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96852026 第3四半期スタンダードJGAAP

KYCOMホールディングス(9685) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は53.2億円(前年同期比+8.0%)、営業利益は4.2億円(同+1.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥53.2億¥49.3億+8.0%
営業利益¥4.2億¥4.1億+1.1%
経常利益¥4.7億¥4.5億+3.5%
純利益¥3.5億¥3.2億+10.1%
ROE(年換算)9.2%9.5%-

Executive Summary

情報処理事業を中心に増収を確保したが、主力事業の採算低下により営業利益の伸びは限定的となった。売上高は53.2億円(前年比+8.0%)、営業利益は4.2億円(同+1.1%)、経常利益は4.7億円(同+3.5%)、純利益は3.5億円(同+10.1%)となった。営業利益率は7.9%で前年同期から約17bp低下する一方、純利益は保険差益を中心とする特別利益0.7億円に支えられ、営業段階を上回る増益率を確保した。

業績変動要因

【売上高】売上高は53.2億円、前年同期比+8.0%。連結売上の91.4%を占める情報処理事業が外部売上高48.6億円(同+8.4%)と全社増収を牽引した。不動産事業は1.4億円(同+11.4%)、レンタカー事業は1.3億円(同+4.7%)と増収した一方、無線ソリューション事業は1.9億円(同-1.5%)と減収が続く。

【損益】営業利益は4.2億円(同+1.1%)にとどまり、営業利益率は7.9%と前年同期8.4%から縮小した。主因は情報処理事業のセグメント利益率が7.7%から6.3%へ低下したことで、増収が利益に十分転換されなかった。経常利益は4.7億円(同+3.5%)、純利益は3.5億円(同+10.1%)。純利益の伸びが営業利益を上回るのは、保険差益0.67億円を含む特別利益0.69億円の計上によるもので、経常利益4.65億円に対し税引前利益は5.33億円と特別損益純額0.68億円分上振れした。結論として、増収増益ではあるが増収率に対し利益成長が鈍い、いわば「増収・利益低成長型」の決算である。

セグメント別分析

情報処理事業は売上高48.6億円(同+8.4%)、セグメント利益3.1億円(同-10.4%)と増収減益で、利益率は7.7%から6.3%へ低下した。不動産事業は売上高1.4億円(同+11.4%)、利益0.78億円(同+47.4%)と増収増益で、利益率も43.3%から57.0%へ大幅改善した。レンタカー事業は売上高1.3億円(同+4.7%)ながら0.08億円の損失に転じた。無線ソリューション事業は売上高1.9億円(同-1.5%)、損失0.18億円と赤字が継続している。連結利益への寄与度は情報処理事業が最大であり、同事業の採算動向が全社収益性を左右する構造である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は7.9%、純利益率は6.6%で前年同期6.5%からわずかに上昇した一方、売上総利益率は21.2%と前年同期21.5%から低下した。【キャッシュ品質】仕掛品は0.32億円で棚卸資産の98.3%を占め、前年同期の0.08億円から増加しており、案件進捗・原価回収の状況を継続監視すべき水準にある。【投資効率】年換算ROEは9.2%で、純利益率6.6%、総資産回転率0.836倍、財務レバレッジ1.67倍の掛け合わせで構成される。【財務健全性】自己資本比率は59.9%(前年56.4%から上昇)、流動比率は213.4%、現金預金21.1億円は有利子負債18.1億円を上回りネットキャッシュの状態にある。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の数値は開示対象データに含まれないが、貸借対照表の推移から資金動向を確認できる。現金及び預金は21.1億円で前年同期21.6億円からほぼ横ばいの一方、投資有価証券は17.8億円と前年同期比+29.8%増加しており、余剰資金の一部が有価証券投資に振り向けられたとみられる。有利子負債は18.1億円で現金預金がこれを3.0億円上回るネットキャッシュ状態を維持しており、資金繰りに逼迫感はない。仕掛品が0.32億円と前年同期の0.08億円から増加しており、案件進行に伴う運転資本の積み上がりが今後の資金創出力に影響し得る点は留意される。

収益の質

当期純利益3.5億円には、保険差益0.67億円を中心とする特別利益0.69億円が含まれており、経常利益4.65億円に対し税引前利益は5.33億円と14.7%上振れしている。営業外損益は収益0.7億円・費用0.2億円で純額プラスとなっており、金利負担係数1.276、インタレストカバレッジ25.43倍は営業外収支の健全性を示す。一方、純利益の増益率10.1%は営業利益の増益率1.1%を大きく上回っており、この乖離は非経常的な特別利益によるところが大きいため、経常的な収益力の評価には営業利益率と経常利益の推移を重視する必要がある。加えて仕掛品比率98.3%というアクルーアル面の特徴は、未検収案件への原価集中を示し、利益の実現タイミングに不確実性を残す。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する進捗率は、売上高73.2%、営業利益64.3%、経常利益65.5%、純利益70.2%となった。第3四半期時点の標準進捗率75%と比較すると、営業利益・経常利益の進捗はいずれも10ポイント前後下回っており、通期予想(営業利益6.5億円、同+10.1%)の達成には第4四半期における情報処理事業の採算改善が必要である。純利益の進捗が相対的に高いのは特別利益の計上によるもので、営業面の回復度合いを別途確認する必要がある。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり0円で、通期会社予想の年間配当は10円である。期中平均株式数5,079千株から算定される年間配当総額は約0.51億円、通期純利益予想5.0億円に対する予想配当性向は約10.2%と保守的な水準にある。現金預金21.1億円が有利子負債18.1億円を上回るネットキャッシュ状態、流動比率213.4%は配当余力を補強するが、純利益に特別利益が含まれる点を踏まえると、配当の持続性は主力事業の利益率回復状況とあわせて確認する必要がある。

リスク要因

  1. 主力事業の採算低下: 連結売上高の91.4%を占める情報処理事業で、売上高が前年同期比+8.4%にもかかわらずセグメント利益は同-10.4%となった。同事業の利益率低下が続けば、通期営業利益予想の達成に影響し得る。

  2. 不採算事業の継続: レンタカー事業は0.08億円のセグメント損失へ転じ、無線ソリューション事業も0.18億円の赤字を継続した。両事業の損失縮小の遅れは全社収益性の下押し要因となる。

  3. 仕掛品への原価集中: 仕掛品は棚卸資産の98.3%(0.32億円)を占め、前年同期の0.08億円から増加した。案件遅延や原価超過、検収・回収の遅れが生じた場合、将来の利益率に影響し得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率7.9%8.3% (3.6%–18.6%)−0.5pt
純利益率6.6%6.1% (2.3%–12.8%)+0.5pt

営業利益率は業種中央値をやや下回るが、純利益率は中央値を上回っており、特別利益の寄与により純利益段階での相対位置が改善している。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)8.0%10.4% (-0.9%–19.9%)−2.4pt

売上高成長率は業種中央値をやや下回り、IQR内ではあるが成長ペースは業種平均並みかやや緩やかな位置にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増収は維持したものの、連結売上の9割超を占める情報処理事業の利益率低下により、営業利益の伸びが売上成長を下回った点が今回の決算の構造的な特徴である。

  2. 純利益の増益率10.1%には保険差益を中心とする特別利益が寄与しており、経常的な収益力の評価には営業利益率・経常利益の推移を重視する必要がある。

  3. 流動比率213.4%、ネットキャッシュの資金ポジション、自己資本比率59.9%など財務健全性は良好であり、通期営業利益予想の進捗遅れと仕掛品比率の高さが次四半期以降の確認事項となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)967円
base(基準)988円
bull(強気)1,013円
算出前提
1株純資産(BPS)1,001円
調整後予想EPS103.2円
株主資本コスト r10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向10.2%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.99倍 / 9.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 960円〜1,017円、ω±0.1で 987円〜988円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。