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97352026 第3四半期プライムJGAAP

セコム(9735) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益10%増

2026年度第3四半期の売上高は9,098億円(前年同期比+5.2%)、営業利益は1,107億円(同+10.4%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

セコム株式会社

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥9098.0億¥8646.1億+5.2%
営業利益¥1107.1億¥1002.6億+10.4%
経常利益¥1277.7億¥1293.8億−1.2%
純利益¥885.7億¥920.2億−3.8%
ROE6.1%6.4%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計決算は、売上高9,098.0億円(前年比+451.9億円 +5.2%)、営業利益1,107.1億円(同+104.5億円 +10.4%)、経常利益1,277.7億円(同-16.1億円 -1.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益885.7億円(同-34.5億円 -3.8%)。セキュリティ契約収入の安定拡大により増収を確保し、営業段階では利益率改善により2桁増益を達成。一方で経常・純利益段階では持分法投資利益71.8億円や営業外収益203.8億円が貢献したものの、法人税等390.8億円の負担により純利益は前年を下回る。過去2期の推移では営業利益率が安定的に12%台を維持し、収益性の高いビジネスモデルが継続している。

業績変動要因

【売上高】売上高は9,098.0億円で前年比+5.2%の増収。主力のセキュリティサービスセグメントが売上4,985.9億円(全体の54.8%)を占め、契約型収入を中心に前年4,640.8億円から+7.4%成長。防災セグメント1,273.7億円(+5.6%)、BPO・ICT 1,032.9億円(+0.9%)、メディカルサービス690.0億円(+6.2%)も堅調に推移。地理空間情報サービスは394.7億円(+3.8%)、保険494.6億円(+8.5%)と全セグメントで増収基調。売上原価は6,231.7億円で粗利率31.5%を確保し、前年から概ね横ばい。

【損益】営業利益1,107.1億円は前年比+10.4%で増収率を上回る伸び。販管費1,759.2億円(販管費率19.3%)は給料及び手当638.7億円や減価償却費90.4億円、のれん償却額51.0億円が主要項目で、販管費の伸び率が売上成長を下回り営業レバレッジが効いた。営業利益率12.2%は前年12.4%から微減だが高水準を維持。経常利益段階では営業外収益として持分法投資利益71.8億円、投資事業組合運用益72.8億円、受取利息28.4億円等が寄与し純額170.6億円のプラス。経常利益1,277.7億円は前年1,293.8億円から-1.2%と小幅減少。税引前利益1,276.5億円に対し法人税等390.8億円(実効税率30.6%)、非支配株主利益101.0億円を差し引いた親会社帰属純利益は885.7億円で前年920.2億円から-3.8%減。

【一時的要因】特別損益は特別利益5.7億円(固定資産売却益5.2億円、投資有価証券売却益5.5億円)、特別損失6.9億円(減損損失0.8億円、投資有価証券評価損0.8億円)でネット-1.2億円と影響は軽微。経常利益と純利益の乖離は主に税負担の高さ(税負担係数0.615)と非支配株主利益によるもので、構造的な要因。

【結論】増収増益を達成。営業段階の効率改善が進む一方、税負担と非営業要因により最終利益は微減。

セグメント別分析

セキュリティサービスは売上高4,985.9億円(全体の54.8%)、営業利益917.3億円(利益率18.4%)で主力事業として圧倒的な収益貢献。前年から売上+7.4%、営業利益+6.4%と安定成長。防災は売上1,273.7億円(同14.0%)、営業利益112.3億円(利益率8.8%)で前年から営業利益+21.4%と高伸長。BPO・ICTは売上1,032.9億円(同11.3%)、営業利益63.2億円(利益率6.1%)で前年比営業利益+6.2%。メディカルサービスは売上690.0億円(同7.6%)、営業利益48.4億円(利益率7.0%)で営業利益+11.5%。保険は売上494.6億円(同5.4%)、営業利益72.7億円(利益率14.7%)で営業利益+18.6%と高採算。地理空間情報サービスは売上394.7億円(同4.3%)、営業利益7.3億円(利益率1.9%)で前年-14.4億円の営業損失から黒字転換。セグメント間で利益率差は大きく、セキュリティと保険が高利益率(14.7〜18.4%)、BPO・ICTと地理空間が低利益率(1.9〜6.1%)となっており、事業ポートフォリオの選別的管理が課題。

主要財務指標

【収益性】ROE 6.1%(2期前のデータ不明だが現行水準は中庸)、営業利益率12.2%で前年12.4%から-0.2pt微減も高水準維持。純利益率9.7%は税負担と非支配株主利益により営業利益率から低下。総資産利益率(ROA)は純利益885.7億円÷総資産21,507.9億円で4.1%。デュポン分解ではROE 5.4%=純利益率8.6%×総資産回転率0.423×財務レバレッジ1.49倍。【キャッシュ品質】現金及び預金3,593.9億円、有価証券(流動)421.8億円で短期流動性資産4,015.7億円。短期負債(流動負債3,858.9億円)に対するカバレッジ1.04倍で一見拮抗するも、短期借入金281.7億円を含む有利子負債は僅少で実質的な流動性余力は高い。【投資効率】総資産回転率0.42倍(売上9,098.0億円÷総資産21,507.9億円)は資産効率低位。固定資産12,151.3億円が総資産の56.5%を占め、有形固定資産4,593.0億円、投資有価証券4,684.5億円等の長期資産が厚く、資産回転率を押し下げ。【財務健全性】自己資本比率は純資産14,424.8億円÷総資産21,507.9億円で67.1%と高水準。流動比率242.5%(流動資産9,356.6億円÷流動負債3,858.9億円)、当座比率236.8%で流動性は十分。有利子負債363.9億円(短期借入金281.7億円+1年内償還社債2.7億円+社債22.7億円+長期借入金82.2億円)は総資産比1.7%と極めて低く、実質無借金経営に近い。負債資本倍率(負債7,083.1億円÷自己資本12,613.6億円)0.56倍で保守的資本構成。インタレストカバレッジは営業利益1,107.1億円÷支払利息10.6億円で104倍と金利負担は軽微。

キャッシュフロー分析

四半期のためキャッシュフロー計算書の詳細開示は限定的だが、貸借対照表推移から資金動向を分析。現金及び預金は前年3,466.5億円から3,593.9億円へ+127.4億円増加し、営業増益と営業キャッシュ創出が資金積み上げに寄与したと推定。運転資本効率では、売掛金が前年1,699.2億円から1,416.2億円へ-283.0億円減少し回収改善。買掛金は前年352.0億円から374.5億円へ+22.5億円増とサプライヤークレジット活用が進展。棚卸資産は前年211.2億円から218.6億円へ+7.4億円微増だが規模は小さく在庫コントロールは良好。投資活動では投資有価証券が前年4,524.7億円から4,684.5億円へ+159.8億円増で持続的な資産積み増し姿勢。財務活動では自己株式が前年-1,767.2億円から-2,366.7億円へ-599.5億円拡大し、積極的な自社株買いによる株主還元を実施。短期負債に対する現金カバレッジは3,593.9億円÷3,858.9億円で0.93倍だが、流動資産全体では2.4倍と十分な流動性を保持。

収益の質

経常利益1,277.7億円に対し営業利益1,107.1億円で、非営業純増は約170.6億円。内訳は営業外収益203.8億円から営業外費用33.3億円を差し引いたもので、主要項目は持分法投資利益71.8億円、投資事業組合運用益72.8億円、受取利息28.4億円。営業外収益は売上高の2.2%を占め、その構成は金融資産運用益と持分法利益が中心で、一過性のキャピタルゲインより継続性の高い収益源。一方で投資事業組合運用益72.8億円は市場環境に左右されるため収益変動リスクあり。営業キャッシュフローの開示が限定的なため純利益とCFの整合性を直接検証できないが、現金預金の積み上がり(+127.4億円)と売掛金減少(-283.0億円)から営業CFが純利益を一定程度裏付けていると推定。包括利益は1,015.8億円で当期純利益885.7億円を+130.1億円上回り、その他包括利益では有価証券評価差額金223.8億円のプラスが主因。評価益計上は含み益の増加を示すが未実現利益のため収益の質評価では割り引いて見る必要あり。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高1兆2,510.0億円、営業利益1,500.0億円、経常利益1,687.0億円、親会社株主帰属当期純利益1,034.0億円。第3四半期累計実績の進捗率は売上高72.7%(標準進捗75%比-2.3pt)、営業利益73.8%(同-1.2pt)、経常利益75.7%(同+0.7pt)、純利益85.7%(同+10.7pt)。純利益進捗率が高いのは第3四半期単独での利益計上が好調だったことを示唆。売上・営業利益は標準進捗をやや下回るが僅差で、第4四半期での挽回は可能。通期EPSは253.46円予想に対し、第3四半期時点のEPS実績191.80円で進捗率75.6%。配当予想は年間50.00円で、期中の配当実績(第2四半期95円)との整合性に疑義があるが、注記により2024年10月株式分割(1:2)の影響があり、分割調整後の年間配当予想は97.50円となる。配当性向は調整後配当97.50円÷EPS予想253.46円で38.5%と健全水準。予想修正は無く、会社は通期計画を据え置き。

株主還元

年間配当は通期予想50.00円だが、2024年10月の株式分割(1:2)を考慮した調整後では年間97.50円(中間47.50円+期末50.00円)となる。前年実績との比較データが限定的だが、調整後配当97.50円に対し通期予想EPS 253.46円で配当性向38.5%と標準的水準。第3四半期累計のBPS 3,118.55円に対し調整後年間配当97.50円で配当利回り(BPS対比)は3.1%。自社株買いは貸借対照表上の自己株式が前年-1,767.2億円から-2,366.7億円へ-599.5億円拡大しており、期中に大規模な自社株取得を実施。発行済株式数466,600千株から自己株式62,130千株を控除した期中平均株式数409,107千株ベースで計算すると、自社株買い総額599.5億円÷純利益885.7億円で総還元性向(配当+自社株買い)は67.7%+38.5%=106.2%相当と推定され、積極的な株主還元姿勢。ただし配当+自己株買いが純利益を上回る水準は持続性に留意が必要で、現金保有3,593.9億円が十分な余力を提供するが、継続的なモニタリングが重要。

リスク要因

  1. 短期負債比率77.4%(流動負債3,858.9億円のうち短期借入金等が構成)による資金調達リスク。現金保有は潤沢だが市場環境悪化時のリファイナンスリスクは残存。金利上昇局面でも支払利息10.6億円と少額のため影響は限定的だが、短期依存度の高さは構造的課題。
  2. 人件費負担の増加リスク。販管費中の給料及び手当638.7億円は前年比で増加傾向にあり、賞与118.2億円を含む人件費総額は売上成長を上回るペースで増えると営業レバレッジが逆転する懸念。セキュリティサービスは労働集約的な側面があり採用難・賃上げ圧力への対応が必要。
  3. 持分法投資や投資事業組合運用益の変動リスク。営業外収益で持分法利益71.8億円、投資組合運用益72.8億円と合計144.6億円(経常利益の11.3%)を占める。市場環境や投資先の業績悪化により収益が変動し、経常・純利益の安定性を損なう可能性。投資有価証券4,684.5億円の評価損リスクも含め、金融資産ポジションの管理が重要。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 当社の事業はセキュリティサービスを主軸とするため、業種分類はIT・通信(it_telecom)が参照基準となるが、サービス業の特性も持つ複合型。2025年度第3四半期の業種中央値(n=104社)との比較では以下の位置づけ。

収益性: ROE 6.1%は業種中央値8.3%(IQR 3.6〜13.1%)を下回り、第1四分位に近い水準。営業利益率12.2%は業種中央値8.2%(IQR 3.6〜18.0%)を上回り第3四分位に位置し高収益性を示す。純利益率9.7%は業種中央値6.0%(IQR 2.2〜12.7%)を上回り第3四分位で良好。

効率性: 総資産回転率0.42倍は業種中央値0.67倍(IQR 0.49〜0.93)を大きく下回り、資産効率は低位。固定資産集約型ビジネスモデルの影響。

健全性: 自己資本比率67.1%は業種中央値59.2%(IQR 42.5〜72.7%)をやや上回り第3四分位で財務安定性は高い。流動比率242.5%は業種中央値215%(IQR 157〜362%)と概ね中央値水準で流動性は良好。

成長性: 売上高成長率+5.2%は業種中央値+10.4%(IQR -1.2〜19.6%)を下回り、成長ペースは業種内で中位以下。EPS成長率+0.5%は業種中央値+22%(IQR -13〜80%)を大きく下回り成長鈍化。

キャッシュ創出: ネットデット/EBITDA倍率は業種中央値-2.84倍(IQR -5.33〜-0.21)であり、当社は実質無借金で純現金保有のためマイナス倍率と推定され業種内でも健全側に位置。

総括: 営業利益率・純利益率で業種を上回る高収益性を持つが、ROEは業種平均未満で資本効率に改善余地。売上成長率・EPS成長率は業種内で低位にあり成長加速が課題。財務健全性は業種内で上位に位置し安定性は高い。(業種: IT・通信、比較対象: 2025年第3四半期決算104社、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

  1. セキュリティ契約収入の安定成長と高利益率: 主力のセキュリティサービスセグメントは売上の54.8%を占め営業利益率18.4%と高採算。契約型リカーリング収益モデルは景気変動に対する耐性が高く、今後も安定的な収益基盤として機能する見込み。過去の推移でも営業利益率12%台を維持しており構造的な収益性の高さが確認できる。
  2. 資本効率改善余地とROE向上施策の注視: ROE 6.1%は業種平均を下回り、デュポン分解では総資産回転率0.42倍の低さが主因。固定資産12,151.3億円(総資産の56.5%)と投資有価証券4,684.5億円の大規模保有が資産効率を押し下げており、資産の選別的圧縮や投資リターン向上がROE改善の鍵。自社株買いによる株主資本圧縮(自己株式-2,366.7億円)は一時的にROE改善に寄与するが、本質的には営業効率と資産回転率の向上が必要。
  3. 株主還元政策の持続性と配当余力: 調整後配当性向38.5%は健全水準だが、自社株買い599.5億円を含む総還元は純利益比で106.2%相当と高水準。現金預金3,593.9億円と実質無借金の財務余力により短期的な持続性は確保されるが、営業キャッシュフローの詳細開示が望まれる。過去の配当性向推移データが限定的なため、今後の配当方針の継続性を営業CF基準で検証することが重要。連続増配の実績があれば株主還元の信頼性が一層高まるが、現状では高配当性向の持続可能性に注視が必要。

本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.2%増、営業利益が同10.4%増となり、本業の増収増益が継続した。売上高は9,098.05億円、営業利益は1,107.14億円である。営業利益率は12.2%となり、前年同期の11.6%から約57bp拡大した。粗利益率も31.5%と、前年同期の30.8%から約70bp上昇した。売上原価の増加率は前年同期比4.5%で、売上成長率を下回った。販管費は同5.9%増であり、売上成長率をやや上回ったが、粗利率の改善がこれを吸収した。給料及び手当は638.70億円で同4.1%増、賞与は118.21億円で同3.3%増となった。セキュリティサービスの契約収入は4,154.37億円で同5.2%増であり、継続課金型収益が全社成長の基盤となっている。親会社株主に帰属する四半期純利益は784.65億円で同1.2%減となった。親会社帰属純利益率は8.6%で、前年同期の9.2%から約56bp低下した。これは本業の悪化ではなく、営業外収益が前年同期比129.81億円減少したことが主因である。とりわけ投資事業組合運用益は72.75億円となり、前年同期の203.69億円から大きく減少した。営業外収益には受取利息28.45億円、受取配当金12.03億円が含まれ、受取利息は支払利息10.61億円を上回っている。特別損益は、特別利益5.72億円に対して特別損失6.94億円であり、税引前利益への影響は軽微である。営業利益の伸長に対して経常利益および純利益が減益となったため、投資関連収益を含む営業外損益の変動が利益の振れを増幅している。通期会社予想に対する売上高と営業利益の進捗はそれぞれ72.7%、73.8%であり、第3四半期時点の標準的な75%を小幅に下回る。一方、親会社株主に帰属する純利益の進捗は75.9%で、通期予想の達成に沿った水準である。総じて、契約収入を核とする本業の収益性は改善している一方、投資事業組合運用益など営業外収益の平準化が今後の利益成長の焦点となる。

収益性分析

年換算ROEは7.2%であり、デュポン分解では純利益率8.6%×総資産回転率0.564回×財務レバレッジ1.49倍で説明される。ROEを抑制している最大の要素は、低レバレッジではなく、総資産回転率0.564回および純利益率8.6%である。純資産が1兆4,424.78億円、投資有価証券が4,684.47億円と厚く、資産規模に対する売上創出効率は資産軽量型サービス企業と比較して限定的となっている。年換算ROAは約4.9%であり、営業利益率は良好な水準である一方、資産回転率の低さを補うには至っていない。CFA5因子では、税負担係数は0.615で、実効税率30.6%を反映する。金利負担係数は1.153であり、営業外の受取利息・配当金等が支払利息を上回るため、金利負担は収益性の制約となっていない。EBITマージンは12.2%で、前年同期比約57bpの改善である。売上原価率の低下による粗利益率改善が営業レバレッジを生み、販管費の増加を上回った。販管費率は19.3%で前年同期の19.2%から約13bp上昇しており、人件費等の固定費・準固定費の管理は継続的な注視点である。親会社帰属純利益率は営業外収益の減少により約56bp低下しており、この低下は本業収益性の悪化よりも投資関連収益の前年同期比較の反動による一時的な性格が強い。JGAAPではのれん償却50.95億円が販管費に計上され、営業利益および純利益を押し下げている。のれん償却額は営業利益の4.6%に相当し、M&A会計が報告利益へ与える影響は限定的である。

成長性評価

売上高は前年同期比5.2%増で、通期会社予想の同4.3%増を上回るペースで推移している。主力のセキュリティサービスは外部顧客向け売上高4,885.28億円、同5.3%増であり、このうちセキュリティ契約収入は4,154.37億円、同5.2%増となった。契約収入は累計売上高の45.7%を占め、収益の継続性を支える。防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、およびその他の全区分で外部売上高が前年同期を上回った。営業利益は売上高を上回る10.4%増で、粗利率改善を伴う成長である。ただし、成長一貫性スコアは2/10であり、複数期でみた成長の均一性は高くない。通期営業利益予想1,500.00億円に対し累計進捗は73.8%で、標準進捗との差は1.2ポイントの未達にとどまる。通期営業利益率予想は12.0%であり、第3四半期累計の12.2%からは小幅低下を織り込む。経常利益の通期予想は1,687.00億円で前年同期比3.7%減であり、営業利益の増益と対照的に営業外損益の変動を見込む構図である。

財務健全性

流動比率は242.5%、当座比率は236.8%であり、短期流動性は強固である。運転資本は5,497.66億円のプラスで、流動資産9,356.60億円は流動負債3,858.94億円を大きく上回る。現金預金は3,593.95億円で、短期借入金281.74億円の12.8倍に相当する。D/E比率は0.49倍、Debt/Capital比率は2.5%であり、資本構成は保守的である。有利子負債は363.89億円にとどまり、インタレストカバレッジは104.35倍と極めて高い。品質アラートの短期負債比率77.4%は、負債総額に占める流動負債の比率が高いことを示す。短期負債には買掛金374.46億円、未払金等の営業債務が含まれるため、同指標は借入金のリファイナンス需要だけを表すものではない。しかし、流動負債への依存が高いこと自体は支払期限の集中を意味するため、運転資本の急変時には資金繰り上の監視事項となる。もっとも、現金預金と高い当座比率により、現時点での満期ミスマッチリスクは抑制されている。自己株式は前年同期のマイナス1,767.16億円からマイナス2,366.70億円へ599.54億円増加し、33.9%の大幅変動となった。自己株式の増加は株主資本を圧縮し、自己資本を用いた収益性指標を押し上げる方向に働くため、ROEの解釈では事業収益の改善と区別する必要がある。純資産は1兆4,424.78億円で前年同期比525.8億円減少した一方、総資産は2兆1,507.93億円でほぼ横ばいである。投資有価証券は4,684.47億円と総資産の21.8%を占め、評価差額の変動を通じて純資産および包括利益に影響し得る。のれんは546.22億円で純資産の3.8%、総資産の2.5%にとどまり、M&A価値への依存度は低い。無形固定資産は総資産の5.7%であり、資産集中リスクは限定的である。

B/S変動のポイント

自己株式: -1,767.16億円から-2,366.70億円へ599.54億円増加(残高の絶対額ベースで+33.9%)- 株主資本および純資産を圧縮する大幅な資本構成変動であり、ROE・1株当たり指標の解釈では事業利益の変化と区別して監視が必要。投資有価証券: 4,356.35億円から4,684.47億円へ328.12億円増加(+7.5%)- 総資産の21.8%を占めるため、株式市場等の評価変動が包括利益・純資産に与える影響を継続監視する必要がある。のれん: 587.82億円から546.22億円へ41.60億円減少(-7.1%)- JGAAPののれん償却50.95億円を主因とする低下とみられ、純資産に対する比率は3.8%と低く、減損リスクは限定的である。

キャッシュフロー品質

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり50.00円である。会社予想の年間配当は1株当たり100.00円であり、予想EPS253.46円に対する予想配当性向は約39.5%となる。これは配当のみを分子とする配当性向であり、持続可能性の目安である60%を下回る。期中平均株式数4億910.7万株を用いると、年間配当総額は概算409.1億円となり、会社予想の親会社株主に帰属する当期純利益1,034.00億円に対して約39.6%である。第2四半期配当50.00円に基づく計算上の配当性向は29.7%である。利益剰余金は1兆2,679.86億円、現金預金は3,593.95億円であり、利益剰余金および手元流動性の観点から配当余力は厚い。自己株式は前年同期比599.54億円増加しているが、当該変動額を自社株買い額と同一視できないため、配当と自己株式取得を合算した総還元性向は算定しない。

リスク評価

ビジネスリスクとして、優先度:中(発生可能性:中、影響度:中)。セキュリティサービスでは人件費の上昇が利益率を圧迫し得る。給料及び手当と賞与の合計は756.91億円で、労働集約的な警備・防災事業では人材確保、賃金改定および要員配置の効率化が重要となる。、優先度:中(発生可能性:中、影響度:中)。主力のセキュリティサービスがセグメント利益の75.1%を占めるため、同事業の契約件数、単価、解約動向および競争環境の変化が連結収益に与える影響は大きい。、優先度:中(発生可能性:中、影響度:中)。防災、医療、BPO・ICTおよび地理空間情報では、システム障害、サイバーセキュリティ、個人情報保護および公共・法人顧客のIT投資変動が事業運営上のリスクとなる。、優先度:低(発生可能性:中、影響度:中)。保険事業は自然災害や大規模事故の発生時に保険金支払いが増加し、収益変動が拡大する可能性がある。が挙げられます。

財務リスクとしては、優先度:中(発生可能性:中、影響度:中)。営業外収益は203.84億円で前年同期比129.81億円減少し、投資事業組合運用益も前年同期の203.69億円から72.75億円へ低下した。投資関連損益の変動は、営業利益が増益でも経常利益・純利益が減益となる要因になり得る。、優先度:中(発生可能性:中、影響度:低)。投資有価証券は4,684.47億円、総資産の21.8%を占める。評価差額金は602.34億円であり、市場価格変動は包括利益、その他有価証券評価差額金および純資産に影響する。、優先度:低(発生可能性:低、影響度:中)。短期負債比率77.4%は負債の短期化を示す品質アラートである。ただし、現金預金3,593.95億円、流動比率242.5%、有利子負債363.89億円という流動性・レバレッジ水準から、現時点の借換え対応力は高い。が挙げられます。

主な懸念事項としては、営業利益率の改善と対照的に、親会社帰属純利益率は前年同期比約56bp低下している。営業外の投資関連収益への依存度とその変動幅を確認する必要がある。、販管費は前年同期比5.9%増と売上高の5.2%増を上回った。人件費・本社費用を中心に、粗利率改善後も費用増を吸収できるかが営業レバレッジの持続性を左右する。、自己株式の増加により純資産が前年同期比で減少している。株主還元・資本政策の変化は、1株当たり指標およびROEの見かけ上の改善に影響する。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、売上高9,098.05億円、営業利益1,107.14億円で、本業は増収増益かつ営業利益率が約57bp改善した。、継続課金型のセキュリティ契約収入は4,154.37億円、前年同期比5.2%増で、連結売上の45.7%を占める。、営業外収益の減少により、経常利益および親会社帰属純利益は各1.2%減となった。、流動性、低レバレッジ、利払い能力はいずれも強く、短期負債比率のアラートは潤沢な現金で相殺されている。、通期営業利益予想への進捗は73.8%で標準進捗を小幅に下回る一方、純利益進捗は75.9%である。が挙げられます。

注視すべき指標は、セキュリティ契約収入の成長率および主力セキュリティサービスのセグメント利益率、給料及び手当、賞与ならびに全社費用の売上高に対する比率、投資事業組合運用益、受取利息、受取配当金および有価証券売却益を含む営業外収益の変動、投資有価証券4,684.47億円の評価差額および包括利益への影響、短期負債比率、現金預金、流動比率および自己株式の変動、通期売上高1兆2,510億円、営業利益1,500億円に対する第4四半期の達成状況です。

セクター内ポジションについては、営業利益率12.2%と純利益率8.6%は提示されたベンチマーク上で「良好」の範囲にある。年換算ROE7.2%は8%未満であり、収益性の評価では要改善圏に位置するが、これは低い財務レバレッジと投資有価証券を含む厚い資産基盤にも起因する。財務面では流動比率242.5%、D/E比率0.49倍、インタレストカバレッジ104.35倍と、極めて保守的なポジションにある。