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97392026 第3四半期プライムJGAAP

NSW(9739) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益18%減

2026年度第3四半期の売上高は377.1億円(前年同期比+4.2%)、営業利益は35.6億円(同-18.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

NSW株式会社

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥377.1億¥361.9億+4.2%
営業利益¥35.6億¥43.6億−18.2%
経常利益¥37.8億¥44.2億−14.4%
純利益¥24.3億¥30.4億−20.1%
ROE6.7%8.6%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計期間の連結業績は、売上高377.1億円(前年同期比+15.2億円 +4.2%)、営業利益35.6億円(同-8.0億円 -18.2%)、経常利益37.8億円(同-6.4億円 -14.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益24.3億円(同-6.1億円 -20.1%)となった。増収減益の構造で、売上高は堅調に拡大したものの、営業利益率が9.4%へ低下(前年12.0%から-2.6pt)し、収益性の悪化が顕著となった。

業績変動要因

【売上高】外部顧客への売上高は377.1億円(前年361.9億円から+15.2億円 +4.2%)と増収を達成。4つの報告セグメント全てで増収となり、特にサービスソリューションが+103.4億円(+11.3%)、エンベデッドソリューションが+44.7億円(+5.7%)と伸長。デバイスソリューションも+13.9億円(+2.0%)増加した。【損益】営業利益は35.6億円(前年43.6億円から-8.0億円 -18.2%)と大幅減益。売上総利益は76.5億円とほぼ前年並みを確保したが、販売費及び一般管理費が40.8億円へ増加(販管費率10.8%、前年比で約+1.2pt)し、固定費負担増が営業利益を圧迫した。経常利益は営業外収益として受取利息等2.2億円が寄与し37.8億円(-14.4%)。特別損失2.3億円の計上により税引前四半期純利益は35.5億円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は24.3億円(-20.1%)へ減少。経常利益から純利益への乖離(約-13.5億円)は、税金費用と特別損失が主因である。結論として、全セグメントで増収を達成したものの、販管費増加と特別損失計上が利益率を押下げ、増収減益の決算となった。

セグメント別分析

エンタープライズソリューションは売上高120.5億円(構成比32.0%)、営業利益10.5億円(利益率8.7%)。サービスソリューションは売上高101.7億円(同27.0%)、営業利益3.0億円(利益率3.0%)で利益率が最も低い。エンベデッドソリューションは売上高82.9億円(同22.0%)、営業利益11.7億円(利益率14.1%)で最も高い利益率を誇る。デバイスソリューションは売上高72.0億円(同19.1%)、営業利益10.4億円(利益率14.5%)。主力事業はエンタープライズソリューション(構成比32.0%)であるが、利益率ではエンベデッドソリューションとデバイスソリューションが14%台と高く、サービスソリューションの利益率3.0%との格差が大きい。セグメント全体の営業利益は35.6億円で、エンベデッドとデバイスの高利益率セグメントが収益を支える構造となっている。

主要財務指標

【収益性】ROE 6.7%(前年8.6%から低下)、営業利益率 9.4%(前年12.0%から-2.6pt)、純利益率 6.5%(前年8.4%から-1.9pt)と収益性全般が悪化。【キャッシュ品質】現金及び現金同等物182.4億円、営業CF 14.7億円に対し純利益24.3億円で営業CF/純利益比率0.60倍と収益の現金裏付けが弱い。現金転換率0.38倍、アクルーアル比率2.1%は良好だが、売掛金124日のDSOと仕掛品比率の高さが運転資本を圧迫。【投資効率】総資産回転率 0.81倍(前年0.77倍から改善)。【財務健全性】自己資本比率 78.3%、流動比率 499.0%、負債資本倍率 0.28倍と資本性・流動性は極めて強固。投資有価証券が前年10.0億円から20.0億円へ+99.8%増加し、短期投資の拡大が確認される。

キャッシュフロー分析

現金及び現金同等物は前年期末190.4億円から182.4億円へ減少したが、営業CFは14.7億円を創出。ただし純利益24.3億円に対し営業CF/純利益比率0.60倍と現金化が弱く、売掛金127.8億円(DSO124日)と仕掛品20.4億円の高水準が運転資本増加要因となった。投資CFは-16.0億円で投資有価証券取得1.0億円等を実施。財務CFは-12.7億円で配当金支払12.6億円が主因。FCFは-1.3億円となり、配当支払をFCFで完全に賄えていない(FCFカバレッジ-0.10倍)。短期支払余力は流動資産354.9億円に対し流動負債71.1億円で現金カバレッジ2.6倍と十分だが、運転資本効率の改善が今後の資金創出力向上の鍵となる。

収益の質

経常利益37.8億円に対し営業利益35.6億円で、営業外収益が約2.2億円のプラス寄与。営業外収益の主な内訳は受取利息等で、売上高377.1億円に対し営業外収益は約0.6%を占める。一時的要因として特別損失2.3億円が計上され、税引前利益を押下げた。営業CFが14.7億円に対し純利益24.3億円で営業CFが純利益を下回っており、収益の現金化に課題がある。売掛金の高水準(DSO124日は業種中央値61.8日を大きく上回る)と仕掛品20.4億円が運転資本を圧迫し、アクルーアル(非現金利益)の発生を示唆する。経常的な収益基盤は営業利益ベースで確保されているが、現金回収サイクルの長期化が収益の質を毀損している。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は売上高510.0億円、営業利益51.0億円、経常利益51.4億円、親会社株主に帰属する当期純利益35.4億円。第3四半期累計実績の進捗率は、売上高74.0%(標準進捗75%に対し-1.0pt)、営業利益69.8%(同-5.2pt)、経常利益73.6%(同-1.4pt)、純利益68.6%(同-6.4pt)。営業利益および純利益の進捗率が標準を下回っており、第4四半期に相応の利益積み上げが必要となる。通期予想に対する前年比は、売上高+1.9%、営業利益-16.6%、経常利益-16.7%で、減益トレンドが継続する見込み。進捗率の遅れは販管費増加と特別損失が響いており、第4四半期での販管費コントロールと一時費用の抑制が達成鍵となる。

株主還元

年間配当予想は45円(中間配当40円実施済、期末配当45円予定)。前年配当実績との比較データはないが、当期純利益24.3億円(9カ月累計)に対し配当予想45円(年間)、発行済株式数から算出すると配当性向は約52.0%。通期予想純利益35.4億円に対する年間配当45円の配当性向は約29.5%と妥当な水準。ただし、FCFが-1.3億円でマイナスのため、配当支払12.6億円を内部資金で完全に賄えておらず、配当は現金預金残高の取崩または投資資産売却等で補填された可能性がある。自社株買いの記載はなく、株主還元は配当のみで配当性向として評価される。現金預金182.4億円と流動性の高さから配当継続性に短期的な懸念はないが、営業CF改善が中長期的な持続可能性の鍵となる。

リスク要因

売掛金回収長期化リスク(DSO124日)による運転資本圧迫と資金繰り悪化。売掛金127.8億円は業種中央値を大幅に上回り、取引先信用リスクや回収遅延が継続すれば流動性を毀損する可能性がある。仕掛品20.4億円の高水準による製造プロセス管理と需給ミスマッチリスク。仕掛品比率が高く、受注と製造進捗の調整不全が在庫滞留や収益認識遅延を招く恐れがある。販管費増加の構造化リスク。販管費が売上伸長率(+4.2%)を上回るペースで増加しており、固定費負担が継続すれば営業利益率の低下が定着し、ROE目標達成が困難となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)収益性:営業利益率9.4%は業種中央値8.2%(2025-Q3、IT・通信業種102社)を上回り、純利益率6.5%も業種中央値6.0%とほぼ同水準。ROE 6.7%は業種中央値8.3%を下回り、業種内では収益性がやや低い位置にある。効率性:総資産回転率0.81倍は業種中央値0.68倍を上回り、資産効率は相対的に良好。ただし売掛金回転日数124日は業種中央値61.8日を大幅に超過し、回収効率に課題。健全性:自己資本比率78.3%は業種中央値59.2%を大きく上回り、流動比率499%も業種中央値213%を凌駕。財務安定性は業種内で上位水準。成長性:売上高成長率+4.2%は業種中央値+10.0%を下回り、トップライン成長はやや緩やか。営業運転資本回転日数は高めで、業種中央値45.6日に対し回収サイクル長期化が効率を毀損。(業種:IT・通信、比較対象:2025年度Q3、N=102社、出所:当社集計)

決算上の注目ポイント

販管費増加と営業利益率低下が決算の主要注目ポイント。売上高は堅調に推移したが、営業利益率が前年12.0%から9.4%へ-2.6pt低下し、販管費率の上昇が収益性を圧迫した構造が明確である。通期業績予想達成には第4四半期での販管費コントロールが不可欠。売掛金回収長期化(DSO124日)と仕掛品高水準が運転資本を圧迫し、営業CF/純利益比率0.60倍と収益の現金化に課題が顕在化。流動性は極めて強固だが、運転資本効率の改善が今後のキャッシュ創出力向上と配当持続可能性の鍵となる。セグメント別ではエンベデッドソリューションとデバイスソリューションの利益率14%台が高く、サービスソリューション3.0%との格差が大きいため、低利益率セグメントの収益改善が全社利益率向上に寄与する余地がある。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度第3四半期累計は、売上高が前年同期比4.2%増の377.14億円となった一方、営業利益は同18.2%減の35.62億円となり、増収減益で着地した。売上総利益は76.47億円で、前年同期の75.85億円から0.62億円の増加にとどまった。粗利益率は20.3%と、前年同期の21.0%から約68bp低下した。販管費は40.84億円と前年同期の32.27億円から26.6%増加し、売上成長率を大幅に上回った。販管費率は10.8%と前年同期の8.9%から約191bp上昇している。これにより営業利益率は9.4%となり、前年同期の12.0%から約260bp縮小した。経常利益は37.84億円で前年同期比14.4%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は24.34億円で同20.1%減である。純利益率は6.5%と前年同期の8.4%から約196bp低下した。営業外収益は2.24億円で売上高の0.6%にとどまり、受取利息0.46億円、保険収入を含むその他収益等による営業外収支の寄与は限定的である。特別損失2.32億円を計上しており、税引前利益は経常利益を2.32億円下回った。固定資産除却損は0.14億円であり、特別損失は純利益を押し下げる要因となった。営業CFは14.69億円で純利益24.34億円の0.60倍にとどまり、利益の現金化は弱い。売掛金の増加13.93億円、棚卸資産の増加7.55億円、賞与引当金の減少9.81億円などの運転資本・引当金要因が営業CFを抑制した。年換算ROEは8.9%で、資本効率は一定水準にあるものの、収益性の低下と低いキャッシュ転換が当面の評価上の焦点となる。通期会社予想に対する第3四半期累計の売上進捗率は73.9%、営業利益進捗率は69.8%、純利益進捗率は68.8%であり、利益面は標準的な75%進捗を下回る。通期予想は売上高510.00億円、営業利益51.00億円、純利益35.40億円であり、第4四半期の利益率回復が計画達成の条件となる。

収益性分析

年換算ROE 8.9%は、純利益率6.5%×総資産回転率1.077倍×財務レバレッジ1.28倍に分解される。低レバレッジかつ高い自己資本比率を維持する保守的な資本構成のため、ROEは主として事業収益性と資産回転によって決まる構造である。最も大きい悪化要因は利益率であり、営業利益率は前年同期比約260bp低下した。粗利益率の約68bp低下に加え、販管費率が約191bp上昇したことが営業利益率を圧迫した。販管費は前年同期比26.6%増で、売上高の4.2%増を大幅に上回っており、営業レバレッジは逆方向に作用している。CFA5因子では、EBITマージンは9.4%、金利負担係数は0.997、税負担係数は0.685である。金利負担係数は財務費用の負担が極めて軽いことを示す一方、税負担係数は実効税率31.4%を反映している。EBITDAは39.14億円、EBITDAマージンは10.4%であり、減価償却費の負担は相対的に小さい。JGAAP上ののれん償却額は0.09億円、のれん償却前EBITDAは39.23億円で、のれん償却による利益比較上の歪みは軽微である。セグメント別には、主力事業は営業利益寄与率32.9%のエンベデッドソリューションであり、売上高82.86億円(前年同期比5.7%増)、セグメント利益11.72億円(同7.2%減)、利益率14.1%である。デバイスソリューションは売上高72.02億円(同2.0%増)、利益10.43億円(同9.3%増)、利益率14.5%で、4セグメント中で最も高い利益率を確保した。エンタープライズソリューションは売上高120.54億円(同0.7%減)、利益10.45億円(同36.2%減)、利益率8.7%となり、前年同期比約482bpの利益率低下が全社減益の主因である。サービスソリューションは売上高101.71億円(同11.3%増)ながら、利益3.01億円(同39.7%減)、利益率3.0%に低下しており、増収に対する収益化が課題である。デバイスソリューションの改善は前向きだが、エンタープライズおよびサービスの利益率低下を相殺するには至っておらず、販管費増加を含む収益性悪化が一時的かを次四半期以降に検証する必要がある。

成長性評価

売上高は前年同期比4.2%増であり、サービスソリューションの11.3%増、エンベデッドソリューションの5.7%増、デバイスソリューションの2.0%増が成長を支えた。一方、エンタープライズソリューションは0.7%減収であり、最大売上セグメントの伸び悩みが全社売上成長を抑えた。増収にもかかわらず営業利益が18.2%減少しているため、現時点の成長は利益成長を伴っていない。通期予想に対する売上進捗率73.9%は標準的な第3四半期進捗率75%に概ね沿う。一方、営業利益進捗率69.8%および純利益進捗率68.8%は標準進捗をそれぞれ5.2pt、6.2pt下回る。会社計画を達成するには、第4四半期に売上高132.86億円、営業利益15.38億円、純利益11.06億円が必要となる。必要な第4四半期営業利益率は11.6%で、第3四半期累計の9.4%を約218bp上回るため、採算改善の実現度合いが重要となる。

財務健全性

財務基盤は強固であり、流動比率498.9%、当座比率485.5%、運転資本283.73億円と、短期債務に対する流動性は非常に厚い。現金預金は182.41億円で総資産の39.1%を占め、流動負債71.12億円を大幅に上回る。負債資本倍率は0.28倍、自己資本比率は78.3%であり、D/Eが2.0倍を超えるようなレバレッジ警戒水準にはない。固定負債30.39億円には退職給付に係る負債27.29億円が含まれ、固定負債の主要部分を占める。流動資産354.85億円に対して流動負債71.12億円であり、短期負債と流動資産の満期ミスマッチは限定的である。投資有価証券は前年同期の10.01億円から20.00億円へ99.8%増加し、増加額9.99億円は投資CFにおける投資有価証券取得10.00億円と整合的である。この資本配分により現金及び現金同等物は前年同期比14.25億円減少して182.41億円となったが、なお潤沢な流動性を保有する。のれんは0.35億円、純資産比0.1%、のれん/EBITDAは0.01倍であり、買収対価やのれん価値への依存は極めて小さい。無形資産/総資産は1.0%であり、バランスシートにおける無形資産集中リスクも限定的である。

B/S変動のポイント

投資有価証券: +9.99億円(+99.8%)- 投資CFでの投資有価証券取得10.00億円を主因とする増加。流動性は潤沢だが、投資先の評価変動と資本配分効率を監視する必要がある。現金預金: -14.25億円(前年同期比-7.2%)- 営業CFの低い現金転換、投資有価証券取得、配当支出を反映。ただし残高182.41億円、流動比率498.9%で流動性余力は厚い。売掛金: -14.41億円(前年同期比-10.1%)- 残高は減少している一方、当期累計の営業CF明細では売掛金増加13.93億円が資金流出要因となっている。DSO 93日の回収効率は継続監視が必要。流動負債: -17.14億円(前年同期比-19.4%)- 短期負債の縮小により流動性はさらに改善し、短期債務の借換え・満期ミスマッチリスクは限定的である。

キャッシュフロー品質

営業CFは14.69億円で、純利益24.34億円に対する比率は0.60倍となり、0.8倍を下回る収益品質警告に該当する。EBITDA39.14億円に対する現金転換率も0.38倍で、0.7倍未満の警戒水準である。主な要因は、売掛金の増加13.93億円、棚卸資産の増加7.55億円、賞与引当金の減少9.81億円、法人税等の支払19.51億円である。品質アラートであるDSO 93日は60日超であり、売上債権の回収期間が長く、売上成長がキャッシュ化に結び付きにくい状態を示す。仕掛品比率100.0%も40%超の警戒水準であり、案件進行・原価管理・検収時期の変動がキャッシュフローと採算に及ぼす影響を注視する必要がある。これらの運転資本要因は、短期的な案件ミックスや期末時点の請求・検収タイミングに左右され得るが、売上債権と仕掛品の増勢が継続すれば収益の現金化リスクは高まる。設備投資は3.50億円、減価償却費は3.52億円で、設備投資/減価償却は0.99倍と既存資産の更新を概ね維持する水準である。営業CFから設備投資を控除したフリーキャッシュフローはマイナス1.26億円であり、当期累計では内部創出キャッシュによる投資・株主還元の余力は限定的である。投資CFは15.95億円の支出で、このうち投資有価証券取得10.00億円が主因となった。財務CFは12.71億円の支出、現金及び現金同等物は14.24億円減少しており、運転資本の改善と投資有価証券取得後の流動性運営が重要となる。

配当持続性

第2四半期配当40.00円に基づく当期累計の配当性向は24.5%であり、配当金のみを純利益で除した比率として60%未満の持続可能性目安を満たす。通期会社予想の年間配当85.00円と予想EPS237.59円に基づく予想配当性向は約35.8%となる。第2四半期配当40.00円を前提とすれば、年間85.00円の達成には期末配当45.00円が必要となる。予想純利益35.40億円に対する予想年間配当総額は約12.66億円であり、利益ベースの配当負担は過大ではない。一方、当期累計のFCFはマイナス1.26億円、FCFカバレッジはマイナス0.21倍であり、当期累計のフリーキャッシュフローは配当をカバーしていない。設備投資3.50億円と配当支出12.57億円の合計16.07億円は、営業CF14.69億円を1.38億円上回る。もっとも、現金預金182.41億円、低い負債資本倍率0.28倍、厚い流動性を踏まえると、短期的な配当支払い能力は十分である。配当持続性の中期的な論点は利益水準よりも、DSOと仕掛品を中心とする運転資本の正常化を通じて営業CF/純利益比率を改善できるかにある。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度:エンタープライズソリューションは売上高120.54億円で前年同期比0.7%減、セグメント利益は36.2%減、利益率は8.7%へ低下しており、最大売上基盤での採算悪化が全社利益を押し下げるリスク。、高優先度:サービスソリューションは11.3%増収にもかかわらずセグメント利益が39.7%減、利益率3.0%にとどまる。人件費・外注費・案件採算などのコスト吸収が続けば、成長が利益拡大に転化しないリスク。、中優先度:IT・システム開発業界固有のリスクとして、案件の検収遅延、開発工数の超過、技術者需給逼迫による人件費・外注費上昇が、仕掛品、収益認識時期、プロジェクト採算に影響するリスク。、中優先度:DSO 93日および仕掛品比率100.0%は、顧客検収・請求・回収の遅延がキャッシュフロー悪化または案件損失につながる可能性を示す。が挙げられます。

財務リスクとしては、高優先度:営業CF/純利益0.60倍、OCF/EBITDA0.38倍は、会計利益に比べたキャッシュ創出力の弱さを示す。売掛金増加13.93億円、棚卸資産増加7.55億円が継続する場合、運転資金負担が拡大するリスク。、中優先度:投資有価証券は99.8%増の20.00億円であり、投資先の市場価値・収益性の変動が将来の評価損益や資本配分効率に影響するリスク。、低優先度:現金及び現金同等物は14.24億円減少したが、182.41億円の現金、流動比率498.9%、負債資本倍率0.28倍を有しており、現時点の流動性・債務返済リスクは低い。が挙げられます。

主な懸念事項としては、販管費が前年同期比26.6%増と売上成長率4.2%を大幅に上回り、営業利益率が約260bp低下している。第4四半期の利益率改善が通期計画達成の前提となる。、営業利益の通期予想進捗率は69.8%で標準的な75%を5.2pt下回る。第4四半期には営業利益率11.6%が必要であり、累計実績9.4%からの改善幅が大きい。、品質アラートである低OCF/純利益、低現金転換率、DSO 93日、仕掛品比率100.0%は相互に関連しており、案件進捗・回収の管理状況を最優先で確認すべきである。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、増収を維持した一方、粗利益率低下と販管費率上昇により営業利益は18.2%減少した。、年換算ROE 8.9%、営業利益率9.4%、純利益率6.5%は一定の収益性を示すが、前年同期からのマージン悪化が明確である。、自己資本比率78.3%、流動比率498.9%、現金預金182.41億円により、財務耐性は高い。、営業CF/純利益0.60倍、OCF/EBITDA0.38倍、DSO 93日は、利益の現金化と運転資本管理の改善余地を示す。、のれん0.35億円、のれん/純資産0.1%であり、M&A由来の減損・会計歪曲リスクは限定的である。が挙げられます。

注視すべき指標は、エンタープライズソリューションおよびサービスソリューションのセグメント利益率、販管費の増加率と売上高成長率の差、DSO 93日の短縮、売掛金残高127.82億円の推移、仕掛品・棚卸資産の進捗、工事損失引当金0.28億円の推移、営業CF/純利益比率、OCF/EBITDA、フリーキャッシュフロー、投資有価証券20.00億円の投資成果および評価変動、通期営業利益予想51.00億円に対する第4四半期の利益率回復です。

セクター内ポジションについては、営業利益率9.4%、純利益率6.5%は提示ベンチマーク上で「良好」な範囲にあるが、年換算ROE 8.9%は「良好」の目安である10%を下回る。強固なネットキャッシュ基調と低レバレッジは財務面の優位性である一方、同業IT・システム開発企業との比較では、現金転換率0.38倍、DSO 93日、仕掛品比率100.0%が収益の質と資本効率の相対的な課題となる。