- 売上高: 311.81億円
- 営業利益: 118.08億円
- 当期純利益: 76.22億円
- 1株当たり当期純利益: 294.25円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 311.81億円 | 302.16億円 | +3.2% |
| 売上原価 | 178.01億円 | - | - |
| 売上総利益 | 124.16億円 | - | - |
| 販管費 | 15.61億円 | - | - |
| 営業利益 | 118.08億円 | 108.55億円 | +8.8% |
| 営業外収益 | 46百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 65百万円 | - | - |
| 経常利益 | 118.10億円 | 108.36億円 | +9.0% |
| 税引前利益 | 110.09億円 | - | - |
| 法人税等 | 33.86億円 | - | - |
| 当期純利益 | 76.22億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 78.53億円 | 75.94億円 | +3.4% |
| 包括利益 | 80.79億円 | 77.61億円 | +4.1% |
| 支払利息 | 34百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 294.25円 | 280.64円 | +4.8% |
| 1株当たり配当金 | 40.00円 | 40.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 297.85億円 | 238.90億円 | +58.96億円 |
| 現金預金 | 218.44億円 | 160.40億円 | +58.04億円 |
| 棚卸資産 | 2.13億円 | 2.73億円 | -60百万円 |
| 固定資産 | 987.53億円 | 985.16億円 | +2.37億円 |
| 有形固定資産 | 884.87億円 | 869.86億円 | +15.01億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 25.2% |
| 粗利益率 | 39.8% |
| 流動比率 | 246.2% |
| 当座比率 | 244.4% |
| 負債資本倍率 | 0.34倍 |
| インタレストカバレッジ | 345.47倍 |
| 実効税率 | 30.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +3.2% |
| 営業利益前年同期比 | +8.8% |
| 経常利益前年同期比 | +9.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +3.4% |
| 包括利益前年同期比 | +4.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 28.76百万株 |
| 自己株式数 | 2.07百万株 |
| 期中平均株式数 | 26.69百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,599.45円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 40.00円 |
| 期末配当 | 73.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| AmusementPark | 11百万円 | 7.08億円 |
| CommercialServices | 90百万円 | 2.19億円 |
| RacingFacilities | 4百万円 | 90.45億円 |
| WarehousingFacilities | 45.53億円 | 30.13億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 416.05億円 |
| 営業利益予想 | 150.04億円 |
| 経常利益予想 | 150.17億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 101.48億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 380.20円 |
| 1株当たり配当金予想 | 69.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3の東京都競馬は、売上・利益ともに増加し、営業面の力強さが際立つ好決算でした。売上高は311.81億円で前年比+3.2%、営業利益は118.08億円で同+8.8%と、トップラインを上回る利益成長を達成しました。営業利益率は37.9%と高水準で、前年の約35.9%から約196bp拡大したと推定されます。経常利益は118.10億円(+9.0%)と営業増益を上回り、営業外損益の影響は軽微(営業外収入0.46億円、営業外費用0.65億円)でした。一方で、税引前利益が110.09億円と経常利益を下回っており、約8億円規模の特別損失が発生した可能性が示唆されます。当期純利益は78.53億円で前年比+3.4%、純利益率は25.2%と高収益を維持していますが、特別損失の影響で純利益率の改善は約+10bpにとどまりました。粗利益率は39.8%、販管費率は約5.0%(販管費15.61億円/売上)と、コストコントロールの巧みさが収益拡大を後押ししています。財務面では、流動比率246%、当座比率244%と潤沢な流動性を確保し、負債資本倍率0.34倍、長短借入合計62.2億円に対して現金預金218.44億円と実質ネットキャッシュ基調です。インタレストカバレッジは約345倍と極めて強固で、金利上昇局面でも耐性は高いと評価できます。ROEは8.2%で、純利益率の高さと資産回転0.243、レバレッジ1.34倍の組み合わせから、資本効率は国内ディフェンシブ銘柄と比較しても見劣りしません。ROICは10.2%と自社ベンチマーク(7-8%)を上回り、投下資本に対する収益性は良好です。キャッシュフローは未開示のため、営業CF対純利益の整合性を本決算で要確認(利益の質評価は現時点で保留)です。配当性向は計算値で41.4%と無理のない水準で、ネットキャッシュの厚みから還元の持続可能性は高いと見られます。ビジネス面では、施設運営・公営競技の稼働率や開催スケジュール最適化が収益ドライバーである一方、天候・規制・入場動向の外生リスクが残ります。特別損失の発生要因(施設関連費用、減損、災害・修繕など)の一過性/継続性の見極めが、今後の純利益モメンタムに影響します。総じて、業績は堅調でコスト規律が効いた好内容、財務は強固、資本効率は安定的という評価で、今後はキャッシュ創出と特損の性質がカギになります。
デュポン分解: ROE 8.2% = 純利益率25.2% × 総資産回転率0.243 × 財務レバレッジ1.34倍。最大の変化は営業利益率の改善(約+196bp)による純利益率の押し上げで、売上成長(+3.2%)に対して販管費の伸びが抑制されたことが主因です。経常段階では営業外の影響が小さい一方、税前段階で特別損失が発生し純利益率の押し下げ要因となりました(約8億円分)。ビジネス要因としては、稼働率・入場/売上高単価の底堅さ、費用構造の固定費比率の低下(スケールメリット)やイベントコストの最適化が寄与した公算が高いです。特別損失は性質次第で一過性の可能性が高く、持続的なマージン拡大は販管費効率の改善が続く限り期待可能です。ただし、売上成長率が低下する局面では営業レバレッジの逆回転に注意が必要です。懸念すべきトレンドとしては、売上成長が鈍化する一方で固定費の再上昇(人件費・修繕費・エネルギー費)が進むと、販管費成長率が売上成長率を上回るリスクが挙げられます。
売上は+3.2%と堅調な伸長で、需要の底堅さと開催・イベントの運営最適化が寄与したと推定されます。営業利益は+8.8%で、コストコントロールと構成比改善により営業レバレッジが効いています。純利益は+3.4%にとどまり、特別損失がなければ増益率はより高かった可能性があります。粗利率39.8%、販管費率5.0%の組み合わせは、前年より採算が改善したサインです。ROIC 10.2%は投下資本の収益性が良好であることを示し、今後の成長投資余力を担保します。中期的には施設関連の維持・改修やデジタル投資(集客・顧客体験の向上)を通じた売上の持続性が焦点です。一方、天候・カレンダー要因・規制動向に伴う変動性は残り、単純な直線的成長は見込みにくいです。今後の見通しは、特損の一過性、需要環境の維持、価格・ミックス改善の継続が前提となります。
流動比率246.2%、当座比率244.4%と流動性は非常に健全です。短期借入金0.42億円に対し現金預金218.44億円で、満期ミスマッチは限定的です。総負債324.65億円に対し長期借入金61.75億円と、返済スケジュールの平準化が進んでいると見られます。負債資本倍率0.34倍で過度なレバレッジはありません。インタレストカバレッジ約345倍と支払能力は極めて高いです。オフバランスの大口債務は開示からは確認できません。自己資本は958.94億円と厚く、自己資本比率は未記載ながら実質的に高水準とみられます。警告基準(流動比率<1.0、D/E>2.0)に抵触する項目はありません。
営業キャッシュフローは未開示のため、営業CF/純利益の比較(ベンチマーク>1.0)による利益の質評価は現時点で不可です。フリーキャッシュフローおよび設備投資額も未開示であり、配当・投資に対するFCFカバレッジの持続可能性評価は制約があります。運転資本は176.87億円と潤沢で、棚卸資産は2.13億円と小さく業態特性上の在庫リスクは限定的です。現預金218.44億円と実質ネットキャッシュの厚みから、短期的な資金需要や一時的なキャッシュ流出に対する耐性は高いと判断します。次回決算で営業CFの増減要因(入場・売上債権回収、前受・預り金、施設修繕関連の支出)を確認する必要があります。
配当性向は計算値で41.4%と保守的なレンジにあり、利益水準とバランスしています。営業CF・FCFが未開示のため、FCFベースのカバレッジ評価はできませんが、実質ネットキャッシュ約156億円(現金218.44億円−長短借入合計62.17億円目安)と強固な財務体質を踏まえると、短中期の配当継続余力は高いとみられます。今後は、特別損失の一過性、設備投資計画の規模・タイミング、自己株式取得方針の有無が総還元性向に影響します。会社方針の開示が得られ次第、DOE/配当方針の確認が望まれます。
ビジネスリスク:
- 入場動向・開催スケジュール・天候など外生要因による売上変動リスク
- 規制・行政方針変更(公営競技関連)による事業運営リスク
- 施設の保守・改修に伴うコスト上振れおよび稼働率低下リスク
- 競合イベント・エンタメ消費のシフトによる需要カニバリゼーション
財務リスク:
- 特別損失の発生継続(減損・修繕・災害等)による純利益率圧迫
- エネルギー・人件費など固定費の上昇によるマージン縮小
- 金利上昇による資本コスト増加(影響は現状軽微、ただし長期的にはROE抑制要因)
主な懸念事項:
- 税前利益が経常利益を下回る約8億円規模の特別損失の内容と再発可能性
- 営業CF未開示により利益の現金創出力の検証ができない点
- 売上成長率が鈍化した場合の営業レバレッジ逆回転(固定費負担の顕在化)
- 中期の大型設備投資の有無と資本配分の優先順位
重要ポイント:
- 売上+3.2%に対し営業利益+8.8%で、営業利益率は約196bp改善
- 純利益率25.2%と高水準だが特別損失で改善幅は限定、純利益は+3.4%
- ROE 8.2%、ROIC 10.2%と資本効率は良好、レバレッジ依存度は低い
- 流動比率246%、ネットキャッシュ基調で財務耐性は極めて高い
- 営業CF未開示のため利益の質評価は保留、次回開示が重要
- 配当性向41.4%と持続可能、追加還元余地はキャッシュ創出次第
注視すべき指標:
- 営業キャッシュフローおよびフリーキャッシュフローの動向
- 特別損失の内訳(減損・修繕・災害等)と再発可能性
- 開催スケジュール・稼働率・客数/単価のトレンド
- 固定費(人件費・エネルギー・修繕)の伸び率と販管費率
- ROICの維持(>8%)と新規投資の資本効率
- 配当方針・自己株式の活用有無
セクター内ポジション:
国内エンタメ・レジャー同業と比較して、利益率・財務健全性は上位、ROEは保守的資本構成により中位〜上位、キャッシュ創出の継続性確認が進めば総還元余地で相対優位が高まるポジション。
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