| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥9098.0億 | ¥8646.1億 | +5.2% |
| 営業利益 | ¥1107.1億 | ¥1002.6億 | +10.4% |
| 経常利益 | ¥1277.7億 | ¥1293.8億 | -1.2% |
| 純利益 | ¥885.7億 | ¥920.2億 | -3.8% |
| ROE | 6.1% | 6.4% | - |
2026年3月期第3四半期累計決算は、売上高9,098.0億円(前年比+451.9億円 +5.2%)、営業利益1,107.1億円(同+104.5億円 +10.4%)、経常利益1,277.7億円(同-16.1億円 -1.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益885.7億円(同-34.5億円 -3.8%)。セキュリティ契約収入の安定拡大により増収を確保し、営業段階では利益率改善により2桁増益を達成。一方で経常・純利益段階では持分法投資利益71.8億円や営業外収益203.8億円が貢献したものの、法人税等390.8億円の負担により純利益は前年を下回る。過去2期の推移では営業利益率が安定的に12%台を維持し、収益性の高いビジネスモデルが継続している。
【売上高】売上高は9,098.0億円で前年比+5.2%の増収。主力のセキュリティサービスセグメントが売上4,985.9億円(全体の54.8%)を占め、契約型収入を中心に前年4,640.8億円から+7.4%成長。防災セグメント1,273.7億円(+5.6%)、BPO・ICT 1,032.9億円(+0.9%)、メディカルサービス690.0億円(+6.2%)も堅調に推移。地理空間情報サービスは394.7億円(+3.8%)、保険494.6億円(+8.5%)と全セグメントで増収基調。売上原価は6,231.7億円で粗利率31.5%を確保し、前年から概ね横ばい。
【損益】営業利益1,107.1億円は前年比+10.4%で増収率を上回る伸び。販管費1,759.2億円(販管費率19.3%)は給料及び手当638.7億円や減価償却費90.4億円、のれん償却額51.0億円が主要項目で、販管費の伸び率が売上成長を下回り営業レバレッジが効いた。営業利益率12.2%は前年12.4%から微減だが高水準を維持。経常利益段階では営業外収益として持分法投資利益71.8億円、投資事業組合運用益72.8億円、受取利息28.4億円等が寄与し純額170.6億円のプラス。経常利益1,277.7億円は前年1,293.8億円から-1.2%と小幅減少。税引前利益1,276.5億円に対し法人税等390.8億円(実効税率30.6%)、非支配株主利益101.0億円を差し引いた親会社帰属純利益は885.7億円で前年920.2億円から-3.8%減。
【一時的要因】特別損益は特別利益5.7億円(固定資産売却益5.2億円、投資有価証券売却益5.5億円)、特別損失6.9億円(減損損失0.8億円、投資有価証券評価損0.8億円)でネット-1.2億円と影響は軽微。経常利益と純利益の乖離は主に税負担の高さ(税負担係数0.615)と非支配株主利益によるもので、構造的な要因。
【結論】増収増益を達成。営業段階の効率改善が進む一方、税負担と非営業要因により最終利益は微減。
セキュリティサービスは売上高4,985.9億円(全体の54.8%)、営業利益917.3億円(利益率18.4%)で主力事業として圧倒的な収益貢献。前年から売上+7.4%、営業利益+6.4%と安定成長。防災は売上1,273.7億円(同14.0%)、営業利益112.3億円(利益率8.8%)で前年から営業利益+21.4%と高伸長。BPO・ICTは売上1,032.9億円(同11.3%)、営業利益63.2億円(利益率6.1%)で前年比営業利益+6.2%。メディカルサービスは売上690.0億円(同7.6%)、営業利益48.4億円(利益率7.0%)で営業利益+11.5%。保険は売上494.6億円(同5.4%)、営業利益72.7億円(利益率14.7%)で営業利益+18.6%と高採算。地理空間情報サービスは売上394.7億円(同4.3%)、営業利益7.3億円(利益率1.9%)で前年-14.4億円の営業損失から黒字転換。セグメント間で利益率差は大きく、セキュリティと保険が高利益率(14.7〜18.4%)、BPO・ICTと地理空間が低利益率(1.9〜6.1%)となっており、事業ポートフォリオの選別的管理が課題。
【収益性】ROE 6.1%(2期前のデータ不明だが現行水準は中庸)、営業利益率12.2%で前年12.4%から-0.2pt微減も高水準維持。純利益率9.7%は税負担と非支配株主利益により営業利益率から低下。総資産利益率(ROA)は純利益885.7億円÷総資産21,507.9億円で4.1%。デュポン分解ではROE 5.4%=純利益率8.6%×総資産回転率0.423×財務レバレッジ1.49倍。【キャッシュ品質】現金及び預金3,593.9億円、有価証券(流動)421.8億円で短期流動性資産4,015.7億円。短期負債(流動負債3,858.9億円)に対するカバレッジ1.04倍で一見拮抗するも、短期借入金281.7億円を含む有利子負債は僅少で実質的な流動性余力は高い。【投資効率】総資産回転率0.42倍(売上9,098.0億円÷総資産21,507.9億円)は資産効率低位。固定資産12,151.3億円が総資産の56.5%を占め、有形固定資産4,593.0億円、投資有価証券4,684.5億円等の長期資産が厚く、資産回転率を押し下げ。【財務健全性】自己資本比率は純資産14,424.8億円÷総資産21,507.9億円で67.1%と高水準。流動比率242.5%(流動資産9,356.6億円÷流動負債3,858.9億円)、当座比率236.8%で流動性は十分。有利子負債363.9億円(短期借入金281.7億円+1年内償還社債2.7億円+社債22.7億円+長期借入金82.2億円)は総資産比1.7%と極めて低く、実質無借金経営に近い。負債資本倍率(負債7,083.1億円÷自己資本12,613.6億円)0.56倍で保守的資本構成。インタレストカバレッジは営業利益1,107.1億円÷支払利息10.6億円で104倍と金利負担は軽微。
四半期のためキャッシュフロー計算書の詳細開示は限定的だが、貸借対照表推移から資金動向を分析。現金及び預金は前年3,466.5億円から3,593.9億円へ+127.4億円増加し、営業増益と営業キャッシュ創出が資金積み上げに寄与したと推定。運転資本効率では、売掛金が前年1,699.2億円から1,416.2億円へ-283.0億円減少し回収改善。買掛金は前年352.0億円から374.5億円へ+22.5億円増とサプライヤークレジット活用が進展。棚卸資産は前年211.2億円から218.6億円へ+7.4億円微増だが規模は小さく在庫コントロールは良好。投資活動では投資有価証券が前年4,524.7億円から4,684.5億円へ+159.8億円増で持続的な資産積み増し姿勢。財務活動では自己株式が前年-1,767.2億円から-2,366.7億円へ-599.5億円拡大し、積極的な自社株買いによる株主還元を実施。短期負債に対する現金カバレッジは3,593.9億円÷3,858.9億円で0.93倍だが、流動資産全体では2.4倍と十分な流動性を保持。
経常利益1,277.7億円に対し営業利益1,107.1億円で、非営業純増は約170.6億円。内訳は営業外収益203.8億円から営業外費用33.3億円を差し引いたもので、主要項目は持分法投資利益71.8億円、投資事業組合運用益72.8億円、受取利息28.4億円。営業外収益は売上高の2.2%を占め、その構成は金融資産運用益と持分法利益が中心で、一過性のキャピタルゲインより継続性の高い収益源。一方で投資事業組合運用益72.8億円は市場環境に左右されるため収益変動リスクあり。営業キャッシュフローの開示が限定的なため純利益とCFの整合性を直接検証できないが、現金預金の積み上がり(+127.4億円)と売掛金減少(-283.0億円)から営業CFが純利益を一定程度裏付けていると推定。包括利益は1,015.8億円で当期純利益885.7億円を+130.1億円上回り、その他包括利益では有価証券評価差額金223.8億円のプラスが主因。評価益計上は含み益の増加を示すが未実現利益のため収益の質評価では割り引いて見る必要あり。
通期予想は売上高1兆2,510.0億円、営業利益1,500.0億円、経常利益1,687.0億円、親会社株主帰属当期純利益1,034.0億円。第3四半期累計実績の進捗率は売上高72.7%(標準進捗75%比-2.3pt)、営業利益73.8%(同-1.2pt)、経常利益75.7%(同+0.7pt)、純利益85.7%(同+10.7pt)。純利益進捗率が高いのは第3四半期単独での利益計上が好調だったことを示唆。売上・営業利益は標準進捗をやや下回るが僅差で、第4四半期での挽回は可能。通期EPSは253.46円予想に対し、第3四半期時点のEPS実績191.80円で進捗率75.6%。配当予想は年間50.00円で、期中の配当実績(第2四半期95円)との整合性に疑義があるが、注記により2024年10月株式分割(1:2)の影響があり、分割調整後の年間配当予想は97.50円となる。配当性向は調整後配当97.50円÷EPS予想253.46円で38.5%と健全水準。予想修正は無く、会社は通期計画を据え置き。
年間配当は通期予想50.00円だが、2024年10月の株式分割(1:2)を考慮した調整後では年間97.50円(中間47.50円+期末50.00円)となる。前年実績との比較データが限定的だが、調整後配当97.50円に対し通期予想EPS 253.46円で配当性向38.5%と標準的水準。第3四半期累計のBPS 3,118.55円に対し調整後年間配当97.50円で配当利回り(BPS対比)は3.1%。自社株買いは貸借対照表上の自己株式が前年-1,767.2億円から-2,366.7億円へ-599.5億円拡大しており、期中に大規模な自社株取得を実施。発行済株式数466,600千株から自己株式62,130千株を控除した期中平均株式数409,107千株ベースで計算すると、自社株買い総額599.5億円÷純利益885.7億円で総還元性向(配当+自社株買い)は67.7%+38.5%=106.2%相当と推定され、積極的な株主還元姿勢。ただし配当+自己株買いが純利益を上回る水準は持続性に留意が必要で、現金保有3,593.9億円が十分な余力を提供するが、継続的なモニタリングが重要。
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 当社の事業はセキュリティサービスを主軸とするため、業種分類はIT・通信(it_telecom)が参照基準となるが、サービス業の特性も持つ複合型。2025年度第3四半期の業種中央値(n=104社)との比較では以下の位置づけ。
収益性: ROE 6.1%は業種中央値8.3%(IQR 3.6〜13.1%)を下回り、第1四分位に近い水準。営業利益率12.2%は業種中央値8.2%(IQR 3.6〜18.0%)を上回り第3四分位に位置し高収益性を示す。純利益率9.7%は業種中央値6.0%(IQR 2.2〜12.7%)を上回り第3四分位で良好。
効率性: 総資産回転率0.42倍は業種中央値0.67倍(IQR 0.49〜0.93)を大きく下回り、資産効率は低位。固定資産集約型ビジネスモデルの影響。
健全性: 自己資本比率67.1%は業種中央値59.2%(IQR 42.5〜72.7%)をやや上回り第3四分位で財務安定性は高い。流動比率242.5%は業種中央値215%(IQR 157〜362%)と概ね中央値水準で流動性は良好。
成長性: 売上高成長率+5.2%は業種中央値+10.4%(IQR -1.2〜19.6%)を下回り、成長ペースは業種内で中位以下。EPS成長率+0.5%は業種中央値+22%(IQR -13〜80%)を大きく下回り成長鈍化。
キャッシュ創出: ネットデット/EBITDA倍率は業種中央値-2.84倍(IQR -5.33〜-0.21)であり、当社は実質無借金で純現金保有のためマイナス倍率と推定され業種内でも健全側に位置。
総括: 営業利益率・純利益率で業種を上回る高収益性を持つが、ROEは業種平均未満で資本効率に改善余地。売上成長率・EPS成長率は業種内で低位にあり成長加速が課題。財務健全性は業種内で上位に位置し安定性は高い。(業種: IT・通信、比較対象: 2025年第3四半期決算104社、出所: 当社集計)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。