| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥170.1億 | ¥181.0億 | -6.0% |
| 営業利益 | ¥19.6億 | ¥19.4億 | +1.5% |
| 経常利益 | ¥21.4億 | ¥20.0億 | +7.2% |
| 純利益 | ¥14.2億 | ¥12.8億 | +10.4% |
| ROE | 9.6% | 9.7% | - |
2026年5月期決算は、売上高170.1億円(前年比-10.9億円 -6.0%)と減収となったが、営業利益19.6億円(同+0.2億円 +1.5%)、経常利益21.4億円(同+1.4億円 +7.2%)、純利益14.2億円(同+1.4億円 +10.4%)と増益基調を維持した。減収下でも粗利率が31.7%から34.2%へ2.5pt改善し、売上原価率が65.8%に低下、販管費率は22.7%へ微増に留まったことで営業利益率は10.7%から11.6%へ0.9pt改善した。営業外収支は受取配当金0.6億円等で2.1億円の純流入となり、経常段階で一段の利益上振れを実現、税負担後の純利益率は8.3%と前年7.1%から1.2pt向上した。営業キャッシュフローは20.6億円(前年-5.1億円から大幅改善、前年比+504.9%)、フリーキャッシュフローは19.8億円と純利益14.2億円の1.39倍を確保、財務健全性とキャッシュ創出力を両立した決算内容となった。
【売上高】売上高は170.1億円(前年181.0億円、-6.0%)と減収。当社は地理空間情報・環境・まちづくり・設計・事業ソリューションを総合的に展開する単一セグメント事業であり、国内公共案件を中心とする受注・検収のタイミング依存により売上は変動する。本期は前期と比較して案件進捗や検収時期のずれが影響したと推察される。売上原価は111.9億円(前年123.6億円、-9.4%)と売上減少率(-6.0%)を上回って縮小し、案件ミックスの改善とコスト効率化が進展したことが粗利率34.2%(前年31.7%、+2.5pt)の改善につながった。
【損益】売上総利益は58.2億円(前年57.4億円、+1.4%)と増収下で拡大、これが営業増益の基盤となった。販管費は38.6億円(前年38.0億円、+1.3%)と抑制的な伸びに留まり、販管費率は22.7%(前年21.0%、+1.7pt)とやや上昇したものの、粗利率改善の効果が上回り営業利益19.6億円(前年19.4億円、+1.5%)を確保した。営業利益率は11.6%(前年10.7%、+0.9pt)へ改善し、二桁台を維持した。営業外収支は受取配当金0.6億円、受取利息0.0億円を含む営業外収益2.1億円に対し、営業外費用は支払利息0.3億円を含む0.3億円に留まり、純額で1.8億円のプラス寄与(前年0.6億円)となった。結果、経常利益21.4億円(前年20.0億円、+7.2%)と営業段階を上回る増益を達成した。特別損益は特別利益0.0億円(固定資産売却益等)、特別損失0.0億円(固定資産除却損等)といずれも軽微で、経常利益=税引前利益21.4億円(前年20.0億円)となった。法人税等は6.7億円(実効税率31.4%)を計上し、純利益14.2億円(前年12.8億円、+10.4%)、純利益率8.3%(前年7.1%、+1.2pt)と収益性の高まりを示した。包括利益は23.5億円(前年12.8億円、+83.9%)と大幅増、退職給付に係る調整額8.9億円のプラス計上が寄与した。以上、減収下でも粗利改善とコスト抑制により増収増益を実現した決算となった。
【収益性】営業利益率は11.6%(前年10.7%、+0.9pt)、純利益率は8.3%(前年7.1%、+1.2pt)と向上し、粗利率34.2%(前年31.7%、+2.5pt)が主導した。ROEは9.6%(前年10.7%、財務データからは純利益14.2億円÷自己資本147.4億円で約9.6%と算出、前年12.8億円÷131.7億円で約9.7%からほぼ横ばい)で良好レンジを維持した。ROA(経常利益ベース)は11.1%(前年11.1%)と安定推移し、資産効率は高位を保った。EBITは19.6億円、EBITマージン11.6%と営業段階の収益力は改善基調にある。【キャッシュ品質】営業CF20.6億円は純利益14.2億円の1.45倍、営業CF/EBITDA(減価償却費2.1億円を加算した概算EBITDA約21.7億円に対し)は0.95倍、アクルーアル比率は(純利益14.2億円-営業CF20.6億円)÷総資産207.2億円=-3.1%とマイナスで、利益の現金裏付けは良好である。前年は営業CF-5.1億円と大幅マイナスであったが、本期は運転資本の改善(前受金の増加や税金支払いタイミング等)により大幅に改善した。【投資効率】総資産回転率は0.82回(売上高170.1億円÷総資産207.2億円)と前年0.84回から微減、売掛金76.2億円が高水準で滞留しており回収サイト長期化が課題である。設備投資は2.5億円、減価償却費2.1億円に対し1.2倍と資産維持〜選択的成長レンジにある。【財務健全性】自己資本比率は71.2%(前年71.0%)と高位安定、有利子負債は限定的で実質無借金経営に近い。流動比率は267.5%(流動資産106.2億円÷流動負債39.7億円)、当座比率は267.5%と極めて高水準で短期支払能力に懸念はない。インタレストカバレッジは営業CF20.6億円÷支払利息0.3億円=約64倍と金利負担は軽微であり、財務余力は十分である。
営業キャッシュフローは20.6億円(前年-5.1億円)と大幅改善、前年比+504.9%の増加となった。営業CF小計(税金等調整前CF)は25.0億円(前年0.5億円)で、減価償却費2.1億円、引当金の増加0.5億円、退職給付に係る資産の増加-17.5億円等を含む。運転資本では、売上債権の増加-0.7億円、棚卸資産の減少+0.4億円、仕入債務の減少-1.4億円、前受金等の増加+4.0億円がネットで流入に寄与した。法人税等の支払-4.7億円を差し引いた結果、営業CF20.6億円を確保した。前年は売上債権の大幅増加-13.5億円や前受金の減少-8.4億円が重石となり営業CFがマイナスであったが、本期は逆回転により大幅に改善した。投資キャッシュフローは-0.9億円で、設備投資-2.5億円、無形固定資産取得-0.1億円に対し、有形固定資産売却+0.0億円等で相殺し小幅の支出に留まった。フリーキャッシュフローは19.8億円(営業CF20.6億円+投資CF-0.9億円)と潤沢で、純利益14.2億円の1.39倍に相当する。財務キャッシュフローは-8.6億円で、配当金支払-6.8億円、自社株買い-1.7億円を実施し、調達面では自己株式処分+0.0億円のみで実質還元に専念した。結果、現金及び預金は28.1億円へ+11.2億円(前年16.9億円、+66.5%)増加し、手元流動性は厚みを増した。営業CF/純利益比率1.45倍、OCF/EBITDA約0.95倍、アクルーアル比率-3.1%と三指標が良好で収益の質は高いが、売掛金残高76.2億円と高水準で回収サイト長期化(DSO約163日相当)は構造的課題として残る。前受金の増加は営業CFを押し上げているが、翌期以降の売上計上に伴い反動が生じる可能性があり、運転資本の持続的な改善が今後の焦点となる。
経常利益21.4億円と純利益14.2億円の差は法人税等6.7億円(実効税率31.4%)が主因で、営業外収支や特別損益は極めて限定的である。営業外収益2.1億円のうち受取配当金0.6億円、受取利息0.0億円と経常的収入が中心、営業外費用0.3億円も支払利息0.3億円が主体で一時的要因は見られない。特別損益は特別利益0.0億円(固定資産売却益等)、特別損失0.0億円(固定資産除却損等)といずれも軽微で、経常性の高い収益構造を示している。包括利益23.5億円は純利益14.2億円を大きく上回るが、これは退職給付に係る調整額8.9億円のプラス計上(年金資産の再測定益)によるもので、純資産の部のその他包括利益累計額に反映され一時的な評価益である。営業キャッシュフロー20.6億円が純利益14.2億円を上回り、アクルーアル比率-3.1%と健全域にあることから、利益の現金裏付けは良好である。ただし前年は営業CF-5.1億円と大幅マイナスであり、本期のCF改善は前受金の増加や税金支払いタイミング等の運転資本変動が大きく寄与しており、持続性については翌期以降の推移を要監視する。総じて、経常利益ベースの収益性は高く、一時的・非経常的要因は極めて限定的で、収益の質は良好と評価できる。
通期業績予想は売上高175.0億円、営業利益20.5億円、経常利益21.0億円、純利益14.5億円(EPS予想91.64円)、配当予想22.00円としている。実績は売上高170.1億円(達成率97.2%)、営業利益19.6億円(95.6%)と売上・営業段階でやや未達だが、経常利益21.4億円(102.0%)、純利益14.2億円(97.9%、ただし予想EPS91.64円に対し実績EPS92.41円で超過)と営業外収支と税効果で予想並みを確保した。売上未達の背景は、公共案件の検収タイミングや進捗のずれと推察され、一部案件は翌期への持ち越しと見られる。会社予想に対し、営業利益は-0.9億円未達だが、営業外収益の上振れで経常利益は+0.4億円超過、純利益は配当平均株式数の減少効果もありEPSベースでは予想を上回った。今後の見通しについて、会社側は「将来に関する記述は現在入手している情報及び合理的な前提に基づく」としており、公共投資動向や案件ミックスに依拠するため、短期的な変動余地は残る。ただし粗利率改善とコスト抑制の効果が定着すれば、翌期以降も利益率の高位維持は可能と見込まれる。
年間配当は44円(中間配当21円、期末配当23円)で、前年20円から大幅増配となった。配当性向は50.2%(配当44円÷EPS92.41円)で、安定配当を志向する水準にある。フリーキャッシュフロー19.8億円に対し配当総額は6.8億円で、FCFカバレッジは2.91倍と持続可能性は十分である。自社株買いは1.7億円を実施しており、配当6.8億円と合計した総還元は8.5億円、総還元性向は59.9%(総還元8.5億円÷純利益14.2億円)となる。総還元もFCF19.8億円の範囲内で実施され、財務健全性を損なわずに株主還元を強化している。配当性向50%台、総還元性向60%弱は業界平均並みであり、今後は利益成長と現金創出力の継続により増配余地は十分にある。自己資本比率71.2%、現預金28.1億円と財務余力は厚く、減配リスクは低位と見られる。
売掛金回収長期化リスク: 売掛金76.2億円(売上高170.1億円に対し約163日相当のDSO)と高水準で滞留しており、回収サイトの長期化は運転資本を圧迫する。公共案件特有の支払いサイクルや検収条件に起因すると見られるが、大口債権の延滞や貸倒が発生すれば資金繰りと損益に影響を及ぼす。前年も売掛金75.5億円と同水準で推移しており、構造的な改善が課題である。
前受金変動による営業CF変動リスク: 営業CF20.6億円の大幅改善には前受金の増加(前受金等で約4.0億円相当の流入効果)が寄与しているが、前受金は将来売上の前倒し入金であり、翌期以降に売上計上されれば前受金は減少し営業CFは反動減となる。前年は前受金の減少で営業CFがマイナスに転じた経緯があり、運転資本の変動が大きく、期ごとのキャッシュフローの振れが大きい。
公共投資依存と案件集中リスク: 単一事業で国内公共関連案件が主体のため、政府・自治体の予算執行動向や大型案件の受注・検収時期に業績が大きく依存する。本期は売上-6.0%と減収となったが、案件進捗のずれが主因と見られ、受注残や契約負債の開示がないため将来の売上見通しの予見性が限られる。大口案件の受注失注や検収遅延は売上・利益の変動を招き、期間業績の平準化が課題である。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 11.6% | 8.1% (3.6%–16.0%) | +3.5pt |
| 純利益率 | 8.3% | 5.8% (1.2%–11.6%) | +2.5pt |
収益性は業種中央値を上回り、営業利益率・純利益率ともに上位水準にあり、コスト管理と粗利率改善の成果が業界内で優位に立っている。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -6.0% | 10.1% (1.7%–20.2%) | -16.1pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、公共案件の検収タイミングや受注環境の影響で減収となった点が業界内で劣後しており、成長率回復が今後の課題である。
※出所: 当社集計
粗利率改善と営業利益率二桁維持の持続性: 粗利率は31.7%から34.2%へ2.5pt改善し、営業利益率11.6%と二桁を維持した。案件ミックスの高付加価値化とコスト効率化が奏功しており、この傾向が継続すれば翌期以降もROE10%前後の水準を維持し、安定配当の原資となる。今後は販管費の伸び抑制と粗利率の維持が焦点となる。
営業CFの大幅改善と運転資本変動の持続性: 営業CFは前年-5.1億円から20.6億円へ大幅改善したが、前受金の増加や税金支払いタイミング等の運転資本変動が主因であり、翌期以降の反動に注意が必要である。売掛金76.2億円の高水準滞留(DSO約163日)は構造的課題であり、回収サイト短縮と運転資本の改善が進めば、FCFの安定的な創出と株主還元の持続可能性が高まる。
自己資本比率71.2%と現預金28.1億円の財務余力: 有利子負債は極めて限定的で実質無借金経営に近く、インタレストカバレッジ64倍と金利負担は軽微である。この財務健全性は景気変動時の耐性と選択的投資余地を担保しており、M&Aや設備増強など成長投資の実行余地がある。配当性向50.2%、総還元性向59.9%と株主還元も健全レンジにあり、今後も安定配当と自社株買いの継続が見込まれる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。