掛+13.6億円)、契約負債減少2.4億円、建設前受減少3.4億円で、需要変動または案件進捗の遅延を示唆。来期以降の在庫回転改善と前受金の回復は、配当持続性(配当性向69.1%と高水準)と投資余力に直結。運転資本管理の進捗が今後の財務柔軟性を左右する。
セグメントミックスの改善余地: 建築コンサル(利益率1.9%、-77.1%減益)、住宅(利益率2.4%、-30.5%減益)、その他(-12.0%赤字)の低採算セグメントが全社マージンを希薄化。その他セグメントの赤字は0.27億円から2.31億円へ拡大(減損0.57億円含む)し、全社販管費率は44.0%(+2.0pt)へ上昇。来期ガイダンス(営業利益+12.7%)達成には、その他赤字の大幅縮小と建築コンサルの利益率回復が不可欠。セグメント別の収益改善策(コスト削減・撤退検討)の実行が業種平均マージンへの回帰の鍵。
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