| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1376.9億 | ¥1330.7億 | +3.5% |
| 営業利益 | ¥199.0億 | ¥188.3億 | +5.7% |
| 経常利益 | ¥201.0億 | ¥189.1億 | +6.3% |
| 純利益 | ¥150.5億 | ¥127.4億 | +18.1% |
| ROE | 30.9% | 26.1% | - |
2026年3月期通期決算は、売上高1,376.9億円(前年比+46.2億円 +3.5%)、営業利益199.0億円(同+10.7億円 +5.7%)、経常利益201.0億円(同+11.9億円 +6.3%)、純利益150.5億円(同+23.1億円 +18.1%)となった。主力のエンジニア派遣事業が堅調に推移し、販管費効率化(販管費率11.9%、前年比-95bp)により営業利益率は14.5%へ+30bp改善した。純利益は固定資産売却益6.4億円の寄与もあり二桁増益を達成した。売上は3期連続増収基調を維持し、収益性・資本効率ともに高水準を保っている。
【売上高】主力のエンジニア派遣事業(TemporaryStaffing)が売上高1,363.7億円(前年比+3.6%)と全体の99.0%を占め、トップラインを牽引した。稼働率の維持と請求単価の底堅さが増収に寄与した。一方、エンジニア紹介事業(Recruiting Placement)は売上高13.2億円(同-9.9%)と調整局面にあるが、全社売上への影響は軽微である。
【損益】売上総利益は362.9億円(粗利率26.4%、前年27.0%から-66bp)とやや低下したが、販管費の抑制(163.9億円、販管費率11.9%、前年12.9%から-95bp)が奏功し、営業利益は199.0億円(営業利益率14.5%、+30bp)へ改善した。セグメント別では派遣事業の営業利益が196.9億円(利益率14.4%、前年比+7.5%)と高い収益性を維持している。経常利益は201.0億円で、営業外収益2.1億円(受取利息1.1億円等)と営業外費用0.1億円の差引がわずかに寄与した。特別損益では固定資産売却益6.4億円を計上する一方、減損損失0.8億円等を計上し、純額5.4億円のプラス寄与があった。税引前利益は206.4億円、法人税等55.8億円(実効税率27.0%)を控除し、純利益150.5億円(純利益率10.9%、前年9.6%から+135bp)に着地した。結論として、増収増益の決算であり、販管費効率化と一時的な固定資産売却益が増益率を高めた。
エンジニア派遣事業は売上高1,363.7億円(前年比+3.6%)、営業利益196.9億円(同+7.5%)、利益率14.4%と高収益を維持した。売上増を上回る利益増は、稼働管理と間接費効率化の成果を反映している。エンジニア紹介事業は売上高13.2億円(前年比-9.9%)、営業利益4.7億円(同-17.6%)、利益率35.5%と依然高いものの、市況調整により減収減益となった。同事業の全社営業利益寄与は2.4%と限定的であり、派遣事業が収益構造の中核を担う。
【収益性】営業利益率は14.5%で前年比+30bp改善し、粗利率26.4%の軟化を販管費率の95bp削減でカバーした。純利益率は10.9%(前年9.6%から+135bp)へ大幅に改善したが、固定資産売却益の一時的寄与を含む点に留意が必要である。ROEは30.9%と極めて高く、純利益率10.9%×総資産回転率1.53倍×財務レバレッジ1.84倍の積で説明できる。直近の改善寄与は主に純利益率の拡大による。【キャッシュ品質】営業CF対純利益比率は1.01倍と良好で、現金創出力は健全である。減価償却費2.8億円に対し設備投資は0.1億円と軽微で、アセットライト型のビジネスモデルを反映している。【投資効率】総資産回転率は1.53倍と高く、人材集約型ビジネスにおける資産効率の高さを示す。無形固定資産は1.4億円(総資産比0.2%)と極小で、のれん関連リスクは限定的である。【財務健全性】自己資本比率は54.3%(前年52.1%から+2.2pt)へ上昇し、流動比率は296.8%、当座比率も296.8%と極めて健全である。現金・預金528.4億円は流動負債245.4億円の2.2倍に相当し、満期ミスマッチリスクは低い。退職給付負債165.0億円は固定負債に計上されているが、潤沢な流動資産がバッファーとなる。負債資本倍率は0.84倍で、財務安全性は高水準にある。
営業CFは152.5億円(前年比+13.4%)と堅調に推移し、純利益150.5億円に対する比率は1.01倍と概ね良好である。運転資本変動前の営業CF小計は208.0億円で、減価償却費2.8億円や受取利息1.1億円を含む営業活動のコア収益を反映している。一方、売上債権の増加-4.0億円、法人税等の支払-65.0億円が現金流出要因となった。投資CFは0.1億円の流入で、固定資産売却収入8.3億円を計上する一方、設備投資は0.1億円と極めて限定的であった。財務CFは-154.3億円の流出で、配当金支払-154.3億円が主因である。フリーCFは152.7億円(営業CF+投資CF)と潤沢で、配当支払を概ね賄う水準にある。現金・預金は期首530.1億円から期末528.4億円へ-1.7億円の微減にとどまり、依然として強固な流動性を維持している。OCF対EBITDA比率は約0.76倍とやや弱いが、これは固定資産売却益の非現金性調整や仮受消費税等の減少(支払)の影響が大きく、コアの現金創出力は健全と評価できる。
営業利益199.0億円に対し経常利益は201.0億円と差は軽微で、コアの稼ぐ力が利益の大部分を占める。営業外収益は2.1億円(受取利息1.1億円等)と限定的であり、本業外依存度は低い。特別損益では固定資産売却益6.4億円が計上され、純利益を押し上げたが、これは一時的要因である。包括利益154.3億円と純利益150.5億円の差は3.8億円で、退職給付に係る調整額によるものである。営業CFと純利益の比率は1.01倍とほぼ一致しており、会計上の利益が現金創出に裏付けられている。ただし、固定資産売却益やOCF対EBITDA比率の低下は収益の質に一時的な変動要素を含むことを示唆しており、次期以降は本業利益の持続性に焦点が移る。
2027年3月期の業績予想は、売上高1,408.0億円(前年比+2.3%)、営業利益205.0億円(同+3.0%)、経常利益207.0億円(同+3.0%)、純利益139.0億円(同-7.6%)である。売上・営業利益は微増を見込むが、純利益は当期の固定資産売却益6.4億円の剥落により減益予想となっている。通期進捗率は売上高97.8%、営業利益97.1%、経常利益97.1%と概ね計画に沿って進捗している。会社予想のEPSは180.04円で、配当予想は85.00円(配当性向約47.2%)と前年の196円から大幅に減配となるが、これは前期の創業50周年記念配当30円を含む特殊要因を正常化したものである。純利益の減益は一時益剥落によるものであり、営業利益ベースでは成長基調を維持する計画である。
当期の年間配当は196円(中間配当90円、期末配当106円)で、配当性向は101.6%と極めて高水準であった。この背景には創業50周年記念配当30円が含まれており、普通配当は166円である。当期の配当総額は154.4億円で、フリーCF152.7億円とほぼ均衡しており、現金創出によりカバーされた。次期の配当予想は85円で、配当性向は約47.2%へ正常化する見込みである。現金・預金528.4億円を背景に配当支払能力は十分に高いが、次期以降は普通配当の累進性や総還元性向の方針が注目される。なお、自社株買いは実施されておらず、株主還元は配当に集中している。
需要変動リスク: エンジニア派遣事業が売上の99%を占め、景気後退局面での派遣需要減少や稼働率低下が収益を直撃するリスクがある。主要顧客の設備投資サイクルや業種別需要動向に業績が左右される構造である。
人件費インフレと粗利率圧迫: 当期の粗利率は26.4%へ-66bp低下しており、エンジニア採用難や人件費上昇が請求単価への転嫁を上回る場合、収益性が圧迫される。販管費効率化で補ったが、持続性には不確実性がある。
退職給付債務の増加リスク: 退職給付負債165.0億円(純資産比33.8%)が積み上がっており、割引率低下や給付水準引き上げにより追加負担が発生するリスクがある。包括利益では退職給付調整額3.8億円が計上されており、年金財政の変動が株主資本を変動させる可能性がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 14.5% | 8.1% (3.6%–16.0%) | +6.4pt |
| 純利益率 | 10.9% | 5.8% (1.2%–11.6%) | +5.1pt |
収益性は業種中央値を大幅に上回り、営業利益率・純利益率ともに上位25%レンジに位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 3.5% | 10.1% (1.7%–20.2%) | -6.6pt |
売上高成長率は業種中央値を下回り、成長ペースは保守的である。
※出所: 当社集計
営業利益率14.5%と高い収益性、ROE30.9%と資本効率の高さが際立つ。販管費効率化により粗利率の軟化を吸収し、営業利益は+5.7%増と底堅く推移した。今後も稼働率と請求単価の維持が利益率の鍵となる。
現金・預金528.4億円、流動比率296.8%と財務基盤は極めて強固である。次期は配当を85円へ正常化し配当性向約47%と持続可能な水準へ回帰する見込みで、今後は累進配当や総還元性向の方針が株主還元の焦点となる。
当期純利益には固定資産売却益6.4億円が寄与しており、次期は一時益剥落により純利益-7.6%減を見込む。営業利益ベースでは+3.0%増と成長基調を維持する計画であり、本業の稼ぐ力の持続性がモニタリング項目である。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。