| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥787.5億 | ¥714.2億 | +10.3% |
| 営業利益 | ¥45.0億 | ¥43.3億 | +3.9% |
| 経常利益 | ¥47.0億 | ¥45.7億 | +3.0% |
| 純利益 | ¥17.0億 | ¥26.8億 | -36.4% |
| ROE | 3.9% | 6.4% | - |
2026年2月期通期は売上高787.5億円(前年比+73.3億円 +10.3%)、営業利益45.0億円(同+1.7億円 +3.9%)、経常利益47.0億円(同+1.3億円 +3.0%)、純利益17.0億円(同-9.8億円 -36.4%)と、増収ながら最終減益となった。売上は主力のセキュリティ事業がJR東日本向け大型案件増と子会社取り込みにより2桁成長を達成。一方、人件費・原価上昇により粗利率は21.6%と前年から0.5pt低下し、営業利益率は5.7%(前年6.1%)へ縮小。特別損益では投資有価証券売却益11.0億円を計上する一方、減損損失8.2億円を計上し一時的要因が錯綜。実効税率38.2%(前年32.4%)の上昇も加わり純利益率は2.2%(前年3.7%)へ1.5pt悪化した。ROEは3.9%(前年5.4%)と低水準にとどまり、収益性改善が課題となる。
【売上高】売上高787.5億円(+10.3%)はセキュリティ事業が牽引。同セグメントは売上768.3億円(+10.3%)と前年比+73.2億円増加し、全社売上の97.6%を占める。主要顧客JR東日本向けは105.5億円(前年99.6億円)と約5.9億円増加し、常駐警備・機械警備の案件拡大と企業結合による子会社売上の取り込みが寄与。ビル管理・不動産事業は売上25.7億円(+9.2%)と小幅増だが売上構成比は3.3%にとどまる。地域別売上は本邦に集中し、海外売上は開示なし。粗利率は21.6%(前年22.0%)と0.5pt低下し、売上成長に対し売上原価が+62.1億円(+11.2%)と増収率を上回る伸びを示した。人件費関連(給料手当45.3億円)および資機材コスト上昇が背景。
【損益】売上総利益169.7億円(+12.2億円 +7.8%)に対し販管費は124.7億円(+10.7億円 +9.4%)にとどまり、販管費率は15.8%(前年16.0%)へ0.2pt改善。販管費内訳は給料手当45.3億円(前年43.5億円)、減価償却費6.2億円、賃借料7.4億円、のれん償却2.0億円(前年0.9億円)など。のれん償却増は期中のM&A(日本連合株式会社の取得)に伴う増加。営業利益は45.0億円(+3.9%)で営業利益率5.7%(前年6.1%)と0.3pt低下。営業外収益3.4億円(受取配当金1.3億円、保険収入1.2億円等)と営業外費用1.4億円(支払利息0.7億円等)により経常利益47.0億円(+3.0%)を確保。特別利益では投資有価証券売却益11.0億円、固定資産売却益2.4億円を計上する一方、特別損失は減損損失8.2億円(セキュリティ事業の資産)、固定資産除売却損0.4億円など計14.0億円を計上。税引前利益46.4億円(前年51.8億円 -10.4%)に対し法人税等17.7億円(実効税率38.2%)を負担し、非支配株主帰属利益3.7億円控除後の親会社帰属純利益は25.0億円(前年32.3億円 -22.5%)となった。結論として、増収を達成したものの粗利率低下と一時損失・高税負担により最終減益となった増収減益の決算である。
セキュリティ事業は売上768.3億円(+10.3%)、営業利益41.7億円(+5.2%)で営業利益率5.4%(前年5.7%)。利益率は0.3pt低下し、人件費・原価増が売上成長に対する利益寄与を抑制。ビル管理・不動産事業は売上25.7億円(+9.2%)、営業利益3.3億円(-12.1%)で営業利益率12.7%(前年15.7%)。利益率は3.0pt悪化したが、絶対額の縮小は3,779万円にとどまり、小規模ながら高マージン事業として収益を補完。セグメント間売上高はセキュリティ0.5億円、ビル管理6.1億円で消去されており、内部取引が限定的。減損損失8.2億円はすべてセキュリティ事業に帰属し、固定資産の収益性見直しが要因。のれん償却2.0億円増(前年0.9億円)とのれん残高8.7億円の増加はM&Aに伴うもので、期中にのれん減損0.8億円も計上されている。今後の統合進展とシナジー創出が利益率回復の鍵となる。
【収益性】営業利益率5.7%、純利益率2.2%(親会社帰属ベース3.2%)、ROE3.9%と収益性は低水準。ROEは純利益率3.2%×総資産回転率1.10×財務レバレッジ1.62倍の構成で、純利益率低下が最大の下押し要因。EBITDA74.6億円(営業利益45.0億円+減価償却等29.7億円)でEBITDAマージン9.5%(前年約9.9%)と小幅低下。ROA(経常利益ベース)6.6%は前年7.2%から0.6pt後退。【キャッシュ品質】営業CF55.8億円は純利益17.0億円の3.3倍、親会社純利益25.0億円の2.2倍と高水準。OCF/EBITDA比率0.75倍は基準(0.9倍以上)を下回り、運転資本吸収(売上債権-13.8億円、棚卸-5.8億円、仕入債務-3.1億円)が影響。FCFは4.0億円と限定的で、設備投資40.1億円・無形投資12.3億円の大型投資が負担。【投資効率】総資産回転率1.10回(前年1.12回)と微減。運転資本回転日数は売上債権回転9日、棚卸回転10.6日、買掛回転11.2日でキャッシュコンバージョンサイクルは8.4日と短期。【財務健全性】自己資本比率61.6%(前年66.2%)、Debt/Equity比率0.08倍、ネットDebt/EBITDA 0.01倍と実質無借金経営。流動比率182.7%、当座比率182.7%、現預金166.4億円(短期負債の76.9%カバー)で流動性は極めて強固。インタレストカバレッジ62倍で支払能力は盤石。
営業CFは55.8億円(前年29.4億円 +90.0%)と大幅増加し、純利益17.0億円の3.3倍の現金を創出した。小計(税引前利益調整後)74.2億円から運転資本変動-18.4億円(売上債権増-13.8億円、棚卸増-5.8億円、仕入債務減-3.1億円、未払費用増7.5億円)を控除し、法人税等支払-14.5億円を経てOCFに至る。運転資本の吸収は増収に伴う自然増と解釈でき、恣意的操作の兆候は見られない。投資CFは-51.9億円(前年-29.0億円)で、有形固定資産取得-40.1億円(土地・建物・リース資産等)と無形資産取得-12.3億円(ソフトウェア等)が主体。M&A関連支出(子会社株式取得-9.3億円、事業譲受-8.1億円)も加わり投資先行の様相。投資有価証券売却益11.9億円が流入しプラス寄与。FCFは4.0億円にとどまり、配当支払-8.7億円と自社株買い-13.3億円の総還元-22.0億円はFCFを大幅に超過するが、豊富な手元現金と低債務で支障なし。財務CFは-17.4億円で、長期借入22.9億円の調達で投資資金を補完する一方、借入返済-9.6億円、リース返済-7.4億円を実行。現金は期末166.4億円と総資産の23.2%を占め、流動性バッファは十分。営業CF/純利益3.3倍は高品質だが、OCF/EBITDA 0.75倍と運転資本効率にやや改善余地を残す。
営業利益45.0億円に営業外収支+2.0億円を加えた経常利益47.0億円が経常的収益の実力を示し、これは売上対比6.0%と健全。一方、特別損益は利益13.4億円(投資有価証券売却益11.0億円、固定資産売却益2.4億円)と損失14.0億円(減損8.2億円、固定資産除売却損0.4億円)が拮抗し、一時的要因の純影響は-0.6億円と限定的だが、税引前利益46.4億円に占める特別損益の粗額(利益+損失)27.4億円は59%に達し、利益の質は一時項目の振れに左右される構造。営業外収益3.4億円は受取配当金1.3億円、保険収入1.2億円が主で、売上対比0.4%と軽微。アクルーアル品質は営業CF55.8億円/純利益17.0億円=3.3倍と良好で、現金裏付けは強い。包括利益45.1億円は純利益17.0億円を28.1億円上回り、その他有価証券評価差額金+10.6億円、退職給付調整額+5.8億円が寄与。評価益の積み増しは資本を強化するが、市況変動で逆転リスクも孕む。経常利益と純利益の乖離は特別損益-0.6億円と高税負担(実効税率38.2%)が主因で、税率上昇は一過性か構造的かのモニタリングが必要。総じて、経常的収益は安定しているが一時損益の振れと高税負担により純利益の質は平準化余地あり。
会社予想は売上高780.0億円(前年比-0.9%)、営業利益35.0億円(-22.2%)、経常利益36.0億円(-23.4%)、親会社純利益23.0億円(EPS予想163.90円)と減収減益計画。営業利益率は4.5%水準へ縮小し、人件費・のれん償却増、投資先行に伴う減価償却増を織り込んだ保守的見通し。今期実績(売上787.5億円、営業利益45.0億円)は未開示だった計画を上回っており、来期は慎重な前提でスタート。進捗率評価の対象外だが、コストコントロールと価格改定進展、M&A子会社のシナジーが顕在化すれば上振れ余地あり。配当予想は年間30.00円(中間30.00円含む)で、前年実績60.00円から半減予想だが、今期実績の還元実績(配当60円)を踏まえると保守的計画の可能性。業績見通しは現在入手可能な情報に基づき、実際の業績は為替・コスト・需要環境等で変動しうる旨を注記。
年間配当は60.00円(中間30.00円、期末30.00円)で前年と同額を維持し、配当総額8.7億円(1株30円×平均株式数14,312千株の概算)。配当性向は約35.5%(配当総額8.7億円/親会社純利益25.0億円の簡易試算)で持続可能な水準。加えて自社株買いを実施し、取得総額13.3億円(CF計算書記載、平均取得価格は約163円/株の試算)を投じた。配当8.7億円+自社株買い13.3億円の総還元は22.0億円で総還元性向88%(総還元22.0億円/親会社純利益25.0億円)と高水準だが、FCF4.0億円を大幅に超過。ただし手元現金166.4億円と低債務(Debt/Equity 0.08倍)により短期の持続可能性は問題なし。配当方針として安定配当を重視し、配当性向の目標レンジは明示されていないが、過去実績では30%前後で推移。投資先行局面ではFCF改善とのバランスを取りながら、自社株買いのペースを調整する余地がある。来期配当予想30.00円(計画では総額4.2億円程度)は今期実績60.00円から半減しており、保守的想定だが正式な修正待ちが望ましい。
人件費・採用コスト上昇リスク: 給料手当は45.3億円(販管費)と前年比+1.9億円増加し、警備要員の確保競争激化と最低賃金上昇が継続。粗利率は21.6%と前年から0.5pt低下しており、コストパススルーの時間差により利益率圧迫が継続する可能性。今期減価償却29.7億円(前年27.7億円 +7.2%)も増勢で、設備投資先行によるコスト増が加わる。
大口顧客集中リスク: JR東日本向け売上105.5億円は全社売上の13.4%を占め、同社の設備投資・警備需要動向に業績が左右される。契約更新や単価改定の交渉結果次第で収益性が変動しうる。セキュリティ事業の売上が全社の97.6%を占める事業集中も、景気・イベント需要変動への感応度を高める。
M&A統合とのれん減損リスク: のれん残高8.7億円(前年5.6億円 +55%)と増加し、期中にのれん償却2.0億円とのれん減損0.8億円を同時計上。企業結合による子会社(日本連合株式会社)の業績未達や統合遅延が生じれば、追加減損リスクが顕在化する。減損損失8.2億円の計上済み資産についても、収益環境悪化で再評価の可能性あり。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 5.7% | 8.1% (3.6%–16.0%) | -2.4pt |
| 純利益率 | 2.2% | 5.8% (1.2%–11.6%) | -3.7pt |
収益性は業種中央値を下回り、人件費・原価増の影響で利益率は相対的に低位。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 10.3% | 10.1% (1.7%–20.2%) | +0.2pt |
成長率は業種並みで、大型案件とM&A寄与で中央値をわずかに上回る。
※出所: 当社集計
トップライン拡大とボトムライン抑制の非対称性: 売上+10.3%に対し営業利益+3.9%と営業レバレッジが限定的で、粗利率0.5pt低下が主因。人件費・原価上昇への価格転嫁とコストコントロールの進展が利益率回復のカタリストとなる。M&A後のシナジー顕在化(のれん償却負担の相殺)と稼働率向上が下期以降の注目点。
投資先行とキャッシュ超過還元の並存: 設備投資40.1億円、無形投資12.3億円と成長投資を積極化する一方、FCF4.0億円に対し総還元22.0億円とキャッシュ超過。手元現金166.4億円と低債務(実質無借金)で短期的持続可能性は問題ないが、投資回収とFCF創出の改善ペースが中期的な還元余力を左右する。来期はガイダンス減益を織り込み、自社株買いペースの柔軟調整が合理的。
一時損益の振れと実効税率上昇のモニタリング: 特別利益13.4億円(投資有価証券売却益等)と特別損失14.0億円(減損等)が利益を左右し、実効税率38.2%は前年32.4%から5.8pt上昇。税率上昇が構造的(連結納税効果の剥落等)か一時的かの見極めが必要で、来期の税引後利益予想23.0億円(EPS 163.90円)への進捗が試金石となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。